REPORT伝説のスタフィー
GAME BOY ADVANCE
2002年9月6日発売発売:任天堂  開発:トーセ  

  任天堂のGBAソフトとしては珍しい、キャラクターも含めた完全オリジナルのアクションゲーム。
  開発のトーセは(特に移植作業の委託を多く引き受ける)国内最大級の開発メーカーでありながら、 ユーザーにあまりその存在が知られることがなかったんだけど、GBC版『ドラゴンクエストI・II』あたりから認知されてきて、 今は「ドラゴンクエストモンスターズ」シリーズの開発メーカーとしても有名になってきた。 この『伝説のスタフィー』は、珍しく開発メーカーとしてトーセの名前が前に出てるゲームでもある。


  ある日、「テンカイ(天界)」の王子「スタフィー」がうっかりあるツボを海に落としてしまい、 そこから大嵐が発生、スタフィーはその嵐の勢いで海に落っこちてしまう。 そこでスタフィーは、海に溢れ出した魔物を倒しながら、テンカイへ帰る方法を探すのだった、というお話。

  その大部分で海が舞台となっており、 このゲームの最大の特徴は、普通のサイドビュージャンプアクションと、 8方向に自由に動ける水中シーンが混在してるところと言えるだろう。
  ジャンプアクションシーンは、Bの「スピンアタック」で体当たり攻撃をしたり、 B押しっぱなしでダッシュができたり、Aのジャンプ中にボタンを押しっぱなしにすると落下速度がグッと落ちるグライド状態になったり。 通常の移動速度はかなり遅めだけど、ジャンプやダッシュ(とマップデザイン)のお陰でそれもあまり気にならず。
  水中では、何もしてないと下にゆっくり落ちていくけど、 それ以外の移動の場面では重力を感じることはなく、基本的には360度自由に動ける。 そして、Bのスピンアタックは一定距離突撃する攻撃になり、Aボタンは押している間は速く動けるという操作に変化する。
  ちなみにこの水中シーン、個人的には、2D時代の『エコー・ザ・ドルフィン』を思わせるところがあったりして。 さすがに呼吸っていう概念はないけど、海中が舞台で360度自由に動け、体当たり攻撃に加速操作、と。 何らかの影響を受けてたとしても、全く驚くところはないなぁ(逆に、影響を受けてなくても驚かんけど)。
  そんなに多くないゲーム形式なだけに、そのプレイ感覚は結構新鮮。 ジャンプアクションシーン、水中シーン、それぞれがお互いに上手くスパイスになっているし、 各マップデザインも上手に作られていて、アクションとパズルのバランスも良い。

  んで、とにかく、主人公スタフィーが予想以上の可愛さ。 特にこのゲーム、(スタフィーに限らず)イラストよりゲーム中のドット絵キャラの方が魅力的で、 バリエーション豊かな細かい仕草が実に可愛い。 ヒトデらしいスタフィーを初め、海洋生物が元ネタになっている登場キャラや敵キャラは、その役割に応じてどれも良く描けてると思う。
  逆に、性格的なキャラクターとして良かったのが、一緒に冒険することになる、口だけは達者なハマグリ「キョロスケ」。 ヒントを提示したり、ステージ内での他のキャラとの会話を一手に引き受ける(スタフィーは全くしゃべらない)と狂言回し的な役割になっており、 その口だけ達者でエラソーだが小心者っていう憎めないキャラが、主人公スタフィーと非常に上手くバランスが取れていた。
  もちろん、ストーリーそのものが面白いタイプのゲームではないが、全体的にユルい感じのイベントシーンの流れは悪くない。

  ただいかんせん、余りにもヌルすぎた。 体力は5つあって、結構頻繁に出現する「しんじゅ」を5つ集めると1つ回復するし、各ステージ内に結構用意されてるチェックポイントをチェックすると体力全快。 体力がゼロになる機会はほぼ皆無といっていいだろう。 ボス戦も、それなりに工夫はされてるんだけどやっぱりヌルく、リトライする機会は皆無に近いはず。
  それも手伝って、本編はボリューム的にも若干物足りなく感じられる。
  ただ、一度ゲームをクリアすると、今度はテンカイのお宝をスタフィーが海に落としてしまい、 各ステージをまわって全45個の宝物を回収することになり、真のクリアまではまだ道のりが残ってるという作りにはなっている。 これまで壊せなかったブロックが壊せるようになり、新たなマップを進めるようになったり、5つの「のりもの」をゲットすることで、 そののりものに応じたミニゲーム的なステージを遊べるようになったり、各ボスもビミョーに強くなってたり。 アクションをゲットしてその性能によって行動範囲が広がり・・・ってワケじゃなく、そういう意味では脈絡がないところもあるんだけど、 各ステージの出だしにいるキョロスケに話しかけことによって、そのステージで残ってるお宝をゲットするために進むべきルートを教えてくれる親切仕様。
  この部分は難易度的にも(それでもハードとは言い難いが)本編よりは若干歯ごたえがあるし、ボリューム的にもここまで含めれば、まぁ合格点だろう。
  問題は、お宝をゲットした時点で強制的にステージから出されてしまうところ。 よって、ステージの序盤は何度も繰り返しプレイすることになり、ステージによっては面倒臭いの、鬱陶しいので・・・。 んまぁ、あまり1個のステージを集中して繰り返しプレイせず、ある程度かいつまんだようにプレイすることで、それも若干まぎれはするんだけど。
  最後に、ポーズして電源を切ると、次はその場所から再開できるという、 携帯機ならではのお手軽なセーブの仕様は嬉しかったな。


  さすがにヌルすぎるとは思うものの、思ってたよりスタフィーが可愛くて、 思ってたよりゲーム的に新鮮味があって、と、なかなか楽しめた一本だった。 将来的には、据え置き機への進出もあり得なくはない素材なんじゃないだろうか。 とりあえず、発売したばかりのGBA『伝説のスタフィー2』も、近いうちにプレイすることにしよう。

2003年9月8日記載