REVIEWブルートフォース
Xbox
2003年10月9日発売発売:マイクロソフト  開発:Digital Anvil  

  当初は『Halo』に続いてMSがリリースするSFアクションシューティングということで、 結構注目&期待されていたものの、2002年冬というリリース予定が延び延びとなって年末年始商戦を逃してしまった上に、 延びたにも関わらずXbox Live対戦には対応せず(コンテンツダウンロードのみ)ということで、非常に微妙な位置付けになってしまったタイトル。
  開発のDigital Anvilは、SFフライトシューティングの代表格である「Wing Commander」シリーズを作った 有名なゲームデザイナー、Chris Roberts氏が独立して立ち上げた会社。 ただ、期待されていたPC『Freelancer』の開発が難航し、結局、Chirs Roberts氏は『Freelancer』がリリースされる前に退社、Digital Anvil社はMSに買収されて現在に至ってる。 ちなみに、本作のプロデューザーはChirs Robertsの弟であるErin Roberts氏。


  そのゲーム内容は、4人のチームを操作する、客観視点のアクションシューティングゲーム。
  客観視点とは言っても、視点はキャラクターの背後に固定されているタイプで、 左スティックで移動、右スティックで視点移動という、FPS準拠の操作系になっている。 カメラがキャラに寄るときはそのキャラが透明になるし、ほぼFPSと同じような感覚でプレイできると考えてよいと思う。 よって、視点関係の不満もナシ。
  武器はそれぞれのキャラが2種類持ち運ぶことができ、Yで装備の切り替え、Rトリガで射撃、Xでリロード。 Lトリガはアイテム(主に手榴弾)の使用に割り当てられており、 使用するアイテムはBを押しながら方向キーで選択する(体力回復の「メドキット」の使用には黒ボタンによるショートカットもアリ)。 他では、一応、左スティッククリックでしゃがんだり、Aでジャンプができたりするが、どちらもそれほど重要な操作ではない。

  当然のように、このゲームの最大の特徴は、4人編成のチームを操作してゲームを進めていくという点にある。 同じ4人チームでも、プレイヤーが部隊長となって部下に指示を出していったXB『レインボーシックス3』などとは違い、 プレイヤーはキャラクターを切り替えつつ、また、他のキャラに指示を出しつつ、ゲームを進めていくことになる。
  まずは、その4人のキャラクターを説明していきたいと思うが、その前に、「スペシャルアビリティ」についてちょっと。 これはそれぞれのキャラクターが持っている特殊能力で、白ボタンでいつでも発動でき、発動中には「スタミナバー」(時間と共に回復)を消費するというもの。 キャラクターの差別化の中で、一番大きな要素となっている。
  一応、主人公的な扱いで、最初から操作していくことになるのが、マッチョなタフガイ「テックス」だ。 重火器しか装備することができない直接攻撃型のキャラクターで、 スペシャルアビリティの「バーサーク」を発動すると、2つの銃器を両手に同時に装備して敵を攻撃。 体力も多く、真っ向勝負では最強の戦闘能力を発揮してくれる。 また、地雷の撤去も可能(撃つだけで除去できるので、そう必須な能力ではないが)。
  最初に仲間になるのが、爬虫類系の容貌を持った「フェラル族」の戦士「ブルータス」。 重火器と小火器を1つずつ装備するキャラクターで、テックスには劣るものの、やはり直接攻撃系と言える。 スペシャルアビリティの「スピリット・オブ・ベンガー」を発動すると、 背景が白黒になり、生命体はオレンジ色で強調表示されるので、背景に紛れた敵を察知しやすくなる上に、発動中には徐々に体力回復。 そういう意味では、割と気軽にダメージを喰らえるキャラクターでもある。
  その次の「ホーク」は軽火器しか装備できない女性キャラで、体力も少ない。 そんな彼女の専門は偵察。スペシャルアビリティ「ステルス」を発動すると、姿が透明になり、全く足音を立てなくなる。 銃器を発砲するとその場でステルスが解けてしまうものの、 彼女専用の特殊装備として「パワーブレード」を所持しており、これによってほとんどの敵を一撃で倒せてしまう。 非常に強力な能力だけども、当然のように、継続時間はさほど長くないし、スタミナバーの回復にも時間がかかるので、そう連発もできない。 何より、体力が少ないもんで、真っ先に死ぬキャラクターでもある。
  最後の「フリント」も一見女性で、やはり軽火器しか装備できないものの、実はスナイプを得意とするサイボーグ。 スナイパーライフルを使用時には、手ブレが少なく、より高倍率で拡大できるので、 かなり遠距離から正確な狙撃が可能(というより、他のキャラでの狙撃はあまり実用的じゃない)。 また、スペシャルアビリティ「アドバンスターゲット」を発動すると、スコープを覗かずに自動的に敵を狙って狙撃できるようになる。 場面によっては便利だけど、必ずしも一撃で仕留めるわけじゃなく、 弾の無駄使いにも繋がるので、他のキャラのスペシャルアビリティに比べると出番が少ないかもしれない。
  このチームを操作するにあたって、その操作系がスッキリとうまくまとまっていることは評価できるポイントだろう。
  まず、操作するキャラクターの切り替えは十字キーで行い、上下左右がそれぞれテックス、ブルータス、ホーク、フリントに割り当てられている。 そして、十字キーを長押しすると、他のキャラクターに指示を出す「チームコマンド」画面に移る (ここでさらに十字キーを押すことによって、複数のキャラを選択し、一度に指示を出すこともできる)。 キャラクターを選択したら、XYABでそれぞれ、「ムーブ(移動)」「スタンド(待機)」「カバー(援護)」「エンゲージ(交戦)」、 黒でメドキットの強制使用、白でスペシャルアビリティの発動という指示を出すことになる。 カバーは、リーダー(プレイヤー操作キャラ)を追従してくるという、最も基本的な状態。スタンドの命令を出すと、そこに立ち止まる。 ムーブは、画面内にポインタが表示され、そこまでキャラクターを移動させるという命令。 エンゲージは、リーダーの状況に関わらず、周囲にいる敵に対して攻撃をする状態(大抵は自分から突撃するので、ほとんど出番のない命令だったが)。
  これによって実際にどういうことを行うかというと、例えば、フリントを狙撃しやすい場所に配置してから先に進むとか、 残りのキャラを安全なところに退避させておいて、自らホークで偵察するとか、 まぁ、そのくらいのことではあるんだけども、 基本的なキャラクターの使い分け、適度に自律性があって結構優秀なAI(勝手に突っ込んでいって死亡とか、地形にハマったりということはない)、 命令や状況に応じたセリフなどにより、これが思っていた以上に楽しいものになっている。 弾薬やアイテムをチームで共通にしたというのも、分かりやすくて良かった。

  ステージの流れは、全18ミッションを次々とクリアしていくというもので、一応、大きな話の流れの筋はあるんだけども、 基本的には、特殊部隊「ブルートフォース」が与えられた任務地に赴き、任務をこなすことの繰り返し。 各ステージでは、謎解き的な要素は極めて薄いし、ミッションとは言うものの、 概ね敵を殲滅するとか、特定ポイントを破壊するとかだけで、要するに、敵を倒しつつ先に進んでいくだけ。 とはいえ、各ステージは結構起伏に富んでおり、敵AIも結構優秀(手ごわいわけじゃないが、ソレっぽく見える)で、 何より、このゲームの特徴であるチーム戦(&キャラの使い分け)っていうのが最大のメリハリとなってて、ダレた感じであるとか、単調な印象はほとんど受けなかったな。
  ただ、ブツ切れのミッションの集合体ということを差し引いても、全体的にこじんまりとしたとこがあるのも確か。 ほとんど屋外が舞台になってて、そこで行動範囲を限るようにマップが作られているので、 ちょっと不自然な、写実的じゃない、ゲーム的な印象が強くなっちゃってる。 また、ステージの流れにも、ドラマ性やダイナミズムに欠けたとこがある。 さらに、敵もそのほとんどが人型の兵士なもんで、空中を飛んでいる敵に襲われたり、大きな敵に襲われたり、小さい敵が群がってきたりという場面はないし。
  難易度は「STANDARD」「HARD」「BRUTAL」の3段階が用意されていて、どのミッションも自由に難易度を選択してプレイできるという形。 自分は全てSTANDARDでプレイして、クリア時間は13時間半ほどだった。 STANDARDの難易度は、程よい感じ。 序盤はゲームへの導入ということもあってちゃんと簡単になってるし、中盤もウッカリすると誰か(概ねホーク)が死んでしまう程度の難易度にはなってくる。 さすがに終盤は歯応えがあるものの、それでも極悪な難易度っていうわけではない。 ただ、プレイ時間的には、ちょっと物足りないか。 もっとも、前半はかなりラクだったこともあって、難易度を上げてプレイするとそれはそれでまた楽しかったりするし、 高い難易度でクリアしたことはちゃんとデータに残るので、プレイし甲斐もあるってもんだろう。 とりあえず、リプレイ性が皆無というゲームではないと思う。 欲を言えば、各ステージをクリアしたときに得られる 「キャッシュボーナス」(難易度が高ければ高いほど多くなる)に、何らかの使い道を用意してほしかったところだけども。

  グラフィックはボチボチ。丁寧に描けてはいると思う。 草むらもちゃんと草むらになってるし、自然物に関してもそこまで大雑把な感じを受けない程度に描き込まれている。 ただ、あまり綺麗というインパクトが残らないのは、デザインのチープさによるところが大きいんじゃないかな。 いかにもなパッケージ絵といい、ちょっと日本ではウケ難いであろう臭いが漂ってるし、 ゲーム内での色使いなんかも、微妙にチープな感じがする。 そして、ゲーム面同様、自律さ(ゲームっぽさの逆というか)とドラマ性に欠けている点が、グラフィック面でもマイナスに感じられるんだろう。

  最後に、マルチプレイに関して。 画面分割で最大4人まで(システムリンクで2台のXboxを繋げば最大8人まで)が対戦できるモードが用意されているけど、 BOTは無いようで、1人ではプレイできないようになっている。 また、本編も画面分割で最大4人まで協力プレイ可だ。


  確かに、ややインパクトに欠けた内容で、ハードを引っ張っていくような力は感じられなかったものの、 チーム戦であることは上手くゲームになっていたし、なかなかよくできた佳作ではあると思う。 続編の予定はないけど、もし出るなら今度は発売日に買うことを検討したい、っていう程度には楽しめたぞ、と。

2004年11月8日記載