REPORTSerious Sam: The Second Encounter
PC
2002年2月4日発売発売:Gathering of Developers  開発:Croteam  

  最近のFPSのリアル志向やシステムの複雑化という方向性の真逆を狙い、 予想以上の評判を得たらしい『Serious Sam: The First Encounter』の続編。 元々予定された1本分のゲームの1/3を安価でパッケージングしてリリースされた前作の流れを汲み、今回は全体の真ん中の1/3分を、やはり前作と同じ価格帯でリリースしたとのこと。
  というわけで、ゲームの概要については前作のレビューを参照のこと。例のごとく、シングルプレイオンリーのレビューとなる。


  前作のラストでボスを倒して、宇宙船に乗り込み、敵エイリアンの母星へと旅立ったはずの主人公「Serious Sam」こと「Sam Stone」なんだけど、 とあるアクシデントにより、出発直後にまたもや地球に墜落。よって、本作の舞台はまたもや地球。
  古代エジプトが舞台だった前作に対し、本作は、マヤ文明の遺跡を舞台に5ステージ、 古代バビロニアを舞台に4ステージ、中世ヨーロッパを舞台に3ステージという3部構成になっている。 それぞれにボスがいて、舞台が変わった時には武器はまた初期状態に戻されてしまう。 それにより、割と早い段階でサクサクと新しい武器をゲットしていくようになっていて、全体的にスピーディな構成になってると思う。

  今回追加された武器は、チェーンソー、火炎放射器、狙撃銃、「Serious Bomb」の4つ。
  チェーンソーは近接用武器。バカにならない攻撃力なんだけど、ゲームの性質上、あまり使うことはなかったな。 Serious Bombは普通の武器ではなく、広範囲の敵を一気に滅殺するという、シューティングのボム的な存在で、 最大3個までしか所持できないし、ゲーム通してもおそらく10個ちょっとくらいしか出現しないはず。 邪道っぽいけど、助かるのは確か(結局、使うのをシブって残ってしまうんだけど)。
  重要なのは後の2つの武器。 狙撃銃は右クリックでスコープ画面になり、右クリックしたまんまで倍率が上がっていき、 もう一度右クリックするとスコープ画面が解除される。 その照準の仕様のお陰で遠くの敵を攻撃すること自体は普通の武器でも問題なくできるし、 ゲームの性質上、“こちらに気付かない敵を遠くから狙撃”なんていうシーンはほとんどないんだけど、 攻撃即直弾な武器の中では最大の攻撃力を持っており、中型の敵もほとんど一撃で倒せるので非常に助かる。 その反面、連射力は高くないし、弾薬の数は少なめ。 で、今回追加された武器で最も使えるのは火炎放射器だろう。 ロケットランチャー、グレネードとは違って自爆の可能性がなく、割とアバウトに狙える上に、ダメージも大きめと、前作で難しかった、迫ってくる大量の敵の対処にうってつけ。 射程距離も意外に長く、弾薬も(他の武器に比べると)かなり多い目の印象を受ける。 つーか、さすがにこれは便利すぎるような・・・。せめて、射程距離はもうちょっと短くてよかったんじゃないだろうか。

  敵キャラも武器同様、前作+αという形。
  2種類の「Zorg」という敵は前作にもいた人型キャラを若干強化したような敵。 「Cucurbito the Pumpkin」はカボチャのマスクを付け、チェーンソーを振り回して突撃してくる敵。 単発の攻撃力はかなり大きいものの、前作でも大量に出てきた骸骨キャラ「Killer Skeleton」に似た行動パターンで、 あれほど大量に出てくる場面は少ないので、それほど苦労はしない。 緑色で弾速の遅い破壊可能な誘導弾を撃ってくる「Aludran Reptiloid」を赤くしたような「Fiendian Reptiloid Demon」は、直進する破壊不可能の弾を撃ってくる敵。 遮蔽物があればダメージを食らわないし、弾の軌道は単純で動いてると結構当たらないので、Aludran Reptiloidほどイヤらしくない。 全く新しいタイプでちょっと厄介なのが、ダメージはさほど大きくないもののロケットランチャーをSamを挟むように2発平行に撃ってくる「Zumb'ul」。 弾速も結構速い上に、爆風にもダメージがあり、微妙に高い耐久力が厄介なところ。 致命的なダメージを食らうことはないものの、逆に気を抜くと相手が1体でもダメージを食らいがちなので、スナイパーライフル使用候補筆頭だったりする。 終盤には、Samの「SBC Cannon」(ドラえもんの空気砲みたいな形をした、Sam最強の武器)と同じような性質の弾を撃ってくる砲台も登場。 直撃を食らうと即死なんだけど、撃たれることに気付けば対処に困ることはない。
  前作のインパクトが強かっただけに、敵の新キャラは若干インパクト不足な感じかな。

  また、本作からの新ファクターとして、一定時間パワーアップするアイテムが追加された。 ダメージが大きくなる「Serious Damage」、移動速度が大きくなる「Serious Speed Boots」、無敵になる「Invulnerability」、敵から見つからなくなる「Invisibility」の4種類で、 後者2つは本当にレアなもんでゲームに大した影響はなかったけど、Serious Damageは使うタイミングが重要で、使ったときは気持ちイイし、 Serious Speed Bootsは、意外と効果的に使える場面は少ないものの、 (なんせステージが広いので)自キャラの移動スピードにややイライラすることもあるこのゲームでは、スカッと爽快な良いアクセントになってたと思う。
  グラフィックは、“前作からビミョーに向上したような気がしないでもない”っていう程度。 広さ、オブジェの多さのインパクトは前作同様だし、何気にエフェクトをきかせた場面も美しい。 前作より若干重いかな?っていう場面もあったけど、基本的には自分のPCでも快適にゲームをプレイできた。 相変わらず、敵の量とかで処理が重たくならないのはスゴいと思う。

  肝心の戦闘は、若干路線が変わった感じがしないでもない。 序盤の草むらの中を突き進むシーンも結構印象的で、「おっ」と思わせてくれるし、それによって若干敵を認識しづらいのも、逆に新鮮で楽しかったりする。 何より、前作に比べると四方八方から攻められるようなシーンは極端に少なくなってると思う。 あからさまにワープして現れてくる敵も前作に比べると減少し、一応物陰から現れるようになってたりという工夫も窺える。 特に中盤では樹木の枝の陰に敵が隠れてたりという場面も目立つし。 アイテムを取ることがフラグ立てになって敵が現れる場面も少なくなったし、何かをフラグにして弾薬等のアイテムが出現する機会も、 かなり少なくなり、基本的にはその場にある弾薬でやりくりといった感じ。 よって、前作以上の難易度でありながらも、“覚えゲー”っていう感覚は若干和らいだように思う。
  その代わりと言うわけではないんだろうけど、特殊なシチュエーションでのバトルがちょいちょいと追加された。 床が全面トランポリンのようになってる縦長の部屋で、延々とジャンプしながら戦ったり、ピンボールのように壁に弾き返される部屋で戦ったり・・・。 そもそも、あまり空中で自由に動けるゲームじゃないだけに空中に飛ばされるとどうにもならない感じがあるし、 それ以外の特殊シチュエーションにしても、正直、全くといっていいほど面白くなかったなぁ。苦痛なだけで。 アクセントを付けようとしたのはわかるんだけども・・・。
  ただ、やはりこれも今作から目立つようになった落下即死的なジャンプアクションの場面は、 そんなに悪質なものはないし、バトルと絡む場面も多くないので、これはこれでアリだろう。特にマイナス印象は残らず。

  前作では面白かったんだけど機会が少なめで中途半端にも感じられた、Samのセリフがかなり増えたのはナイス。 同様にSamに埋め込まれたコンピュータNetricsaによる解説もより豊富になったんだけど、かなりギャグなネタが多くなって、ちょっとキャラが変わってしまった。 まぁ、ここらへんはしかるべき方向への微調整と言えるんだろう。
  隠しステージがなくなった分、全体的には前作より若干ボリュームアップ。 また、シークレットも分かりやすいものが増えたようで、 特にシークレットを探しながらプレイしたわけではないにも関わらず、ほぼ半分のシークレットを発見できた。 かなりギャクなシークレットもイロイロと用意されてる。
  最後に、(前作のラストも含めて)全体的にパンチのきいたボス戦が多い中、本作のラスボスはややインパクト不足だったな。


  動きが制限される場面は好きじゃないし、いぜんとして“いつでもセーブ”を前提にした作りではあるんだけど、 前作に比べると、敵の出現方法が工夫されており、全体としては随分バランスが良くなった印象を受けた。 安心してプレイできる続編と言えるだろう。 とはいえ、序盤から割とキビしいので、前作からプレイした方がすんなりとプレイできるに違いない。
  しかし、前作と本作でやりつくしちゃったような感じもするんだけど、最後になるはずの次回作は大丈夫かな?   まぁ、それゆえに開発に時間をかけて頑張ってるんだろう。期待して待つことにする。

2003年9月13日記載