REVIEWHALO 2
Xbox
2004年11月11日発売発売:マイクロソフト  開発:Bungie  

  北米では2001年11月にリリースされて現在に至るまで350万本以上のセールスを残し、 Xboxを代表するゲームとなっているSFなFPS『Halo』の続編で、 北米では初日だけで240万本売れたとかで、期待通りのビッグヒットとなったタイトル。 当初は日本版はやや遅れるかもという話だったんだけど、めでたく、北米とほぼ同時のリリースとなった。
  今回のウリの1つにLive対応のネット対戦があって、 かなり独特で凝った対戦環境が設けられたのも大きなウリなんだけども、例のごとく、オフライン限定のレビューということに。


  基本的には優秀な続編と言える。 ゲームパッドに最適化されたゲームシステム&操作性、メリハリのきいた4段階の難易度設定、 品良くまとまったSF系デザイン、ローディングのストレスの小ささ、 極めて優秀な音関係などは、そのまま(あるいは微妙に向上して)継承されているといっていい。 FPSとしてはオーソドックスな操作形態も、前作と全く一緒。

  そんな中、今回の最大の変化と言えるのは、人間側とコブナント側をザッピングのような形で交互にプレイしていくようになったところだろう。
  人間側の主人公は当然、「マスターチーフ」。 地球に戻ってきた彼が、地球上の軌道ステーションで、(ジョンソン軍曹らと共に)前作での戦いに対しての勲章を授与される場面からゲームが始まる。
  一方のコブナント側の主人公は、前作でチーフ達と戦っていた指揮官という設定の(実際に前作のゲーム中に出てくることはなかった)エリートで、 前作の失態を受け、軍法裁判のようなものにかけられているところから始まる。 そこで、異端者の烙印が押され、厳刑に処されるのだが、コブナントの指導者「預言者」のひとりから役目を与えられ、預言者直属の兵士「アービター」に生まれ変わる。 彼は直接人間たちと相対することはなく、コブナント身内の裏切りもの(異端者)の処理などを行っていく。
  このアービター、ゲームプレイ面ではほとんどチーフと変わらないんだけど、唯一とも言える違いは白ボタン。 チーフのフラッシュライト点等に対し、アービターは「カモフラージュ」発動となる。 これは一定時間継続するいわゆる光学迷彩で、 あまり発動時間は長くない上に、攻撃をするか攻撃を受けた時点で強制解除となるものの、ほとんどの場合、敵にまったく気付かれなくなる。 その間に、今回から用意された近接武器で攻撃したり、近づいてニードラーを発射したり、プラズマグレネードを投げたり、あるいは物陰に隠れたり。 慣れないうちはついつい忘れがちになってしまうのだが、攻略する上で結構重要な能力となっている。
  これもあって、前作では“なんとなく英語を喋ってるような?”程度だったコブナント側のキャラクターもハッキリと日本語で喋るようになった。 とにかくプレイ中の周囲の会話が雰囲気を大いに盛り上げるゲームなので、この仕様は歓迎したい。
  ただし、シナリオ内で人間とコブナントがそのまま意志疎通しちゃったのは、ちょっといただけなかったが。 実際に意志疎通する場面はかなり少ないので(必要性があるのは多分1ヶ所だけ)、もうちょっと上手い処理を考えてほしかったところではある。
  ついでにストーリーについても先に言及しておこう。 チーフ編は概ね流れるままにひたすら戦っていくのに対し、ストーリーの比重という意味では、このアービター編に重みがおかれており、 コブナントの社会、構造、文化、教義なども語られていくことになる。 このゲームで大きな非難の的となっているのが、話が全然まとまらないまま“to be continued”ってな感じで終わってしまった点。 まぁ、最後のアービター編にはひとつのオチがつくので、これはこれでOKだと思うんだけど、チーフはちょっと尻切れトンボすぎる印象。 ボリューム的には前作と同等だと思うので、個人的には、こういう形にしたこと自体に大きな不満はないのだが、もうちょっとチーフ編の最後にも工夫してほしかったな。 あと、こういう形にした以上は、次回作まであまり待たせないで欲しいぞ、と。

  では、それ以外のシステム的な追加・変更要素をチェックしていこう。
  最初から最後までお世話になる要素が、武器の両手持ち(二丁流)が可能になったことだ。 武器の近くでYボタンを押しっぱなしにすると、左手にその武器を構え、 こちらはLトリガで撃つことになる(ただし、両手で使用する中型〜大型の武器は片手持ち不可)。 つまり、この状態だと咄嗟にグレネードが使えないということになるし(Yボタンを押せば直に左手の武器を捨てられるが)、 武器を切り替えると左手の武器は勝手に捨てられてしまうので、同時に持ち運べる武器は最大で3つということになるわけだ。 両手に同じ武器を構えて威力増を狙うも良し(特にニードラーは強力)、性格の違う武器を構えて使い分けるも良し、 当然、両手使用の武器+グレネードでも良しと、ゲーム内のバリエーションの増加として、間違いなく大きなプラスだ。 特に、ゲームパッドでムリのない操作形態で、攻撃にバリエーションを持たせたという点を評価したい。
  ついでに、武器のラインナップの増加・変更などをチェック。
  人間側の兵器に特に追加されたものはないが、微妙な変更がある。 著しいのはハンドガンの弱体化。ズームができなくなってしまったし、攻撃力も低い。出番ナシ。 「ライフル」はその代わりということで、かなり性能が変わり、2倍ズーム可で、弾丸を3発ずつ連射する武器となった。 ズームしない状態でも結構使いやすく、非常に使い勝手が良い武器なんだけど、両手武器になっている。 前作のライフルに相当する「サブマシンガン」は、発射時にその反動で銃口が上に向いていってしまうというクセがついたものの、 全体的に弾薬が豊富なので使う機会は結構多く、片手武器というのも使いやすいポイント。
  一方、コブナントでもプレイするようになったこともあり、コブナント側の武器は大幅増。 人間側のライフルやスナイパーライフルに相当する武器が出てきたり、使い捨てではない武器も登場する。 前作で痛い目に会わされた近接武器「エナジーソード」が使えるようになったのも大きい。 チーフはまだしも、アービターなら“透明になって近づいてバッサリ”なんて事も可(ただし、プラズマライフルなどと同様に使用回数に制限がある)。
  2種類のグレネードは前作から共通なんだけど、 特に「プラズマグレネード」は威力というか攻撃範囲がかなり狭くなった印象で、直撃狙い(敵の体に付着させる使い方)が主になったか。
  また、戦闘面で大きな変更点は、体力関係の仕様が変更になったことだ。 前作では一定時間が経つと一気に回復するシールドと、アイテムで回復する体力という2段構えだったのに対し、 本作では体力という要素がなくなり、その代わりにシールドが回復するまでの時間がかなり短くなった。 当然、シールドがない状態で攻撃を食らうと死亡(若干余裕はあるっぽいが)。 個人的に、これはこのゲーム唯一の改悪ポイントだと思う。 確かにゲームのテンポアップに繋がってはいるのだけど、それ以上に、とにかくサクッと死んでしまいすぎるのが気になった (例えば、プラズマソードに斬られたり、プラズマグレネードが直撃(身体に付着して爆発)すると即死)。 チェックポイントの間隔が前作より短くなっているので(これはこれで悪いことじゃないんだが)、 サクッと死んでは繰り返すという、悪い意味でPCのFPSみたいな感じが強まってしまったと思う。
  アクションに関連することでは、ジャンプが高くなって、落下ダメージがゼロになったのも大きなポイント。 特に落下ダメージの廃止はなかなか大胆な改良だ。 共に不自然っちゃ不自然なんだけども、立体的な戦いがよりしやすくなってるのも確かで、ゲーム的にはプラスになっていたと思う。
  また、乗り物を乗っ取れるようになったのも嬉しい追加要素。 多少の努力や運やらコツは必要だけども、敵が操縦しているゴーストに飛び乗って、その敵を殴り飛ばしてゴーストを強奪したり、 レイス(コブナント側の戦車のようなもの)に飛びついて、操縦席のドアを引っぺがし、中にグレネードを放りこんで飛びのく等。 これもあって、今回は乗り物に乗るシチュエーションがより増えたようだ。 前作にも言えたことだけど、非常に良いアクセントになっている。 さらに、今回は備え付けの銃座に乗り込み、運転はCPU任せにもできるようになった。地味にスゴいぞ。
  前作ではほとんどいなかった空中に浮いている敵が追加されたのも、地味ながら、メリハリを付ける上でかなり効果的なポイントだったと思う。
  物理エンジンHavokが採用され、動く障害物が増えたし、壊れるオブジェクトもかなり増えてる。 ゲームを根本から変えるレベルではないものの、ゲーム内の自律性を演出するには非常に重要な要素だろう。
  さらに地味なところでは、味方兵士と武器が交換できるようになったり(つまり、これで味方兵士の装備を整えたりできる)、 フラッシュライトの時間制限がなくなったり。
  こういったシステムや方向性の改良・向上を全体的に捉えると、 (もちろん、レベルデザインそのものによるところも大きいんだけども) それらがそのままゲームのメリハリ付けに役立ってるということになる。 今回も同じような地形のくり返しになる場面があるけど、 それが前作ほど単調に感じられないのは、こういった様々な改良によるところが大きいんじゃないだろうか。
  レベルデザインが立体的で、ストーリー性が感じられるという点も、前作よりパワーアップしてると言えるだろう。 全体的に派手なシチュエーションが増えたと思う。 ややイベントシーン過多な感もあるけど、ゲームの中で物語を語れてる部分も多いので、それもさほど気にならず。
  ただ、前作に比べると、かなり敵が湧いてくるという印象を受けるのは良し悪しかもしれない (もっとも、「オマエはどこから湧いてきたんだ?」ということはあまりなく、敵の配置は結構自然な感じになっているが)。 あと、メリハリを付けようとしたのが裏目に出た面もあるのか、 ランドスケープ感みたいなのがやや薄れ、マルチ用の対戦マップが幾つも連なったような印象も受けた。 あえて言うなら、っていうレベルだけども。

  味方と一緒に戦う場面が増えたこともあって、ゲーム中のセリフのバリエーションの豊富さには目を見張るものがある。 戦闘中でも(敵を一撃で倒したとか、敵の攻撃から隠れてるといった) シチュエーションに応じたセリフが何パターンも用意されてたり、 戦闘時以外でも、味方キャラを見つめてるとセリフを言ってくれたり、武器交換時に(その武器の強さによって)セリフを言ってくれたりと、本当に芸が細かい。 一度ノーマルでクリアした後でも、アドバンス、レジェンドと難易度を上げればまた楽しめるというのは相変わらずなんだけど、 今回は味方がより生き残ってくれる難易度ビギナーでの再プレイもまた楽しかったりする。 ここらへんは、なぜか日本のゲームでは不甲斐ないところなので、是非とも見習ってほしいなぁ。
  AIは、敵としてはなかなか優秀。 障害物に隠れるだけでなく、ちゃんと障害物を乗り越えてきたりするし、案外となおざりになりがちな上下方向の視界も自然だ。 ただ、味方としては、ちと頼りない。 あまりにも突撃しぎみで、グレネードといった大きな攻撃を上手く避けてくれない。 まぁ、味方兵はあくまでも雰囲気作りのためにあるゲームだし、ゲームプレイ上は特に問題ではないんだけども。 相変わらず、味方が(自分とは関係なく)敵と戦ってたり、敵がそのまた敵と勝手に戦ってたりという、 いわゆる自律性のアピールは非常に上手く機能していると言える。

  ゲーム中のグラフィックは、全体的に微妙に向上って感じか。 キャラクターの描き込みはかなり向上してるし、背景の質感も全体的に向上。 「デカっ」とか「広っ」っていう感動も前作以上で、シチュエーションのバラエティも豊か。 モヤをかけたりといった特殊効果の使い方も上手い。 特にイベントシーンで効果的に感じられるのが、いわゆるバンプマッピング処理で、 これによってポリゴン数以上にグラフィックのクオリティが高めれられているんだと思う。 ただし、さすがにXboxでも限界に近い処理なのか、 ゲーム中にもキャラクターのテクスチャが崩れる場面がちょいちょいと目につくし、 イベントシーンではやや処理落ち(コマ落ち)が目立つ(逆に、ゲームプレイ中のフレームレートの安定度は高いのだが)。
  全てリアルタイムポリゴンで描かれているイベントシーンの質は、極めて高い。 グラフィックの質の高さだけじゃなく、アニメーションやカメラワークなどにも隙がない。 ローディングで間が悪くなるなんてこともないし。 海外のゲームでイベントシーンの比重が大きくなると、意外と説明的なセリフが多くなってしまいがちなんだけど、 本作は(ちょっと怪しいところもあるが)なんとか踏みとどまっている。

  最後に、難易度を変えてのプレイは楽しいだけに、 前作とは違って、各レベルをどの難易度でクリアしたかってのが記録として残らない(表示されない)のは残念だったな。


  前作から3年と、最近のゲームにしては結構時間がかかった続編なんだけど、かけた時間に見合った見事な内容に仕上がっていると思う。 このジャンルは、ハードの性能が上がって、それを見合った労力を注ぐだけで、まだまだ面白いものができると思うので、 間違いなく次期ハードで投入されることになるであろう『Halo 3』が今から楽しみで仕方がない。 まぁ、このゲームを楽しめるかどうかは、前作をプレイすればわかるだろうから、まずは前作からのプレイを薦める。 いくら前作から向上してるとはいえ、前作が全くのNGであって、オンライン対戦にも興味がない人にとっては価値のないタイトルだろう。

2004年12月12日記載