REPORTロックマン ゼロ
GAME BOY ADVANCE
2002年4月26日発売発売:カプコン  開発:インティ・クリエイツ  

  ロックマン、ロックマンX、ロックマンDASH、ロックマンエグゼに続く、GBAオリジナルのロックマン新シリーズ。 といっても、DASHやエグゼみたいなパラレルワールドではなく、ストーリー的にはロックマンXシリーズと関連がある模様。
  開発のインティ・クリエイツはPS『LOVE & DESTROY』を開発した、 比較的新しめのメーカーで、実は、初代『ロックマンX』に携わった人たちが在籍してるメーカーなんだとか。
  個人的には、このシリーズをマトモにプレイしたのはDASHシリーズのみということで、 初めてマトモにプレイする正道のロックマンということになるんだろう。


  基本操作は、十字キーで移動、Bでジャンプ、Aでメインウェポン、Rを押しながらAでサブウェポンというもの。 ダッシュは左右×2でもできるし、Lキーを押しながら左右でもできる。 確かXシリーズで追加されたはずの「壁蹴り」アクションもあって、壁を垂直に登っていくことも可能になっている。
  溜め攻撃のバスターショットをメインに戦ってきた(はずの)これまでのロックマンと違い、 近接攻撃武器のウェイトが大きいのがこのゼロの特徴なはず。 武器は、基本となる「バスターショット」、攻撃範囲の広い近接攻撃「ゼットセイバー」、攻撃範囲は狭いものの上や斜め方向にも攻撃できる「トリプルロッド」、 ザコの通常ショットを跳ね返し、溜め攻撃でブーメランのような攻撃をする「シールドブーメラン」の4種で、これを、自分でAとRに振り分けて操作することになる。 ちなみに、デフォルトでは、Rを押しながらAでサブウェポンによる攻撃だけど、オプションによって、Rを押すだけでサブウェポンが使えるように変えることも可。 このゼットセイバーで斬る感覚は上々で、これまでのロックマンには無かった(はずの)メリハリが生まれてて良かったと思う。

  とりあえず、しゃがめないのと、 スクロールアウトすると速攻でザコ敵が復活する仕様に、「あぁ、これがロックマンなんだな・・・」とややグッタリ気味。 特にしゃがめないのは未だに馴染めないし、このゲームの場合、スライディング的なアクションも皆無なので、余計にツラい。 まぁ、これはもうこういうゲームとして割り切るしかないとは思うんだけど、 見える範囲の狭さ(画面全体に対するキャラの大きさ)がこれらの不自由さを増長してるのがイタかった。 操作しててもてんで面白くない。
  とにかくこのゲームは通常ステージ(道中が面白くない。 ステージの構造自体にも面白みが無いし、何より、体力回復アイテムがザコ敵を倒すと頻繁に出てしまうってのが、通常ステージのテンションを下げてしまってる。 道中にダメージが原因で死ぬことは、ちょっとありえない。 その割には、落下即死の場所があったり接触即死のトゲが割と散乱してたりして、 それがまた単発で、特に難しいという印象には繋がってないだけに、妙にアンバランスな印象。

  そういう意味でも、かなりボス戦の比重が大きいゲームと言えるんだろう。
  そのボス戦は全体的にかなりキビしめになっている。 初回プレイではクリアさせる気ゼロで、繰り返しプレイさせることで見切れるように頑張らせ、 プレイヤーの技量向上を目指すという形と言えるだろう。 そのこと自体は悪くない。 ただ、相手の攻撃パターン云々以前に、全体的に敵の当たり判定が大きく感じられるし、ジャンプの高さもボタンを押す長さに敏感で、かなりギリギリのジャンプを強いられることも多い。 画面の狭さがより辛く感じられることもあるし、敵の体に触れただけでダメージを受けるという仕様もあんまり好きではない。 また、ボスはダメージを与えると一定時間無敵になるので、単発のダメージが大きい溜め攻撃をメインで戦うことになるわけで、撃ち込む気持ちよさが無いのがマイナス。 んで、ただでさえ手にフィットしない携帯ゲーム機で、“AとRを溜めながらジャンプで避けて・・・”っていう操作は、想像以上にツラいものがある。
  そもそも、道中も含めて、通常攻撃と溜め攻撃の使い分けにメリハリがなく、 全編溜めっぱなしって感じなので、必要以上に疲れるんだよなぁ。

  確かに、(特に道中は)高いランクを狙えばまた話が違ってくるってのはわかるんだけども・・・。
  このゲームでは、ステージクリア後に、クリアタイム、敵の撃破数、被ダメージ量などによって、S〜Fの7段階でランク付けされる。 そのランクは累計でプレイヤーのレベルとして表示されるんだけど、どうやら減点制なようで、一度落ちたランクはもう上がらないっぽいという仕様。 一度クリアしたステージを繰り返しプレイすることもできないので、一度クリアしてしまったらそれまで。 そのランクによって、基地内での会話が変化したり、Aランク以上だと敵の攻撃パターンが増えたりするらしいんだけど、 ここの位置付けはどうにも微妙で、最初のプレイではランクを気にせずにプレイさせ、 クリア後のリプレイでランク狙いのプレイをさせるつもりにしては、全体的にそういうシステムになってるとは言いがたいものがある。
  ステージクリア時のランクによって(というか、ランク付けの根拠となった各データのバランスによって)、 称号が得られるんだけど、ランクDでは時折「ウスノロ」なんつー称号で呼ばれ、結構腹立たしかったりする。 さらには、ランクEでは「ムノウ」なんていう称号もあるそうな。 やっとの思いでクリアしたのに「ムノウ」なんて言われたら、ヘコむというより、ムカつくだろ、普通。 “ランクが高いやつはエライ”っていうのはわかるが、“ランクが低いやつはアホ”ってのはちと頂けない。
  ランク付けの根拠となるクリアタイムや被ダメージ量はリトライしても累計されるので、 結局、リトライを繰り返せばランクは下がってしまう(そもそもリトライ数自体がランクを下げる)。 消費型の「サイバーエルフ」(後述)を使ったら評価点が下がるのはもちろん、 さらに、恒常型のサイバーエルフを使ってしまっただけで、それ以降のステージ全てで評価点が下がってしまう。 つまり、高ランクを狙うとなると、ステージまるまる繰り返して(つまり、リセットしてセーブでたからの再開を繰り返して)プレイする必要があるわけだ。
  そういう意味では、デモシーンがキャンセル不可なのもイタかった。 セリフ送りはできてもデモシーン自体はとばすことができず、これが想像以上に鬱陶しい。 ボス戦の前のデモシーン、データロード直後の会話シーン(その後にまたセーブするかどうか聞いてくるんだから(で、再開するとまた会話の頭から)意味不明だ)など、 普通にプレイするだけでも鬱陶しいのに、高ランクを目指して繰り返しプレイするとなれば、その苦痛はさらに大きくなる。

  で、その、独自色だったはずのサイバーエルフというシステムが、全く煮詰まってなかったのも気になるところ。
  特定の敵を倒したり、ステージ中の隠しスポット的なところで、サイバーエルフというアイテムがゲットできる。 このサイバーエルフは、ステージ間の基地で3つまで装備することができ、ステージ中でそれをアイテムとして使用できるものと、 消費することで体力がアップするなどロックマンゼロの能力値を上げるものがあり、 いきなり使用できるものと、ザコ敵を倒したときにゲットする「Eクリスタル」を消費することで成長させて始めて使えるものにも分かれる。 例えば、消費型で直に使えるサイバーエルフは割とサクサク手に入るし、 能力値を上げるサイバーエルフは、レアな場所にあり、Eクリスタルで成長させる必要がある、そんな感じ。
  そういう説明を聞いたときは、 これによって各プレイヤーが自分なりの特色を持たせたキャラ性能にすることができるんじゃないかと思ったんだけど、 全くもってそういう要素にはなっていないのが、まず残念だった。 なんせ、サイバーエルフを使っただけでステージの評価点が下がってしまうわけで。 まぁ、そういう要素を目指すのであれば、消費してロックマンの能力値を上げるんじゃなく、装備することで能力値を上げるような形にするわな。 体力回復など体力に関する性能を持つ「ナース系」、ロックマンの性能を上げたり、敵の動きを止めたりといったサポートをする「アニマル系」、 制限時間を延ばしたりと、ステージ攻略の手助けをする「ハッカー系」という3つの分類があるんだけど、 そもそも、道中はクリアするだけなら全く難しくないわけで、 かといって高ランクを目指すとなるとサイバーエルフ自体使えなくなるので、結局のところ、体力回復系以外は全く使いどころが見つからなかった。
  要するに、完全に弱者救済要素なはずなんだけど、その弱者救済要素としても形になりきれてないのがってのが頂けない。 まず、サイバーエルフを成長させるためのEクリスタルが絶対的に少ない。 自分の場合、結局成長させることができたサイバーエルフは2つだけだったし、2段階の成長が必要なサイバーエルフなんてのは、全く使える機会がなかった。 ある程度有効なサイバーエルフを幾つも使おうと思ったら、相当量のくだらない経験値稼ぎならぬEクリスタル稼ぎが必要ははず。 また、消費型は消費したらそれっきりで再びゲットすることはできないし、 過去のステージを再プレイすることはできないので、サイバーエルフを取り逃したらそれっきり。 それ以上にマズかったのが、リトライなどを含めたシステムの問題。 体力回復アイテムをある程度ストックできる「サブタンク」や、消費型のサイバーエルフを使った後にリトライすると、 そのサブタンクやサイバーエルフは既に消費済みの状態になってしまう。 ステージ内でサイバーエルフを装備することはできないので、ボス前のチェックポイントに来てしまうともうサブタンクを満たすための体力回復アイテムは出現しないし、 結局、それらのアイテムを使ってプレイできるのは、セーブ地点から再開しない限り、(何回リトライがあっても結局は)1回だけということになる。
  そもそも、死んで覚えるという傾向が非常に強いゲームにも関わらず、 普通にプレイする限りでは、リトライ(普通のゲームの残機に相当)をゲットできる機会がちょっと少ない感を受けた。 逆に、リトライが1つゲットできるステージなら、(それさえ取り逃さなければ)延々とリトライ可能だし、 2つ以上ゲットできるステージなら、そのステージを延々と繰り返すことでリトライ数をドンドン増やせたりと、なんだかアンバランスな印象。

  難点とは言わないまでも、ムダというか消化不良と思える要素は他にもイロイロとある。
  まず、4種類ある武器を使い分ける必要性が、ほとんど感じられなかった。 結局、使うのは9割方バスターショットとゼットセイバーだけで、 「トリプルロッドやシールドブーメランを使った方がラクに戦えるんじゃ・・・」という場面は、ちょっと思いつかない。 使えば使うほど新たな能力(溜め攻撃が可能になるとか)を覚えていくという中途半端な成長要素も、 ゼットセイバーを除けば地味なパワーアップだけだし、全ての能力を覚醒させるには結構使い込まなくちゃならないし、 使い込むような場面も見当たらない(無敵のザコ敵に対して延々と攻撃していくだけで成長しちゃうんだけど、そういう問題じゃなく)。
  ポーズメニューで3種類のエレメント(属性)を切り替えることができ、ボスごとに弱点となるエレメントが設定されており、 そのエレメントで攻撃すると大きなダメージを与えられるという仕様も面倒くさいだけ。 見て弱点がすぐ分かるボスもいるし、そうじゃないボスは試して替えてを繰り返すだけで、どっちにしたって駆け引きもクソもない。 攻撃に属性が付くのは溜め攻撃だけなので、溜め攻撃偏重の一端を担ってしまってるし。
  ステージ間にはレジスタンス・ベース内を動き回れるんだけど、 その基地内でのイベント・会話のバリエーションは極めて少なく、できることも少ないのに、意外に広いので面倒なだけになってしまっている。
  また、一応、ミッションを幾つか用意されている中から選択してプレイしていくという形にはなってるんだけど、 それを選ぶ指標が皆無なので、結局、頭から順々にプレイしてクリアしていくだけに。

  グラフィックはまあまあ。 キャラクターのドット絵に限れば、細かく動くし、見栄えも悪くないしでハイレベルなはず。 ただ、派手さに欠け、ちょっと見せ場が足りない感じも受けた。
  ストーリーに関しては、 メカの反乱、ユートピア志向、それに対するレジスタンス運動っていうプロットは嫌いじゃないけど、まぁ、良し悪しを語るようなもんではないだろう。 ヒロインの辛気臭さは若干気になったし、一枚絵やフェイスウィンドウの使い方に工夫が感じられなかったりもしたが (やや雑な感じの手描きタッチというのも、個人的にはマイナス要因)。


  長く続いて評価されてるシリーズであるにも関わらず、恐ろしいほどに面白さが伝わってこなかった。 システム的にはやりこんで(高ランクゲットを目指してプレイして)ナンボっぽいんだけど、そこまでついていく気には全くなれず。
  んまぁ、これはこれでイビツな形のロックマンなんだろうけど、改めてロックマンとの相性の悪さを再認識させられた形だ。 今プレイ中のGC『ロックマンエグゼ トランスミッション』を除けば、 もう横スクアクションのロックマンをプレイすることはないに違いない。

2003年8月8日記載