REVIEWピクミン2
GAME CUBE
2004年4月29日発売発売:任天堂  

  任天堂発としては久々の(キャラクターも含めた)完全新規タイトルだった前作GC『ピクミン』は、 アイデアも良かったし、それをゲームにまとめ上げたのも素晴らしく、GCのマイベストゲームのひとつとなっている。 思ってたより時間がかかってしまったけど、自分の期待通りにその続編が登場となった。


  前作の最後で、ピクミンたちの力を借りてなんとか未知の惑星から脱出することができたキャプテン・オリマーだったが、 ホコタテ星に帰ってみると、彼が務めていた「ホコタテ運送」は借金で押しつぶされそうになっていた。 そのとき、彼がピクミンたちの住む星から持ち帰ったガラクタが、意外な高値になることが判明。 会社の借金返済のために、オリマーは新入社員の「ルーイ」と共に、 またあの星に引き返し、今度はお宝探しを行うことになったのだった・・・というのがゲームの導入。

  まず、ゲームの概要については前作のレビューを参照のこと。
  もっとも目立つ追加要素は、今回、オリマーとルーイという2人のキャラを別々に操作することができるようになったことだろう。 ピクミン同様に解散・集合することができ、解散状態ではYボタンで操作キャラクターを切り替えるようになっている。 ・・・というのを最初に聞いたときは、ムダに煩雑になるんじゃないかとちょっと心配したものの、 想像していたほどではなく、むしろプレイアビリティの向上に繋がった。 例えば、片方のキャラをスタート地点に残しておけば、 お宝や敵の死体をロケットに運んだピクミンを回収するためにそこまで戻る必要がなくなるし、 今回はピクミンの種類が前作の3種類から5種類に増えたので、その使い分けという点でも助かる。 逆に言うと、2キャラを同じところで使い分けさせるようなパズルはほとんどなく、そういう点ではちょっと物足りなかったが。
  一方、ゲーム進行の最大の変化は、「地下洞窟」というダンジョン的なものの追加。 迷うほどの複雑な作りではないものの、やや狭い目のフィールドで、 お宝を探しつつ、次の階への出口を見つけて、先に進んでいくことになり、最終階にはボス戦が用意されている。 ポイントは、時間が止まることと、オニヨンがいない(つまり敵を倒してもピクミンを増やせない)こと。 これによってフィールドとは違い、落ち着いて攻略できる上に、また違った緊張感のあるゲーム展開となるわけだ。 で、ボス戦を倒すと、ゲームプレイに関係のあるお宝をゲットとなる (例えば、次のステージへ行けるようになったり、オリマーたちの足が速くなったり等)。
  それと関連するのが、「紫ピクミン」と「白ピクミン」という新しいピクミンたち。 紫ピクミンは怪力だが動きが遅いというもので、何かを運ぶときは1匹で普通のピクミン10匹分。 さらに、敵に投げつければその落下でダメージを与えることができる。 必須の場面というのは非常に少ないんだけども、探索にしろ戦闘にしろ、他のピクミンをフォローする役目は非常に大きい。 白ピクミンは毒ピクミン。 敵に食べられたときには大ダメージを与えてくれて、新要素の「毒」に耐性があるピクミンでもある。 また、完全に埋まっているお宝を掘り出すことができる。 この2種の追加も、ゲームを必要以上に複雑にすることなく、上手くバラエティを与えていたと思う。 で、この2種は地下洞窟内にあるピクミンを投げ入れることでピクミンの色を変える花でしか増やすことができない。 しかも、その花は5匹のピクミンの色を変えると枯れてしまうので、 思ったようには増やせない貴重なピクミンということになるわけだ。
  また、前作には30日間という期間制限があったんだけど、今回はそれがなくなり、せかされることなく探索できるようになった。 パッケージ裏にわざわざ「時間を気にせずゆっくり冒険!」と書かれているように、前作ではかなり不評なポイントだったんだろう。
  操作性の細かい改善も、地味ながらもシッカリと行われている。 一番大きいのは、Aボタン押しっぱなしでピクミンを投げるために構えてる状態で、 十字キー左右で投げるピクミンの色を変えられるようになったこと (あとなぜか説明書には書かれてないけど、十字キー上下で通常ピクミンと花ピクミンも変えられる)。 この後に1作目をプレイすると、非常にツラいものがある。 それ以外にも、Bボタンによる集合のレスポンスが良くなったり、橋を渡るときはちゃんと隊列が狭まったり、 勝手にすっこけるピクミンがいなくなったりと、細かい調整が結構なされてるようだ。 とりあえず、普通に行動してる分には、ピクミンを知らないうちに遭難させてしまうようなことはほぼ無くなったはず。 ここらへん、基本的には嬉しいんだけども、うっかりピクミンを殺してしまう悲しい場面が減ってしまったのは、ちょっと残念でもある。 そういえば、ピクミンが操作できる爆弾岩も削られちゃったしなぁ(代わりに、黄ピクミンは耐電という性能に)。
  前作ではピクミンのワラワラ感にばかり注目が集まってしまったものの、 背景にしても水や炎といったところにしても、グラフィックは全体的にハイレベルだったと思う。各生物のモーションも秀逸。 実は、ピクミンの物量的なことにしても、 背景のリアルなグラフィック(によるスケール感のギャップ)にしても、 ハード性能の進化なくして生まれえなかったゲームであり、そこらへんも自分が評価したいポイントだったりする。 で、そのグラフィックは地味ながらも全体的に向上。 全体的にひと回りくらい納まりがよくなった印象を受ける。 それぞれに春夏秋冬の季節のテーマがある4ステージはどれも美しいし、桜の花びらが舞うといった演出もイイ。
  主人公キャプテン・オリマーのマヌケな外見とは裏腹の“できる男”風キャラも相変わらずナイス。 今回は独白調のストーリー解説や航海日誌といった要素がなくなった代わりに、 「生物図鑑」と「お宝一覧」で、遭遇した生物や集めたお宝に対する彼のコメントが楽しめる。
  本作は全4ステージで、その規模的にはさほど前作と変わらないか。 で、そのそれぞれに3、4つのダンジョンが用意されている。 自分のプレイ時間は、借金返済まで11時間強、全お宝回収まで約27時間。 ゲーム本編のボリューム感は向上した。 さらに、本作のチャレンジモードは前作とはうって変わって、 与えられたピクミンで与えられたダンジョンをクリアするという課題クリアモードになり (ちなみに、このモードは二人協力プレイが可能)、これが全30ステージ。 その上、今回は画面分割の対戦モードが用意されている (対CPU戦が用意されてないために自分は未プレイなんだけど、ルール的にはなかなか面白そうだった)。 前作でイマイチだったボリュームに関しては、大幅に改善されたといって良いだろう。 ただ、個人的には前作のチャレンジモードも捨てがたいものがあったんだけどなぁ。 というのも、急いで(効率的に)ピクミンを増やすという場面は、実は本編ではほとんどないので、新鮮さが感じられるから。 そして、春夏秋冬で4ステージとはいえ、やっぱりフィールドのステージがもうちょっと欲しかったな。 借金返済後はどうしても地下洞窟がメインとなってしまい、若干食傷気味というか、滅入るところもあったので。


  前作のような衝撃、新鮮さこそなかったものの、要素の追加と改良が上手く行われた、非常に質の高い続編だと思う。大満足。 本作からプレイしても問題なくプレイできるだろうけど、やはり是非前作からプレイしてもらいたいところ。
  まぁ、タイミングから考えて、おそらくGCではもう続編は作られないだろう。 内容的にも本作でやり尽くしちゃった感もある。 果たして次はあるんだろうか? 今度は良い意味で期待を裏切ってもらいたいところだ。

2004年5月29日記載