REPORTBlood Omen 2
GAME CUBE[海外]
2002年12月9日発売発売:Eidos Interactive  開発:Crystal Dynamics  

  『ケイン・ザ・バンパイア』から始まった「Legacy of Kain」シリーズの第4弾にして、 初代『ケイン・ザ・バンパイア』(原題『Blood Omen: Legacy of Kain』)の続編・・・というか、ケインを主人公にした「Blood Omen」シリーズ、 ラジエルを主人公にした「Soul Reaver」シリーズ(『Legacy of Kain: Soul Reaver』『同2』)という位置付けなんだろう。 初代から200年以上も後の話ということで、共通するキャラクターこそ何人かいる(バンパイアは基本的に不老不死らしい)ものの、 世界の文化レベルは随分変わったし、何よりゲーム内容が全く別モノになってる。


  『ケイン・ザ・バンパイア』のエピソードの後、ケインはバンパイアの軍団を率いて、Nosgothの地を支配する。 そこに謎の人物the Sarafan Lordが率いるSarafan軍団が現れ、度重なるバンパイアとの抗争の末、とうとう、ケインはthe Sarafan Lordに倒されてしまう。 Sarafanに抵抗するバンパイアのレジスタンスの一員であるUmahに発見され、ケインの肉体が復活したのはそれから200年以上も経ってから。 んで、ケインは(また)復讐の旅に出る、そんなストーリー。

  これまでのシリーズが全て、“新しい能力を得て行動範囲が広がって・・・”という『ゼルダ』タイプのアクションRPGという作りだったのに対し、 本作はステージクリア型のアクションゲームになってるというのが一番驚いた部分。 ゲームのテンポそのものはいわゆるアクションゲームってほど激しくはなく、これまでのシリーズと似た感じではあるんだけど、 一本道のステージをずんずんと進んでいき、最後にボスを倒して次の章へ、というのが大まかな流れになる。
  視点的にも「Soul Reaver」シリーズとは違い、主人公の背後にガッチリと固定されているタイプで、 Cスティックによる視点操作は、その仕様上、視点を動かすというよりも周りを見回す時に使うという感じの操作になっている。
  通常の操作はAでジャンプ、Bはドアを開けるなどのアクションボタンで、 戦闘はRトリガを引きながらの「Autoface」モード(要するにロックオン)が基本となり、 Autoface時には敵を中心に動き、スティック左右+Aでサイドステップ、Bでアタック、Lトリガで防御。 つまり、Autofaceモード以外では攻撃できないということになるわけだ。 この系統ではお決まりの、崖っぷちに掴まり、ヒョイっと上の足場に上るアクションもあるものの、出番はそう多くないというか、使える場所が限られている。

  一応、このゲーム独特の要素となるのが、吸血鬼ケインの特殊能力「Dark Gifts」の数々。 「Mist」「Fury」「Junp」「Charm」「Telekinesis」「Berserk」「Immolate」の全7種あり、Zを押しながらスティックで選択し、Xで発動するというもの。 MistとFuryは最初から使える能力で、それ以降のgiftは、重要な敵ボスを倒したときに順次得ていくことになっている。
  Mistは、足元に霧が発生してる特定の場所で、自らが霧となり、敵からみつからなくなるという能力。 で、敵の背後に近づき攻撃を押すとPS『天誅』ばりの一撃必殺攻撃を繰り出す。 とはいうものの、敵の行動の隙を突かなくちゃならないような本格的なステルスアクションではないし、 戦闘自体が淡白なお陰で、一撃で敵を倒した時のありがたみは薄いし、何より、特定の場所でしか行えない、 つまり、用意された“暗殺してくれシチュエーション”でしか行えないということになり、ゲーム的に面白い要素とは言い難い。 あくまでも、武器の種類によって変化する一撃必殺の演出を楽しむための要素と言えるだろう。
  Jampは、ロングジャンプ能力。 能力を発動して、出現するカーソルを操作して落下地点を決め、もう一度発動するとそこまでの大ジャンプを行う。 これも意外に自由度がなく、カーソルが紫色になる場所にしか飛べないものの、 設定されている場所に限ればかなり遠くまで飛ぶことができ、飛べそうなところを見つける楽しさや、演出的な楽しさはある。
  Charmは、初代にもあった人間憑依能力。 ただし、このゲームでは敵は操作できないし、一般人にしても、明らかに“操作され役”的な位置にいる人間しか操作する機会がないし、 その人間を操作してても“ゲーム的にそれ以上離れちゃイカンよ”ってとこに達すると(絵的には全然進めそうなのに)透明な壁に遮られて先に進めなくなったり、 勝手に憑依が解けてしまったり。 魅力的な能力の割に、面白いシチュエーション、使い方は無かった。
  Telekinesisは、その名前から想像すると物体の遠隔操作なんだけど、 実際は緑色の特定のスイッチを離れたところから押せるだけの能力(あとは一部のボス戦で使うだけ)。
  残りのFury、Berserk、Immolateの3つは似たような攻撃用能力で、 敵の攻撃をガードすることで「Rage Meter」が上昇、それが一定以上溜まっている時に発動すると、強力なガード不能攻撃を繰り出すというもの。 順に、必要なMeterが多くなり、ダメージが大きくなる(Immolateはゲージ全てを消費して、(ボスを除いて)即死させる)。

  このゲームでは、こちらの通常攻撃は結構防御されてしまう。 唯一、ガード不能攻撃をサイドステップで避けたときのみ確定で攻撃がヒットする (逆に言うと、通常攻撃を避けてから攻撃してもガードされてしまうことがある)ようなんだけど、 (ある程度敵の種類にもよるが)そんなにガード不能攻撃の頻度が高いわけじゃない。 そこで、ガードしてゲージを溜め、ゲージがたまったらガード不能攻撃、というのが、特に中盤以降になると多くなってくるわけだ。
  ガードするには敵の攻撃のタイミングに合わせてガードボタンを押さなくてはならず、 3〜4発のコンボ攻撃が基本になってるので、そのタイミングを計ってある程度テンポよくガードボタンを押し、 敵がガード不能攻撃(赤いエフェクトが付く)を出してきたらサイドステップで避け・・・というのが基本的な流れ。 システム的にあまり多数の敵を相手にするようにはできておらず、実際に、3人以上の敵に囲まれることはまずない。 敵の攻撃バリエーションも少ないし、こちらの攻撃バリエーションも少なく、 ゲージが溜まるかたまたま攻撃がヒットするまで、ガード&攻撃を繰り返すだけの内容。 要するに、戦闘自体は全くもって面白くない。 ある程度そういう自覚があるのか、オプションで防御モードを「Assisted」に変更することによって、ガードボタン押しっぱなしでもガード可にでき、 ガード不能攻撃を避けるだけという淡白な戦闘になる反面、面白くない戦闘に必要以上に手こずることがないようにもできる。 確かに、ある意味救いではあるんだけども・・・。
  で、敵を倒したら吸血タ〜イム! ・・・敵を倒したら? そう、初代『ケイン・ザ・バンパイア』では人を気絶させて生血を吸ってたのに対し、 このゲームでは生血は吸えず、あくまでも敵を倒した後に行うようになっている。ちと寂しい。 ちなみに、初代は設定上敵は概ね人間だったんだけど、本作では割とゲテモノ系の敵も多く、そういうやつらの血もお構いなしで吸い上げる。 巨大蜘蛛から血を吸うってのはなぁ・・・。 その吸血は、首筋に噛み付きチュ〜ってんじゃなく、ここは初代同様、敵の腹からケインの口元まで血の帯が出来るようにゴゴゴ〜と吸い込むもので、 血を吸ってるときにはビクン、ビクンと痙攣し、血を吸いきったらコテと息絶える敵の様は、 リアリティーの欠けるキャラのモデリングとあいまって、残虐な快感よりも、笑いを誘う

  このゲームのグラフィック、特に背景は良く描けてると思う。 中盤を過ぎたあたりのいわゆる“地獄”的なステージの雰囲気は、このシリーズとしては唐突な感じがするし、 『Shadow Man』ほど徹底されたとこもないけど、グラフィック&サウンド共にグッドだった。 が、中途半端な視点の高さ(もうちょっと視点を下げた方が、リアルなスケール感を体感できたと思うんだけども)、 そして何よりチャチなキャラクターのモデリングが足を引っ張って、全体的な印象は若干イマイチ気味。 デザイン自体は良いのに、それが全く生かされていない。 海外ゲームにしては良く動くイベントシーンで、キャラの表情の変化などもそんなに悪くないんだけども、 ミョーに目がデカいデフォルメ気味のモデリングが、なんだか場違いな感じ。
  吸血鬼ケインは時間と共に体力を消費していくので、吸血して体力を回復しながら進まなくてはならない。 なのに敵の数は固定、となると忙しげなものを想像するかもしれないけど、実際のところは時間による体力減少が足かせになるような場面は皆無。 なぜなら、移動の自由度が低く、行動範囲が狭い上に、行えるアクションの自由度も低く、行動の幅も狭いから。 要するに、詰まるような場面が(要素が)ないということになる。 目の前のスイッチを押していき、ボケッとしてる人がいたらCharmで遠隔操作、 緑色のスイッチがあったらTelekinesisで押して・・・と、道なりに進んでいくだけの部分がほとんど。

  どうもこのゲーム、色々と飾りが多いというか、飾りになっちゃってる部分が多いんだよな。
  前述の通り、特徴的であるはずのDark Giftは、その使い方に全く自由度が感じられず、丸ごと飾りのようなもん。
  結構色々と用意されている武器も(ガードが基本のゲームなのに)割とすぐに耐久度がなくなって壊れてしまうし、 逆に、武器による性能的な恩恵も(一部は高い攻撃力を実感できるけど、特にリーチ&攻撃速度では)ほとんど感じられず。 だからか、セーブして中断したところから再開すると、持ってた武器が消えて必ず素手状態でのゲーム開始となる。
  『ケイン・ザ・バンパイア』の時は体力回復係として重宝した人間も (ちなみに、鎖に繋がれている人間の「ヘルプ・ミー・・・」の声は初代と同じというファンサービス有り)、 今回はその回復量が敵からの吸血に比べると微々たるものになってしまい、 かといって、“一般人の血を吸えば吸うほど、一般人から恐れられるようになる・・・”みたいな要素もナシ。
  もちろん、最低限のゲームらしさはある。 一応、随所にパズル的な要素を取り入れようとしてる気配は感じるし、極一部にしてもアイデアの良いパズルもある。 戦闘も、オートガードをオフにすれば、(面白いかどうかは別にしても)それなりの鷹揚が出てくるし、 ガチンコ勝負じゃなく、必ず何らかのアイデアを盛り込む各ボス戦の作りも悪くない。 それでも全体的な印象としては、“イベントシーン重視、その合間にアクションシーンがある”、 そんな感じのゲームになってしまっている。

  で、そのストーリーは、 これまでのシリーズでも対バンパイアの象徴として描かれてきたSarafan Lordの正体が明らかになるというのが一応大きなポイントか。 なんで“一応”かっていうと、別に過去のシリーズとリンクして謎が明らかになるわけじゃないんで、 「なんだか後からとってつけた臭いな・・・」という感じが拭えないからなんだけども。 とはいえ、『ケイン・ザ・バンパイア』からの付き合いとなる「Vorador」や、 これまでも話には出てきていた伝説の世界最古のバンパイア「Janos Audron」が現れ、話に華を添えてくれる。 単純に“ワル”の一言では片付けられない主人公ケインのキャラも良いし、これまでのシリーズをプレイしていれば、結構楽しめるんじゃないだろうか。
  ただし、セリフに頼りがちなのもこのシリーズの伝統で、 アクションよりもセリフ重視のイベントシーンは、(字幕が出ないこともあって)結構キビしかったりも。 「Soul Reaver」ほど話が込み入ってるわけじゃないんで、まだマシっちゃマシなんだけども、 ここ以外に楽しむポイントが少ないゲームなだけに、最低限のヒアリング能力は欲しいところだ。


  んまぁ、今回は特にファン向けって感じの内容になっていて、 (前作『Soul Reaver 2』から既にそういう傾向はあったんだけど)肝心のゲーム部分がいよいよスカスカになってきてるのが気がかりだ。 でも、通してプレイしているシリーズだけに、それなりに愛着が湧いてるのも確かで、次が出たらまた買っちゃいそうなんだよなぁ・・・。 とりあえず、次回の奮起に期待ということで。

2003年4月21日記載