REVIEWGekido Advance
GAME BOY ADVANCE [海外]
2003年11月25日発売発売:Destination Software  開発:Naps Team  

  スクリーンショットを見る限りではかなり良さげだったもんで、 何となく勢いで購入してしまったベルトフロア格闘アクションゲーム。
  そもそも『Gekido』ってのは、 2000年5月にPSでリリースされたポリゴンベルトフロア格闘アクションゲーム(要するに『ダイナマイト刑事』みたいなものか)で、 一応、その続編ということになっているようだ。 そのなかなか見事なドット絵、主人公の「Tetsuo」という名前など、 やけに頻出する日本語(そもそもタイトルの「Gekido」ってのも「激動」のことでしょ)などから、 あるいは日本のデベロッパが関わってるのかと思ったんだけど、デベロッパはおろか日本人スタッフの影すらない。 開発のNaps Teamはどうやらイタリアのデベロッパらしい。 ちなみに、Destination Softwareは、様々なタイトルのGBA版 (例えば、『Baldur's Gate: Dark Alliance』『Tiger Woods PGA Tour Golf』など)を販売しているパブリッシャ。


  基本操作は、Aでパンチ、Bでキック、LorRでジャンプというもの。 十字キーの左右2回でダッシュしたり、A+Bでいわゆるメガクラッシュ的な緊急回避技「wipeout move」を出したり、 敵に近づけば敵を掴んだり、パンチとキックの組み合わせでコンボを出せたり。 打撃には爽快感があるし、基本的な操作感自体は悪くない。
  ちょっと変わってるのがコンボのシステム。 パンチだけだと4発、キックだけだと3発繋がるが、パンチとキックを組み合わせると様々なコンボが・・・というより、 技自体は変わらず(例えばパンチとして2発目なら、コンボ全体で何発目かに関わらず常に同じ技)パンチのフィニッシュ技が派手な必殺技に変化するだけだったりする。 これはこれで重要というか、ダメージが格段に違うのでこのゲームで唯一の必須テクニックかもしれない。 それでもドット絵が上手く描けてることもあって、 “回し蹴りで浮いた敵にパンチから必殺技(炎をまとった昇龍拳のような技)でフィニッシュ!”とか、 ゲーム的にどうこうってのは弱いんだけど、やっぱり結構楽しげ。
  wipeout moveの仕様もやや特殊。 画面上に時間と共に溜まっていく「wipeout bar」があり、 それが満タン状態なら体力を減らすことなくwipeout moveが繰り出せる(で、もちろんゲージはゼロに)。 このゲージの溜まり方はかなり早く、こちらがダウンすれば必ず満タンになってしまうほど。 特に終盤は、このwipeout moveを有効に使うことも必要になってくるだろう。 ただ、画面が暗転して全体に雷が落ちるというグラフィックとは裏腹に、 近くの敵に対してダメージを与えるだけっぽく、その範囲がよくわからんのもマズいし、 A+Bという入力の判定がややシビアで、思ったような時に出せないことも。 こういうシステムにするなら、それこそ格闘ゲームの必殺技のような技にするべきだったろう。

  とにかくこのゲームは戦い方にバリエーションがない。 投げは判定がキツすぎて存在感がないし、ダッシュ攻撃は微妙に出が遅く、ほとんど敵に潰される。 他にこれといった特殊技があるわけでもない。 当然のように打撃から投げに繋がるようなコンボもなく、敵をまとめるという発想そのものがないようだ。 実際、戦闘に関してはほぼお決まりのコンボと、wipeout moveだけで進めるといったも過言ではないと思う。 つまり、その見た目とは裏腹に、ベルトフロア格闘アクションらしい面白さはかなり弱い、と。
  まぁ、作ってる方もそこらへんの自覚があるんだろう。 ゲーム全体が単調にならないように、工夫したんであろうポイントが幾つかある。
  まず、ステージは一本道の作りにはなっておらず、 “まずあそこで鍵をゲットしてからあの扉を開けて・・・”というように、やや行ったり来たりする必要がある。 普通の(スクロールが止まって倒さなければ先に進めないようになってる)敵が出現するのは最初だけで、 その後にランダムに出現するザコはほぼ無視して進めるとはいえ、 後述のトラップが鬱陶しいし、案外入り組んでるところもあるので、 やはり面倒臭く、その行ったり来たりに面白みがあるわけでもない。
  そして、このゲームで敵以上に脅威なのは、実は数々のトラップだったりする。 踏むとダメージを受ける床、天井から突然落ちてくる岩、下から突き出る柵、転がるトゲつき丸太などで、 個々は特に問題ないんだけど、それが敵と組み合わされると結構厄介。 しかも、敵はそのトラップの影響を受けないってのがズルいよなぁ。 また、天井から落ちてくる岩(おそらくこれがもっとも頻度の高いトラップ)は、 ダッシュで進んでると必ずダメージを受けるようなタイミングで落ちてくるもんで(というか、それを狙っただけのトラップに思える)、 ただでさえ面倒な移動が、より一層面倒に。
  敵を倒した時には(おそらく)ランダムで一時的な攻撃力アップ、スピードアップといったアイテムが出現するものの、いまいち効果的な場面は見当たらず。 更に、一定時間攻撃できなくなるとか、一定時間操作が左右逆になるとか結構酷い効果を持つパワーダウンアイテムは、一種のトラップか。 当然、近くでA、Bボタンを押すとアイテムを拾ってしまうので、これを避けるのも結構鬱陶しかったりする。
  と、肝心のアクション部分をフォローしようとしたであろう内容が、ことごとくプラスになってない。 ポコポコ殴ってるときに限れば、(面白いかどうかは別にしても)そこそこ楽しいのに・・・。

  全5ステージでパスワード制。 個々のステージが結構長いので、極端に短いという印象は受けないものの、 スコア的な要素もなければ、難易度選択もナシとなれば、やっぱり物足りないか。 パスワードはアルファベット5文字だけだし、ちゃんと残機の情報が残るのがエラいが、 当然ステージ内では中断できないということになり、手軽に楽しめないのも×。
  ボス戦はバリエーション不足なら、攻撃パターンも不足気味。 なんせ、5ステージ中2ステージはほぼ似たようなボスだし、他の2ステージのボスは、その後にはザコとして登場してくるくらいで。 まぁ、理不尽に難しいよりはいいんだけども。
  全体的な難易度は、初回にいきなりクリアできるほどヌルくはなく、特にボス戦は攻略法を理解するまでは、結構苦労したりもする。 残機がパスワードに反映されることもあって、何回か繰り返しプレイするようになるだろう。 ここらへんのバランス感覚はそう悪くなかったと思う。
  ステージ前後や、ステージ内でも、アニメーションやスクロールを使ったデモシーンが挿入されてる。 パッと見は日本のアニメっぽいんだけど、やっぱりどこかバタ臭い感じがする上に、 予想以上にアニメーションのパターンが少なかったけど、まぁ頑張ってるところだろう。 ただ、これがキャンセル不可なのは非常にいただけない。 そもそも、繰り返しプレイさせる気がないのか?


  ドット絵はなかなか見事で、SFCの同系ゲームより間違いなく見栄えがしてるんだから、もうちょっと中身の勉強をしてほしかった
  にしても、GBAに意外とこのジャンルのゲームが少ないのは何でだろ?

2004年5月17日記載