REPORTMISSING PARTS 3
Dreamcast
2003年7月31日発売発売:FOG  開発:オーツー / システムプリズマ  

  最初から3作(全6話)完結を予定して企画された探偵推理ADVで、去年の1月に1作目、去年の10月に2作目、そして今年7月末にこの3作目と、 (おそらく当初の予定通り)全くもってマイペースに、そして見事に最後までリリースされた。   
ちなみに、本作のリリース前にPS2への移植も発表。


  ゲームの概要は、1作目2作目のレビューを参照のこと。 スッキリと簡略化されたコマンド、語りすぎることもなく、かといって淡白にもならないイイ塩梅のテキスト実際の動き的にも構図的にも動きがある2Dグラフィックなどのシリーズ通した長所は、 他のテキストADVにも是非見習ってほしいところなので、何度褒めても褒めすぎということはないだろう。 今回も、ここ一番での演出は非常にイカしてる。 もちろん、個性的ながらも突飛過ぎない(一部に例外アリ)魅力的なキャラクターたち、間の取り方のバツグンな上手さ、軽妙な笑いのセンスなども言うまでもない。 ギャグシナリオではないにも関わらず、おそらく、マイゲーム史上、最もわせてもらったシリーズに間違いない。
  ゲームの作り的には、改善された部分が多かった前作を継承ということで、目立った変化は見られない。 あえて言うなら、細かい分岐がより多彩になったことくらいか。 言うなれば今回のウリは、第1話からストーリーの裏にあった設定がまとまって、大きなオチを迎えるとこにあるわけだ。

  というわけで、ネタバレにならない程度にストーリー紹介を。
  第5話は「迷いの懐中時計」。 例によって、またもや殺人現場に遭遇してしまう主人公恭介。 そのメインとなる事件の調査に奔走しながらも、並行作業で失踪中の鳴海所長の残したファイルの整理をしていき、物語の背後に潜む大きな謎へと近づいていく。 その最後への布石に割かれる時間が意外と多くなってしまっていて、これまでの回に比べると、メインの事件のインパクトはやや弱め。 新規キャラも(キャラ自体は良いんだけど)ややインパクト不足。 よって、途中までは結構ビミョーな感じもあったんだけど、最後には最終話に繋がる驚きの展開が待っていて完全KO。 主人公とのシンクロ度が高かったこのシリーズなだけに、素で衝撃を受けてしまった・・・。
  そして、全ての謎が1本に繋がる最終話「追憶のペンダント」に繋がっていく。 いや〜、これまでの伏線がかなり拡がってただけにどうまとめるか心配してたんだけど、 その拡がりに見合うように話のスケールが大きくなっていった上に、非常に上手くまとまってた。 行き当たりばったりで作られたシリーズモノではなく、最初から概要をガッチリと固めた3部作だからこそできえたストーリーと言える。
  シナリオ面であえて不満を言うなら、 最後の見せ方のホンの一部不満があったことと、最後のペンダントの扱いにもうひと工夫というか、もうひと説明ほしかったところくらい。 全体的に哲平と奈々子の出番が少なめに感じられるけど、これは前作のせいというより、 逆に、3作通して考えた時に、前作がそういう位置付けになってるってことだろうな。 そういう意味では、3部作っていうのもバランス的に良かったと思う。

  ゲーム的には、コマンドを試行錯誤するだけじゃまず突破不可能な、 数字を入力して謎を解くシーンが追加されたのは良かったんだけど、推理云々じゃなく、(ゲームに直接関わらないものも含めた)知識を問われるものだけだったのがちと残念だった。
  細かい分岐やオチの変化ではない、話そのものの分岐という点もやはり弱い。 オチの変化にしても、捜査の動向で結果が変化するというより、あくまでも捜査のランクによって結果が変わるというだけっぽいし。 まぁ、1作目の作風から想像するに、元々は一本道的な路線だったんだろうし、それゆえに仕方がない部分もあるだろう。 今回はとりあえずこういう形にまとめただけでも評価したいところではある。
  また、細かい分岐が多いだけに、既読文章だけ飛ばせるような作りにしてほしかった。

  しかし、今回もパッケージ裏には「各話完結ですので、このソフトだけでお楽しみ頂けます」と書いてあるんだけど、 前作はまだしも、今作の場合はもう詐欺に近いものがある。 何があってもいきなり今作からプレイはしないように
  最後に、一度このテーマミュージックの生演奏が聴いてみたかった。 曲自体は非常に良いのに、各音がやや軽くて平坦な印象を受けたので。


  プレイ前から非常に楽しみにしてた一本なんだけど、その期待に十分すぎるほど応えてくれた。 シリーズ通して評価すれば、単品では(1つの作品として)このボリューム感は出せなかったろうし、連作タイトルとしての良さも上手く生かされていた。 探偵推理系ADV(「実際に推理する要素がなきゃ探偵推理系ADVじゃないやい!」というなら、探偵サスペンス系ADVでも結構)としても、 テキスト系ADVとしても、見事な傑作と言えるだろう。

2003年8月21日記載