REVIEWArmed & Dangerous
Xbox[海外]
2003年12月2日発売発売:LucasArts  開発:Planet Moon Studios  

  2000年末にリリースされ、高い評価を得たPC『Giants: Citizen Kabuto』を開発したPlanet Moon Studiosの新作。 このPlanet Moon Studiosは元々Shiny Entertainmentで『MDK』を開発したメンツの幾人かが独立したところで、 その後、この『Armed & Dangerous』の開発にあたって、『MDK』開発メンバーが全員再集結したそうな。
  ちなみに、本作はPCとXboxでのみリリースされており、自分がプレイしたのはXboxアジア版となる。


  舞台となるのは「Milola」という架空の世界。 かつては、農業の国「Midden」、モグラ人が住む炭鉱の国「Scotland」、 強力な魔法使いたちが住む「Armortia」、産業の国「Forge」という4つの国が平和に共存していたのだけど、 ある日、Forgeの邪悪な王が他の3国の征服に乗り出す。 Middenをアッサリと征服し、Scotlandのモグラ人たちは皆殺し、最後まで抵抗したArmortiaも、内部の裏切りによってついに陥落。 それから今に至るまで、MilolaではKing Forgeの圧政が続いている。 そんな中、King Forgeに抵抗を続けていた盗賊団「the Lionhearts」は、彼に最大級の大恥をかかせようと、 彼がArmortiaから奪った、強大な魔法の力を持つと言われる「the Book of Rule」を強奪する計画を立てたのだった・・・。
  the Lionheartsは「Roman」「Jonesy」「Q」という3人からなる。 ゲームの主人公Romanは、卓越した盗賊としての技能と、多くの武器を扱う技術を持ったthe Lionheartsのリーダー。 Jonesyは、かつてForgeに滅ぼされたモグラ人の生き残りの一人。Romanの幼いころからの友達で、爆薬のエキスパート。せっかち。 紅茶を愛する紳士的なロボットQは、元々King Forgeの近衛ドロイド兵で、 フとしたことから自我に目覚めてしまい、牢獄へ入れられていたのだが、 そこで捕らえられたRomanとJonesyに出会い、自分を初めていち個人として扱ってくれたRomanに対して忠誠を誓う。 3人は一緒に牢獄から脱出し、それからthe Lionheartsとして行動を共にすることになる。
  さらに、彼らと一緒に行動することになるのが、Romanの育ての親である「Rexus」。 かつては偉大な魔法使いで、ArmortiaがKing Forgeの手に落ちた際、王からBook of Ruleを托されたのだが、 その後、(マヌケな形で)King Forgeの兵に本を奪われてしまい、知性(の大部分)と視力を失ってしまった。 民衆の最後の頼みの綱であったBook of Ruleを獲られた責任者として世間に疎まれたため、「Bergog Wasteland」という僻地へ隠居していたのだが、 彼が封印したらしいBook of Ruleの力を解放するために必要ということで、LionheartsとKing Forge軍、それぞれに探されていた。
  ここらへんの物語&設定は、実はもうちょっと込み入った話になっていて、 それはゲーム中ではほとんど語られず、説明書にダラダラと(といっても3ページほどだが)書かれているだけ。 ストーリーが楽しいゲームなだけに、このあらすじとキャラクター解説くらいは頑張って読んどきたいところだ。
  ちなみに、ここからはわからないだろうけど、ストーリーはかなりパンチのきいたコメディ路線。 絵的な描写こそシンプルだけど(だからこそ?)、エロ・グロ・ナンセンスなんでもアリな感じで、非常に楽しい。 ステージ間のムービーパートは結構な分量で、 映像としての質は高くない(特に“一般民衆”のモデリングは雑なだけじゃなくて、ちと気持ち悪い)ものの、 かなりツボを抑えてあり、一般的な日本人にはちょっとアクが強すぎるとは思うけど、個人的にはかなり笑えた。

  ゲームの方は、FPS準拠のTPSとなっている。 左スティックで前進後退&左右平行移動、右スティックで旋回を含めた視点操作に加え、 Rトリガでメインウェポンによる射撃、Xで武器のリロード、Aでジャンプなどは、まぁ定番の操作形態と言えるだろう。
  Lトリガはズームに割り当てられており、武器に応じてズーム度は変わるのだけど、基本的にどの武器を装備しているときにもズームできるようになっている。 解像度に限界のある家庭用機では嬉しい機能だ。
  また、(狙いだけじゃなく、距離的にも)撃てば対象に攻撃が当たるときには、照準の色が変わり、対象の体力ゲージが表示されるようになっている。 特に変わった仕様ではないけど、嬉しい配慮にいは違いない。
  メイン武器は全6種類とやや少なめ。 「Hawkings Rifle」はこのゲームで唯一の弾薬無制限の武器。 ただ、それほど弾薬に困るゲームでもないし、連射がきかず、ズームも中途半端で狙撃も難しいので、あまり使う機会はない。 メインで使うことになるのは、「Flemming Machinegun」というマシンガンだろう。 比較的照準が大ききく、オートエイムがきくこのゲームでにおいてはこういう撃ちまくりな武器は使いやすい。 定番の狙撃銃「Cyclops Sniper Rifle」も重宝する。ズーム倍率が高く、かなり射程が長いし、当然のようにヘッドショットをすれば敵を一撃で倒せる。 弾薬が7発と少ないことと、人間タイプの敵以外にはほとんど使えないのが難点。 「Gurner Personal Mortar」はグレネードとロケットランチャーのあいの子みたいな武器。 ダメージが大きいので大型の敵や建物を破壊するときなどには重宝するが、思ったよりもその攻撃範囲は広くなく、弾薬も多くないので、ちょっと使いにくいか。 見た目的に面白いのが「Land Shark Gun」。地中を進むサメを射出し、敵の真下まで言ったらバクッとその敵をひとのみ。 近くの敵を連続で食べてくれるとはいえ、弾が2発しかなく、そもそも出番があまり多くないのだけど、ついつい使ってしまう楽しい武器だ。 ゲームの後半に出てくる「Vindaloo Rocket Launcher」は、誘導型のロケットランチャーで、 ダメージも大きい上に、スナイパーライフル並に遠くの敵を狙えるという便利な武器。 弾薬があまり多くないのと、たくさんの標的(敵と建物)があるところだと特定の対象を狙いにくいのが難点。
  持ち運べる武器は3種類までで、十字キーの左右でそれを随時切り替えながら戦っていく。 一度に持ち運べる武器が少ないというのは、家庭用機ゲームでは嬉しいところだ。 また、ステージ開始時にもっている武器は各ステージごとに決められており、ステージ内にある「Pub」で武器を持ち替えることが可能なのだけど、 それもPubごとに(というかステージごとに)武器の種類は決められているので、武器の選択肢はそれほど大きくない。
  各弾薬は、敵を倒したときにランダム気味に出現するのに加え、大体のPubで無尽蔵に回復できるようになっている。ここらへんは良くも悪くも大味な作りだ。
  Yボタンで使用するサブウェポンはボム的な存在。 最も使う機会が多くなる「Sticky Bomb」は、フリスビーのように投げつける手榴弾。 思ったより爆発の範囲が広くなく、爆発までの間が意外と長いので、 敵をまとめて倒すといった使い方はちょっと難しいけど、破壊力はあるので、動かない(あるいは動きが遅い)マトに対しては重宝する。 それ以外のサブウェポンは出現する機会が少なく、かなりオマケっぽい。
  大体半分くらいのステージでは、JonesyとQと一緒に3人で戦うことになる。 彼らに対しての命令は、指定したエリアを守る白ボタンと、 主人公のところに戻ってきて主人公に追従するようになる黒ボタンのみという非常にシンプルなもの。 AIの方はあまり芳しくなく、白ボタンによる命令も(そこに留まることは留まるのだけど、敵に対する攻撃という意味では)あまりアテにならないし 黒ボタンのときも、自律的に戦うというより、自分が狙ったところを一緒に撃つっていう感じ。 まぁ、チーム戦っていう部分はオマケ的な要素と考えていいだろう。少なくとも、ゲームにとってマイナスにはなっていない。
  各ステージの流れは概ね一本道なんだけど、中には横に広がってるステージというか、箱庭っぽい作りになっているステージもある。 一応、特定の目標を破壊するとか、それぞれのステージに目標が設定されているものの、敵を倒しながら道なりに進んでいく場面がほとんどと考えていいだろう。

  ゲーム内容に関しては、“ダイナミック”という言葉が最初に頭に浮かぶ。 バリバリと敵を倒していく攻撃重視のゲームで、 敵だけじゃなく、建物もガンガン壊せたり、火薬の詰まったタルを攻撃すればドカーンと爆発したりと、 かなり派手爽快感がある。 武器の使い分けにはちゃんと意味があるし、狙撃やサブウェポンの存在も上手いアクセントになっている。 全体的にやや敵が湧いてくるという印象があるけども、それもひっきりなしに湧いてくるわけではなく、メリハリが感じられるのもグッド。 また、射撃がメインのゲームなので、アクション面で目立つ点はほとんどないんだけど、 ゲームの後半で出てくる「Jumper Pack」というジェットパックを装備するステージでは、 ドカーンと高くジャンプできるようになり、そこから滑空する形でゆっくりと(移動しつつ)落下できるという、動きの面でのダイナミックさも追加。非常に楽しい。
  もちろん、ダイナミックな反面、大味なところもある。特にそれが顕著なのが体力回復の仕様だろう。 ステージ内のPubで体力を回復できる(ただし、各Pubごとに回復できる量が限られている)のはいいんだけど、 いかんせんPubの数は多くないので、実際は敵を倒したときにランダムで出現する体力回復アイテムにかなり依存することになる。 しかし、その出方はホントにランダムな感じ。 出るときはドドドと必要以上にでるのに、欲しいときにまったく出なくて手詰まりっぽくなってしまうこともしばしば。 敵の攻撃もかなり厳しいゲームなので、体力回復アイテムは必須なのに、 その出方のランダムさのために死んでしまう(逆にクリアできてしまう)ってのは、まさに大味の一言。 例えば、必ず体力回復アイテムを出す敵を設定するとか、 敵を倒したときに出すのではなく、ステージ内に配置させておくとか、そういう形でのバランス調整が必要だったろう。
  あと、ボリューム面にもやや難アリ。 セーブデータにプレイ時間は記録されないのだけど、結構短いという印象。 戦い方にそれほど幅があるゲームではないだけに、リプレイ性はそれほど高くはないはず。 一応、スコア的な要素があるにはあるけど、ランキングのような形で残るわけではないし、 残ったとしてもスコアアタックが面白いゲームとは思えない。 隠し要素をオープンする「token」が各ステージにあるようなんだけど、それを探す目安もないので、探す気にはなれず。 せっかく、4段階の難易度(最高難易度はロックされている)があるのだから、もうちょっとそれを生かした作りにしてほしかったところだ。
  また、最後の最後がアッサリと終わってしまったのも、そういう意味でマイナス印象なんだろう。 ゲーム的に、もうひと盛り上がり、何か工夫して欲しかった。

  グラフィックはその質が驚くほど高いってわけじゃないんだけど、細かく、丁寧に、そしてかなり広い範囲が描画されている。 オープンスペースが舞台となるゲームとしては、かなり優秀な部類と言えるんじゃないだろうか。 エフェクト関係の処理も、かなり上手いと思う。 その代わり、フレームレートはやや不安定。 処理落ちというより描画レートが変動する形なのでそれほど気にならなかったが。

  最後に英語に関して。 ゲームプレイ面では大きな問題はないはず。 リアルタイムに英語力を要求される場面はないし、各ステージの目的も基本的にはシンプルで、流れも概ね一本道。 特に変わったゲームシステムがあるわけでもない。 ただ、ステージ間のイベントシーンが非常に楽しいゲームなもんで、 ドタバタで楽しめる部分がないわけじゃないにしても、やはり最低限の英語力はほしい。 つまり、ゲームを遊べないとか苦労するという心配はいらないけど、 ゲームを楽しむというためにある程度の英語力が必須になってくるというゲーム。 そういう意味では、字幕付きだし、一度見たイベントシーンは何度でも見直すことができるので、 そのハードル自体は決して高くないところが嬉しいな。


  とりあえず、ゲーム的に最後にアッサリ終わってしまったことと、ややボリューム不足なことを除けば、大きな不満はない。 色々な要素が上手く混在している、ダイナミックで面白い優秀なアクションシューティングだった。 特に欧米風の笑いがツボにくる人なら、かなり楽しめる一本なんじゃないだろうか。

2005年2月28日記載