REVIEW1080°シルバーストーム
GAME CUBE
2004年1月22日発売発売:任天堂  開発:Nintendo Software Technology  

  N64の『1080°スノーボーディング』は、雪感が秀逸なスノボレースゲーの傑作として有名だったし、 いまだにマイベストスノボゲーの1つとなっている。 その続編がいよいよGCで登場となった。 なんせ、『1080°GC(仮)』は、ゲームキューブ発売当初からアナウンスされており、 非常に期待してたのに、それがまさかここまで遅くなるとは思わなんだ・・・。
  ちなみに、前作N64『1080°スノーボーディング』を開発したのは任天堂の情報開発本部で、 GCでの続編である本作を北米のNintendo Software Technology(NST)が開発を担当したというのは、 丁度、N64『ウェーブレース64』→GC『ウェーブレース ブルーストーム』と、全く同じ関係になっている。


  基本的にスノボゲーとして極端に変わった操作があるわけじゃない。
  着地の瞬間にLを押すと「着地」となるのは前作同様なんだけど、 今回はコレがかなりパワーアップして、かなり使い易くなり、かつ必須のアクションとなっているのが最大のポイントか。 基本的に、とにかくコケ難くなってるわけだけども、着地にしてもよっぽど縦方向に態勢が崩れてない限り、 着地ボタンを押せばあまりスピードのロスをせずに着地することができる。 よって、空中でターンしたい方向に姿勢を変えて、着地と同時にそちらに進むという、ジャンプターン的なこともできたりするわけだ。 とにかくコケにくくするという方向性の上では、この着地をフィーチャーしたのは正解だったんじゃないかな。 これはこれで、新しいゲーム性だと思うし。
  また、通常はかがんで加速する「しゃがみ加速」状態になるLトリガは、 グラインドできる場所だとグラインドボタンになるというのが新要素。 とはいえ、「SSX」シリーズとは違って、グラインドの速度はむしろ滑る最高速度より遅いので、 (ショートカット的な場面は別にしても)そこまで重要度が高いわけじゃない。
  トリックに関しては、まずAでジャンプ(一般的なスノボ系同様の溜め系)し、 ジャンプ中にBorXorYでグラブ系トリックを出す。 また、スティックをグルグル回してRというスピン系トリックの出し方は、 前作と変わらないものの、今回はその入力後もスティックを入れ続ければ回転する(スティックをグルグルすればより回転する)ので、 前作よりはスピンし易くなってる。 もちろん、スティック前後で前後の回転はできるけど、 縦と横を組み合わせたいわゆる3Dトリックは、前作同様、行うことができない。 トリック関係はとにかく淡白・・・というより、 それ以前に(後述するけど)あまりゲームに絡んできてなかったりするんだな。

  メインとなるのはCPUとのタイマン勝負である「マッチレース」。 その大まかな仕様は前作同様で、「リフトチケット」という要するに3回のリトライの中で、 その難易度のレースを勝ち抜いていくというもの。 各難易度の最終ステージは、ライバルがいなくて、 雪崩などが起きる危険なコースを時間以内に滑りきればクリアという「ファイナルチャレンジ」となっている。 難易度は、全4コースの「NORMAL」、全5コースの「HARD」、全6コースの「EXPERT」、 これまでのコースのミラーコース7コースからなる「EXTREME」という構成で、順にクリアしていかねばならない。 各コースは概ね1分半〜1分というタイムなので、「SSX」と比べるとどうしても短く感じられてしまうけど、 短期集中型のゲーム形式ということで、逆に言えばダレることがなく、この部分に関しては不満に感じることはなかった。 ただ、最後のEXTREMEが全てミラーコースということを考えれば、実質、15コース(ファイナルチャレンンジを除けば12コース)。 タイムから考えれば、これはちょっと物足りないか。
  肝心の内容は、ライバルこそいるものの、お互いに干渉する部分はほとんどなく、実質的にはタイムアタックに近い。 一応、トリックをやるごとに「パワーゲージ」が溜まっていき、これが満タンになると体が光る「マイティモード」になるという要素もあるにはある。 ただ、この効果は、体当たりで敵を倒せるようになる、 マイティーモードの敵に体当たりを食らっても倒されないようになる、 転倒しても素早く回復することができるという3つなもんで(ちなみに、その効果を発揮した時点でパワーゲージがゼロに戻る)、 どれも根本的なスピードアップには繋がらない。 よって、結局は(ショートカット的な移動を除けば)ジャンプせずにずっと滑ってるのがベストっぽく、 トリックを意図的に行う機会はかなり少なく、その恩恵もほとんど受けない。 そのトリック自体は、操作が淡白ながらも爽快感はあったんで、 (特にこういう風にあまりストイックに滑るゲームにしないのであれば)もうちょっと上手くゲームに組み込んでほしかったな。
  その他のモードとしては、「スラローム」とお決まりの「タイムアタック」が存在。
  スラロームは、コースに設置されたゲートを通過するとタイムが加算され、 時間内にコースを滑りきればトロフィーをゲット、というもの。 で、規定の数のトロフィーをゲットしていくと、計4つの「ファニーボード」という特殊なボードを手に入れることができる、と。 基本的にトロフィーを手に入れるハードルはさほど高くなく、何十回もリトライを繰り返すようなことはないと思う。 また、そのゲートの誘導がチュートリアルというか、「こういう進み方もありますよ〜」みたいな提示になってるという面もある。
  タイムアタックはその名の通りのモードだけど、ステージ内に5つのコインの欠片が隠されており、それを集めてクリアするとコインをゲット。 で、規定数のコインを集めると新ボード(キャラ共通で4段階)を手に入れることができる、と。 隠されているといっても、そんなに悪質なものはなく、 今取ったコインの欠片が何枚目のコインの欠片かがわかる(つまり、コインの欠片を取り逃したのであればそれに気付く)ので、 素直に楽しめる要素だったりする。
  基本的には、このタイムアタックとスラロームでコースを覚えつつ新しいボードをゲットし、マッチレースに挑戦するという流れになるだろう。 共に若干緩すぎる感じは受けるけど、メインとなるマッチレースと上手く噛み合ってたので好印象だ。
  さらに、これも前作同様、トリックのスコアを競う「トリックアタック」というモードも用意されており、 ワンメイク、ハーフパイプ、専用コース、雪崩付きハーフパイプという4種目が用意されてるけど、 いかんせんトリック自体が淡白なこともあって、どれにもこれといった面白みはなく、オマケ感が強いかな。

  とりあえず、最も期待してたのに最も肩透かしを食らったのが雪面感。 弱いSE、腰が入ってないキャラのモーションなどによってか、正直、「SSX」シリーズにすら劣るという印象。 アイスバーン、新雪といった地面の違いが、思っていた以上に手に伝わってこなかった。
  巻き上げる雪の量も非常におとなしめだし、絵 的なことも含め、雪の表現はかなり平凡と言えるだろう。 ただし、北米でのタイトルが『1080° Avalanche』ってことからも分かる通り、 雪崩に追われながら滑るシーンは(2ヵ所しかないんだけど)かなりの迫力だった。
  全体的に、グラフィックはそこそこ。 チープなキャラクターを初め、『SSX3』に比べると1ランクほど落ちる印象だけど、独特の演出には光るものがある。 特にスピードが出たときの、集中線、残像、画面のブレ、たなびくウェア(これが意外と新鮮)などの演出は、 スピード感を非常に高めており、レース重視のこのゲームにはバッチリ合ってたし、ウリである雪崩の迫力も上々。 細かいところでは、コースに他のスキーヤーがいたり、シカなどの野生生物が走ってたりするのも、なかなか面白かった。 また、案外フレームレートが不安定だったりするんだけども、 スピード感の演出の派手さのお陰でか、あまり気にならず。
  いろいろとキャラクターをカスタマイズできるスノボゲーが多い中、 キャラごとにコスチュームが2種類ずつしか用意されておらず、そのそれぞれが地味めなのは残念。 コース数も含めて、どうも全体的なバリュー感という意味では弱さを感じざるを得ない。
  最後に細かいところを一点だけ。 通常コースは、タイムアタックなどで(もちろん、その難易度をプレイ可能になっていれば)いつでもプレイできるんだけども、 各ファイナルチャレンジはそれぞれをクリアしたときに表示されるパスワードをいちいち入力しないとプレイできない。 そのパスワードはそこまでの内容やキャラクターに寄らず一定なもので、 なぜこういう形にしたのか、その意図が全く理解できない。面倒臭いだけ。


  まず、最も期待していた雪面感がショボくて、エライ肩透かしを食らってしまった。 それでも“滑るゲーム”にはなってるし、独特のスピード感はあるしで、 こういうもの(つまり、N64『1080°』とは別モノと割り切ってからは、 スノボレースゲームとして結構楽しむことができた。 ただ、ストイックに滑ることを追求しないのであれば、トリックも含めてもうちょっと派手さがほしかったし、 全体的なボリューム感という意味でも、もうひと頑張りほしかったところ。 しかし、むしろ「クールボーダーズ」直系っていう印象を持ってしまったのは自分だけ?

2004年2月7日記載