REPORTBanjo-Kazooie: Grunty's Revenge
GAME BOY ADVANCE [海外]
2003年9月10日発売発売:THQ  開発:Rare  

  N64で任天堂から発売された「バンジョー&カズーイ」シリーズのGBA版。 開発のRareはGC『スターフォックスアドベンチャー』発売後、任天堂傘下からMicrosoft傘下に電撃移行、 当然、据置機ではソフトをXboxに独占供給することになったわけだけども、携帯用機ではGBAにもソフトを供給するという話は当初からあって、 THQをパブリッシャーとしてこの『Banjo-Kazooie: Grunty's Revenge』のリリースということになった。 つまり、N64『Conker's BFD』のConkerはもちろんのこと、 このBanjoとKazooieも(任天堂ではなく)Rareが権利を持つキャラクターということなんだろう。
  元々、RareはSFC『スーパードンキーコング』の大ブレイクで表舞台に出てきたといっても間違いないところで、 オーソドックスな2Dゲームの開発にも実績があったので、このタイトルが発表されたときはあるいはサイドビューのジャンプアクションになるかと思ったんだけど、 フタを開けてみれば、ゲームの概要はこれまでのシリーズと変わらず、トップビュー気味の擬似3Dアクションゲームとなっていた。 その考え方は、GBA『トゥームレイダー:プロフェシー』なんかに近いものがある。


  まずは「Spiral Mountain」という、ワールドマップ的な意味合いも持つ(ここから5つの各ステージへ行ける)ステージからゲーム開始。
  Spiral Mountainも含めた各ステージには、10個のジグソーピース、100個分の音符があって、 ジグソーピースは各ステージへの封印を解除するために、音符は道中でアクションを得るために必要となるので、 ジグソーと音符で行動範囲を広げつつ、ステージ間を行き来しながらゲームを進めていくことになる。 ここらへんの作りは、規模は違えどN64『バンジョーとカズーイの大冒険2』とほぼ同じ仕様。
  ゲームの基本的な部分は非常に良く出来てると思う。 操作性に特に違和感はなかったし、ほとんどがプリレンダCGを使ったものっぽいグラフィックは、64の時のイメージがあるせいか、その手法に特有で感じられる動きの硬さはあまり気にならず。 擬似3Dということで、どうしても立体感に欠ける部分がでてきてしまい、 足場などのオブジェクトの位置関係がよくわからないことがあるんだけど、それがさほど気にならないように上手く作ってあったのも好印象。 内容的にも、手法的に同じようなGBA『トゥームレイダー:プロフェシー』ほどは淡白になっておらず、いろいろと工夫の跡が窺える。
  豊富なアクションによって、徐々に行動範囲が広がってく作りも上手い。 Lでしゃがみながら、Rを押すとカズーイがバンジョーを背負う高速移動モードになったり、 A(通常はジャンプ)を押すとハイジャンプになったり、B(通常はアタック)を押すとカズーイを構えた射撃モードになったり、 射撃モード中にRで4種類ある弾の種類を変えられたりと、アクションの数だけ操作が複雑になってる面はあるけど、十分許容範囲内だろう。
  また、各ステージにあるマンボジャンボの家に行くことによって、特定の場所で暗闇を照らす「Candle」、小さい入口に入れるようになる「Mouse」、 特定の扉を破壊できるようになる「Tank」、氷の海や毒の海という通常ならダメージを受けてしまうところを通過できるようになる「Octopus」という4種類に変身することができる。 各ステージのボスを倒す毎に変身できる対象が増えていくという作りで、これもステージ間を行き来させられるネタのひとつになってるんだけど、 それぞれキャラの使い方にほとんどバリエーションがなく、使う場面も少なかったのが残念だったな。
  バンジョー(楽器)が効いた、いかにもこのシリーズらしい音楽も非常にグッド。 SEによって、バンジョーとカズーイなどのキャラの雰囲気もちゃんと再現されていた。

  ・・・であるのに、このゲームを良作とは言い切れないのは、そのボリュームの無さ。 なんせ、ラスボス倒すのに5時間半、全てのピースと音符を集めるのですら6時間半で終わってしまった。
  まず何より、基本的にステージが少なすぎ。
  そして、ボス戦とミニゲームの淡白さも非常に気になる。 ミニゲームに関しては、個々のデキ自体は悪くないんだけど、バリエーションが少なく、使いまわしの多さが気になってしまう。 一方のボス戦は全体的に単調。動いているだけで敵の攻撃が当たらないような場面が多すぎるし、これもやはり使いまわし(バリエーションの少なさ)が気になる。 2Dゲームということで、3Dゲームに比べるとフィールドでできることの幅は限られてくるのだから、 むしろボス戦とミニゲームで頑張らなくちゃならなかったはずなのに・・・
  それもあって、全体的な難易度の低さも気になってくる。 んで、それを増長してるのがリトライの仕様。 体力が無くなった時点で、画面が切り替わった地点からの再開となるんだけど、このとき、体力が無くなる前に取ったものは取ったこととして再開となってしまう。 つまり、死を覚悟してゴリ押しプレイで音符などを取ってもOKということになってしまうわけだ。これは非常にいただけなかった。

  英語に関しては、とりあえず、英語が全く分からなくてもクリアできないことはないと思う。 それでも、ゲットしたアクションの説明だとか、ラスボス戦では恒例のクイズもあるしと、最低限の英語力は欲しいかな。 さらに、会話自体も結構面白いはずなんだけど、クセのある喋り方をするキャラが多い上に、セリフが時間で流れていってしまうのがツラいところ。 別にテキストに合わせた演出があるわけじゃないんだから、セリフはボタン送りだけにしてほしかった。


  絵良し、音良し、ゲーム性良しで、予想以上に64版に近いテイストで楽しめるナイスな一本なんだけど、 このボリュームの無さ(&難易度の低さ)はさすがに致命的なものがある。 リトライの仕様を変え、この1.5倍(できれば2倍)くらいのボリューム感があって、 それに見合ったミニゲーム、ボス戦のバリエーションがあれば、かなりの名作になってたと思うんだけどなぁ。 GC『スターフォックスアドベンチャー』もボリューム的にはイマイチだったし、これがRareの慢性的な症状でないことを祈るばかりだ。

2003年9月28日記載