REPORTメトロイドフュージョン
GAME BOY ADVANCE
2003年2月14日発売発売:任天堂  

  FC『メトロイド』、GB『メトロイドII』、SFC『スーパーメトロイド』に続くシリーズ第4弾で、 GBAでは(というか、特に任天堂のGBAアクションゲームとしては珍しい完全新作となっている。
  ちなみに、この「メトロイド」シリーズで自分がマトモにプレイしたのは『スーパーメトロイド』のみ。


  主人公「サムス」は、とあるバイオテクノロジー会社の生態系調査隊の警護任務で かつてメトロイドの巣窟であった惑星「SR388」に再び足を踏み入れることになったんだけど、その任務の途中、謎の生物「X」に寄生され生死をさまようことになる。 メトロイド細胞から作り出したワクチンでなんとか一命を取り留めたサムスの元に、 SR388からサンプル生物を運び込んだバイオテクノロジー会社の宇宙ステーションで謎の爆発事故発生というニュースが。 妙な胸騒ぎをおぼえたサムスは、その宇宙ステーションに乗り込むのだった・・・というのが話の導入。

  ゲーム形式は当然のように、 AのジャンプとBのショットが基本となるサイドビューのジャンプアクションシューティングで、そのベースは『スーパーメトロイド』から変わってない。
  レバー下2回で行う球状の「モーフボール」形態への変形がこのシリーズの象徴で、 狭い場所をモーフボール状態で通過したり、モーフボール状態でBで爆弾を設置してブロックを壊したりする。
  基本アクションとして追加されたのは、ハシゴを登るアクションと足場の淵に掴まるアクションくらいか。 ハシゴといっても、要するに登れる壁みたいな存在で、そこに掴まってる最中にも8方向にショットが撃てるし、 ハシゴの反対側にレバーを入れながらジャンプすると、そちら側に大きくジャンプしてくれる。 このジャンプは足場の淵に掴まったときも同様に可。共に空間的な動きということで、良いアクセントになっている。
  一方、特殊能力の中で目新しいのは、終盤でゲットする「スペースジャンプ」くらい。 これは、回転ジャンプの落下中にもう一度回転ジャンプができるという能力で、 意外にタイミングがシビアで戸惑うものの、慣れてくると延々と上昇することができる。
  アクションゲームの名作として知られているシリーズだけど、その基本的な操作感は、意外にクセが強い。 レバーを押さずにAを押した普通のジャンプと、左右にレバーを入れてAで行う回転ジャンプの使い分けがビミョーで、 ジャンプ中の動きは若干クセがあるとか、回転ジャンプ中にレバーを上に入れてしまうと、回転が止まってしまい落下してしまうとか。 さらに、Lで斜め上に銃を構える(L+下で斜め下に銃を構える)という操作も、ちと使い難さを感じさせる。 これはシリーズの伝統からは外れるのかもしれないけど、Lでサムスが動かないように固定するとした方が、わかり易いと思うんだけどな。
  特殊能力を得て行動範囲が広がって・・・という流れは、「ゼルダの伝説」シリーズなんかと同様で、 家庭用非ステージクリア型アクションゲームの王道と言えるだろうし、さすがに「上手いな〜」と思わせられる作りもところどころにある。 ただ、このゲームは「ナビゲーションルーム」で指示を受けながら行動することになるので、どうにも自分で探索するという感覚が弱く、 “あっちいけ、こっちいけ”という指示で右往左往させられる感覚が強いのがちょっと痛い。 切迫したシチュエーションなのに、妙にゲームっぽいマップ構成(あからさまに脱出ルートが用意されてる等)も、2Dゲームの限界はあるとはいえ、やっぱり残念。
  そもそも、本作はちょっとマップが小ぶりな印象。 ゲットした特殊能力を自然と試させるようなマップ作りは非常に上手いものの、各種能力を使いこなすような場面が十分にあったかっていうと結構疑問だ。
  ボス戦の内容自体に際立ったものはないけど、初めて戦ったときはギリギリで死んでしまったりして、 攻撃パターンを把握して再挑戦すると大体倒せるというバランス感覚は非常に上手いと思う。
  細かいところでは、 現在のエネルギータンクの残りエネルギー(体力)&所持しているエネルギータンクで示される(おそらく伝統的な)体力表示も、 特にダメージを受けたときにそのダメージ量が直感的にわかり辛く感じられたな。

  そんな中、このシリーズ最新作の最大の特徴は、むしろ、よりドラマチックになった各種演出にあると思う。
  オープニングからドット絵キャラとスクロールを用いたドット絵的なイベントシーンが実に凝ってて、非常に楽しい。 ゲーム中にも同様のイベントシーンや、一枚絵でサムスが語りだす場面があったりと、 2Dならではのイベントシーンがなかなか凝ってる。 また、通常のゲーム画面に組み込まれた演出もやはり凝ってる。
  ポリゴン全盛の時代になって、 とかくゲームに演出が求められる傾向が強かったわけだけども(また、それは否定的に語られることが多いわけだけども)、 そういう方向性が2Dゲームに上手に組み込まれた結果だと思う。
  惜しむらくは、イベントシーンの量にムラっけがあることか。 中盤以降にももうちょっとサムスの独白シーンがあっても良かったんじゃないだろうか。
  で、そういう凝った演出で描かれる物語なんだけど、 これが擬態という面白いネタを扱った割にはイマイチで、話の筋にヒネリがなく、最後のオチにもキレがない。勿体無い。
  ちなみに、ラストはゲーム的にも緊張感に欠け、ラスボス戦も淡白で、いまいちテンションが上がらず。

  自分のノーマルのクリア時間は約5時間(ちなみにアイテム収集率は58%)で、プレイ時間的にも若干小ぶりな感じ。 ただ、エンディングは1つだけじゃないという話もあるし、 難易度セレクトのイージー、ノーマルの下にはスペースがあったりと、さらにやり込む余地があるような気配もアリ。
  最後になったけど、地味ながらも音楽は非常に良かった。決して強く印象には残らないけど、場面を上手に盛り上げてくれる。


  「メトロイド」なりに面白かったわけで、 どう転んでも佳作以上の評価は間違いないゲームだと思うけど、どうにも小粒な印象は拭いきれず。 こういう路線で演出に凝るんだったら、もうちょっと演出重視でも良かったんじゃないかな。 確かに、ここらへんの塩梅は難しいところなんだけど。

2003年2月27日記載