REPORTラチェット&クランク2
PlayStation2
2003年12月11日発売発売:SCE  開発:Insomniac  

  昨年12月に発売されたPS2『ラチェット&クランク』は、 本体同梱版の存在もあって、(強引ながらも)国内では50万本を超える好セールスを記録。
  で、その続編が、前作同様北米から1ヶ月遅れという割とスピーディーなタイミングでのリリースとなった。


  その基本は前作から変わってないので、まず前作のレビューを参照のこと。
  見える範囲、オブジェクトの数、共にパワフルなグラフィック、 ややモッサリとしたキャラ操作感、それ以上にモッサリとした視点操作感、 箱庭感に欠けた一本道的な各ステージの作りなどなどは、前作からまんま継承されている。
  特に残念だったのは、視点の操作感が全く変わらなかったこと。 モッサリしすぎだし、操作感にも安定感がない。 「みまわしモード」ちょい押しがカメラリセットなのに、 ボタンを押しっぱなしにすると画面の向いている方向に対してみまわしモードになるという、操作のねじれも相変わらず。 とはいえ、シューティングっていうゲームの方向性からして、 画面の方向に対してみまわしモードになるのは当然だろうし、他にカメラリセットを他に割り当てるボタンも、 (一応、R3という候補はあるけど)ちょっと見当たらないので、ここらへんはやむを得ないところではある。 やはり、カメラリセットに頼らざるをえない通常のカメラ操作感の悪さが問題か。
  ガラメカの数の割にショートカットが少ないというのも同様。 非戦闘用ガラメカは十字キーに割り当てるなどの工夫が欲しかったところ。

  で、肝心のゲーム内容は、より銃撃戦&バトル重視に変化した。 そうなった原因は、まず、敵に対するロックオンマークが前作より遥かに付きやすくなったこと。 前作同様、ロックオンの対象を自前で変更させる操作は用意されておらず、そこらへんの不自由さはいぜんとしてあるものの、これだけでも随分と違った印象を受ける。 そして、L2orR2で見ている方向を固定して動ける「スライドモード」の追加。これも相当にデカい。 視点操作がモッサリしすぎてるのでFPSっぽい操作をするのはムリがあるけど、微調整程度だったら右スティックで行えるし、かなり銃撃戦ができる操作となっている。 これらの改良によってか、オムレンチでは対処しきれない敵が大幅に増えて、 武器を使わなくちゃならない場面も増えたし、今回は武器に経験値があるので、できれば武器を使いたいというのもある。
  これにより、体力関係のバランスも大きく変化。 今回は経験値が導入されていて、敵を倒せば倒すほど経験値が溜まり、レベルアップして体力が増えていくようになった。 かなり頻繁にレベルアップする印象で、それだけ体力が増えていくわけだけども、敵からのダメージにも幅が生まれた。 つまり、体力が増えるというよりも体力ゲージが増えていくという感じに。 それはそれで非常に結構な改良だったんだけども、こういう形にした割には体力回復は前作に近い形なもんで、体力回復の機会が少ない印象が。 リトライのリスクはそこまで戻されるだけなもんで、“体力回復したいなら死ねば?”みたいな感じ (まぁ、終盤はリトライポイントが少ないので、ヌルすぎてグダグダってことはないんだけども)。
  こういった改良の方向性は、題材に相応しいと思うし、非常に良かった。 前作より、遥かに攻撃の爽快感があるゲームに仕上がってるんじゃないかな。 ただ、視点や体力などでも分かるように、まだ中途段階って感じなのも確か。 上方向の敵にロックオンマークが付き難い(視点をそっちに動かしても付いてくれない)のも気になったし。

  武器と体力に経験値要素が追加されたのは、まぁ良し悪しか。 個人的には歓迎できないけど、それでバランスが破綻してるというほどでもない。 また、武器の使用はどうしても経験値重視になってしまい、中型、小型の武器はその武器の特性云々以前に、経験値が溜まってない武器を優先的に使っていく感じ。 これは逆に、そういう武器の特性が弱く、有用性が低いからでもあるんだけども。 全体的にダメージ不足な印象で、特に終盤は弾数が少ない単発で大型の武器しか使い物にならなくなってしまう。
  非常に気になったのは、ミニゲーム、イベント戦のデキが前作に比べるとよくなかったこと。 特に、大味なだけになってしまったジャイアントクランク、宇宙でのシューティングシーン、 前作に比べると攻略性が非常に低くなってしまってたラスボス戦は、かなり残念だった。
  あと地味なところだけど、ボルト集めのチャリンチャリン感は若干弱くなった。 まぁ、ここらへんは攻撃の爽快感と引き換えといったところか。

  ステージの数自体は前作とさほど変わらないし、 ステージ間を行き来する機会はほとんどなくなり、ゲームの流れはより一本道になったにも関わらず、 自分の場合はクリア時間もちょっと延びた(前作は約12時間、本作は15時間ちょっと)し、前作よりは若干ながらもボリュームが増した感じがある。
  ただ、それ以上にゲームのバリュー感という意味で良かったのは、リプレイ要素が強化されたことだろう。 2周目は、敵が強くなり、武器をもう一段階アップグレードできるように(大量のボルトが必要だけど)改良可となり、 何より、敵をノーダメージで倒し続けることによって、得られるボルトに最大×20のボーナスが付くというのが面白い。 武器改良に必要なボルトは異常な量だけど、それも結構楽しんで遊べるんじゃないかな。 また、面白かったのが一度ゲームをクリアすると主観視点モードが追加されること。 オプションでいつでも切り替えることができ、よりシューティングよりに改良した甲斐あってか、これでも普通に遊べてしまうのがスゴい。
  ただ、「スキルポイント」は前作同様分かり難すぎると思うし、 武器を改良するときに必要となってくるゴールデンボルトならぬ「プラチナムボルト」なんだけど、 前作とは違って、そのステージに隠されてる総数&ゲットした数が明示されないのも×。

  ムービーも含めたイベントシーンは、若干テンポが良くなったか。 風刺というかパロディっぽい雰囲気を絡めたムービーシーンは、上手く作ってあって、結構楽しませてもらった。
  キャラの弱さは相変わらずなんだけど、ここも前作よりかは若干マシになったような。 別に強力なキャラクターがいるわけじゃないんだけど、全体的に愛嬌があるキャラが増えたからかもしれない。


  ちょっと触れだだけだと、前作のまんまな続編っぽいんだけど、 実は、進むべき方向への方向転換をしっかりと果たした一本だったりする。 まだ志半ばというか、方向転換しきれてないところはあるし、より大味になっちゃった部分が気になったりと、 アクションゲームとして傑作と言い切れるほどではないにしろ、なかなか好感が持てる一本だった。

2003年12月26日記載