REPORTRUNE II
GAME CUBE
2003年5月23日発売発売:フロムソフトウェア  

  「カルドセプト」のようにカードでデッキを組み、戦闘ではリアルタイムにそのカードを使うという発想は なかなか面白かった佳作『RUNE』の続編が登場。 特に海外で意外に好評だったらしく、GCのサードパーティのオリジナル作品としては、 あるいは初めてになるかもしれない続編タイトルとなった。


  デッキ、カードの概念、体力、魔力などは前作からまんま引き継がれているので、 そんなゲームの概要については前作のレビューを参照のこと。
  前作が、かなり習作な雰囲気漂う完成度だっただけに、本作では色々と変更点、追加要素がある。

  まずは変更点から。
  最大の変更点と言えるのが、いわゆるエンカウント方式が廃止となり、 フィールドと戦闘がシームレスになったということだろう。 前作にあった“戦闘にならないとカードが使えないので、障害物を壊したいのに壊せない”ってなこともなくなった(もっとも、そういう機会自体もなくなってしまったが)し、 ちょっと考えるとなかなか良い変更に思えるんだけど、かなり戦闘を避けられるようになってしまったり、 一度倒すと現れない敵も多く(逆に、敵がワラワラと湧いてくるシチュエーションが稀)、 ただでさえマッタリなゲームが、よりいっそうマッタリになってしまった感もある。
  視点操作の変更も大きい。 今回はCスティックの上下で、前作同様の見下ろし視点と、視線が下がった一般的な第3者視点のゲームのような視点を切り替えることができ、 後者の視点では、敵をロックオンして画面中央に捕らえ続けることもできるようになり、Cスティック左右は普通の視点回転になった (前作は視点が90°ずつ回転してた)。 この新たに用意された視点は一見便利そうなんだけど、実際は、この視点だと当然のように向いている方向以外のことがわかり難く、 そもそも操作感がモッタリしてることもあって、意外に使いづらい。 上下に視点を動かせないのもツラいところだし、場面によっては、この新たな視点で固定(というか前作の視点が使えなくなる)こともあり、 そういう場所に限って壁が邪魔になって自キャラと周囲の状況がわかり難くなったりと、どうも中途半端な印象が残る。 個人的には、視点は(左右回転を除けば)前作のまんまで良かったと思うんだけど、 変えるなら変えるで、もうちょっとしっかりと新しい視点に特化して調整してもらいたかったところだ。
  また、前作ではどのカードを使っても行えた「カードキャプチャー」 (瀕死状態の敵に対してカードを投げつけることで敵を捕獲できる)が、専用カードによるものになった。 専用カードは、買えば買うほど値段が上がっていくので気軽にキャプチャーはできなくなったし、カードキャプチャーで経験値を稼げなくなったのも意外に大きい。

  お次は本作からの追加要素。
  自分が一番の大きな変化だと思ったのは、「熟練度」というステータスの追加。 主人公はカードの属性ごとに熟練度というものがあり、使用したカードの属性の熟練度が上がっていく。 で、使用するカードのレベルが熟練度のレベルより高い場合、消費する魔力が2倍になってしまう。 面白いのは、使用したカードの熟練度が上がるときには、その他の属性の熟練度が僅かながらも下がってしまうということ。 なんせ僅かなもんで、相当偏ったカードの使い方をしないと大きな差はできないけど、 レベルが高いカードはそれだけ多くの魔力を消費することが常なんで、それでも結構な差が生まれてしまう。 プレイヤーの個性という意味でも面白い要素ではあったんだけど、若干煮詰まり切れてない印象も受ける。 結局、ゲームを進めていくと機、異を除いた通常の4属性はMAXに近い状態になっていってしまうので、 もうちょっと属性間で大きな差が付くような形の方が面白かったと思うし、 チビチビとしたレベルアップだけじゃなく、装備品などで上下するなんてのも面白かったんじゃないかな。
  カードの使い方では、「Z-エフェクト」「Z-コンボ」という要素も追加。 Zを押しながらカードに対応するボタンを押すことでカードを「Z-エフェクト」状態にすることができるようになり、 その状態でカードを使うと、消費魔力が倍になり、武器型、自律型、召喚型は攻撃力が、補助型、変化型はHPが強化されるというもの。 また、決められた組み合わせのクリーチャーをZ-エフェクト状態にすると、Z-コンボという独自技が繰り出せるようにもなった。 共に悪くない要素ではあるけど、Z-エフェクトは2倍の魔力を消費するというデメリット、Z-コンボは、一連のカードをデッキに組み込む面倒くささ、 複数のカードを一度に消費してしまうデメリットを超えたメリットは感じられず、結局ほとんど使うことはなかった。
  新たな種類のカードとしては、「変化型クリーチャー」が追加された。 これはそのカードを使うと主人公がそのクリーチャーに変化するというもので、A、Bで攻撃やジャンプなどの特殊能力が使えるようになる。 各ステージにはそういう特殊能力を使えないと取れない宝箱があったりするので、 変化クリーチャーをゲットして前にクリアしたステージをプレイ、なんていう流れも生まれてくるわけだ。 また、カードの種類が前作の105種類から226種類と、倍以上に増加したのは単純に嬉しいところ。 召喚型クリーチャーはその効果を2種類から選べるようになったし、 その他のカードについても、結構変わった能力を持つものが多く、よりバリエーション豊かになったと言える。
  対戦が面白そうだった割に、それを試す機会がなかった前作とは違い、本作では、カードでクリーチャーを召喚してくる敵も追加された。 ・・・んまぁ、明らかに魔力が無尽蔵で適当にカードを使ってくるだけっぽいし、そこまで面白いもんでもないんだけど、アクセントとして悪くないと思う。

  と、様々な変更・追加要素があるにも関わらず、ゲームの完成度自体は大して上がってないような・・・。
  とにかく相変わらずなのが、ゲーム的に全く緊張感が無いということ。
  ダンジョンからは好きなときに脱出(ギブアップ)できる上に、やはりペナルティは皆無に近い(お金が極々僅か減るだけ)。 今回は戦闘シーンが別個にあるわけじゃないので、余計にラクな印象だし、HPが0になったときも同じギブアップ扱いなのもヌルすぎる。 さらに、各ステージは大きくなく、避けようと思えば避けられる戦闘も多いので、繰り返しプレイが苦痛になるステージもほとんど見当たらない。
  カードの回復手段が欠けてる(ステージ内でランダムに出現する「青妖精」か極々一部のカード回復クリーチャーを使う必要がある)というのも気になったけど、 前作よりステージ内での戦闘回数が少ない(避けようと思えば避けられる戦闘も多い)し、複数のフラグ立てが必要なステージでは、 ステージから出てもそのフラグが継続するので、ステージを出入りすることで割と簡単に対処可能だしと、カードがなくなって困るということはほとんどなかった。 よって(つまり、ステージ内でカードを補給する必要性が低いので)、 デッキポイントでステージ内でゲットしたカードを補給できるという仕様であるとか、 ダンジョンを最初のプレイでクリアさせたいのか、何度も何度もプレイすることでクリアさせたいのかがアヤフヤってのは、前作ほど気にならず。
  それでも、気にならないだけであって、潜在的な問題点なのは事実だと思うし、いぜんとして、システム的なまとまりの悪さを感じる。
  どうも、ゲームの根幹であるカードの消費、体力、魔力の関連性が練りこみ不足というか、発想からしてマズいんじゃないかな。 実際ピンチに陥るのは、敵からのダメージよってじゃなく、魔力がなくなってムリにカードを使って体力を消費したときがほとんどだし・・・ (つまり、自滅以外ではまずピンチにならない)。 青妖精っていう救済役も、今回は敵が出ないところでは本当にでないので、よりタチが悪いというか、システム的な収まりの悪さを感じる。 前作もそうだったように、やはり、カードの効力と消費魔法石のバランスでゲームバランスを形成するべきだったんじゃないかと思う。 魔力は時間と共に回復していくような形であるとか。
  また、大抵はカードコンプも見越しながらプレイするわけで、そうするとどうしても育成重視のデッキ構成、 つまり、クラスチェンジをしないカード、クラスチェンジが全て判明したカードの優先度は低くなってしまい、 結局、自分なりの個性でデッキを組むことが無くなってしまう。 その上、場に応じたデッキが必要になるステージが極めて少ない(ラストステージくらいか)というヌルさも問題で、 コンボやら使い勝手とかじゃなく、意外に惰性でデッキを組むことになってしまう。 それとの兼ね合いもあるんだけど、本作では、前作のようにバンバンとは敵をキャプチャーできないので、 レア度の高くないカードでも数を揃えるのに時間がかかったりする。 満遍なくカードをデッキに組み込めるという意味でも、もっと下位カードへのクラスチェンジの選択肢があっても良かったと思うな。 もちろん欲を言えば、カードの合成なんていう要素がほしかったところだけども。
  全体的に動きがモッサリとしてるのは、ゲーム性との兼ね合いで一概に悪いとは言えないところ。 それでも、こういう視点を採用した時点で、もっと操作感を軽くしたゲームに路線変更するというのも選択肢のひとつだったんじゃないだろうか。 体力低下時に動きがニブくなるという仕様も、体力回復の機会が少ないこのゲームであるべき仕様だったのか、疑問が残る。
  終盤のゲーム的な盛り上がりは前作以下。 最後も(特殊なだけに専用のデッキを作る必要はあるが)アッサリとしたものだった。

  クリア時間は9時間半ほど(ちなみにLv13)で、クリア時間そのものは前作より短いものの、 サブクエスト的な話の本筋からズレたステージがかなり充実しており、さらにカードの総数が多いだけに、前作よりボリューム感はある。 ただ、カードキャプチャーでカードの経験値を一気に増やすことができなくなってしまい、 真っ当に経験値を貯めていかなければならないので、カードコンプまでプレイする気にはなれず。 ちなみに、現状のプレイ時間は13時間弱でカードは165/236枚。
  ストーリーに関しては、淡白かつ言葉不足で、そこを楽しむゲームじゃないのは明らかだけど、前作よりはマシ。 イベントシーンで、主人公だけが喋らないという今更な仕様はどうかと思う(しかも、最後に一言だけ喋っちゃう)ものの、 子供の頃の自分の姿を見ることで過去を語らせるという手法はなかなか面白かった。
  ちなみに、イベントシーンが英語フル音声になったのは、前作が北米で意外にウケたゆえにだろう。 キャラがハッキリと定まってないこともあってか、重要な役であるはずの女王の声がどうにもイマイチなのは気になった (ヒステリックな感じなんだけど、最終的にはそういうキャラじゃなかったし・・・)。
  相変わらずカードの絵は良く描けてると思う(ただ、印象が『カルドセプト』とダブりすぎなのは相変わらず)けど、 それ以外のグラフィックは極めて平凡。 雰囲気はあるし、場面によっては意外に広い空間が描画される反面、視点が低くなったせいもあって、やや雑さが目立つ。 フロムらしく、魅せるエフェクトの使い方も見当たらず、良く言えば無骨な感じ。 まぁ、デザインもモーションもバリエーション豊かなクリーチャーがこれだけいれば、やむを得ないところなのかもしれない。 人間キャラのモデリングもやはり平凡ながら、若干ウォーズマン・スマイルを思わせる口の造形(&動き)にはやや難アリ。
  一方、XB『叢 -MURAKUMO-』なんかもそうだったなように、オープニングのプリレンダCGムービーは、 確かにそれなりにハイレベル・・・って、もうそういう使い方自体が前時代的に思えるな。 もっと、最初からゲーム本編へ違和感なく馴染める方法を考えてほしいところだ。


  色々と改良されたにも関わらず、総合的な完成度という意味では、前作と大して変わらない印象を受けてしまった。 前作同様結構面白いんだけど、戦闘の仕様変更のお陰で必要以上に面白さが薄まってしまった感じもあるし、 何より“ゲーム的な緊張感の無さ”ד動きのモッサリ感”っていう組み合わせがマズかった。 両方を改善しろとは言わないから、少なくとも片方はどうにかしてほしかったな。
  いや、ホントにアイデアは良かったんだけどねぇ・・・。

2003年6月14日記載