REVIEWMace Griffin Bounty Hunter
Xbox[海外版]
2003年6月20日発売発売:Vivendi Universal  開発:Warthog  

  それなりに楽しいという噂を聞いていたシングルプレイオンリーのSFネタFPS。 タイトル発表当時はフライトシューティングとFPSを融合させたゲームということで、 ちょっとは注目されていたようなんだけど、リリースが延び、パブリッシャが変更になり(Crave→Vivendi)、かなり地味な存在になってしまった模様。 当初は、PCも含めて4機種マルチの予定だったんだけども、 GC版はキャンセル、PC版も北米ではキャンセル(欧州ではリリースされたらしい)され、結局、PS2、XBの2機種でのリリースとなっている。 開発のWorthogは、それなりの数は作ってるけどこれといった代表作が見つからない、かなり地味めなデベロッパ。 フライトシューティング要素を取り入れたというのは、ここがかつてDC版『Starlancer』を開発したことと繋がりがあるのかもしれない。 ちなみに本作の後にはPS2/XB『Battlestar Galactica』(「宇宙空母ギャラクティカ」ね)を開発している。
  どうでもいいことだが、北米版がリージョンフリー仕様なもんで、自分としてはこれが初めての北米版ソフト。


  その内容は確かにFPSとフライトシューティングを融合させたゲームなんだけども、 実態としては、FPSの途中にフライトシューティング風なミニゲームが挿入されるっていう感じかな。 とりあえずは、FPS部分とフライトシューティング部分を別々にチェックしていこう。

  まずはFPS部分。
  体力&シールドの仕様は、まんま『HALOだ(シールドが回復する効果音までまったく同じだったりする)が、 レーダーのようなものはないし、武器もズラッと大量に持ち運ぶことができるしと、それ以外の部分は極めてオーソドックスなFPSと言えるだろう。
  武器ごとにprimary fire(メイン攻撃)とsecondary fire(サブ攻撃)が用意されているので、 それがそれぞれRトリガとLトリガに割り当てられており、Yがスイッチなどを操作するアクションボタン、Aがリロード、Xがジャンプ、白黒ボタンで武器の切り替え。 一般的にはAがジャンプでXがリロードというゲームが多いと思うし、このゲームのキーコンフィグではそこをいじることはできないので若干戸惑うが、 他の同系ゲームと同時進行とかならまだしも、本作だけをプレイしている分には割と直に慣れるはずなので、そこまで致命的なところではない。 問題はむしろ、白黒ボタンによる武器切り替えの方か。 コントローラーを見れば分かる通り、黒が上、白が下に位置しているにも関わらず、 なぜか画面上に現れる武器リスト上では、黒を押すと下の武器に、白を押すと上の武器に移るようになっている。 なんじゃそりゃ。これが意外と厄介で、結局最後まで慣れなかったんだよなぁ。 旧北米コントローラーに合わせて作られたのかもしれないが、説明所のイラストでは和製(現北米)コントローラーになってるし・・・。謎だ。 他の操作感では、視点操作のスピードがかなり遅めで、それをオプション等で変更できないことが、特にプレイ開始直後はかなり気になった。 まぁ、中盤以降は割と慣れてしまったけども。
  各ステージの流れはかなり一本道傾向が強く、途中にローディングを挟むと、強引にそれ以前には戻れなくなってしまうというもので、なんとなく古臭い印象が残る。 ただ、その展開自体は、立体的な流れが目立って非常に多彩。 かなり意表をつく場面もあるし(出窓を打ち壊して、下の階に飛び込むとか)、戦闘との兼ね合いもなかなか上手い。 FPSのシングルプレイではもっとも重要なところだと思うし、このゲームが楽しいものに仕上がってる一番の要因だろう。
  その戦闘に関しては、『HALO』と違って全ての武器を持ち歩ける仕様なもんで、 狙撃シチュエーションも豊富に盛り込まれているし、 武器のラインナップ自体は無難にメリハリがつけてあって、そこらへんのバランスも悪くない。 武器によっては左スティッククリックでオートエイム(というより、このゲームではオートターゲッティングに近い)のON・OFFの切り替えが可能という、 家庭用機らしいフォローもアリ。
  難易度的にも、『HALO』の体力システムを流用したこともあって、全編通して適度に緊張感がある悪くないバランス。 敵AIも、一応物陰に隠れたりするし、プレイヤーを察知する能力にもそれほどウソ臭いところはないしと、まぁ無難なセン。
  とはいえ、ちょっと雑なとこが目立つのも事実。 こちらの攻撃で言えば、全体的にサブ攻撃がイマイチ機能していない武器が目立ったし、時限式の手榴弾が飛び跳ねすぎて非常に使いづらかったのもマイナス。
  敵の攻撃では、グレネードランチャーのダメージが大きすぎ。 同じ爆発系でも手榴弾とロケットランチャーは効果音で察知できたりするからまだOKなんだけど、 マシンガンのサブウェポンであるグレネードランチャーは、射程が短い代わりに撃たれてから避けるのは無理があって、 しかも直撃を食らうとシールドが全て削られた上に体力にも相当なダメージなので、非常に厄介。 同じく問題なのが「SONIC SHOCK CANNON」という武器で、これは命中率が高くない代わりに、 ヒットするとシールド&体力がフルの状態から体力が1/4にまでなってしまうというもので、 これがザコ兵士なら(直に倒せるので)まだマシなんだけど、 実質ラスボスに相当する敵がこれを装備しており、しかも耐久力が異常に高いもんで、非常に詐欺臭い難易度になってしまっている。 まぁ、共にそんなに出番は多くないし、後者に関しては終盤のみなので、そこまで致命的ってわけでもないんだが。 で、全体的にバランスは悪くないと書いたけど、ラスボスも含め終盤は例外。 ラスト付近に出現するザコは、通常の武器は全く効かない(あまり強くない特殊な武器を使わなければならない)上に、 弾速はさほど早くないのだけどもシールドに関わらず2撃連続で食らうと死亡 (つまり体力が減っていれば、シールドに関わらず即死の可能性がある)っていう、かなり邪道な武器を使ってくる。 流れも単調で面白くないし、自分はこの終盤でやや評価を下げる結果となってしまった。
  また、ゲームオーバーやロード時に、チェックポイントからの再開となる仕様は実に結構なんだけど、そのチェックポイントがちょっと少ないかもしれない。 特に終盤は、繰り返してプレイするのが単に面倒なだけに感じられることもあった。 イベントシーンが終わった直後であるとか、大きなヤマを越えた直後、あるいは大きな山が控える直前には必ずチェックポイントを用意してほしかったな。

  そして、一方のフライトシューティング部分。
  このゲームでは、ステージの流れでシームレスにFPSからフライトシューティングに移行する (つまり、宇宙船に乗り込み、操縦室に向かい、操縦席に座って操縦桿を握ってそのままの視点でフライトシューティングに、と)。
  ただし、宇宙空間を自由に動き回れる3Dフライトシューティング部分は非常に大味。 そもそも、自由に動き回れる宇宙空間で自分の位置を把握すること自体にムリがあって、画面に表示されるレーダーもほとんど役に立たない。 しかも、とにかく沢山の敵が現れることが多いので、思ったような敵をロックオンできないのも困りもの。 ロックオン操作が“一番近くの敵をロック”と“次(?)の敵をロック”しかないもんで、 画面内にいる敵を思ったようにロックできず、ロックしてからじゃないと使えないサブウェポンがなかなか使えなかったり。
  さらに困るのが、自機、敵、共に機動力が高すぎて、その戦闘がまったく噛み合わないこと。 一部の中型の敵を除けば、とにかく攻撃が当てにくい。 一方のこちら側も、黙ってまっすぐ飛んでると直に背後につかれてしまい、猛攻を受けちゃうんだけど、大体はグルグル旋回していれば致命的な状況には陥らない。 その上、FPSから継続する体力の仕様のお陰で、これがムダに長く続く。 特にサブウェポンがない船を使わなくちゃならない最後の場面は酷かったなぁ・・・。ホントに「これ、いつまで続くんだ?」っていう。 ザコ戦闘機との戦闘ばっかりで、大型船との戦闘であるとか、地上の目標の破壊とか、そういうバラエティが無かったのも残念。 んー、シームレス性をある程度犠牲にしても、3Dシューティング部分は客観視点にした方がよかったんじゃないかねぇ。
  と、とにかくこのフライトシューティング部分はイマイチなんだけども、 これを使ったゲーム展開(宇宙ステーション内から宇宙空間に飛び出して敵戦闘機を撃破し、違った入り口から宇宙ステーションに戻る、といった展開がシームレスに進行する)には 目新しさがあって楽しかったので、決してマイナスなだけではなかったぞ、と。
  あ、洋ゲーらしくエンディングは超アッサリね。

  グラフィックは良し悪しか。 マルチタイトルということで、キャラクターや自然物は結構雑な感じで、特にキャラクターのアニメーションの雑さは気になるところだ。 最近のトレンドである動的な光陰の演出も見られないし、やや陰影のメリハリに欠ける感もある。 さらに、主人公Maceのコスチュームに代表されるように、デザインのチープさが足を引っ張ってる部分も大きい。 それでも、場面によってはかなり広いスペースが描かれるし、無機質な部分に関してはその質も低くない。 (途中にローディングがあるとはいえ)シームレスに繋がって展開していくレベルデザインという点でも評価できる。 さらに、ボヤケた光や波打つ水面といったエフェクトも意外と効果的に使われているし、 テクスチャの質も悪くなく、アップになってもそれほど粗さは見当たらず。 ゲーム的にはアレだった終盤も、その幻想的なグラフィックは好印象だった。 総合的に、題材なりの及第点は与えられると思う。
  プレイ時間はデータとして残らないけど、シングルプレイのボリューム自体は十分なものだろう。 総合的なボリュームということでマイナスになってくるのは、 マルチプレイがないことと、難易度変更ができないことも含めたリプレイ性の低さなど。

  最後に英語について。実はこれがかなり厄介だった。 字幕は皆無で音声メインでストーリーが進行する上に、 宇宙人キャラが結構いるからか、英語が聞き取りにくいキャラが多い。 一応、ひとつの大きな話の流れがあるんであろうにも関わらず、正直なところ、8割方も話が理解できてないなぁ・・・。 ドラマ的には仲間キャラに対するゾンザイな扱いが気になったけども、まぁ話そのものが理解できてないし、あまり声高に批判するのは止めておこう。 ただ、ゲームの進行は、前述の通り基本的に一本道なもんで、リスニングが壁となって行き詰るということはないはず。


  『HALO』なんかとはまた違ったSFテイストが楽しくて、SF好きな自分としては、この程度のグラフィックと面白いゲーム展開があれば、それだけで結構満足。 FPS部分は、多少雑な感じだけども、まぁ普通にまとまってるし、とりあえず、現状でも佳作程度に評価されてもおかしくないゲームだと思う。 これでもうちょっとはフライトシューティング部分を面白いものにして、 終盤の難易度をもうちょっと考えてくれれば、(どっちにしろ佳作程度ではあるにしても)結構な良作になったんじゃないだろうか。

2004年10月25日記載