REVIEWTHE 地球防衛軍
PlayStation2
2003年6月26日発売発売:D3パブリッシャー  開発:SANDLOT  

  特に話題性もなく地味にリリースされたものの、口コミで評判が広まり、 もはやPS2を代表するアクションゲームのひとつに数えられてもおかしくないほどの位置付けに至っているタイトルだろう。
  ちなみに、個人的にはこれが初めてのSIMPLEシリーズの購入となった。
  開発のサンドロットは、かつてヒューマンでPS『リモートコントロールダンディ』を作ったチームが独立したところで、 その後、その後継的な内容らしいPS2『ギガンティックドライブ』(発売はエニックス)をリリース。 そして今はバンダイからPS2『鉄人28号』の開発を任されているらしい。一芸は身を助くとは、まさにこのことか。


  ゲームの形式としては、ステージクリア型の、視点が操作キャラの背後にガッチリと固定された客観視点アクションシューティング。
  操作系は、左スティックで前身後退&左右旋回、L1・R1で左右平行移動の「ノーマル操作」と、 左スティックで前身後退&左右平行移動、右スティックで左右旋回も含めた視点操作という、いわゆるFPS的な操作となる「テクニカル操作」が用意されている。 が、FPS的な操作に慣れてる自分としては、むしろノーマル操作の方がテクニカルな感じ(実際に使うボタン数も多いんだし)。 また、上方に攻撃する機会が多くなるゲームなだけに、 上空に攻撃するためにわざわざ□ボタンという別枠の操作をしなければならないノーマル操作は、非常に使い勝手が悪いと思うんだけどな。
  テクニカル操作の他の操作は、R1で射撃、R2で武器切り替え、L1でジャンプ、横方向に動きながらL1で横っ飛び緊急回避など。
  一般的なFPSとの大きな違いは、武器はステージ開始前に選択する2種類だけを所持し、 それを切り替えて戦うことになることと、 アイテムとしての弾薬はなく、弾を撃ち終わったら結構長めのリロードを勝手に行ってくれる(手動のリロード操作も存在しない)こと。
  また、全25ステージのどれもが、一本道に流れていくタイプの作りではなく、 箱庭的な作りになっていて、ステージ内の敵の全滅が目的となる。 ステージの使い回しが目立つものの、(敵のバリエーションの少なさ共々)ここらへんはSIMPLEシリーズということで、まぁやむを得ないところか。

  このゲーム最大の魅力は、その箱庭感、スケール感だろう。 プレイヤーキャラはいち人間であって、各ステージはかなり広く、オブジェクトも多い上に、可視範囲もかなり広い。 例えば、都会の街であれば、それこそビルが乱立しており、歩道橋、高速道路、信号などがリアルに配置されていて、それぞれちゃんと破壊できる (ちなみに、ビルがボコンボコン壊れまくるのもこのゲームの魅力)。 そこに、巨大UFO、巨大怪獣(は思ったほど迫力がなかったけど)などのデカい敵が現れたりもするわけで、 ボヤけるようなエフェクトのかけかたも上手く、デカいものがデカく見えるのが、素晴らしいところ。 そのこと自体も素晴らしいんだけど、ビルなどのスケール、ステージの大きさ、キャラの移動速度のバランスの良さを評価したい。 じゃあ、本当にリアルなスケール感か?っていうとそうでもなかったりするんで、 らしさを感じさせながらもゲームとして成り立たせているデフォルメ具合が上手いんじゃないかな。
  一度に出現する敵の量が多いのも特徴。ワラワラと群がる敵を、グレネードや火炎放射器でモリモリと倒していく、と。 「Serious Sam」シリーズなんかと違ってメリハリに欠けたとこがあり、とにかく群がってくる敵を倒しまくるだけなんだけども、これはこれで楽しい。 メインの敵が巨大アリというのも上手かったところ。結構キモい。
  こういった作りゆえにか、フレーレートは非常に不安定。 というか、家庭用ゲーム機(特に和ゲー)では珍しいフレームレート変動型のゲームと見るべきだろう。 酷いときには「秒間1コマ?」ってほどで、そういうのをあまり気にしない自分としても、 「もうちょっとなんとかならなかったものか・・・」と思わざるを得なかった。
  他、グラフィック関係では爆発の描き方が上手いのが好印象。

  ゲームの大まかな作りにも工夫が見られる。
  実はこのゲーム、単にステージを次々とクリアしていくだけのゲームではない。 敵を倒すと時折「アーマー」「武器アイテム」が出現するので、 それをゲットしてステージをクリアすると、アーマーは体力の上限を増え、武器アイテムはさまざまな武器を得ることになる。 さらに各ステージには、「EASY」「NORMAL」「HARD」「HARDEST」「INFERNO」という5段階の難易度があって、 高い難易度でプレイすればするほど、強力な武器が手に入るという仕掛け。 つまり、ステージを繰り返しプレイすることで体力を増やし、 強力な武器を得、より高い難易度でのクリアを目指す、そんなゲーム形式になっているわけだ。
  ちなみに、自分はNORMALで2ステージほどプレイしたらかなりヌルく感じられたので、最初から全てHARDでクリア。 その後、できるところまでINFERNOでクリアしようと思ったものの、 体力的な問題でどうにもムリっぽく、できるだけINFERNOでクリアして、ダメならHARDESTでクリアしていくことに路線転換。 結局、INFERNOでクリアしたのは全25ステージ中7ステージ(主に小型の敵がワラワラ現れないステージ)で、 残りはHARDESTクリアで今に至る(プレイ時間は、HARDクリアまでで6時間弱、現在13時間強)。
  プレイヤーの初期体力は200なんだけども、そういう自分の場合は、HARDクリア時で900になっており、今は1800。 で、この体力には上限がないらしい(なんでも、体力を1億にする改造コードがあるとか)。 要するに、詰まったら経験値稼ぎならぬ体力稼ぎをして再挑戦してね、ってなわけだ。 個人的に、特に体力に関してはバランス調整の放棄だと思うし、そのアイテムを集める行為も鬱陶しいことこの上なかったけども、 こういうユルさも、今の時代、またウケる原因なんだろう。 ボリューム感の出し方としては、上手い工夫ではあった。

  ステージのバリエーションのなさ、マップの少なさ、敵の種類の少なさあたりは、 SIMPLEシリーズということで割り切れるんだけども、割り切りきれない部分もチラホラとある。
  一番気になったのは、引っかかる地形が多すぎること。特に、ビル破壊後の残骸。 どうしてもやや上方向を見ながら戦うことが多くなるわけで、 細かい瓦礫に引っかかってしまうのは非常に鬱陶しいだけじゃなく、特に高難易度では命取りになる。 どうしても残骸を残したいのであれば、その残骸も破壊可能にしてほしかったんだけども、 ここらへんは、それがイヤなら道路を通っていけということかもしれないし、それはそれでアリかもしんない。 ただ、瓦礫同様、ガードレールに動きが遮られるのも鬱陶しいので、せめて、ガードレールは横っ飛びで越えられるようにしてほしかったな。 さらに、高速で移動するために(生身の状態では横っ飛びがもっとも速い移動手段になる) 真横に横っ飛びをひたすら繰り返すというマヌケがシチュエーションが・・・。 逆に、横っ飛びとジャンプを同じボタンで使わねばならないので、目の前の何かにジャンプで飛び乗ろうとしたら、横っ飛びをしてしまったりも。
  戦車、ヘリ、エアバイクという3種用意されている乗り物の使い勝手の悪さも、かなり気になるところだった。 どれも慣性がつきすぎて操作がしづらく、特にヘリとエアバイクではマトモに攻撃できない。 それぞれに操作性にクセがあり、明らかにノーマル操作がベースになってるのも頂けない。 移動手段と割り切らせるんだったら、もうちょっと操作性(&操作系)にも割り切りがほしかった。
  あと、いくら広いとはいえステージの限界の透明な壁に達せられないほどのもんではないし、場合によってはそれでかなり戸惑うこともある。 せめて、レーダーには移動できない境界線を表示してほしかったな。
  地味なポイントながら、横っ飛び中に武器を変えられないのは単純に手落ちだろう。 高難易度時には、結構コレがいたいことになる。
  しかし、「検討を祈る」とは、また思い切った誤字をするもんだ・・・。こういうのはSIMPLE云々は言い訳にならんね。


  一般的な価格帯のゲームに匹敵するかどうかは別にしても、FPS的なゲームでありながら、 海外メーカーには作りえないゲームであるところは非常に評価できるんじゃないだろうか。 既存のゲームの単なる簡易版みたいなものには全く興味がないんだけども、 なるほど、こういう通常の価格帯で一本のタイトルに仕上げるのは難しいネタの場合、 SIMPLEシリーズには可能性があるんだな、と。 “所詮SIMPLEシリーズ”という評価も決して間違ったものではないと思うけど、 そういう割り切りができればOKな内容にはなっているわけで、これがこのシリーズの本来あるべき姿なのかもしれない。

2004年5月6日記載