REPORTRayman 3: Hoodlum Havoc
GAME CUBE[海外]
2003年3月2日発売発売:Ubi Soft  

  日本での知名度は皆無に近いものの、元がヨーロッパ生まれということもあって、 特にヨーロッパでの人気・知名度が高いらしいアクションゲームシリーズ「Rayman」の最新作。 とは言うものの、意外と日本でも発売されているシリーズでもあり、 SSで『レイマン レイマンよ!エレクトゥーンを救え!』として発売されていた(確かPSでも出てたはず)2Dサイドビューのジャンプアクション『Rayman』、 DC『レイマン 海賊船からの脱出』、PS2『レイマン レボリューション!』として発売された3Dアクションゲーム『Rayman 2: The Great Escape』に続く、シリーズ第3弾ということになる。 海外では、GC&GBA(これは別物の2Dサイドビューアクション)を皮切りに、ほぼ同時期にPS2、Xbox、PCでマルチ展開を果たした。
  ちなみに、外伝的な作品としては、 同じくPS2/GC/Xboxのマルチ展開をした複数人対戦型ゲーム『Rayman Arena』などもちょっと前に発売されている模様。


  そのゲーム内容は当然のように3Dジャンプアクションゲームということになる。
  Bでロケットパンチっぽく手を飛ばす「フィストパンチ」攻撃、Aで髪をヘリコプターのように回すことでホバリングできるジャンプ、 Rトリガでロックオンor向きを固定したまま移動、Lトリガで主観視点モード、そこらへんの基本操作は前作とほぼ同じ。
  ただし、このゲームの視点操作は、カメラリセットは利かないことがあるわ、 Cスティックによる視点操作も動きがモッサリとしてるわで、実に使いづらい。 前作はこんなんじゃなかったはずなのに・・・。 そもそも、このゲームの視点操作はCPUが勝手に調整したがる傾向が強く(完全にCPU任せな場面もある)、 通常の3Dアクションゲームとはちょっと勝手が違い、特に自前で視点を操作しながらプレイしようとすると非常にストレスが溜まるというわけ。 例えば、“自分はあっちを見たいのにCPUはこっちを見せたい”なんていう場面で、視点操作が不安定になったりする。 そういう意味では、(ゲームのテンポこそ違えど)DC『ソニックアドベンチャー』なんかに近いかもしれない。 その方向性の良し悪しは別として、現状としてそれで全てまかないきれてないというのが問題。 結構箱庭っぽい作りになってる場所も多いし、やっぱり自前で周りを見渡したいゲーム内容になってるわけだし、 視点が完全にCPU任せのシーンでは、遠近感や距離感が妙に掴みづらいことが多い。 ある程度割り切って、CPUに視点操作を任せる意識を持つとまだマシになってくるとはいえ、やっぱり不自由な感じは否めない。
  実は、その不自由さを増長してるのが、主人公レイマンの操作性にある。 というのもこのレイマンは、進行方向と180°逆に進もうとすると、軽く旋回するような動きをして振り向く。 つまり、かなり小回りが利かないのだ。って、ありえねぇよ・・・。 特に小さい足場では困るし、戦闘時の操作性にもやや難アリ。

  前作同様、Rトリガでロックオンモードになって敵を攻撃するはずなんだけど、 ロックオンモードじゃなくてもある程度向いてる方向の近くに敵がいればターゲットが付き、それを狙って攻撃してくれる。 残念ながらその仕様が操作性の向上に繋がっておらず、むしろロックオンの位置付けがビミョーになっちゃったという感じになってしまっている。 というのも、CPU任せな視点が多く、小回りが利かない操作性ということで、自分がどっちを向いてるか瞬時によくわからないことがあり、 Rトリガを押したときにどの敵をロックオンするかが曖昧なのがマズいんだろう。 せめて、ターゲットがついた敵をロックするようになってれば、まだマシだったんだと思うんだけどな・・・。 さらに敵の攻撃の当たり判定がわかりにくいので、特にザコ戦は非常に大味なものになってしまった。
  その上で、このゲームはそのザコ戦の比重が大きめなのがいただけない。
  このゲームは、体力が増える以外の恒久的なパワーアップがない代わりに、 5種類の缶をゲットすることで一定時間特殊能力を得られるという形になっている。 緑缶「Vortex」は攻撃がフィストパンチじゃなくミニ竜巻になるというもので、 高下駄みたいなのをつけた特定の敵を倒せるようになったり、特定の足場の支柱を吹き飛ばして、足場を下ろすことができるようになる。 赤缶「Heavy Metal Fist」は、フィストパンチにトゲが付くというもので、攻撃力が高くなり、特定の壁を破壊できるようになる。 青缶「Lockjaw」は、フィストパンチがチェーンに変化し、空中にあるわっかにそれを引っ掛けてプラーンとぶら下がれるようになるというもの。 これに似たような能力・操作は前作にもあった。 オレンジ缶「Shock Rocket」は手動で操作するミサイルを発射できるようになる。 ミサイルを真後ろから見る視点で操作して、大抵の場合、細いルートを潜り抜けてターゲットにヒットさせるように頑張ることになる。 黄缶「Throttle Copter」は、ヘリコプター能力が上がり、かなり高い位置まで上昇できるようになる。 この缶は、特定の敵を倒したり、檻を破壊して特定の「ティーンジーズ」を解放したりすると出現するので、 “その場にいるザコ敵を全て倒す→缶が出現→その缶の能力で進める場所を通って次の場所へ・・・”の繰り返しとなる。 よって、“能力を得ることで行動範囲が広くなり、前のステージでいけなかったところにも行けるようになる”みたいな流れは皆無、 探索要素はかなり弱めでかなり一本道な感じだし、大して面白くもないザコ戦の比重が大きくなってしまうというわけ。 ただ、個々の“どうやって缶を使わせるか”っていう展開自体はよく考えられてると思うし、ラストステージは結構シビアな内容でなかなか面白かったのが救いか。

  ゲームが一本道な代わりにというか、スコアアタック的な要素を持ってるのがこのゲームの特徴でもある。 ステージ内に散らばってる宝石を取ったり、敵を倒したときにスコアが得られ、 一定時間内にまたスコアをゲットするとコンボとなって、ボーナスポイントが得られるというというもので、 そのコンボによってそのステージで得られるスコアの上限は簡単には分からないようになってる。 このスコアはゲームの進行を左右するわけじゃなく、累計スコアによって、オマケゲーム、オマケムービーなどの要素がオープンするという仕掛け。 ちなみに、結構豊富なオマケゲームは、GBAとの連動があったり、絵的にも結構作りこまれてるという印象なんだけど、 ゲーム本編に挿入されるならまだしも、単独で遊べるような内容のものは見当たらず。逆にムービーはなかなか笑える内容で、一見の価値はある。 また、最終合計スコアでパスワードによるネットランキングなんかをやってる模様。
  そんなスコア要素なんだけど、それがゲームとして消化されてたかっていうと疑問が残る。 というのも、コンボが繋がる時間がビミョーに短く、意外に途切れてしまうというのが第一で、(宝石を小出しに取らないで一気に取るというくらいしか)工夫のし様がない。 また、パワーアップ中にはスコアが2倍になるという仕様のお陰で、ハイスコアを得るには、宝石をなるたけ取らないようにして、 パワーアップ缶を出現させたあと一気に取るという形になるので、一定まで進んでまた戻って・・・ということになり、面倒な上にゲームのテンポが崩れる。 ダメージを受けたときにスコアが減るというのも、余りにもビビたる量なもんで、トコトンまで突き詰めたスコアアタック以外では意味がないだろう。

  ボス戦などのイベント戦は、敵の攻撃が激しいわけじゃないのに、攻撃を当てられる機会が少ないことが多く、 難しくないのに時間・手間がかかるっていう場面が本当に多くてイライラさせられる。 ボス戦では大抵、体力回復のRed Lumが配置されており、それが時間と共に復活する、 つまり、時間をかければまずクリアできるという形になってるのが、その中途半端な作りを許してしまったんだろう。 そんなもん必要ない、というか、そういうものがなくても大丈夫なバランス調整が必要なはずだ。 アイデア自体は悪くないものが多かったので、バランス調整でかなり損してると思うな。

  前作から共通するキャラクターは主人公Raymanとその親友Globox、 最初にチュートリアルをしてくれるハエ「Murfy」くらいのもんで、ストーリー的に前作を知っている必要は全くナシ。
  突然、Raymanの世界の妖精「Red Lum」が次々と黒い「Dark Lum」に変化し、それが残虐なクリーチャー「Hoodlum」に変化、世界は大混乱に陥った。 その原因であるDark Lumの親玉「The Dark Lum Lord」の「Andre」に遭遇したMurfyは逃げ出し、 その途中にRaymanとGloboxに会うのだった・・・というのが物語の導入。 その後、Globoxが誤ってAndreを飲み込んでしまい、RaymanはGloboxを助けAndreを何とかするために、 Hoodlumの手をかいくぐりながら、各地の医者を尋ねていくことになる。 AndreはGloboxのお腹の中でピンピンしており、そのAndreとGloboxのやりとりが実に楽しい。 最初と最後だけ妙に饒舌なRaymanには若干違和感を感じたものの、 一緒に冒険することになる(そしてかなりしゃべりまくる)Globoxは愛嬌があっていい感じで、 前作同様、この世界の住人ティーンジーズたちも愛嬌があって楽しいと、キャラは総じて魅力的。 それも手伝って、イベントシーンとストーリー(というか全体のゲームの流れ)はなかなか良かったと思う。 ラスボスにちゃんと迫力があるのも○。
  グラフィックは極めて上質。 自分がプレイしたこのテのアクションゲームの中では一番綺麗だと思う。 PS2の海外発の同系アクションゲームもハイレベルだったけど、総合的な美しさという意味ではこのゲームの方が一枚上手だろう。 時折「おぉ」という幻想的かつダイナミックなとこがあったり、 単に技術的なことだけではなく、たくさんの色を使いながらもケバくなることがなかったりと、その背景は非常に美しい。
  音楽も良い。 前作のゴージャスな感じとはうって変わって、ディスコ風のBGMなどもあり、ポップ&クールな感じで上々。
  最後になるけど、英語は意外にキビしめ。 字幕がない上に全体的にかなり早口で、ヘンな訛りがあるキャラも結構いたりするので、苦労させられる。 それでゲームが詰まるということはないものの、キャラとその会話に魅力があるゲームなだけに、ちょっとツラい。 しかし、今回は音声の量が多いので、ローカライズされないで終わりそうだなぁ・・・ (前作のセールスも奮わなかったし・・・)。


  ゲーム的には期待ハズレ。 なぜか前作より大味な作りになっており、「こんなハズじゃなかったのに・・・」ってとこなんだけど、 グラフィック&音楽&キャラクターでかなり救われた感がある。 ダイナミックさとほのかな上品さが融合したこの雰囲気は、他のジャンプアクションゲームにはない魅力だろう。

2003年5月24日記載