REPORTマズルフラッシュ
Xbox
2003年2月27日発売発売:ビクター・インタラクティブ  

  たまにあなどれないゲームを輩出するビクターインタラクティブ(ってなことを言ってたら、とうとうゲームから撤退してしまったようだけど)が贈る、 XboxLive対応のリアル系ミリタリーシューティングゲーム。 当初はXboxLiveと同発のFPS風シューティングとしてそれなりに期待されてたものの、 発売が伸びてしまい、タイミング的にもなんだかビミョーな感じのリリースとなってしまった。
  諸々の事情からオンラインプレイは機会を思いっきり逃してしまい、 とりあえず、オフラインをひと通りプレイしたのみの感想ということに。


  基本操作は、左スティックで前進後退&左右平行移動、右スティックで旋回も含めた視点操作、右トリガで射撃というFPSとしては一般的なもの。
  特徴的かつ重要なのが、Lトリガによる自動照準と、十字ボタンによる姿勢操作の使い方になってる。
  このゲーム、キャラを背後から見る第三者視点がデフォルトで一応主観視点にも変えられるというスタンスなもんで、 実は、狙撃を除けばあまり自分で狙いを付けて撃つというゲーム内容にはなっておらず、 有効射程範囲内でLトリガを押すと自動的に照準の近くの敵に狙いをつけてくれるという仕様になっている。 一応、手動で狙いを付けて撃つこともできるけど、少なくともオフラインでプレイする限りは、これで十分 (というか、第三者視点で精密に狙うこと自体にムリがあるわけだし)。 逆に言えば、第三者視点と“狙う”行為を結びつけるのが狙撃にあたり、狙撃銃を構えると、画面全体がスコープ画面になるというのではなく、 画面右下に小さなスコープが表示されるという、ちょっと変わった形になってる。 雰囲気が出てる反面、表示されるスコープが小さめなこともあって、その狙撃できる距離は現実的で、 一撃で敵を仕留められるかという当たり判定はちょっと雑な感じ。
  一方の、十字キーによる姿勢操作は上下で立ち状態から伏せ状態まで4段階の姿勢変更ができるというのもの。 これにより攻撃される的としての大きさの変化はもちろんのこと、移動スピード、狙撃時の照準のブレの大きさ(&ブレの収まる早さ)も変わってくる。 面白い要素だったんだけど、全体的にちょっとファジーすぎた感があって、伏せ以外はあまり効果的にゲームに組み込まれてない感じを受ける。 もうちょっと姿勢によっての移動スピードの変化をハッキリさせた方がよかっただろうし、 その為には、立ち、屈み、伏せの3段階で十分だったはず。 ちなみに、十字キーの左右で視点だけが左右に動く覗き込み動作になるんだけど、 地形と視点の関係によってあまり覗き込めないことがあったりと、その覗き込み動作に安定感がないのが残念。
  他の操作は、Xでリロード、Aがハシゴを登るとかドアを開けるとかのアクションボタン、 Bでボム系アイテムの使用、Yを押しっぱなしにすると装備&アイテムセレクト画面という内容。

  登場する銃は大まかに、基本装備のハンドガンの他に、狙撃銃(ちなみに初期装備)、アサルトライフル、マシンガンという4種類で、 持ち運べるのは弾数無制限のハンドガン+1種類となっている(基本的に、それを持った敵を倒すことによってゲットしていく)。 明らかに不便なこの仕様の良し悪しの判断は、それでも結構難しい。 ゲームを通して狙撃の重要度は結構高く、かといって乱戦となればアサルトライフルかマシンガンがないとキビしい。 アサルトライフルで敵を倒して先に進んだら遠くに敵がいたので、前に狙撃銃を落とした場所に戻って・・・ってなことになるわけで、 確かに面倒ではあるんだけど、逆に、それぞれの銃でそれぞれのシチュエーションをある程度戦わざるを得ない状況に追い込まれることは悪くない。 せめて、好きな場所で武器を捨てられるような仕様であれば・・・。 あるいは、XB『HALO』での手榴弾のように、アクセントになる要素が他にあれば・・・。
  一応、銃以外の武器としてその手榴弾と設置型爆弾があるにはある。 ただ、このゲームの手榴弾はかなり攻撃力が控えめな上、攻撃範囲も狭めで使いにくい。まぁ、ここらへんは対戦を考えてのバランス調整なのかもしれないな。
  他のアイテムはマップ、双眼鏡、暗視ゴーグル(ちなみに全て初期装備で途中でゲットするアイテムはない)。 前述の通り狙撃中のスコープの表示は小さいので、双眼鏡には結構お世話になる。 マップは、ある程度近くにいる敵が赤い点で表示されるというもので、 確かに助かるし、これがないとツラいのは明らかなんだけど、ちと意味不明。 作りの不十分さを強引にフォローした感があり。

  ゲームモード的に一人用のメインとなるのは「キャンペーン」。 長年緊張関係にある南米の架空の国「コーネリア」と「ガメリア」を舞台に、対テロ対策の切り札としてコーネリア軍に雇われた、 かつてガメリアで反政府レジスタンスの猛者として名を馳せた傭兵「レオン・スペンサー」が主人公となり、 テロのアジトに乗り込むものの、そのテロの背後には・・・という話。 その展開自体はベタながらも悪くなく、女性登場人物ゼロと男臭さ全開で、 主人公スペンサーがオヤジなのも良い(ちょっと甲高めな声は気に入らないが)。
  ステージは、トレーニングステージ、砂漠、雪山、ジャングル、炭鉱、要塞島の6つ。 と聞くと、かなり規模が小さく感じられるかもしれないし、実際ボリューム満点とは言い難いんだけど、 難易度がシビアで、とにかく各ステージが広いので、ステージ数から感じるよりはプレイし甲斐がある内容になっている。 例えば、雪山であるなら、建物が幾つもある基地がステージ中に2箇所あるほどだし、 特に見所なのは、実在の島をまるまるモデルにしたという要塞島で、 ビルが乱立し、それが複雑に繋がりあうマップの構造はなかなか素晴らしい。 描き込み具合も、その物量的なことを考えれば悪くない。 グラフィックの質自体はそう誉められたもんでもないけど、空気感は悪くないし、その物量が生きる場面(屋上から周りを見渡すとか)では「ほほぉ」と思わせるものがある。
  難易度もシビアで、複数の敵に囲まれるとアッという間に死亡する可能性があるので、双眼鏡で敵(特に狙撃兵)の動向を窺ったり、 聞こえてくる敵の無線をヒントに、敵が集まってきそうだったら場所を移ったりと、とにかく各個撃破を基本にチビチビと攻略していくことになる。
  その結果として、ひとつのステージのプレイ時間は(最初のステージから)かなり長めとなってしまった。 問題は、ステージ内ではセーブされる機会がないこと。 途中にイベントシーンとか挿入されてシチュエーションが変わったりするんだけど、ステージ内で死んだらまた最初からプレイし直すことになる。 特に最初のプレイでは30分以上は間違いなくかかるし、下手すりゃ1時間以上なんてことも。 ステージ間に区切りがあっても良かったんじゃんじゃないかねぇ。 本来は、難易度変更などでプレイヤーに選択させると良かったと思うんだけど。
  全体を通して考えたときに、最初のステージの敷居が高いのも気になるところ。 砂漠ということで逃げ場がない厳しさがあるし、見た目的に一番地味なもんで、いきなりこれだとプレイヤーをゲンナリさせてしまう可能性があるんじゃないかな。
  にしても、もうちょっと遊び心がほしかった。 具体的には、インタラクティブな仕掛けが少なすぎたと思う。 アクションボタンの使い道が、ハシゴの上り下りと(一部の部屋の)扉の開け閉めだけというのでは寂しいし、 爆弾や銃撃に反応するオブジェが爆発するドラム缶程度なのも物足りない。 2回ほどあるボス戦が、何か仕掛けを使って倒すとかじゃなくガチンコ銃撃戦なのに、 こっちがウロウロと動いてればほとんど被弾しないという、全く面白みがない内容なのもかなり問題。
  “フィールドは用意したからあとは戦ってくれ”というスタンスにしては、敵AIが貧弱なのも気になる。 確かに無線を使ったやりとりで味方を呼んだりするんだけども、特に近い距離ではどうもやる気が感じられない。 システム的に対応できてない(プレイヤーが対処しようがない)からなんだろうけど、移動しながら全く弾を撃ってこないってのは・・・。 よって、相手が一人なら、撃とうとして立ち止まったところを逆に射撃で万事OKなんだよなぁ・・・。 幸か不幸か敵が手榴弾を使うことはなく、武器のバリエーションもないなら、戦い方にもバリエーションがないということになる。 地形に引っかかってしまうことや味方を誤射で撃ち殺してしまうことも多いその敵AIにしてもそうだし、 自分の操作にしても、ちょっとした段差が乗り越えられずに往生したり(姿勢を伏せにすると乗り越えられたりするんだけども)、 主観視点で壁に突っ込むと壁が透けてしまったり、どうにも作りがな感じなんだよなぁ・・・。 オマケにフレームレートも不安定だ。
  作りが雑な上に遊びの幅的にも物足りなさが・・・とはいえ、題材なりの最低限の楽しさはある。 非力な主人公でビクビクかつチビチビとマップを進んでいくのは楽しく、広大なマップ自体はよくできてると思うし、狙撃の楽しさもある。 誉められたデキじゃないけど結構楽しいという、丁度、DC『Spec Ops II』みたいな感じかな。

  それ以外の一人用モードとしては、クリアタイムが規定された全30ステージからなる「アディショナルミッション」がある。 3分くらいで終わるターゲット狙撃ステージなどが多いんだけど、後の方では(広大な)ステージ内に散らばった敵を50人倒すという2、30分かかるようなステージも。 キャンペーンとはスタート地点が違ったりする(例えば進行方向が逆だったりする)長丁場なステージは楽しいんだから、 キャンペーンの物足りなさを補完する意味でも、もうちょっとここを充実させてほしかったところ。 また、せっかくだからスペンサー以外のキャラでもプレイできるようにしてほしかったな。


  対戦重視なのはわかるけど、素材は悪くなかったんだし、狙いも面白かったんだから、 シングルプレイにも、もうひと味、ふた味、遊び心が欲しかった。 つか、対戦重視ならXbox Liveのローンチを外しちゃマズいだろうに・・・。

2003年3月31日記載