REPORTディノクライシス3
Xbox
2003年6月26日発売発売:カプコン  

  PS『ディノクライシス』、PS『ディノクライシス2』から、 なぜかXboxにハードが移り、なぜか宇宙が舞台になり、なぜかSFチックになってしまったシリーズ最新作。 それはともかく、一応Xboxユーザー期待のオリジナル大作だったハズなんだけど・・・。
  ちなみに、自分がこのシリーズでプレイ経験があるのは初代『ディノクライシス』のみ。


  300年前に消息を絶っていた宇宙移民船「オズマンディアス」が突如木星付近に姿を現し、その軌道を地球へと向けていた。 こちらの交信に対して全く反応しないオズマンディアスに対し、地球政府はその調査の為に特殊部隊「S.O.A.R.」の派遣を決定。 オズマンディアスのすぐ間近まで迫ったその探査艇は、しかしながら、オズマンディアスから突然の砲撃を受け、探査艇は破壊、隊員の多くも命を失ってしまう。 なんとか生き残った数名の隊員がオズマンディアスに乗り込むものの、そこで目にしたのは船内を闊歩する獰猛な恐竜の姿であった・・・というのが話の導入。
  主人公は生き残った隊員「パトリック」となり、同じく生き残った「ジェイコブ」「ソニア」と共に、 オズマンディアス内を探索し、この船が地球に向かってる原因を調べ、脱出方法を探すことになる。

  キャラクターは背中にバーニアパックみたいなのを背負っていて、ホバーしながら高速移動したり、ジャンプ中にホバーして滞空できるというのが、 このゲームの特色になっている(それで消費するエネルギーは時間と共に回復)。 よって、ホバー&ジャンプで立体的にスピード感溢れるバトルを繰り広げるゲームなのかと思いきや・・・。 いや、そういうゲームを目指して作られたに違いないんだけど、 それで視点のシステムがPS2『デビル メイ クライ』ってのが、 このゲームの最も救いようがない致命的な難点になっている。 つまり、視点は『バイオハザード』のように勝手に切り替えられ、レバーを入れた方向にキャラが進み、 レバーを入れっぱなしにすれば視点が切り替わっても同じ方向に進み続けるというもので、 さらにこのゲームにはロックオンがなく、勝手に狙いを付けて撃ってくれる代わりに、主観視点モードで撃つこともできる。
  これのマズさは、『デビル メイ クライ』の繰り返しになるが、見えない敵を攻撃しなくちゃならない見えない(画面上にいない)敵から攻撃される(その場所が分からないというのもあるし、攻撃モーションが分からないというのも大きい)、 それでもゲームが成り立つようにするために敵の攻撃が淡白にならざるを得ないという戦闘面での難点がまず第一。 慣れとかの問題ではなく、基本的に理不尽。 勝手に敵を狙うので、何となく敵に攻撃されないようにホバーで動きながら、どこかにいるらしい敵をダラダラと撃つ、そんな場面がほとんどと言っていい。 基本的に敵を把握できないので、複数種類の敵が混在するような場面は設定できず、敵のバリエーションも少なくなってしまう、と (にしても、ザコ敵がたったの4種類ってのは酷すぎると思うが)。 さらに、このゲームは『デビル メイ クライ』より攻撃のバリエーションが少ないので、余計にタチが悪い。 ショットは、弾数無制限の通常ショット、弾数制限があるワイドショットとレーザーの3種で、 溜撃ちができるんだけど、その溜撃ちでちゃんと狙うには主観視点にする必要があるので、ボス戦以外ではほとんど使えないし、 攻撃力が高いレーザーはまだしも、広範囲に攻撃できるというワイドショットは、敵が密集してるかどうかすらわからんことがほとんどな上に、 通常ショットも勝手に正確に狙って撃ってくれるので、全く使い道が見当たらない。 また、「ワスプ」という敵を自動的に追尾してくれる弾数制限のあるサブウェポンがあるんだけど、 3種類のワスプには使い分けの必要性がほとんど感じられず、使うタイミングもよくわからず、 ワスプの数に余裕があるとき、何となく敵が多いとき、何となくピンチなときなどにバラ撒くだけで、ゲーム的に何のプラスにもなってない。
  ジャンプの比重が大きいゲームとしては、視点切り替えによる操作のし辛さも相当頂けない。 そもそも、ジャンプ中に視点が切り替わっちゃうこと自体ありえないと思うんだけど、さらにジャンプ中にはなぜか足元が見難い視点が多く、これまた困る。 必要以上にホバーのフォローを使うことになり、どうしてもテンポが悪くなる。 視点がバラバラなだけに、ジャンプの距離が掴めないというのもイタいところ。
  自分が向いている方向を見失い易く、自分の宇宙船内での位置を見失い易いのも、この視点によるマズさだろう。 似た感じでゴチャついた背景が多いのも、それに拍車を欠ける。よって、必要以上にマップにお世話になり、やはりゲームのテンポが崩される、と。
  ちなみに、そのホバーの操作感に関しては、地面をズサーッと滑っていく感覚は独特で結構楽しい。悪くないと思う。 ただ、空中では滞空するだけで横方向にダイナミックな移動ができないので、 空間的な躍動感っていう意味では物足りなさが残るか(この視点で必要以上に躍動感があっても困るんだが)。

  システム的に気になったのは、セーブポイントとショップを兼ねる「サポートターミナル」、 要するにお金に相当する「タクティカルクレジット(TC)」、それらに関わってくる「エリミネイトポイント(EP)」について。 敵を倒すと得られるEP(ちなみに、敵を連続して倒すとコンボボーナスが得られるけど、 それを狙ってゲットしていくようなゲームにはなってない)には上限があって、その上限に達すると、敵を倒してもTCが得られなくなる。 んで、サポートターミナルを使うと、溜まってるEPに応じたボーナスTCが支払われるというシステム。 効率良いプレイをするためには、ある程度セーブをしないでプレイし続けなければならないということになる。 セーブや回復薬のゲットを制限させて緊張感を持たせようという意図はわかるが、 好きなタイミングでゲームを中断できないのは、さすがに不便に感じられた。 ・・・と思ってたんだけど、実は、EPは上限一杯まで溜めて換金するより、小出しに換金していった方が効率が良くなってたりする。 このシステムの意図がわからん・・・。
  ゲームの流れとして面白かったのは、宇宙船が部分的に変形する「フォーメーションチェンジ」で、 これを使ってマップの構造を変え、先に進んでいったりするところ。 これによって、部屋同士の繋がりが変化したり、部屋の上下の向きが変わったりと、それをちゃんと組み込んだステージデザインは結構頑張ってると思う。 問題は、プレイヤーが主体的にコレを使う機会がなかったということ。 結局、妙にゴチャついたステージのデザイン・構造、例の切り替え式視点により、プレイヤーが宇宙船の全体像を把握しづらいので、 プレイヤーが自分自身で考えて使うのは難しいだろうと判断して、ただのイベントにしちゃったに違いない。 発想は面白かっただけに、宇宙船自体はもうちょっとシンプルな作りにして、 このフォーメーションチェンジによるマップの変化をメインに据えたら面白いゲームになったんじゃないかねぇ。 このフォーメーションチェンジに代表されるように、このゲームでは、 プレイヤーが主体的に考えて(判断して)行動する機会が非常に少なかったと思う。 いわゆる“お使いゲーム”的な感じが必要以上に強まってしまったのは、そこらへんに原因がある。
  ザコ戦のつまらなさのお陰で「結構マシかも」とウッカリ思ってしまうボス戦は、やはり面白いとは言い難い。 視点のマズさももちろん第一で、敵の攻撃を見切るという面白さが相当弱い上に、 こちらの攻撃のタイミング、攻撃をヒットさせる場所でどうこうっていうのも無く、単にダラダラと続くだけな感じ。
  もう一点気になったのは、ゲームシステムのリアリティということに関して。 エリミネイトポイントゲージにしても、空中にポワーンと浮いてるタクティカルクレジット(お金)にしても、 突如としてどこからかワープして現れてくる敵にしても、全くゲームとして作られたシステムという感じで、その根拠が全くわからない。 本来、そういうのが許されるのは、徹底的に記号化された2Dゲームまでだと思うんだけど・・・。 ここらへん(つまり、リアリティのあるゲームシステム和ゲーが非常に遅れてる部分だと思うので、もうちょっと考えてほしいところ。

  グラフィックは、主観視点で見ると相当よく描けてるのが分かる。 主観視点にしてもチープには感じられないし、結構デカい空間を、かなり細かいところまで描き込んでいる。 でも、通常時はそれをイマイチ生かせてない視点によるマイナスが大きく、総合的にはそこそこという印象。 一応、このゲームのウリ文句の1つとして「ソリッド感」というものがあり、要するに質感のことらしいんだけど、 宇宙船内の壁は必要以上にテカりすぎてて、質感の良さには繋がってないように思う。 逆に、陰影のメリハリに欠けるところがあり、雑多な感じの宇宙船内のデザインも個人的にはマイナス印象。 自分がどこにいるか把握しにくい一因だろう。 船内のエフェクトだけに労力を注いだ結果か、キャラクターに対する光源処理がされてないようで、キャラが浮き気味なのもマイナス。 マズルフラッシュや爆破などの各種エフェクトも、ショボさこそあまり感じられないが、コレといった良さも感じられず。
  また、コスチュームなども含めたデザイン全般に言えることだけど、もうちょっと無骨な感じがほしかったところ。

  プリレンダムービーもそれ自体はかなりレベルが高い。人物、巨大な宇宙船の描写、それぞれかなりシッカリはしている。 が、問題はその使い方。 とにかくイベントシーンは全てプリレンダムービーで処理されており、相当にプレイヤー置いてきぼりな感じ。 今時、通常ゲーム時とギャップがあるハイクオリティなプリレンダムービーで押す作りもどうかと思うけど、 よりマズいのは、ムービー以外でストーリーを語れない(盛り上げられない)とこだろう。まだこういうゲームがあるんだな・・・。 サポートターミナルで突然(物語に沿ったタイミングで)ダウンロードできるようになる 「ファイル」という、テキストによるストーリーのフォローがあるにはあるけど、 そういうのはもうちょっと上手くゲームに散りばめてほしかったところだし、ムービーに頼らずに物語を表現する方法を、もうちょっとは模索してほしい。 ・・・というか、そういうのが出来ない人は、下手げにゲームで物語ろうと思わんでほしい。
  まぁ、ストーリーそのものは割とSFっぽい話で悪くなかったと思う。 3ってのはどうあれ、「ディノクライシス」っていうタイトル的にそうズレた話でもなかったし、マザーコンピュータの御乱心というのも、アリガチながらも好きな路線だった。 男前過ぎない主人公パトリックも、性格、デザイン共にナイス。 それ以外のキャラもそれ自体は決して悪くはなかったけど、シナリオ的に生かされる部分が少なすぎたか。 特に、物語のキーになるはずだった生存者「カレン」の扱いが意外に中途半端だったのは気になった。 そもそも、そういう形で盛り上げるべきゲーム内容なのかという、根本的な疑問がないわけではないが。 どちらかっていうと、船内に捕らわれたプレイヤーたちの、危機感とか圧迫感、サバイバル感を表現する方向で頑張ってほしかったな。

  自分の場合、難易度ノーマルでプレイしてプレイ時間は7時間弱。 クリア後には、なぜかセクシーな衣装のソニアでプレイできる「ソニアエクスプレス」モードがプレイ可能になる。 まんまパトリックをソニアに置き換えただけなので、ストーリー的には全くナンセンスになってるんだけど、 ホバーのスピードが2倍になってて、本編より爽快感が感じられ、一応、タイムアタック的なモードになってるようだ。 とは言うものの、難易度変化やオマケモードがあっても、基本的なアクションゲームとしての面白くなさが、 直、リプレイ性の低さに繋がってしまってるのは言うに及ばずだろう。
  最後に、部屋を出たときのローディング時間はちょっと長め。 ひと部屋がデカいからまぁわからなくもないし、自分はさほど気にならなかったけど、人によってはかなり気になるところかもしれない。


  スピード感のあるアクションゲームを作ろうとしてこの視点システムを使うっていう発想が信じられないし、 いまだにこういう形のプレイヤー置いてきぼりゲームが作られることに非常に驚き、飽きれた。 和ゲーのダメな部分がかなり顕著に現れている一本と言えるだろう。 技術力と労力をこういう形で浪費してる場合か、と。

2003年7月14日記載