REVIEWStar Wars Jedi Knight: Jedi Academy
Xbox
2004年9月2日発売発売:マイクロソフト  海外販売:Activision/LucasArts  開発:Vicarious Visions  

  スターウォーズのゲームの中でも、キャラクターを直に操作するアクションゲームである「Jedi Knight」シリーズの最新作。 北米では去年の11月にリリースされたタイトルなんだけども、今回はワールドコレクションでの国内リリースとなった。
  この「Jedi Knight」シリーズの元となったのは1995年にリリースされた スターウォーズ初のFPS『Star Wars: Dark Forces』(日本国内でもPS1版が出てたりする)で、 その続編『Star Wars Jedi Knight: Dark Forces II』が一応初代ということになるんだろう。 拡張パック『Star Wars Jedi Knight: Mysteries of the Sith』が98年にリリースされた後はしばらく間が開いて、 2002年に『Star Wars Jedi Knight II: Jedi Outcast』で復活。 そして、この『Star Wars Jedi Knight: Jedi Academy』がその最新作ということになる。 というか、これまでのシリーズ通じての主人公だったKyle Katarnは今回Jedi Academyの指導者という立場になり、 そこにJedi候補生として現れるのが本作の主人公「Jaden Korr」。 このJadenの容姿はゲーム開始前にイロイロと選択可で、怪しげな宇宙人や、女性にできたりもするし、 セイバーの色や型の選択や、ゲーム中にも使えるフォースのスキルアップといったカスタマイズ色が目に付く。 ゲーム内容もミニミッションの集合体的な構造だし、シリーズ中では外伝的な位置付けなのかもしれない。
  ちなみに、前作『Star Wars Jedi Knight II: Jedi Outcast』同様、 元のPC版をRavenが開発し、Vacarious Visionsがそれを家庭用機(今回はXboxのみ)に移植したようだ。 Ravenは、残虐表現で話題になったFPS「Soldier of Fortune」シリーズや、 古くは剣と魔法のFPS「Heritec」&「Hexen」シリーズなどを開発したデベロッパで、 傑出してるってほどじゃないんだけど、なかなか安定した実績を残してるとこ。 Vacarious Visionsはこういった家庭用機への移植版であるとか、家庭用機ゲームのGBA版であるとかを開発する機会が多いところで、 最近は『Doom 3』のXboxへの移植を担当していることで有名かもしれない。


  本作の舞台は、エピソード6に相当する映画「スターウォーズ ジェダイの復讐」のエンドアの戦いから10年後の世界。 Jedi候補生としてJedi Academyにやってきた主人公Jadenは、 実践訓練として、5000年前の伝説のシス卿「Ragnos」を崇める謎のカルト教団の動向を探るが、調査を進めていくとその背後には帝国の影が・・・。

  基本的にはライトセイバーを振るうアクションゲームであって、ライトセイバーを装備しているときは自動的に客観視点になる (逆に言えば、ライトセイバー以外の武器を装備しているときは自動的に主観視点となる)んだけども、 その出がFPS、元がPCゲーということでか、FPSの流れを汲むゲームとなっている。 つまり、左スティックで前後左右平行移動、右スティックで旋回も兼ねた視点操作というのが基本操作。 そして、右トリガでメイン攻撃、左トリガで武器ごとに設定されているサブ攻撃、 Aでジャンプ、Yでスイッチを入れるときなどに使うアクションボタンなど。 必要以上に滑るような操作感(慣性がついて実際に滑ってしまうわけではなく、足の運びと実際の移動がズレるもの)に なっちゃってるんだけども、この操作系ではある程度はやむを得ないのかもしれない。
  先に言っておくと、グラフィックは微妙なところ。 その質は決して高くなく、3機種マルチでもおかしくなさそうなレベルで、 イベントシーンなどの人物のモデリングはXboxのゲームにしてはかなり大雑把だし、地形も雑で、特に自然系の地形ではそれが目立つ。 工夫された特殊エフェクトの使い方も皆無に近い。 それでも、かなり広い範囲が描かれることはあるし、メカっぽい室内の質はそれほど悪くなく、舞台もバリエーション豊かに描かれてはいる。 スターウォーズということで、SF的なデザインが品良くまとまってるのも好印象。 ライトセイバーがウリということで、構え状態でもライトセイバーが地形に触れると焦げ跡ができたり、 雨がライトセイバーにあたってジュッと蒸発するなんていうコダワリも楽しい。 一方の音関係は文句なし。 ブオンブオンというライトセイバーを振るときの音、ライトセイバーを引っ込めるときの音、 レーザー銃は発射時の音などなど、当たり前の話ではあるが、素晴らしくスターウォーズだ。タマラン。 BGMも非常にソレっぽい。 こういったスターウォーズ的な演出が加点要素になってることは、言うまでもないやね。

  ゲームは大まかに分けると全3ステージ。 1つのステージは5つのミッションからなり、 それを自由に選んで4つ以上クリアするとそのステージの最終ミッションに入ることができ、そこをクリアすると次のステージへ・・・という流れになっている。 選択するミッションではストーリーの本筋が展開するわけじゃなく、あくまでもジェダイ候補生の特殊任務という感じで、 ストーリーが展開するのはステージの前後ということになる。
  銃器も多数登場するものの、やはりジェダイ最大の武器はライトセイバーだ。 なぜなら、全体的に銃の威力は(ライトセイバーと比べれば)弱いし、敵騎士にはまったく通じない(敵魔法使いにもほとんど通じない)から。 さらに、ライトセイバーを構えた状態だと、敵の銃撃を自動的に弾いてくれるし、 当然、敵のライトセイバー攻撃も(ある程度)弾いてくれるという、防御面でのプラスも大きい。 逆に、銃はかなりピンポイントで使っていくもんだと思っていいはず。 一応、ミッション開始前に2種類選んで持っていくんだけど、その存在感はかなり薄い。 また、最初のステージをクリアすると、攻撃範囲が狭い代わりに素早いコンボが繰り出せる「Fast」と、 大振りだけど相手の防御を打ち破ることができる「Strong」のどちらかの戦闘スタイルを選択でき、 次のステージをクリアすると、二刀流の「Dual Sabers」、両刃の「Saber Staff」のどちらかを選択。これらの構えの変化はBボタンで行う。
  もうひとつのこのゲームの特色である「フォースパワー」は、時間と共に回復する「フォースエナジー」を消費して行う魔法のようなもの。 十字キー上下でフォースパワーを選択し、左ボタンクリックで発動させるのが基本だけど、X、白、黒の3ボタンにショートカットを設定できる。 ちなみに、フォースエナジーの回復速度は意外と速めなので、バリバリとフォースパワーを使いつつゲームを進めていくことになる (ただし、持続系のフォースパワー発動中にはフォースエナジーは回復しない)。
  フォースパワーは全14種、それぞれ3段階にランクアップしていく。 ライトサイド4種とダークサイド4種のフォースパワーは、各ミッション開始時に自由に一つ選んでランクアップさせる。 つまり、一応4つのミッションをクリアすれば次のステージへ進めるものの、フォースパワーのレベルアップを考えれば5つ全てクリアした方が良いということになるわけだ。 また、15つのミッションに対しフォースのランクアップは8種×3ランク=24ということで、最終段階でも全てのフォースパワーがランクMAX状態になることはない。 一方、ゲーム開始時から1ランクになってる中立フォースパワー6種は、 戦闘補助的なライト&ダークのフォースパワーとは違って、ステージ内での謎解きなどにも使用するので、ステージクリア時に全てが自動的にランクアップする形。
  この中でも特に言及する必要があるのは、体力の仕様に関わってくるライトサイドのフォースパワー「Force Heal」と、 ゲーム進行に大きく関わってくる中立のフォースパワー「Force Jump」だろう。
  このゲームの体力関係の仕様は、エネルギー系の攻撃をある程度防いでくれるシールドと、当然のようにゼロになるとゲームオーバーになる体力の2段階。 「Force Heal」はその体力の方を回復するフォースパワーで、間違いなく、もっとも優先順位の高いフォースパワーと言えるだろう。 一般的なこういうゲームと同じように、体力回復アイテムやシールド回復アイテムは配置されているものの、とてもそれだけではまず追いつかないような難易度になってるので。 つまり、体力は自前でガンガン回復させて進めていくゲームということになる。 丁度、XB『HALO』のようにシールドが自動回復するゲームの反対と思えば分かりやすいと思う。 別に、それで過度にヌルくなってるゲームバランスではないし、これ自体は全然結構なんだけども、問題はシールドの方。 とにかく敵のライトセイバーのダメージが大きく、酷いときにはシールドがないと体力が満タンでも即死なんてことになってしまう。 にも関わらず、シールドを回復する機会はかなり限られているという印象。 レーザー銃による攻撃にしても、ライトセイバーの防御は自動な割に万全ではなく、 真っ向を向いているのにダメージをくらってしまうことがあって、これによってもまたシールドが削られてしまうし。 ここらへんはそもそもの攻防の大味さが大きな問題なんだけど、 やはり、設定的にムリがあるのは承知の上で、自前で回復させるのはシールドにしちゃった方が、ゲームバランスがまとまったんじゃないかね。

  まぁある程度想像はしていたけど、このライトセイバーを使った戦闘は非常に大味。 スティックを入れた方向で剣の振りが変わったり、 右スティッククリックで行う前転中に攻撃すれば突きになったりという特殊アクションなどもあるんだけど、まぁ、それら全て、ゲーム的には飾りみたいなもの。 このゲームの戦闘は、対一般兵と対騎士で大きく様相が変わってくる。 一般兵は、グレネード系を装備してる兵士や、空を飛んでる敵といった極一部を除けばただのザコ。 攻撃補助系のフォースパワー(後述)を発動し、敵に突っ込んでいってライトセイバーをブンブン振るだけで終了。遠くから狙撃で排除したりもできる。 問題は、同じくライトセイバーを装備した敵騎士で、これがゲーム通じての強敵となってくる。 いや、やることとういか、できることはそんなに多くないんだけどねぇ。 銃器はほぼ無効なのでライトセイバーで斬りあうことになるんだけど、いわゆる格闘ゲームのような攻防の形がマトモにできてないので、 ある程度勝手に防御してくれるのを信じて敵を真正面に捉えつつ、こちらもライトセイバーをブンブン振るしかない。 敵に対するフォースパワーも通用する・しないの基準がよくわからず、問答無用で防御(というか無効化)されてしまうし (それでも根気よくForce Pullを繰り返して敵を高いところから突き落としたり、Force Gripでライトセイバーを収めさせその隙に斬りかかるといった工夫をしていかないとツラいとは思う)。 しかも、ライトセイバーのダメージは極大。 前述の通り、一撃で即死なんてこともあるし、それが避けえるようなゲーム性にはなってない。 これに関しては、元がPCゲームということで、恒例の“いつでもセーブ可”という仕様にもよるんだろう。 敵騎士がいたら(大抵の場合、Force Senseというフォースパワーによって事前に察知できる)まずセーブして・・・っていう。 PCならクイックセーブができるはずだからマシなんだろうけど、家庭用機ではどうしてもゲームの流れが悪くなってしまうし、 この仕様をアテにしてゲームを作ってるうちは、アクションゲームの質は向上していかないと思うな。
  とにかく、ライトセイバーによる戦闘が主である以上、もっと硬直・ヒットバックなどを上手くゲームに取り込んでほしかったところだけど (敵の攻撃を華麗に避けて相手の硬直中にForce Pullで吹っ飛ばす!とか)、 まぁ、ここらへんは海外デベロッパが総じてニガテなところだし、やむを得ないっちゃやむを得ないかもしれない。 それより、ライトセイバーでレーザーを弾くっていう部分をもうちょっとゲーム的に発展させて、対一般兵の戦闘を充実させるという方向性の方が現実的か。

  ただし、各ステージの内容はよく考えられていると思う。 舞台は多彩だし、内容もバラエティに富んでおり、上手くメリハリもつけられているので、戦闘の大味さに目をつぶれば、なかなか楽しい。 唯一、操作もままならず、進む方向もよくわからず、終いには地形にハマって抜け出せなくなったりもした、 乗り物(エアバイク)ステージは酷かったけど、1箇所だけだったので、そこまでのダメージではない。
  そして、そこで重要になってくるのが、Force Jumpなわけ。 これはジャンプ力が恒常的にアップするというもので(といってもジャンプの度にフォースエナジーを消費するが)、 ランク2になると(つまりステージ2に入ると)ジャンプ力が2倍になり、ランク3になると(つまりステージ3以降は)ジャンプ力が4倍になる。 特にランク3の状態だと、かなりビヨ〜ンと跳ぶことができ、結構な落下にも耐えられるようになるので、 特にそれを踏まえた終盤のステージは、非常にダイナミックな作りで、かなり楽しくなっている。

  プレイ時間がデータとして残らないので、具体的なプレイ時間はわからないけど、 おそらく10時間は超えるだろうけど15時間には達してないんじゃないかっていうくらいだと思う。 ボリューム的には、まぁ無難な感じか。 でも、ゲームの最後にちょっとだけストーリーの分岐はあるものの、最初のプレイで全てのミッションをプレイできてしまうし、 ライトセイバーの構え、フォースパワーの選択という要素があるとはいえ、ゲーム進行に大きく関わってくる中立フォースパワーは、 ゲームの進行に応じてランクアップしてしまうので、実際のゲームプレイは大きく変わらず、 カスタマイズ色を打ち出した割には、リプレイ性が低いのが残念。 中立フォースパワーのランクアップもプレイヤーに委ねて、 各ステージにそれに応じた自由度を設けられれば、ベストだったんだろうけど、さすがにそれはハードルが高すぎるかな?

  一応、Xbox Live対応のマルチプレイ要素に関しても。 いわゆるデスマッチタイプの「Free For All」「Team FFA」、ライトセイバーによる1vs1(&1vs2)形式の「Duel」「Power Duel」、 2つのチームに分かれて旗の取り合いをする「Capture the Flag」に加え、最近のトレンドらしい、プレイヤーは能力の違うクラスを選択し、 攻撃側が与えられた任務をこなすのを守備側が阻止するという形式の「Siege」が用意されている。 さらに、ちゃんとBOT戦(対CPUキャラ)が用意されており、Liveに繋がずともマルチプレイがどんなものかを試すことができるのは評価したいところ。 肝心のSiegeにBOT戦がないのは残念だけども、ここらへんはマルチプレイがウリのゲームではない以上、やむを得ないのか。 ちなみに、画面2分割による対戦でもSiegeはプレイ不可だし、一台のXboxから2人のプレイヤーがLiveに参加するのも不可な模様。 いかんせん、肝心のライトセイバーによる戦闘が大味なもんで、対戦形式で遊ぼうとは思えないのが、かなり根本的な難点だとは思うが。

  英語に関しては、イベントシーンのみならずあらゆる会話に字幕が付くので、比較的理解しやすい部類だろう。 むしろ、スターウォーズの基本的な知識の方が必須かもしれない。 時折、英語音声によるヒント(当然字幕付き)みたいなものがあるけど、そんなに重要なものはなかったはず。 少なくとも、ヒアリングが問題でゲームが詰まりまくりってことはないだろう。 もちろん、各ミッションで表示されるMission Objectivesくらいは理解できないと、ちょっと苦労するかもしれないが、 全般的に、英語ゲームの中ではラクな部類だと思う。


  大味で雑な感じではあるけど、それが上手くダイナミックな感じになってる部分もあるし、 何より、ちゃんとスターウォーズな雰囲気を生かせてたのが大きい。 個人的には久々(PS2『ジェダイ・スターファイター』以来)のスターウォーズゲームで、その雰囲気を満喫でき、なかなか楽しかった。 この勢いで、ベスト化されたPS2『ジャンゴ・フェット』や来月発売のXB『バトルフロント』にも突撃か!?

2004年9月26日記載