REVIEWシャイニング ティアーズ
PlayStation2
2004年11月3日発売発売:セガ  開発:ネクステック  

  1998年9月にリリースされたSS『シャイニングフォースIII シナリオ3』以来途絶えていた 「シャイニング」シリーズを復活させるというシャイニング・プロジェクトの第2弾。 ちなみに、第1弾は初代のリメイク作であるGBA『シャイニングフォース 黒き竜』(2004年8月リリース)で、 本作に続く第3弾は、シミュレーションRPGの新たなるシャイニングフォース…だったはずなのに、 これまたアクションRPGになっちゃったらしいPS2『シャイングフォース ネオ』(2005年3月24日リリース予定)。
  本作の開発を担当したのは、公式サイトやパッケージなどでは徹底的に伏せられているんだけど、スタッフロールによるとネクステックらしい。 キャラデザが誰々とか以前に、もっとも基本的な情報としてデベロッパくらいは明らかにしとけっての・・・。
  で、キャラデザインを担当するのはTony氏。 デザイナーというより、エロゲ原画師という方がより正確な人で、セガサイト内のインタビュー企画「SEGA VOICE」でのプロフィール欄には、 「代表作に 『After… 〜忘れえぬ絆〜』 など。」と書かれているが、代表作というより、それが家庭用機では初登場作品というだけの話だろう (そもそも、そのDC『After... 忘れえぬ絆』もPCエロゲの移植作品)。 特にCielのゲームを多く手がけており、PC『真章 幻夢館』なるエロゲもリリースされたばかり。バリバリ現役なわけだ。 ただし(ってのもヘンな話だが)、そもそも原画師としての評価は高いらしく、 本作でのキャラデザという仕事も、(全体的に線が細く迫力不足なのはいかんともしがたいが)衣装なども含め、無難にこなしたといえるんじゃないだろうか。


  ゲームの概要は、PS2『バルダーズゲート ダークアライアンス』なんかと同じ系列にあるアクションRPG。 つまり、アクション性が弱い代わりに、ステータスやスキルに自由にポイントを割り振ることでキャラクターを成長させていくところや、 ダンジョン内で得られる様々な装備品でパワーアップしていくところに楽しみを見出していくべき内容ということになるだろう。 表現的には、キャラクターはプリレンダCGによる2D、背景は手描き風の一枚絵という手法だ。
  その上での本作の特徴となると、必ずNPCキャラとコンビを組んでプレイするということと、ステージクリア色が強いゲーム形式であることか。 パートナーを選んで各ステージへ出撃し、そのステージをクリアするなり撤退するなり撃退されたりすると、また拠点となる街へ戻ってくる、この繰り返しとなる。 ちなみに、撤退した場合や撃退された場合は、敵やアイテムはそのままにまたそのステージに再出撃することが可能。 これは後でまた述べるが、撤退と再出撃を繰り返してチビチビとプレイできる形になっているわけだ。 一方で、ステージ内では装備を変えることができないという、このテのゲームではかなり珍しい仕様となっている。 また、ストーリーを進ませるためのステージの流れは一本道なのだが、 経験値やアイテムを稼ぐためか、常にストーリー進行とは関係のないサブステージみたいなのが存在する。 さらに、クリア済みのステージは「フリープレイ」ができるようになっていて、 通常ステージとは違って主人公以外のキャラ2体を選んで出撃できるようになっている。

  基本操作は、左スティックで主人公「シオン」を操作し、○で剣を振って攻撃する。 ○ボタン連打で最大3発のコンボとなり、溜め攻撃で「SP(精神力)」を消費して発動する必殺技「シングル技」を繰り出す、と。
  パートナーは基本的に勝手に動いて勝手に攻撃するんだけども、 右スティックで移動させることは可能で、さらに、パートナー絡みの操作として「ラッシュ」と「ロック」がLRキーに割り当てられている。 L2、R2がそれぞれプレイヤーとパートナーの「ラッシュ」で、まぁ要するダッシュ。 一応、ラッシュ中に特殊能力を発揮するキャラとかもいるのだが、その効果は大きくないし、 パートナーの向いている方向ではなく自キャラの向いている方向にパートナーがダッシュするというのも慣れを要するところ。 まぁ、かなり補助的な操作と言えるだろう。 L1、R1はそれぞれプレイヤーとパートナーの「ロック」という、キャラをその場に固定する命令。 ラッシュ同様、キャラごとに特殊能力があったりするけど、これまた(ラッシュほどではないが)意味合いは薄目。 このロックの存在意義は、パートナーとの協力必殺技「リンク技」を出す準備段階というのがほとんどだろう。 リンク技は大抵の場合、二人の位置関係によって効果範囲が変わってくる。 例えば技によって、二人を結ぶ直線を直径とした円や、片方を中心として二人を結ぶ直線を半径とした円が攻撃範囲になったり、 パートナーが自分の方向に突進してくるように攻撃したりなどなど。 ここがパッと見ではこのゲームの新鮮なところとなっているのだが。
  基本的な操作感で気になったのは、アナログスティックを使わせるにも関わらず完全にデジタルなその操作性 (移動方向は8方向で、移動速度は常に一定)。 ストレスが溜まる典型だわな。 特にこのゲームの場合、敵キャラがたくさん表示される乱戦状態になりがちなもんで、思ったのと違う方向に攻撃を繰り出してるなんてことがままある。 まぁ、パートナーも操作するということで、対称性を重視したのだろう。 そういう意味ではやむを得ないところなのかもしれないが。
  そして、十字キーは「コマンドスロット」の操作に使う。 これはポーズをかけずに「消費アイテム」(□ボタンで使用)、「シングル技」、「リンク技」を選択できるというもので、 十字キー左右でこれら3つを切り替え、上下でその内容を変更する。これ自体は悪くない。 問題なのは、消費アイテムがさらに「HP回復系」「SP回復系」「状態回復系」「攻撃系」の4種からなっており、 これを△で切り替えなければならないということ。 そのそれぞれに4種類のアイテムがあって、それを上下キーで選択することになる。 なんだか、十字キーだけでまとめきれず、△キーに飛び出してしまったというまとまりの悪さを感じるし、何より、操作が煩雑になってしまっている。 意外と立て続けに攻撃を食らって致命的な状況に陥ることがあるゲームなもんで、消費アイテムはなるたけHP回復系に割り当てておきたい。 よって、他の3種はかなり浮いているという印象。 特に、どれも効果が小さい攻撃系アイテムは飾りみたいなもん。 また、HP回復系、SP回復系がそれぞれ4段階も必要だったのかってのも疑問だし、 状態回復系に、主人公の状態異常を回復する「妖精の粉」、二人の毒状態を回復する「毒消し」、 二人の全ての状態異常を回復する「万能薬」という3つが存在するというのも、ムダに多いだけに思える。 あくまでもゲームの流れを止めないでアイテムを使わせることこだわるのであれば、ここらへんはゴッソリと簡略化すべきだったと思うな (例えば、回復系も一定数回復するより、一定割合回復するような形の方がスマートにまとまったはず)。

  とりあえず、このゲームにおいて最初に言っておくべき問答無用の難点は、ローディングのストレスだろう。 まず、ステージに入ってキャラを操作できるようになるまで約30秒。 アクションRPGとはいえ、1つのステージはかなりサックリと短い時間でクリアできてしまうこのゲームでは、この長さは異常なほどに不釣合いといって過言ではない。 もっと頂けないのは、いくつかのパートに分かれている町の中で、そのパートの切り替え時に10秒近く時間がかかること。 そもそも、このゲームの町の中身は非常に密度が薄い。 少なめな住人たちによるつまらないセリフと、鑑定、武器の売買、消費アイテムの売買、鍛冶といった店があるだけで、他にはロクな仕掛けがない (まぁ、ローディングが鬱陶しいのに仕掛けが満載でも困るのだが)。 大体、戦闘が終わってから、必須行動となる鑑定屋・消費アイテムへ行くだけでも鬱陶しく感じられるのに、 特殊なアイテム(高額な回復薬やキャラを生き返らせる「ソウルリターン」)を買うには別の場所の店に行かなくちゃならないし、 鍛冶屋はまた別の場所にあるわで、このローディングのストレスはどうにも避けようがない (さすがに店に入るときの間が短いのは救いだが)。 ここでも、“やるべきこと&できること”と“ローディング時間”が全く釣り合ってないように思う。 あと、個々のローディングも非常に長いのだが、常に怪しいディスクアクセス音がしてるのも気になるところだ。

  このゲームをやや大局的なとこから見たときの難点は、撤退の位置付けにあると思う。 前述の通り、ステージから撤退しても、ステージ内の敵やアイテムの状態はそのままに再開できるのだが、 その代わり、ステージクリア後の評価が下がってしまうという仕掛け。 つまり、なるたけ撤退しないで頑張ってほしいんだろうけど、にしては、実際に一度そのステージをプレイしてみないと分からない要素が多すぎる。
  その代表が、アンデッド系の敵の存在。 通常の武器で攻撃して体力をゼロにしても、しばらくすると復活してしまう (何回か倒せば消えるんだけど、その“しばらく”がかなり長めで、鬱陶しいし、 スルーすると敵殲滅率が下がってしまい、ステージクリア時の評価が下がってしまう。 これを対処するには、(特殊な武器を装備するというテもないわけではないが、ほぼ) ターンアンデッドのリンク技を持つ「リュウナ」と一緒に出撃する必要があるのだが、 そこでアンデッドが出るかどうかは実際に出撃してみないとわからず、退却すると評価が下がる(らしい)し、 リセットするとクソ長いローディングがこの上なく苦痛になってくる、と。
  同じようなことは属性にも言える。 主人公たちの装備している武器が属性を持ってて、敵がその属性に対して強い耐性を持っている場合は、本当にカスみたいなダメージしか与えられない。 また、特に終盤では敵の属性を持った攻撃がキビしく、装備などで属性の耐性を上げておかないとツラい。 なのに、それらは実際にステージに入ってみないとわからないわけだ。 しかも、属性を加えないまま武器を強化することは難しく、 防具に属性耐性を付けるようには鍛冶で強化できない(っぽい)ので、根本的に対処が難しいというのもある (補助的な役割の「アクセサリー」を1つしか装備できないのもツラい)。
  そもそも、ステージ内で装備を変えられないこのゲームでは、実際にステージ内で対処する方法が限られてしまうわけで、 どうしてもそこにこだわるのであれば、それに応じた工夫というのが求められたはずだ。 例えば、属性の付く攻撃はシングル技&リンク技だけに依存させるようなゲームデザインにするだけでも、まだマシになったと思う。 また、メインステージは大抵の場合、いくつかのステージを次々とプレイする形になっているのだが、 その規模がプレイ前にわからないというのもマズい。 1つのステージをクリアするのにそんなに時間がかかるわけではないのだから、 やはりステージ単位で撤退できるようにする(というか、それでしか撤退できないようにする)方がベターだったと思う。 そして、ステージに入る前にもっとたくさんの情報 (ステージの規模、敵の種類・能力など)をプレイヤーに与えるようにする、と。
  この“いつでも撤退できる”という仕様は、おそらくプレイヤー救済を意図したつもりなのだろうが、 実際のところは、ゲームを作る上での逃げ道になってるだけだわな。
  その撤退の位置付けも含め、色々な部分でこのゲームの足を引っ張ってしまったのが「鍛冶」という要素だ。 このゲームでの装備品は、武器、鎧、兜、アクセサリーの4つで、武器、鎧、兜は「鍛冶」によって鍛えることが可能。 特に、武器はアイテムとしては存在せず、完全に鍛冶に依存している。 で、この鍛冶というのは、武器&防具に対して、全11種ある「材料」アイテムの中から3種類を選び、 お金を払うと、それらのアイテムが強化されるシンプルなものなんだけど、もっとも根本的な問題点は、その効果がわかり難いということ。 つまり、材料によってどういう結果になるかという法則性が全く見えてこない。 というか、結局は+2とかのボーナスが増えていくだけ? 一部、特定パターンの材料を、特定のアイテムに対して使うと、 アイテムそのものが変化することがあって、特に武器強化では重要となるのだが、 これまたその組み合わせが推測し辛い上に、バリエーションもかなり少ないっぽい。 例えば、「ファイアクリスタル」とか属性の付いた材料で強化すれば、 その属性を持った武器にクラスチェンジするだろうってのはわかる。 それはつまり、無属性のまま武器を強化するのが難しいということになるわけだ。 また、属性ボーナスが意図的に変えられない(っぽい)ので、属性ボーナスを持つアイテムは捨てづらいし、 逆に、ボーナスや属性といった付加価値がない防具には、 それだけ鍛冶の時の費用が少なくなるという利点があるので、これまた捨てづらい。 ただでさえ、最大8人のキャラのアイテムをマネージメントしなくちゃならないのに、 この鍛冶によって必要以上にアイテムを整理しづらくなってるというのも、地味ながら結構な問題点だろう。 一言でいえば、この鍛冶全般はお話にならない。 試行錯誤をさせるのか、純粋に強化作業とするのか、そこらへんをもっと詰めて考える必要があったはずだ。 例えば、鍛冶にある程度ウェイトを置くのであれば、鍛冶は武器に特化させ、防具は完全にアイテムとしてしまった方がよかったんじゃないかな。 さらに、法則性を示すようなものが作れないんだったら、 それぞれの材料に1つずつの効果を設定するような、もっとシンプルなものにするべきだったろう。 大体、こういう路線のゲームの楽しみの一つは、強力なアイテムをゲットすることにあるわけで、 こういった鍛冶的な要素には、その楽しみを削がないようなバランス感覚が求められることにも注意したい (実際、このゲームでもアイテムをゲットする喜びがかなり小さくなっちゃってる)。

  一方、“駄作になっちゃってる”というより“良作になれない”という意味で大きな問題だったのは、 このゲームの一番の特色だったはずのタッグバトルが、思っていた以上に生かせなかったというところ。 途中までは平均的にパートナーを選ぶようにしていたこともあって、 最終段階では主人公のLvは40近かったのに、一番よく使ったキャラでもLv20ちょっと。 パートナーは段々とプレイヤーの足を引っ張るだけの存在になっていく。 じゃあフリープレイでパートナーを育成する必要があるのかっていうと、 (そもそも面倒臭い上に)育成したところでそれに見合った効果が得られるようにも思えない。 いかんせん、パートナーのAIは結構なおバカさん。 さすがに敵の場所によって使う技などは考えているようだけど、シングル技を乱発する傾向があって、それを抑える手立てがない。 だから、いざリンク技を使おうと思ったら、パートナーがSP切れしてるなんてことがしばしば。 また、飛び道具で攻撃するキャラも、やや敵につっこみがちなので、 終盤になると、体力が少ない女性キャラは非常に使いにくくなってくる (で、対アンデッドな「リュウナ」を除けば、その使い難さを上回るようなメリットもない)。 ここらへんは、リンク技全般に思ったほどの効果がないのも問題だろう。 その形式上、敵キャラを挟むような形で使うものが多いのだけど、つまり、それはある程度敵に接近することになってしまう (プレイヤーキャラでパートナーを守れないような状況になってしまう)ので、 特に体力の少ないキャラ(レベル差もあって、大抵はこれに該当してしまうのだが)にはキビしい。 にも関わらず、そこまでの効果もない(プレイヤーの通常攻撃やシングル技でも十分に強い)。 大体、キャラが多すぎだっつーの。 最終段階でパートナーにできるキャラクターは8人になるんだけど、 ゲーム終盤に参加してくる2キャラは、既にレベルが高いもんで後回しにしてたら、 結局、二人ともロクに使わないうちにゲームが終わっちゃったよ・・・。 (レベルが高い割に武器が弱く、それを鍛冶で鍛えるのが面倒でスルーしてたというのもあるが)。 そもそも、プレイヤーにとってパートナーをどういう位置付けにしたかったのだろうか?  もうちょっと、パートナーはプレイヤーのサポーターという意識を強く持ってゲームをデザインするべきだったろう。 まぁ、文字通り“パートナー”として、2キャラを操作するゲームってのを強く押し出す方向性もないわけじゃないが、そっちだとちょっと壁が高そうだし。 そして、プレイヤーに対して、どういう風に(何のために)パートナーを選んでほしかったのだろうか?  これはストーリーと関わってくる問題でもあるのだが。

  その前に、ゲーム面での細かいつっこみをもうちょっと続けよう。
  戦闘時に、建造物などの影に入ると、敵も味方も何やってるか全くわからなくなる。 そういう場所はそう多いわけではないが、無視できるほど少ないわけでもなく、何気に論外だと思う。 当然のように、キャラクターを影で表現するなり、背景を半透明にするなりして対処すべきだったろう。
  キャラの成長については、 防具に意外とキビしいステータス制限がある(2種類のステータスが必要となる)ので、 ステータスの割り振りは自分で特色を出すというより、防具を装備できるようにというのが主になってしまった。 キャラ制限がある防具も結構あるのだから、 少なくとも通常の防具に関しては、もうちょっとステータス制限は緩めた方がよかったろう。 これも、所持アイテムが意外と多くなってしまう原因だ(将来装備する“かもしれない”という防具をたくさん抱えることになる)。
  メニュー関係の使い勝手の悪さも、結構気になるところ。 ひとつには、スタートボタンによる「コマンドメニュー」の配置。 街ではスタートボタンを押してから、上下左右で「マップ移動」「装備変更」「ステータス」「セーブ」などを選び、 戦闘時には、一度スタートボタンを押すと上下左右でリンク技、シングル技、消費アイテムの選択、システムを選ぶことになり、 例えばステータス(キャラ成長もここで行う)はシステムのさらに下層に位置してる。 コマンドスロットがあるのだからリンク技等の選択は不要。 実際に使うのは装備変更&ステータス(これはセレクトボタンで切り替えられる)なのだから、 スタートボタンを押せば直にその画面に行けるようにするのが筋ってもんじゃないだろうか?  で、それ以外のシステム系のコマンドはセレクトボタンに割り当てる、と。 もうひとつは、情報表示のヘタさ。 色々と表示すべき情報があるはずなのに、どうにもムダが多い。 特に気になったのが、アイテム欄で一度に表示されるアイテム数が少ないことと、 アイテムやスキルなどの説明をセレクトボタンで切り替えなくちゃならないこと。 ここらへんは、もっといくらでもやりようがあるはず。
  あと、ストーリー的なシチュエーションでは、大軍に攻められるということがほとんどで、 それを二人でバッタバッタとなぎ倒すというのが、ひとつのコンセプトだったようだけど、 にしては、軍勢、戦場といった臨場感や自律性を感じさせるような工夫・演出が無さすぎるわな。 兵士、軍団というより、まんま、アホな敵キャラって感じ。 まぁ、ここは基本的に日本のデベロッパが苦手とするところだし、 必須ってほどの要素じゃないにしても、一応そういう題材を選んだのだから、もうちょっとは工夫して欲しかったな。

  最後にストーリーに関して。いや、これが実に酷いんだわ・・・。
  とにかく、キャラクターの描写が薄っぺらすぎ。 だったらだったで、事件を淡々と描いていけばいいものを、 むしろキャラクターの性格描写を必要とするようなイベントシーンが多いので、もう救いようがない。 もちろん、イベント設定、テキスト内容というところが致命的な点なのだけど、 ドカンと大きく表示されるバストアップキャラ同士の会話でイベントシーンを表現するという手法にしては、 そのバストアップキャラの表現力が物足りないというのも問題点と言えるだろう。 せっかく大きく表示されるのだから、もうちょっと動きのある絵がほしかったところだ。
  そして、世界を全く描けてない。 確かに、世界を旅するようなゲームではないから、そこらへんに難しさがあるのはわかるんだけど、にしても酷すぎるだろう。 パッケージ裏に「ひとつの城塞都市を守るため、たったふたりで大軍に立ち向かう、空前絶後の籠城戦!」と書いてあるように、 そのシチュエーション的には結構シリアスで緊張感があるんだから、それを生かしつつ、描いていってほしかったところだ。
  さらに、ストーリーの展開も相当に言葉不足。 中盤以降の光の軍団「シャイニング・フォース」に包囲されるっていうシチュエーションはなかなか熱かったのに、 そこからの展開は最早ギャグとしか思えない。 大体、主人公は記憶喪失で、なぜか伝説の「双竜の指輪」を持っているところから話が始まるのだが、 結局、主人公の記憶は脈絡も大きな驚きも(少なくともプレイヤー的には)なく回復、 あれだけ思わせぶりにしていた双竜の指輪にいたっては、最後までロクに語られる機会がなかったりする。 どーなってんだ、オイ。 パートナーによって主人公のキャラが陰陽に変化するという要素にしても、ストーリー的にもゲーム的にも、凄まじいまでに消化不足だし・・・。 やはり、タッグ戦というのがこのゲームのウリなんだろうし、 身につけた二人の戦闘能力が飛躍的に上がるという双竜の指輪は、そこに説得力を持たせるための一番の仕掛けと言えるだろう。 なのに、なぜ、その戦闘能力が上がるっていう要素が速攻でウヤムヤになってしまうのか。 なぜ軍団の中でその要素が無視されてしまうのか。 つーか、軍団で戦うっていう設定は、果たしてタッグ戦を生かすっていうことからすれば正解だったのか?  これはゲーム面にも関わってくる話なんだけど、そもそもパートナーの数が多すぎね?  そして、なんで強引に恋愛オチになっちゃうわけ?  恋愛オチにもってくためには、ゲーム的な仕掛けが弱すぎね?  (ちなみに、使用回数は大して多くなかったはずなんだけど、おそらく女性キャラの中では一番使用回数が多かったということで、リュウナENDになってしまった)。 ・・・もうちょっと、ストーリーとゲーム内容とのマッチングということに対して、真摯に取り組む必要があるわな。 そして、(ゲームに限らぬ一般論として) “語るべきことを語る”ことと同じくらい“語るべきでないことは語らない”ことが重要であることを、キモに銘じるべきだろう。


  一応言っておくと、元が元なだけに、無難な面白さがないわけではないのよ。 敵をバッタバッタと倒し、キャラをチビチビと成長させていって、時折アイテムをゲットしてっていう。 例えば、これでローディングのストレスが皆無だったなら、SIMPLEシリーズ程度としてなら成立してたかもしれない。 でも、総じていえば、お粗末という一言に尽きる。 決定的に欠けてるのは、“分相応”という考え方じゃないだろうか。 まず、そのゲームに見合うかどうかっていう判断基準を持ってほしい。 ゲーム的な要素を追加するにしても、ストーリーにしても、ローディング時間にしても。

2004年12月27日記載