REVIEWSSX3
GAME CUBE
2003年12月18日発売発売:EA  

  ド派手なスノボゲー「SSX」シリーズの第3弾。 前作『SSX TRICKY』は、先に発売されたGC版(ちなみに北米ではPS2版の方が若干先にリリースされてる)の方がなぜかデキが悪いという、 かなり噴飯モノの事態だったんだけど、本作の場合、海外の評判を聞く限りでは、 普通にGC版の方が(ビミョーにだけど)デキが良いらしいので、安心してGC版を購入することにした。


  今回の『SSX3』は、リニューアル版という感じだった前作とはうって変わって、かなりの変化が見られる新作になっている。
  最大の変化は、ステージクリア形式だったこれまでとは、大きくゲーム形式が変化したということだろう。 5、6つのコースがシームレスに(規模こそ違えど)スキー場のゲレンデのように組み合わさった「ピーク」がひとつの単位となって、巨大なコースを形成している。
  それぞれのコースには、レースなりフリースタイル(トリックによるポイントを競う大会)などのイベントが用意されており、 その個々のイベント自体はこれまでの「SSX」と大きく変わらない。 で、レース、フリースタイルそれぞれのイベントを全てクリアすると、ライバルとのタイマン勝負である「ライバルチャレンジ」があり、 それをクリアすると、今度はそのピークを通して滑ることになる「ピークチャレンジ」があり、 両方のピークチャレンジをクリアすると、次のピークへ行けるようになるという仕様。 ピークは全部で3つ、コースは合計17コース用意されている。
  それとは別に、このゲームでは、そういったイベントなしにコースを滑る「フリーライド」が存在し、 ステージ内に散らばる「スノーアイコン」の収集や、やはりステージ内の各所に設置されている、 スコアアタックやスラロームっぽい課題などを行う「ビッグチャレンジ」をプレイしていったりする。 当然、フリーライド中にそのコースのスタート地点に入っていけば、そのままそのコースのイベントをプレイすることも可。
  ・・・というより、本来の狙い(ウリ)としては、 “ステージがひとつの大きな山となり、そこにいろんなイベントが散らばってる”っていう方向性だったんだろうし、 個人的には、この仕様変更が一番惹かれてた部分なんだけども、 あんまり“1つの大きな山になった”ってのに期待しすぎると、肩透かしを食らってしまうに違いない。 というのも、個々のコースには期待していたほどの幅は無く、強制的にコースアウトになってしまう機会がかなり目立つからだ。 あくまでも、既存のSSX的な規模のコースを縦に繋げただけと捉えておいた方がいいし、実際のプレイ感覚も、従来とそう変わるものではない。
  まぁ、幾つものコースがシームレスに繋がってるだけでも、十分評価に値すると思う。 元々、コースの長いシリーズではあったけど、なんせ、3のピーク同士もシームレスに繋がってるので、 3つのピークを通して一気に滑り降りると、それだけで30分もかかってしまう。 間違いなくスノボゲー史上最長のコースということになるに違いない。
  また、コース全体の傾向として、少なくとも風景的には極度に破天荒なものは影を潜め、一応、雪山らしいものが続くようになった。 特に最初のピークの頂上付近は、前作の最終コース「Untracked」をさらにパワーアップさせたような、 なかなか見事な雪山コースだったりするわけだけども、そういったグラフィックの向上も、目を見張るものがある。 雪山ということで統一感が生まれたのも大きいんだろうけど、オブジェクトの量、モデリングの緻密さ、共に1ランク上がった印象を受けた。 その上で、前作まではとにかく安定しなかったフレームレートが、ほぼ60fpsで安定しているというのも、かなりポイントが高い。

  基本的な操作方法は、Cスティックの上下に「ボードプレス」という平地でのトリックが割り当てられ、 その代わりパンチ攻撃がLRに割り当てられたことを除けば、前作と変わらず。 アナログスティックと十字キーを併用しなくてはならないというのも前作同様。 個人的には、完全にアナログスティックメインにしてほしかったんだけどな・・・。
  その操作感は全体的に向上。 特にトリック関係はさらにレスポンスがよくなり、空中でスティックから手を離せば、直に地面に対して正対してくれるし、 トリックが終わってて、地面に対して水平になってさえいれば、自分の向きに関係なく、着地時に転倒することはまずない。
  レールライドも随分とやり易くなった。 まぁ、それでも自由自在というほどではないんだけど、前作と違って、レールライドが高得点のキモというわけではないので、それほど問題ではない。
  ただ、滑ることに限っていえば、その動きの大きさ&スピードに操作性が追いついてない感じが。 どーも不安定なんだよなぁ。 操作不能というより、勝手に操作されてるような感じがしてしまうことがしばしばで、イザという時に上手く操作できないという。 元々、雪面を滑るという点においてはあまりに見るところがないシリーズではあったんだけど、 特にこの『SSX3』では、コースに滑らされてる印象を必要以上に強く受ける。 また、とにかくジャンプがデカいゲームなだけに、 そのジャンプに幅が生まれてしまい、高さ&距離をなかなか狙って行い難くなってしまっているのが、滑りの不安定さを受け、より際立ってしまっている。 よって、滑ること自体が楽しくないのはもちろんのこと、特に決められたルートを辿る系統のビッグチャレンジなどは全くもって面白くない。 個人的に、アクションゲームで重要なのは、 “やってる内にできるようになる”という上達感があることだと考えているんだけども、このゲームの場合はむしろ“やってればいつかはできる”。 つまり、いくら上達しても再現性が低く感じられるのだ。 操作を理解する、コースを覚える、その後にくるべき上達のポイントが、自分には見つけることができなかった。 もうちょっと通常滑走時の操作性を上げ、逆にボードプレス時の操作性を下げるというようなメリハリがほしかったな。

  自分がこのシリーズで買っていたポイントは、トリックとレースを融合させたゲームシステムにあった。 速く滑る為には、トリックを成功させてゲージを溜めなくてはならないという。 で、残念ながら、その点ではむしろ後退してしまっており、レースとトリックの剥離がうかがえる。 なんせ、ジャンプが高く跳びすぎてしまうため、 レースでは、むしろムダにジャンプしない(つまりトリックもしない)ことが要求されるし、とにかくショートカット重視。 “よりハデに”という方向性が、元々のゲームコンセプトからズレてきてしまったんだろう。
  ただし、本作は本作で、また違ったゲーム性を提示できているのも確か。
  とりあえず、ピーク2までは前作・前々作のノリでプレイしてても全然問題なくクリアできる。 でも、ピーク3に入ると、異様に高いスコア系のハードルに「?」となり、自分はそこで初めて今回の仕様に気づくことになった。 本作の高得点のキモは、ズバリ“転倒しないこと”だ。 今回は、時間内にトリックを重ねると「コンボ」となり、コンボを重ねるごとにボーナスポイントが加算されていく。 そこで必要となってくるのが、前述のボードプレスで、空中でのトリックやレールライドの間の滑ってる時間をボードプレスで繋いでいくことになる。 そして重要なのは、コンボが途切れた時点でそのボーナスがスコアに加算されるということ。 つまり、転倒したりコースアウトした時点で、そのボーナスはゼロになってしまう。 こういうシステムにより、終盤のトリック系イベント&スコア系ビッグチャレンジで転倒はご法度ということになってきている。 不安定な操作をベースにそういうのを強いるのもどうかと思うけど、なかなかチャレンジングで楽しめた部分でもある。 というか、ここに至るまではほとんど惰性だったような・・・。
  ピークチャレンジとフリーライドの要素をクリアすることで、そのピークを制覇ということになるんだけど、 さらに各イベント、スノーアイコン、ビッグチャレンジには、より高いレベルでクリアしたり数をこなしたりすることで「ゴールドメダル」が獲得できる。 ちなみに自分の場合、使用キャラはゾーイで、全ピーク制覇した状態。 それでも全要素の達成率を示す「オールマウンテン」の値は52%ということで、全体的なバリュー感はかなりのものと言えるだろう。 また、キャラクターごとにキャラの性能を上げなくちゃならないというのは、このシリーズ恒例の仕様なんだけども、 本作でもそれぞれのキャラでレースなどをしてお金を貯めていかないとキャラの性能を上げられない。 今回は髪型、ボディ、パンツといった着せ替え要素もあって、 ピークごとに買えるものが違うということで、それぞれのキャラでのプレイにも楽しみがあるんだけども、 そもそもキャラクターごとにプレイ感覚が違うゲームではないんで、せめてお金は共通にしちゃって、 2キャラめ以降は最初からかなりパワーアップさせた状態でプレイできるような仕様にしてほしかったところだ。


  素晴らしいグラフィック、スピード感、操作性が良く、爽快感バツグンのトリック、そして、総合的なバリュー感。 ここらへんだけでも十分に価値があるし、破天荒な爽快なアクションゲームとして、割と薦め易い一本だと思う。
  ただ、個人的にはトリックとレースの融合という部分に一番価値を見出していたゲームなだけに、そこを放棄したと思えるこの仕様変更は、残念極まりない。 スノボゲーである以上、やっぱり滑りの楽しさが一番にないとねぇ。 まぁ、そこらへんはGC『1080°シルバーストーム』とXB『天空2』に期待することにするか・・・。

2004年1月27日記載