REPORTBruce Lee: Return of the Legend
GAME BOY ADVANCE[海外]
2003年5月15日発売発売:Vivendi Universal  開発:Vicarious Visions  

  何がキッカケか全く分からず突然リリースされた、ブルース・リーを主人公に配したサイドビューアクションゲーム。 主人公はリー自身ではなく、リー演ずる「Hai Feng」がとある犯罪組織に殺された師匠の仇を討つという、 映画「ドラゴン 怒りの鉄拳」と「燃えよドラゴン」を足して割ったような感じの (おそらく)架空のブルース・リー映画をベースにしたという設定になっている模様。
  開発は、GBA版「Tony Hawk's Pro Skater」シリーズやGBA版『Jet Grind Radio』でお馴染みというより、 ゲームの形式から考えれば、GBA『スパイダーマン ミステリオの脅威』を開発したという紹介の方がシックリくるであろうVicarious Visions。


  基本操作系は、十字キーで移動、Aでジャンプ、Bでパンチ、Rでキック、Lで防御という、ちょっと変わった配置で、 それを組み合わせた多彩なアクションがウリになっている。
  移動関係では、もちろん十字キー下でしゃがむし、左右2回入れでダッシュが可能で、十字キー下右or下左で前転回避を行う。 足場の淵にも掴まることができるし、ジャンプで下から上れる足場には、淵じゃなくてもぶら下がることが可能。 場面によっては、背景の網にしがみつくこともできるし、ポール状の柱にしがみつくことも可(このとき、落下を遅くすることはできても上に登ることはできない)。 面白いのが、ジャンプダッシュで壁にぶつかると、三角跳びのように跳ね返り、普通のジャンプより高い場所に上れるというところ。 よって、“ダッシュジャンプで壁にぶつかって三角跳びで反対側の高い場所にある足場の淵につかまり、 そこからまた反対側にジャンプして網にしがみつき・・・”って感じの、なかなか激しいアクションが楽しめることもある。
  戦闘関係のアクションも充実。 まず、パンチとキックはレバー入れPKも絡めて、最大3発のコンボになる。 PP→P、PPK、P→PK、KK→Kなどなど、バリエーション自体はかなり豊富。 もちろん、ジャンプ中やダッシュ中にもPKそれぞれ独自の攻撃になるし、上を押しながらPでアッパーであるとか、しゃがみながらKでしゃがみキックとかもあり、 ガード中にPで後ろに攻撃する裏拳、ガード中にKで前後に同時攻撃する開脚キックを繰り出したりもする。 さらに、ブルース・リーということで、当然のようにヌンチャク、昆といった武器もでてくる(一定回数使うと壊れるという仕様)。
  おそらく『スパイダーマン ミステリオの脅威』同様、プリレンダCGを元にした2Dグラフィックなんだろうけど、 そういう硬さはあまり感じられず、バリエーション豊かな動きと相まって、グラフィックの印象は悪くない。 背景は良くも悪くも普通の2Dゲームといった感じか。 オープニングやイベントシーンでのCGブルース・リーがあまり似てないのはマイナス。

  ゲーム面での特徴は、上記のような激しいアクションの他に、 ステルス要素を取り入れてるというところにもある。 全編ステルスというわけではなく、一部に見つかったらそれまでのステルスステージが用意されているというもので、 隠れられる背景に潜んで敵をやり過ごし・・・という、“だるまさんが転んだ”的な流れでゲームを進める場面が出てくるというわけ。 また、そういうステージに限らず背後からの攻撃は非常にダメージが大きく設定されており、特に弾数制限のあるダーツを背後から当てると一撃でザコを倒せたりもする。 敵の(特に縦方向の)視界がよくわからんので、「うそ〜ん」という見つかり方もする(=やり直し)んだけど、 残機という概念がなく、常にチェックポイントからの再開となる仕様なだけに、そこまでのストレスにもならず、なかなか面白い要素だったと思う。
  アクションの場面では画面を拡大して迫力を出し、ステルスな場面では画面を縮小して情報量を増し、と、 画面の拡大縮小がスムースに活用されてたのも好印象。

  いただけないのは、肝心の格闘部分の大味さ。 『スパイダーマン ミステリオの脅威』まんまとまでは言わないけど、似たようなレベルでの大味さを感じる。 ガード、ヒットストップなどの作りがヘタッピなので、 特にコンボの使い分けが余り重要になり得ておらず(出の早い攻撃しか使いづらい&出の遅いコンボの使い場所が見つからない)、 格闘アクションとしてはイマイチ面白くない。 ボス戦も大味。というか、ゲーム的な駆け引きが作りきれてない印象。 せめて、空中コンボ的な要素や、ダウン中の敵にもダメージを与えられれば、もうちょっと楽しくなりそうだったんだけど・・・。 それでも、敵をふっ飛ばせば他の敵を巻き込んでヒットするし、左右に攻撃できる開脚キックなど、 ある程度複数の敵を対処できる内容になってるのが救いといえば救いではある。
  まぁ、操作のレスポンス自体は上々なので、「アタァッ!」とか「アチャホゥゥゥゥ」といった、 いわゆる怪鳥音を出しながら、様々な攻撃を繰り出すのは、それだけでも結構楽しかったりするんだけど。
  あと、ボリューム・難易度的な淡白さも気になるところ。 残機がないフリーコンテニューということもあって、2時間くらいでクリアできてしまうし、難易度ノーマルだと詰まるような場面もほとんどないはず。 一応、ノーマルでクリアすると、その後に2段階の高難易度モードが用意されているものの、肝心の戦闘が大味なもんで、それらはイマイチ面白くないし。


  ブルース・リーを題材にしておきながら格闘部分が面白くないってのはどうかと思うが、 それ以外の部分はよくできてるし、それなりの佳作ではあると思う。 『スパイダーマン』といい、良いモノを持ってそうなんで、もうちょっと日本の2Dゲームの良いところを研究してほしいなぁ。

2003年8月8日記載