REPORTAdvance Wars
GAME BOY ADVANCE [海外]
2001年9月10日発売発売:Nintendo  開発:Intelligent Systems  

  最初は国内でも『ゲームボーイウォーズアドバンス』として2001年10月12日に発売予定だったんだけど、 米国同時多発テロの影響でか発売延期となり、 結局国内ではそのまんま出る気配がなくなってしまったという、「ファミコンウォーズ」シリーズの最新作。 開発は「ファイアーエンブレム」シリーズで有名な(そして『パネルでポン』なんかも作った)インテリジェントシステムで、 当然のように、実際に開発したのは(“ローカライズ”を除けば)日本人ということになる。
  ちなみに、自分はこのシリーズ初体験。


  その内容を簡単に言うと、PC88『スーパー大戦略』あたりの「大戦略」を簡素化し、 バランス調整を行い、独自のフィーチャーを加えたような戦術シミュレーションゲーム
  ターン制で、自分のターン中に各ユニットの生産・移動・攻撃などの行動を行い、 ターン終了すると相手のターンが始まるという形式だし、フィールドはヘックスではなくスクエアで構成されているものの、 移動、近接攻撃、遠距離攻撃、占領、補給などの概念はほぼ「大戦略」のまんま。 各陣営とも使用できる兵器のラインナップは共通で、その内容も、偵察車両「Recon」があったりすることを除けば、『スーパー大戦略』なんかと極めて似ている。

  このゲームのわかり易い独自性となると、まずは各「CO」(司令官)によって特殊能力があるというところだろう。 ユニットを破壊されると溜まっていく「CO Power Meter」がMAXになったときに各COが必殺技的な「CO Power」を使うというのもあるし、通常時の能力に変化があったりもする。 例えば、主人公「Andy」は、特殊能力は無く、全味方ユニットのHPを1回復する「Hyper Repair」というCO Powerを持つし、 「Grit」というキャラは、間接攻撃の射程が1長く、その代わり近接攻撃が弱くなっており、 さらに間接攻撃の射程を1延ばす「Snipe Attack」というCO Powerを持っている、などなど。 メインとなる「Campain」モードでは、プレイヤーは最終的に3人のCOから一人を選んでプレイする場面が多くなるので、プレイヤーの個性も生かせるし、もちろん、敵COの多彩さも魅力。
  地味ながらもかなり印象が変わるのが、必ずしも生産体制があるステージばかりではないというところ。 生産できるステージと生産できないステージは半々くらい、あるいは生産できないステージの方が多いくらいかもしれない。 生産できないステージは必然的に短期決戦となるので、全体を通して考えたときにこのテのゲームにアリガチなダレを軽減する効果がある。 逆に生産できないステージを基本に考えると、生産できるステージは良いアクセントになるわけで。
  さらに、独自の索敵的な要素として「Fog of War」というシステムが適用されるステージもある。 これは、各ユニットごとに設定された索敵範囲内の敵ユニットしか見えないという状態で、移動中に敵ユニットにぶつかってしまうと、戦闘を行えないまま行動終了となってしまう。 また、森にいれば索敵範囲内でも敵ユニットに隣接されない限り発見されない(攻撃ターゲットにされない)とか、 歩兵ユニットが山のマスに止まると索敵範囲に+2のボーナスが付くというのも面白い。 ただし、このFog of War、生産体制があるステージなら特に問題はないものの、前述の通り、このゲームはむしろ生産できないステージが多いわけで、 それとFog of Warが組み合わせられると、どうにも行き当たりばったりで試さなくちゃならない場面ができてきてしまうのがイタかった。 一度試してプレイして敵の状況を把握して、もう一度プレイし直す、と。
  もちろんこれらの追加要素も良かったんだけど、何より良かったのは色々なバランス調整だと思う。 実際、戦闘のバランス調整だけでも、「大戦略」とはかなり印象が違う。 特に目立つのが“先攻重視”で、同じユニットであれば、先攻したほうが7:3くらいのイメージで有利な感じだし、 車両に対する重歩兵、ヘリに対するヘリなど、よりその傾向が強い組み合わせもある。 そして、ちょっとでも数が減ってる状態だと一気に殲滅されてしまうような感じもある。 他にも、かなり相性による差が大きく、相性が悪い相手から攻撃を受けると思いっきり大ダメージを受ける。 などのバランス調整によって、このテのゲームにありがちな間延び感が軽減されることになったわけだ。

  かなり丁寧なチュートリアルになっている「Field Training」の存在も評価したい部分。 これは全13ステージのチュートリアルで、プレイヤーが司令官として就任し、このチュートリアルを経て、 本編となるCampaignでは主人公Andyたちと一緒に戦うことになる、というように、ここもちゃんとストーリーの中に組み込まれてる作りには好感が持てる。 正直、丁寧すぎて鬱陶しい部分が無きにしも非ずなんだけども、ここでいわゆる「大戦略」との違いを体感できるようにもなってるので助かるといえば助かる。
  ちなみに、その後のCampaignは全18ステージ。 気になったのは、前述のFog of Warを除けば3つの軍隊を操作してラスボス軍を倒すというCampaignの最終ステージくらい。 その形式や、敵ボスのキッツイCO Powerは結構なんだけど、3つの軍を操るのに、味方の軍が占領した街は占領することができず、 ユニットを回復させる拠点(=街)を自由に設けられないのはちょっと頂けなかった。 であるなら、同盟軍都市でもユニットを回復できるようにしてほしかったな。 で、Campaignクリア後には「Advance Campaign」モードが選択できるようになるんだけど、 どうやら、ストーリー、相手CO、マップといったゲームの流れはCampaignと変わらないらしく、単なる高難易度版というのがちょっと残念だったな。
  また「War Room」という単発のCPU対戦ができるモードも用意されており、 ここで遊べるマップや、ここで自分が使えるCOなどを、Campaignなどで得られたコインを使って購入するという仕掛けになっている。 さらに、自分は未体験ながらも、本体1つでの対戦、複数本体&ソフトでの対戦、複数本体&ソフト1つでの対戦もサポートされているし、 マップ製作や、通信でのマップ送受信なども用意されている、と、総合的なコンテンツ量はかなりのもの。 Campaignモードをクリアした時点でも、自分のRank(総合的な進行度を表すらしく、数字が低いほど高ランク)は90・・・。

  地味ながらもグラフィックも良く描けてる。 特に戦闘時のグラフィックは、どのユニットも1軍団で体力は10なんだけど、 戦闘時の絵的にはそのほとんどが最大で5台にしたというのが、地味ながらも上手い発想だった。 よって、各兵器が結構大きく描かれれることとなり、 その細かい動きであるとか、各陣営ごとの兵器の描き分けが十分に生かされることとなった。 戦闘のテンポも良く、結局最後まで自分の戦闘アニメはONでプレイ、 というか、実は終盤までは敵の戦闘アニメもONでプレイしてたくらい。
  最後に英語版ということで英語について。 当然音声は無いし、リアルタイムに英語を要求される場面はない。 基本ルールさえ把握していれば、ゲームプレイ中に英語が必要となる場面もほとんどない。 それでも、チュートリアルであるとかセリフで説明される場面は多いので、最低限の英語力はあった方がベターではあるか。


  プレイするまでは“タイニー版「大戦略」”あるいは“「大戦略」の二番煎じ”くらいにしか思ってなかったんだけど、 細かい調整だけでこうも面白くなるのか、かなり驚かされた。 キャラも日本のアニメチックで違和感がないし(つか、国内のメーカーが作ってるんだから当然といえば当然なんだけども)、 なんでコレが国内未発売なんだろ? 謎だ。 思わず、同社開発のGBA『ファイアーエンブレム 封印の剣』も買っちまったい。

2003年4月12日記載