REVIEWエアフォースデルタII
Xbox
2002年2月22日発売発売:コナミ  

  Xbox本体と同時にリリースされたフライトシューティング。 シリーズ全体では3作ほど作られているんだけども、前作は1999年7月のDC『エアフォースデルタ』、 続編は2004年2月のPS2『エアフォースデルタ ブルーウィングナイツ』と、その全てが異なったハードで作られているという、変わりダネでもある。


  前作同様、ロールしないで左右に曲がることができて機体は勝手に水平に戻る (簡単に言えば、スティックを入れた方向に進む)という「NOVICE操作」と、 ロール&上昇下降で機体を操作する「EXPERT操作」が用意されている(さらに、EXPERTに加えて速度をもうちょっと自由に操れる「ACE操作」も用意されている)けど、 とりあえず、基本と思われるEXPERT操作を説明しよう。 機体の操作の基本は、左スティックによる左右のロールと上昇・下降で行う。 LRトリガで左右水平移動(もちろん、いくらフライトシューティングとはいえその動きは微々たるもの)、 Xを押しつづけるとスピードアップ、Aを押しつづけるとスピートダウン、Yでバルカンを発射し、Bでミサイル発射、白黒ボタンでロックオンターゲットを切り替え。
  フライトシューティングというのは、 (主に)実機の戦闘機を題材としつつも、複雑な操作やリアルな操作感を求めず、“お手軽な空戦”をテーマとしているジャンル。 このゲームでも、その操作感は不自然に軽く、攻撃手段は全機種共通の機銃(弾数無限)&ミサイルで、 敵戦闘機はミサイル2発で撃墜、それ以外の敵は概ねミサイル1発で破壊できる。 そのフライトシューティング部分は、基本的に前作と変わらないと言ってよいだろう。 適度に巨大兵器なんか出てきちゃうところも、当然のように継承している。

  と、各ミッションはかなりベタなフライトシューティングなんだけど、 このゲームはそれをこなしていく流れがちょっと変わっている。 基点となる「エアベース」、ミッションがある「敵拠点ポイント」、 空白マス的な「戦闘ポイント」が蜘蛛の巣状に(ってほど複雑じゃないが)繋がっている「ワールドマップ」があって、 プレイヤーはまず各エアベースでミッションを選択、発動させ、 ワールドマップ上でスゴロクのように自キャラを動かしてその敵拠点ポイントに赴き、そのミッションをプレイすることになる。 問題は戦闘ポイントの存在。 敵に制圧されている戦闘ポイントは、そこの戦闘で敵を倒さないと先に進めない。 で、一度占拠してしまえばそのままなところと、一定ターン経つとまた敵に制圧されてしまうところがあって、 後者は場合によって、そこで繰り返して戦闘を行わなければならない。 この戦闘ポイントでのザコ戦は、戦闘機3機との空戦(ターゲットは1機のみ)がほとんどで、 たまに、部隊配置がまったく変わらない地上部隊殲滅、海上部隊殲滅があるだけ。 一応、戦闘機の種類が変わったりはするんだけど、それでゲームプレイが変化するわけじゃなく、とにかくバリエーション不足。 これを相当数繰り返すことになるので、もうひたすらに鬱陶しい。勘弁してくれ。
  ミッションに失敗したときに直にリトライできない (撃墜されるとその機体を失ってエアベースへ強制送還、時間切れの場合はワールドマップに戻るんだけど、 当然ミサイルは消費されてしまってるので、まずリトライはできない)のも頂けないのだが、 それ以上に、その道中の戦闘ポイントでの戦闘が繰り返されるのが面倒臭かった。 ゲーム部分が全体的に平易になっちゃったのはこの仕様との兼ね合いでもあるんだろう。 リトライをしやすくした上で、ミッションをより厳しくすべきだったと思う。
  その上、肝心のミッションの内容も極めて単調なのが非常にツラいところ。 今回は50近くのミッションがあるということで、前作(全20ミッション)から大幅増なんだけど、 とにかく単純な空戦、地上部隊殲滅が多すぎて、似たようなものばっかりという印象。

  まぁ、このゲーム内容じゃバリエーションを付け辛いとは思うのよ。 つまりは、あまりにも進歩がなさすぎるゲーム部分に、より根本的な問題があるんじゃないだろうか、と。
  僚機どころか味方機すらいないというウルトラ孤軍奮闘状態。 アホみたいにミサイルを積んでる代わりに、ステージ内では補給不可なもんで、とにかく無駄なミサイルの消費を避けることが第一になってしまう。 戦闘機や攻撃機といった性能差もなけりゃ、船はミサイル1発で撃沈、戦闘機は2発で撃墜、でもなぜか戦闘ヘリは3発で撃墜という一律な設定。 で、“それならそれで”というゲーム的に面白い展開があるかと言えば、 ミッション内で状況が大きく変わるような仕掛けすらナシ。予定を予定通りこなすだけ。 ・・・特に極端なデフォルメの上に成り立っているフライトシューティングだからこそ、 どこをリアルにしてどこをどうゲームっぽくするのか、もう一度根本から考え直す必要があると思うんだが。
  あと、非常に気になったのは、ロックオンしないとはじまらないゲームなのに、そのロックオンが使いづらいこと。 まず、ロックオンの比重が大きすぎるというのも問題。 機銃が前作以上に使いづらくなって、ほぼ使い物にならなくなってしまったので、よりこの点が目立ってしまう。 より致命的なそのロックオン操作の使いづらさは、“同じ敵をロックし続けられない”と“思った敵をロックできない”という2つの問題を抱えている。 前者は、ロックオン中の敵が画面外に出てしまって、他の敵が画面中に入ってくると勝手にそっちにロックが移ってしまうこと。 後者は、ロックの切り替えが根拠不明の2方向ローテーションなもんで、特に攻撃対象が画面内に沢山出ている場合には、なかなか思ったとこにロックできない。 例えば船舶であれば本体に一発ミサイルを当てれば沈む(のに砲台にロックが・・・)とか、 特に普通の戦闘機であるとかはターゲット(攻撃目標)であるかないかの根拠が意味不明すぎるとか、 攻撃の優先度に差がありすぎることに加え、とにかく必要以上のミサイルの消費は避けたいゲーム性ゆえに、よりそのストレスが増大する。 まぁ、同じ2つのボタンを使うにしても、例えば、“もっとも近い対象をロックする”と“画面内の照準にもっとも近い敵にロックする”という役割にする (そして、勝手にロック対象は変えない)だけでも、もうちょっとはマシになるんじゃないだろうか。
  80機を超えるたくさんの機体が登場するのは結構なんだけど、いかんせん基本的な運動性能とミサイルの弾数しか性能差がないもんで (しかもワールドマップの作りのお陰で、ミサイル弾数の重要度がより高くなっちゃってるもんで)、選択の幅というか、その意味はほとんどない。 そんな無意味な機体数を誇るヒマがあったら、機体のカラーバリエーションでも用意してくれよ・・・。 通例の“ミッションをクリアしてゲットしたお金で機体を購入して”という流れにしても、とにかく金が余りまくり。 撃墜によって機体を失っちゃうのが唯一の出費増大要素なんだけど、 そうなったらデータをロードすればいいだけだしなぁ(そうしない方が良いというメリットがない)。 こういったお金とその使い道ってことなどを踏まえて考えると、カスタマイズ色を強くしていくというのも、ひとつの方向性じゃないかと思う。

  グラフィックはそこそこ。 さすがに機体はよく描けてると思うんだけど、肝心の背景は割と凡庸な印象で、 描画される距離もそれほど遠くなく、建物などがあからさまにニョキと現れるし、 お世辞にも写実性が高いとは言い難いし、かといって幻想的な美しさがあるわけでもなく。
  ストーリーはあってないようなもの。 ま、それはそれで結構。 ただ、“資源を持つ国々と資源を持たない国々で世界が2分化し、戦闘状態に陥ってしまった”という舞台設定に、説得力が無さすぎるのは気になったが (資源を持たない国々の連合なんて成り立つのか?っていう)。
  クリアまでのセーブデータのプレイ時間は5時間ちょっと。 ただ、これはゲーム機の稼働時間ではなく、実際にミッションをプレイしている時間の合計なので、注意してほしい。 これに関しては、それ以前にゲームのダルさが気になってしまい、あまり長い短いっていう印象はなかったりする。 というか、この調子でこれ以上時間がかかってもツラいだけという。 問題は、機体を継続する以外にはこれといった変化のない2周目以降の作りと、出現条件がわかりにくすぎる隠しミッションの方か。 最近じゃ珍しいくらい“隠し”って感じなんだもんな。


  もうちょっと独自色を打ち出しているかと思ってたのに、それが全然期待していたほどじゃなかった上に、 ゲーム部分の改良、改善、進歩が皆無で、あからさまな水増しによって超ダラダラ。 これを機に、結構おざなりにしていたフライトシューティングにも手を出していこうと思ってたんだけど、 予想以上のお粗末さに、その気力が一気に削がれてしまったわ。

2004年10月18日記載