REPORT悪魔城ドラキュラ Circle of the Moon
GAME BOY ADVANCE
2001年3月21日発売発売:コナミ  開発:KCE神戸  

  1986年にファミコンディスクシステムで登場した初代『悪魔城ドラキュラ』に始まり、結構いろんなハードで出てる「悪魔城ドラキュラ」シリーズ。 N64の「黙示録」シリーズは別として、2Dアクションのドラキュラは自分が非常に苦手にしてたゲームのひとつで、 FC版(MSX2版)、SFC版、MD版とあまり良い印象が残ってなかったりする。
  ただ、PS『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』から、探索型アクションRPGになったという話は聞いており、「どんなもんかいな〜?」とは思ってた。 で、GBAのドラキュラはその路線を継続してるとのことで、その第1作目であるこの『悪魔城ドラキュラ Circle of the Moon』からプレイすることにしてみた。


  探索型アクションRPGってどんな感じかと思ったら、要するに一言で言ってしまえば、 “ドラキュラっぽい操作感を残して、成長要素を取り入れて間延びさせた「メトロイド」”って感じのゲーム内容なわけね・・・。
  基本操作は当然のように、十字キー左右での移動と、AでのジャンプとBでの攻撃。
  意外だったのが、ジャンプがかなり高く、その自由度が割と高めだったこと。 自分の“ドラキュラ”という先入観が古過ぎるのか・・・。 その代わりというか、通常の左右移動はかなり遅めで、Bのムチ攻撃は、出も遅めで出した後の隙も大きめで、当たり判定もそんなに大きくない。 特に基本となるムチ攻撃で気になるのは、出の遅さよりも出した後の隙の大きさだったりする。 ここらへんはこれまでのドラキュラを継承ということろなんだろう。
  ちなみに、Bボタン押しっぱなしで、ムチをブルンブルンと振り回す攻撃に。 ダメージが極小な代わりに広い範囲を攻撃でき、ムラがる小型のザコ敵や一部の敵弾を消すときに重宝する。
  ステージ内を探索し、ボスを倒して新たな特殊アクションをゲットして、 それで広がった行動範囲でまたボスを探し・・・という流れは、「メトロイド」のまんま。 もちろんパクリ云々ではなく、非ステージクリア型アクションゲームとしては当然の形なんだけども、 サイドビューというゲームの形式上、イメージとしてはダブるものがある。 ちょっとした脇道に、体力MAX増加、精神力MAX増加、ハート増加という強化アイテムが散らばってるのも似てるし。

  で、基本はシンプルなアクションにバリエーションを与えるのが、後からゲットしていくそれらの特殊アクションということになる。 例えば、移動スピードは遅いと書いたんだけど、かなり早い段階で十字キー×2でダッシュができるようになるし、 後には2段ジャンプができるようになったり、三角跳びができるようになったり、終盤には3画面分くらい一気に上昇するスーパージャンプまで。
  アクションをゲットしてそれによって行動範囲が広がって・・・という流れ自体は悪くなく、 特に2段ジャンプと三角跳びなんかは面白いアクションだったんだけど、 全体的に脈絡がなさ過ぎて、必要以上に迷ってしまう感じがなきにしもあらず。 携帯用機ということでメモを取りながら進めるのを前提にするのは苦しいし、もうちょっとマップを親切にしてほしかったな。

  一方の攻撃は、基本のムチは左右にしか攻撃できずバリエーションが極めて少ないわけで、 そこをカバーするのが、このゲームのシステム的な一番の特徴である「デュアルセットアップシステム(DSS)」なんだろう。 これは、「動作カード」「属性カード」という二つのカードを装備した上で、その組み合わせに応じた特殊能力をRで発動するというもの。 例えば、増加の能力を持つ動作カード「Venus」と、炎の効果を持つ属性カード「Salamander」を組み合わせると、 発動中敵に与えるダメージが1.25倍になったり、武器変化の能力を持つ動作カード「Mars」と「Salamander」を組み合わせると武器がムチじゃなくて炎の剣になったり、 同じく「Mars」と石化能力を持つ「Cockatrice」を組み合わせると武器が石化能力があるトンファーになったりなどなど、かなり多彩な能力を発揮する。 実際に装備して、その能力を発動しないと効果が分からない(例えば、ダメージを軽減する効果であれば、ダメージを受けて初めて効果が明らかになる)という仕様は、 カードの種類から効果を類推する面白みを生んで、システム的には良かったと思う。 ただ、自分のクリア時、動作カードは10枚中4枚、属性カードが10枚中6枚程度の収集率で、 結局、メインで使ったのはダメージ×1.25の効果で、あとは極一部のボス戦で炎の剣を使ったくらい。 実際に使い分ける場面は少なく、カードから効果を想像して楽しむ場面もなく・・・

  さらに、このゲームが「メトロイド」や「ゼルダ」と大きく違う点は、 “ザコ敵を倒して経験値をゲットしてレベルアップして能力が上がって・・・”という、 経験値による成長要素があるところ。
  そもそも、純粋なアクションゲームとそういう要素は相性が良くないと思ってるんだけど、 このゲームの場合は、レベル格差が低めに差っていされており、全体的にシビアに作られてることもあり、 (かなり迷うにも関わらず)レベルが上がりすぎてヌルいと感じられるようなことがなかったのが救い。
  特にボス戦は、相手の攻撃を見切るというアクションゲーム的な攻略の重要度が高めになっており、 大部分のボスは初戦では勝てないようなバランスになってるはず。 ここを繰り返しプレイして、ボスを攻略していく部分はなかなか面白かった。 ただ、ボスの強さにバラツキが感じられたのは、 自分に成長要素があって、ランダム気味かつバリエーション豊かなDSSシステムがあるからなのか。 ラスボスもイマイチだったな・・・。
  んー、「だったら(ポイントポイントでのパワーアップのことではなくザコ戦による) 成長要素なんていらないんじゃないの?」とは思うんだけど、まぁ、良くも悪くも水増し要素であるのも事実なんだろう。 逆に言えば、こういう弱者救済要素があるからこそ、ある程度シビアな難易度に出来たのかもしれないし。
  道中が意外にキビしいのは、体力回復ポイント(セーブポイント)が限られてるからに他ならない。 というか、画面が切り替わると敵が復活してしまうので、うっかりセーブポイントをスルーしてしまうと、意外にアッサリ死んでしまったりする。 ダメージ的なバランスはそれで結構だから、その代わりにセーブポイントはドアで(つまり、その部屋に入る前に)分かるようにしてほしかったな。
  また、カードを初めとした各種アイテムが、 敵を倒したときに(倒した敵の種類との関連性はあるようだけど)ランダムに出現するというのも、よりRPG的な一面と言える。 ただ、この出現率が意外に低く、特に少なく感じられるのが回復アイテムと前述のカードで、 思ったよりゲームに上手く組み込まれてない感じを受けた。 なんせ、クリア時の体力MAXは760だったんだけど、その時点で持ってる回復アイテムは+20のポーション×2と+50のにく×2だけ。 別に回復アイテムを使ったから手元に残ってないというわけじゃなく、それまでも、回復アイテムを使った記憶は2、3回しかないんだけど・・・。 だったらそんな要素最初からイラネーよ、と。 逆に言うと、鎧は結構出現する感じかな。 同じ鎧を何個も何個も取るんで、「もしやショップみたいなのがあったりして?」と思ったらそうではないらしい・・・。 カードに関してはマップ内に配置するなり、イベントを用意するなりした方がよかったろうし、 鎧なんかを用意するなら、それこそショップ的な要素を取り入れた方がよかったんじゃないだろうか。

  ドット絵のグラフィックは平凡。 若干パターン数が少なく感じられるし、エフェクトの使い方や描き込みに感動できる場面も、これといってなかった。 ちょっと気になったのが全体的に画面が暗いこと。 それはそれで作品の雰囲気でもあるんだけど、一部のボス戦で暗くて分かりにくい攻撃があったのは頂けない。
  一方、旧作のアレンジ曲があったりもするBGMは好印象。 ドラキュラらしい雰囲気のあるBGMで非常に良かった。

  一応、クリアデータのプレイ時間は6時間弱程度なんだけど、 かなり繰り返してプレイしたボスもいるし、結構死んだりもしたので、実際のプレイ時間はもっと長いはず。 ちなみに、クリア時のマップの達成率は約88%でLvは45だった。 ボス戦をはじめとしてソコソコ楽しかったものの、道中は若干メリハリに欠け、 (決して難易度が低いわけじゃないのに)間延びした感じも受けたし、プレイ時間は近いであろう『メトロイド フュージョン』なんかに比べると、 (向こうは向こうで、あっちいけこっちいけでムダが無すぎたというのもあるけど)妙に充実感が薄まったようなプレイ感覚が残った。
  ゲームクリア後、全てのカードを持った状態でゲームを開始できるんだけど、 「なるほど、こういうアクションがあったのか〜」とかの確認にはなるものの、それ以外は1回目と変わらないので、リプレイ性を高める要素としては弱いだろう。


  探索メインのアクションゲームという路線自体は好きだし、ゲームの調整や表現力の向上によってはかなり面白くなる可能性もあると思うんで、 次の『キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲』もプレイしようと思ってるんだけど、これが全然売ってないんだよなぁ・・・。 諦めてその次の『キャッスルヴァニア 暁月の円舞曲』をプレイするか・・・。

2003年8月29日記載