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GAME CUBE [海外]
2002年8月6日発売発売:Acclaim  開発:Z-Axis  

  そのタイトルからもわかるように、インラインスケートを題材にしたトリック系アクションゲームで、 作ったのは「Dave Mirra Freestyle BMX」シリーズなどを手がけたZ-Axis。


  とりあえず、大まかにはインラインスケート版「Tony Hawk's PRO SKATER」(以下「THPS」)と思ってもらって間違いない。 幾つかの課題が用意された箱庭っぽいステージを滑り、課題の進行具合によって次のステージが出現したりするし、ゲームの進行によってキャラの能力が上昇したりする。 視点はガッチリと操作キャラの背後に固定されているタイプ。 左スティックの左右で旋回、下でブレーキ、Aを押すとしゃがんで離すとジャンプというのが基本的な操作で、 Yは足場のエッジをズサーッと滑っていくこの系統のゲームではお馴染みのグラインド操作なっており、グラインド中にはスティックでバランスをとらなければならない。 トリックはグラブ系もフリップ系もBに割り当てられていて、基本はグラブ系トリックで、 左スティックを2方向に入れてからBを押すと(例えば←→B)フリップ系、 3回入れると(例えば←→←B)より高度なフリップ系トリックを行うというものだけど、それもそんなに違和感があるわけじゃない。 地面でもスティックを上下に素早く動かすことで「Manual」トリックができるってのも同様。 また、Zボタンの「Cess Slide」は「THPS」でも確か3作目から導入されたrevertに相当し、トリックを終えて着地したときに押すとスタンスを変え、 そこからManualにトリックを繋げられるというもの(通常時もスタンス変更(というかスケートなので通常走行と背面走行の変更)に使える)。
  操作系での最大の特徴は、Xの「Action Button」の存在だろう。 これは場面によって内容が全く変わるボタンで、例えば、ステージ中の課題ポイントで押すと課題を受けることができたり、 railやramp、段差などの近くで走りながら押すと「Vaulting」というそれを飛び越える結構大きなジャンプをしたり、 pipeからpipeが無いとこに飛び出してしまったときなどに押すと地面に着地するように態勢をなおす「Bailing」をしたり、ポールの近くで押すとそのポールで大車輪をしたり。 それぞれ結構重要な操作となっており、特にBailingは「THPS」の不満点を解消したポイントでもある。
  そのBailingも含めて、「THPS」から改善というか改良されてる点は結構目に付き、 特に、よりガッチリと背後に固定された感じの視点は、やや落ち着き無く感じられる反面、プレイ感という意味ではよりプラスになってると思う。 ちなみに、Cスティックに割り当てられているフリールックは、見渡せる角度が狭く、イマイチ役に立たないんだけど。
  また、よりグラインド重視な調整になっている点も重要。 別に『ジェットセットラジオ』の影響を受けたわけじゃないんだろうけど、 「THPS」と比べて、グラインドできる長さ、グラインドからグラインドへの移り易さ、共にかなりラクに感じられる。 それゆえに、普通にプレイしてるときには、あまりmanualやrevertを使って空中のトリックを繋げてコンボにすることはあまり重要じゃなく、 とにかく長くグラインドできる場所でトリックを繋げることが、高得点を得る方法ということになりがち。
  「THPS」では制限時間内にステージをプレイするという形だったんだけど、このゲームで制限時間の代わりとなるのが「Juice Meter」関係のシステム。 このJuice Meterは時間と共に減っていくゲージで、これがゼロになるとゲームオーバーという形になっていて、 トリックをすると(その得点に応じた量)増え、逆に失敗してコケると大幅減、 ステージ中にある「Green Juice」「Purple Juice」でゲージ回復、「Yellow Juice」でゲージのMAXが増えるという仕掛け。 実際のところ、ある程度丁寧に滑ってればこれがゼロになることはないので、延々とそのステージをプレイし続けることができるようになってる。 「THPS」の制限時間制はあまり意味があるとは思えなかったので、 当然の形式変更と言えるのかも(ただ、「THPS」も4作目で変化したはずだけど)。

  そんな形でプレイすることになるゲーム内容は、なかなかよくできてる。
  チュートリアルステージ込みで全8ステージながらも、各ステージはかなり広めで、それぞれに20〜30個もの課題が用意されている。 んで、まずどれでもいいから8つの課題をクリアすると次のステージがオープンするという仕掛け。 さらに、各ステージにある隠しエリアは、どこか他のステージに隠れてる鍵をゲットしないと開かないという仕掛け付き。 ステージの作りも(色合いなども含めて若干地味ながらも)それぞれに特色があって、見所、ギミックなど良くできてるし、 課題の内容も悪くなく、その内容も文章だけじゃなく、場所を絵的に示してくれるてわかり易いというのもグッド。 フレームレートの安定度が高いのも嬉しい。
  ただ、このゲームの最大の特徴とも言えるキャラ成長要素の「Dynamic Attribute」システムが、個人的にはかなりイマイチだった。 各キャラには「Spin」「Grind」「Manual」「Jump」「Speed」「Fakie」「Wallrides」という7つの能力値があって、 その能力を使えば使うだけ能力が上がるというのが基本で、トリックを行ったあとにそれに応じた経験値が加算され、 それが一定数溜まるとレベルアップするという、RPG風な成長要素になっている (で、課題をクリアした時には各能力値にボーナス経験値がもらえる)。 ある程度の能力を得てからじゃないとクリアできないような課題もあるわけで、 遊べば遊ぶほど上手くなるというより、ある程度遊ばないと上手くならない、そんなマイナス印象の方が強く残る。
  ちなみに、プレイヤーキャラとしては、実名スケーターの他になぜか2人のギャルも登場し、 その乳揺れ&パンチラ全開というイロモノっぷりも、まぁ「THPS」にはない楽しさではある(顔がいかにも外人風で、あんまり可愛くないのが残念だけど)。
  なのに、このDymamic Attributeシステムの仕様によってと、 『THPS3』のように、キャラによって(僅かとは言え)課題の内容が変わるような仕掛けもないので、 結局、ひとつのキャラを使い込む気にしかなれないというか、ある程度遊んでからだと他のキャラに手を出しにくいのが勿体無いな。

  BGMはパンクっぽいのがメインで路線的には「THPS」に近い感じの曲をチョイスしてるものの、ちょっとムラが大きく、ノリがイマイチな曲もチラホラ。
  メモリカードの使用ブロック数が57と巨大なのも要注意。 ステージエディットのデータなんかは別枠にして、もうちょっとセーブデータを小さくする工夫をしてほしかった。

  操作感、ステージ&課題の内容など、 基本的な部分だけで言えば、少なくとも『THPS3』よりかは間違いなく面白いと思う。 改良した部分、追加された要素、共に良く考えられている。 ただ、RPGチックな成長要素であるDynamic Attributeのお陰で、ミョーなタルさが生まれてしまったのが残念。

2003年3月23日記載