REPORTポイニーポイン
PlayStation2
2002年9月26日発売発売:SCE  開発:アルヴィオン  

  かなり早い段階からタイトルは発表されており、当初は2001年3月1日発売予定だったものの、 あり得ないくらいに延び延びにになり、ヒッソリと発売され、ヒッソリと消えていったソフト。
  開発のアルヴィオンは、SCEの「ゲームやろうぜ」という企画から生まれたメーカー。 主に他のSCEタイトルのデザイン関係の仕事に携わっており、アルヴィオン製作のゲームとなると、PS『サーカディア』、 そしてこのPS2『ポイニーポイン』くらいのようで、この10月に新作『チェインダイブ』が控えている。


  ゲームの形的には、3Dジャンプアクションと言えるだろう。
  「ジェリータウン」という街がワールドマップのような存在になっており、 次のステージへ行く場所を見つけ出し、そのステージをクリアしてまたジェリータウンに戻ってきて・・・を繰り返すことになる。 ジェリータウンでは次に行くべき場所はマップで印が付くので、 特に考えてどうこうという部分はないし、他にお楽しみ要素があるわけでもないしと、単なる移動ステージって感じなんだけども。

  このゲームのキモとなるのは、巨大なグミのような外見の「ポイン」という謎の物体。
  まず、主人公「ポイニー」はこのポインを持つことができ、投げることができ、置くこともできる。 ポイニーはポインの上に乗ることもでき、さらにポインの上に乗った瞬間にジャンプすると「ポインジャンプ」という高いジャンプになる。 また、ポインを持ったままジャンプしてボタンを押しっぱなしにすると「ポイングラインド」という、一定時間滑空して、より遠くまでジャンプできるようになる。
  ポインには赤い「ホットポイン」、青い「クールポイン」、黄色い「ハッピィポイン」の3種類があって、 異なった種類のポインを混ぜると、残りの色のポインに変化し(例:赤いポインに青いポインをぶつけると黄色いポインになる)、 同色のポインを混ぜるとポインが消えてなくなってしまうというのが基本性質になっている。
  各ステージは「毒ポイン」に侵されて凶暴になった住人がウロウロしており、この住人に同色のポインをぶつけ、正気に戻すというのがこのゲームの基本。 正気になった住人にポインをぶつけると、一定時間、赤なら怒って、青なら悲しんで、黄色なら喜ばせることができ、そのアクションによって道が開けて先に進めるようになったりも。

  ・・・と聞くと、結構面白そうなゲームに聞こえるんだけども、 残念ながら、アクションゲームとして基本的な操作性がダメダメなのが致命的だった。
  毎度毎度のことながら、3Dアクションゲームは視点に難点があることが多いわけだけども、このゲームはそれがかなり酷い。 視点操作はL1のカメラリセットのみ(主観モードもナシ)。 よって上下に視点を動かすことができず、距離感が掴みにくいし、ステージの構成が分かりにくい。 その上、カメラリセットは背景にひっかかる(主人公の背後に障害物があるとカメラが真後ろまで動いてくれない)という典型的なダメ仕様。話にならん。 また、L2ボタンで、通常の「ノーマルカメラ」とポイニーの背中を常に追う「フォローカメラ」の切り替えができるんだけど、 このフォローカメラがそこまでガッチリと背後に固定されておらず、ノーマルカメラとあまり変わらない上に、 なぜかフォローカメラモードだと視界がガクガクと動いてしまい、非常に目障りに感じられる。
  ジャンプの感覚もちょっとクセがあり(遠近感が掴みにくい視点であることも相まって)、目の前のポインに乗ることすらままならない状況。 よって、ポインジャンプ、ポイングラインドに関しては本当にそれ用に用意されてる場面でしか使わないし、自前でポインを置いてそれを活用する場面は皆無に近い。
  また、使ったポインはまたすぐに再生するし、まず3色のポインが近場に置いてあるので、 ポインを混ぜて色を変えるという要素や、同色のポインでポインを消すという要素も、全く活用されず終い。
  住人を正気に戻すところにも全く工夫の余地がないし、ポインによって住人の性格を変えるという要素も、その使われ方は単純そのもの。
  ボス戦も単純&平易で、ラスボスも恐ろしいまでに肩透かし。
  独特で面白いルールがあったにも関わらず、その実、全くゲームとして形になってなかった。 ここらへん、それを生かすようなアイデアが生まれなかったというより、 根本の操作性がこんなんじゃ、そういうアイデアが生まれ得なかった(生かせ得なかった)んだろう

  と、単純&淡白な内容にも関わらず、ミョーに分かり難いところがあって、ちょっと滞ることがあるのが余計に腹立たしい。 次の部屋に行く扉が分かりづらかったり、どういうタイミングでボスにダメージを与えられるのか(そして与えられないのか)が分かりにくかったり、 視点をスムーズに操作することができないので、どっちに向かって進んでるか、瞬間的に見失ったり・・・。 できること、いける場所が少ないので詰まるということはないんだけども。

  グラフィックは、パッケージからも分かるとおり、色使いが毒々しいくらいにヴィヴィッドで、 その上、PS2らしいギザつきが目立つので、かなり目に優しくない感じ。 おそらく狙ったんであろうポップな感じが生きたのは、それこそ最終ステージくらいかもしれない。
  キャラクターデザインも、全く可愛くない主人公ポイニーを初めとして、特に人型キャラに関してはかなりイマイチ。 デザインもさることながら、モーションの作りが雑で、仕草が不自然で可愛くないのが致命的なところだろう。逆に、無機質な感じのキャラは悪くなかったな。
  なんとなくセサミストリートを思わせるオープニングソングからも分かる通り、 若干教育番組っぽい雰囲気があって、そこにスラングを多用させるちょっと行儀が悪いテイストを付加したようなノリ。 言ってみれば“悪ガキ風”ってところか。 そのノリがこの上なく空回りしてるように感じられるのは、基本となるゲーム部分がお粗末すぎるからってのと、キャラに魅力がないからだろう。 ただそれでも、ポイニーの相棒になる知性のある特殊なポインのスラング交じりのナマイキなトークは、このゲーム最大の魅力と言える。 よって、日本語音声と英語音声が選択できるゲームなんだけど、日本語音声では魅力半減だろうな。

  ボリューム、リプレイ性もかなりヤバめ。 各ステージやボス戦では一応スコアが残るものの、形式的に同じステージを繰り返しプレイできる形ではないし、 スコアアタック自体、各ステージの住人の助けた人数とクリアタイムからによる単純なものなので、面白みがあるとは思えない。 んで、自分のクリア時間は4時間弱程度。 そのまま2周目に突入したものの、どこが変わったのか全くわからないんだけど・・・。

  同系のアクションゲームとしては、あのPS2『ひっぱリンダ』よりはちょっとマシっていう程度の、とにかくお粗末な内容だった。 ここまでアイデアをゲームとして具現化できてないゲームも、なかなか無いんじゃないだろうか。 延び延びになってた理由はよくわかったんだけど、結果としてリリースされちゃった理由がよくわからんなぁ。

2003年9月16日記載