REPORTダイナソーハンティング 〜失われた大地〜
Xbox
2003年9月18日発売発売:マイクロソフト  開発:スカラベ  

  タイトルにある通り、恐竜をハンティングするという一風変わった題材を扱ったアクションゲーム。
  他に比較的最近ではPS2『日本代表選手になろう!』を開発した開発元のスカラベは、 過去にDCの「ジャイアントグラム」シリーズ(というか、セガの「全日本プロレス」シリーズ)や、 珍しいところではSS『バトルモンスターズ』などを開発しており、かなりカオスめかつ無名ながらも、それなりの実績のあるディベロッパーと言っていいだろう。


  ゲームの大まかな流れは、足跡などを手がかりにメインターゲットの恐竜を探し出し、ライフルの麻酔弾で狙撃して捕獲して、 ベースキャンプに戻ればステージクリア、そのステージでの評価が下され、イベントシーンが挿入されたりして次のステージへ・・・というもの。
  ゲームの進行はいわゆる客観視点がメイン。 左スティックを倒した方向にキャラが進み、右スティックで旋回も含めた視点操作、左トリガと右スティッククリックが共にカメラリセット。 左トリガは正面近くに恐竜がいた場合はロックオンにも割り当てられているんだけど、 それでカメラリセットができなくなってしまうのがイヤなら右スティッククリックを使ってくれってことなんだろう。
  視点関係では、上下リバースの設定を変更できないのがマイナス。 実は、コントローラ設定で「リバース」という項目はあるんだけど、これは左右方向のリバースだったりする。 思わず、「設定の変更がゲームに反映されない上に、左右の視点回転が通常と逆(右に倒すと左を向く)って、ナメてんのか!?」と混乱してしまったじゃないか・・・。 説明書及び設定画面に一言ほしかったところだ。 右スティックで視点を上下に動かしても、自キャラを動かすとすぐに水平(というか、CPUが勝手に制御する)状態に戻ってしまうという仕様は頂けなかったし、 左右旋回のMAXスピードはもうちょっと速くても良かったと思うけど、操作性自体にはあまりクセがなく、悪くない部類だろう。
  その他の操作としては、左スティッククリックは、 動いていないときには伏せ(この状態では移動不可)と通常状態の切り替え、移動中には移動方向へ横っ飛びする全身無敵の回避行動。 また、Aボタンを押すと主観視点の「サーチ」モードに切り替わり、カーソルを対象に合わせることで、恐竜のデータ、地形の情報などを得られることができる。 Aボタンは目の前にアイテムなどがあった場合それを直接調べること時にも使うのだけど、 目の前のものを調べようとしてるのに、判定が合わずに、いちいちサーチモードになるのはちょっと鬱陶しかった。 目の前のものを調べられる時にはアイコンが表示されるようなフォローがほしかったところだ。
  画面左下に表示されるレーダーには、風向き(恐竜が自分の匂いを察知したりする)や自分の立てた足音の大きさなども表示され、 そこまでシビアにハンティングを左右するわけではないけど、ハンティング気分を盛り上げてくれる。 また、恐竜も基本的にはレーダー上に表示されるんだけど、草むらの中に隠れてる恐竜は表示されないし、 そもそも表示される範囲があまり広くないしと、あくまでもプレイヤーをフォローする程度の存在になってるのも良い。

  攻撃関係は、右トリガでハンドガンの発射、Xボタンを押しながら右トリガでショットガン、 Yボタンを押すとスコープ視点になってライフルで狙撃することができる。 ハンドガンは一応通常攻撃的な位置付けではあるものの、大型の恐竜には全く通用しないし、中型の恐竜に対するダメージも小さく実用的とは言いがたい。 それどころか、小型でも攻撃的な恐竜に対して真っ向から使ってくのはやはり危険。 一方のショットガンは、大抵のゲームの場合“射程は短いけど近ければ近いほど威力が上がる”っていう性能が多いんだけど、 このゲームの場合は、ダメージの小さいハンドガンをフォローする、シューティングゲームでいうボム的な意味合いが強い。 ハンドガンに比べると段違いにダメージが大きく、攻撃範囲も大きい代わりに、弾薬の数が少なく、弾薬の値段もかなり高くなっている。
  よって、ライフルによる狙撃が、このゲームでは最も重要な攻撃になってくるわけだ。 ただし、通常弾での攻撃は威力がさほど大きいわけじゃなく、いくら遠距離でも通用するのは小型の恐竜くらい。 より重要なのは、「調合弾」という特殊な弾丸による狙撃で、メインターゲットの捕獲にはほぼ必須の要素になってくる。 これは、R(赤)、G(緑)、B(青)という3つの要素を自分で調合して弾を作り、恐竜ごとに設定された割合に近ければ近いほど大ダメージが与えられるというもので、 完全に調合された調合弾をヒットさせると、その恐竜は一撃で倒すことができる(さらに、ターゲットクラスの恐竜の場合、それをその恐竜固有の弱点にヒットさせる必要もある)。 調合弾を使わないで倒せなくもないターゲットもいるけど、攻撃回数が多くなれば多くなるほど、その恐竜に外傷を与えたということで、 報酬が減っていってしまうので、特に報酬が大きいターゲットクラスの恐竜は、調合弾一発で倒すのを目指すことになる。 もちろん、単発の攻撃で倒せる恐竜はほとんどいないので、攻撃的で危険な恐竜とか、草むらの中に隠れてる恐竜を事前に排除したりするのにも、この調合弾は有効。
  この調合量は、一応、肉食恐竜はR要素が、草食恐竜はG要素が、レアな恐竜にはB要素が多くなるという基本はあるものの、 それだけで類推するのはムリで、段階的に明らかになっていく。 まず、調合弾の色だけが分かる状態(R、G、Bがそれぞれ赤、緑、青に対応していて、例えばそれぞれの要素をフルに調合すると真っ白になる)、 そして、調合量が円グラフで示される状態、最後に調合量が具体的な数字で分かる状態と。 一番手っ取り早いのは、その恐竜を倒して調べることで、これなら一発で具体的な調合量がわかる。 ただ、もちろんターゲットの恐竜に対しては行えず、前の調査隊が残した文献や、ターゲットとなる恐竜の糞や死骸を調べることで、 徐々に明らかにしていく必要があるし、場合によっては、具体的な数字がわからない状態でターゲットと相対することも出てきてしまう (この場合、得られてるヒントから類推し、試し撃ちを繰り返すことになる)。 上の方で、ゲームの大まかの流れとして“メインターゲットの恐竜を探して”と書いたけど、 実際は、“糞や死骸などを調べることでターゲットの調合量を調べつつ、その恐竜の居所を探して”ということになるわけだ。
  とりあえず、“ハンティング感”みたいなものは、なかなか上手くゲームとして表現できていたと思う。

  残念だったのがマップの狭さ。 途中にローディングを挟む形で違う舞台に行くという形になっており、個々の場所は結構狭いめになってしまっているのが残念。 例えば、危険な恐竜に気づかれても、そこから出て違う場所に移ることで、ラクに危機を回避できてしまう。 また、マップ全体は感覚としてはそう狭いわけではないんだけど、ゲームプレイとの兼ね合いからすると、やっぱりこれも狭く感じられてしまう。 基本的には、各ステージにはメインターゲット1種と、サブターゲットが2種がいて、制限時間はゲーム内の時間で3時間(実時間では1時間半)ほど。 これだけの制限時間があれば、さほどムリなく満遍なくステージ内を散策できてしまい、初回プレイ時でも、まず間違いなく全てのターゲットを探し出せてしまう。 欲を言えば、シームレスでイヤっていうほど広大なマップを用意してほしかったところなんだけど、こればっかりは技術的な問題もあるからなぁ・・・。
  さらに、舞台の雰囲気の変化などでそれなりに誤魔化してはいるけど、ゲームの流れ自体はかなりワンパターン。 ターゲットの調合量を調べるためにマップ中を探索し、糞なり死骸を見つけて、ターゲット戦では隙を見つけて狙撃、と。 マップは当然固定な上に、その調合量は恐竜の種類によって固定なため、一度判明したらOK(例えば、リトライしてもその数字を覚えてれば100%の調合弾が最初から作れてしまう)。 よって、残念ながらリプレイ性はかなり低くなってしまったと思う。
  ちょっと、調合量を調べるという要素の比重が大きすぎたかな。 もう1つくらい何かの要素と、ゲームとしてのシビアさ・緊張感がほしかった。 そういう意味では、題材からしても“サバイバル感”みたいな部分がほしかったところ。 水とか食料とかまでは言わないものの、例えば、マップ表示とか調合の時もリアルタイムでゲームが進行していくとか、 相手が恐竜である以上、コイツと相対した時点で絶望的、そんな恐竜がいても良かったんじゃないかな。
  もちろん、もっと分かりやすい形の要望としては、敵の出現はもちろんのこと、 プレイする度にマップに変化するといったことまで含め、もうちょっとランダムな要素を散りばめてほしかったわけだけども。

  グラフィックはそこそこ。地形なんかはちょっと雑すぎる気がしないでもないけど、水面は非常に綺麗だし、自然なかかり具合のモヤ、 ちゃんとユラユラ揺れてる草むらなどなど、全体的には非常に雰囲気のある風景に仕上がってると思う。バリエーションも豊か。 そして、何より素晴らしいのは50種を超える恐竜たちのモデリングとアニメーション。 もちろん、この題材でゲームを作るとなったら当然のように頑張らなくちゃならないところなんだろうけど、にしても秀逸。
  主人公のコスチュームとは裏腹に、20世紀初頭が舞台ってのはビックリした (なんせ仲間のハンターの一人はアーサー・コナン・ドイル(シャーロック・ホームズの原作者ね)だったりする)けど、 まぁ、ハンティングの内容を考えれば、やむを得ないところだろう。ムリに時代性を表現しようとせずに、独自の世界観で押し切ったのも正解だと思う。
  概ねステージ間のムービーシーンで進行していくストーリーは、アクションゲームとして嫌味にならない程度にドラマチックで、なかなか良い塩梅だった。 しっかりと主人公(=プレイヤー)の視点から物語を描いたとこにも好感が持てる。 ミニゲームっぽいイベントが間にあったりして、プレイヤーを置いてきぼりにしない工夫も見られるのも良かった。 ただ、いかんせんそのミニゲームの内容があまりにも淡白すぎて、本当にイベントと化してるのは若干問題あり。 せめて、ムービーシーンからシームレスでテンポ良く移行するなら、そういう位置付けでも良かったと思うけど、ローディングでかなり間が崩されてしまうだけに・・・。


  とりあえず、恐竜のハンティングを題材にした点は良かったし、 グラフィックを含めてその雰囲気作りには成功してる上に、それがちゃんとゲームになってるのがエライ。 初回プレイに限れば、結構楽しめると思う。
  ただ、どう転んでも佳作以上の評価が得られないであろうゲームなのも確かなところ。 もっとリアルタイム性を高めて、サバイバル性を出せれば、もう一皮むけたんじゃないだろうか。惜しい。

2003年12月15日記載