REVIEW魔界英雄記マキシモ 〜マシンモンスターの野望〜
PlayStation2
2003年9月18日発売発売:カプコン  

  国内では2001年12月にリリースされ、国内でもそこそこ、海外では意外なヒット作となったPS2『マキシモ』の続編。 開発を行ったのは、前作同様、アメリカにあるカプコンの開発拠点Capcom Studio 8(カプコン第8開発部)。 その前身はSS『ファイナルファイトリベンジ』を開発したCapcom Digital Studioで、それ以外の開発実績は前作PS2『マキシモ』だけだと思う。 スタッフロールを見れば分かる通り、ほとんど外人さんから構成されている開発チームだ。


  当然、前作の流れを汲んだゲームなので、とりあえずは前作のレビューを参照のこと。 しかし、その前作が完成度という意味では疑問符が付く内容だっただけに、細かい変更点・改良点はかなり多い。

  まず、大まかなゲームの流れとしては、ワールドマップ的なステージから各ステージへと出向く形だった前作とは違い、次々とストレートにステージをクリアしていく形になった。 これは良し悪しというより、単に形が変わったというところ。 この形ではボリューム感を出しづらいかと思うので、あえてこうした理由はわからないけど、ストーリーとの兼ね合いなんだろうか。
  んで、とりあえず、前作では非常にまとまりの悪かった、 お金、コンテニュー、残機といったところの仕様は、何気に大きく改められた。 お金は前作のようにセーブやマップ移動で消費することはなくなって、単純にステージ内の商人からアイテムを買うためだけのものになり、 例えば、体力回復アイテムやアーマーなどは、お金さえあれば幾らでも買えるようになった。 前作ではコンテニュー時に消費するアイテムだった「デスコイン」は、本作では単純に残機に相当するようになり、 敵を倒したときに出現する「スピリット」を一定数集めると増え、また、ショップでも買えるようになっている(値段も一定)。 取り立てて珍しい工夫がされているわけではなく、当たり前の無難な形に落ち着いたと言えるだろう。
  視点操作は、L1のいわゆるカメラリセットだけでなく、 右スティックによる視点操作も追加された(主観視点の切り替えはR3に移った)。 前作とは違って、キャラクターの移動中にもちゃんとカメラリセットができるようになったのは、当たり前すぎるとはいえ、重要な改善点だ。 残念だったのが、右スティックのカメラ操作の回転方向が、 自分の間隔と逆(スティックを右に倒すとカメラが右に回り込む、つまり視点が左を向く形)で、それがコンフィグで変更不可だったこと。 勘弁してくれよ・・・。 とりあえず、慣れるまでは大部分をカメラリセットのみの操作で乗りきったものの、今度、これに慣れると他のゲームに戻るのがツラいという・・・。 また、視点を上下に動かせないのもいただけない。 それに応じたレベルデザインになってるので目立ちはしなかったけど、一部で状況が把握しにくいところがあったし、 全体的に距離感が掴みづらい一因になってると思う。

  ゲームの方向性としては、格闘アクション色がより強まったと言える。 いぜんとして、一度に相対する敵の数は多くないものの、倒す度に次の敵が湧いてくる、なんてのが続く場面もチラホラと。
  基本的に□の横斬りと△の縦斬りで攻撃するのは前作同様で、この剣撃のコンボが多彩になったのが、前作からの大きな変化になる。 例えば、スティックを入れた瞬間に△を押すと「スマックアップ」という、普通の敵を浮かせることができる攻撃になるので、 このスマックアップで浮かせた敵に向かってジャンプして空中3段斬りで追い撃ちなんてのが、かなり重要なアクションになってくる。 □ボタンのコンボも、連打をすると「一千斬り」という連続突きになる。 これは確かに強力なんだけど、隙が大きいので連打しない普通のコンボとの使い分けが重要になってくる、と。 一方で、普通の縦斬りはコンボにはならないんだけど、ダウン中の敵への追い打ち攻撃として使える、などなど。 ・・・まぁ、重要なのはこのくらいなんだけども。
  より重要なのは、シールドの耐久力という要素が無くなり、R2の防御でかなり万能気味に敵の攻撃をガードできるようになったことだろう。
  海外で開発したゲームにしては、この格闘アクションの部分は上手く作られていると思う。 攻防のバランスが割とよくできていて、こちらの攻撃の自動ホーミング補正も悪くない塩梅だし、敵がガードしすぎないのも良く、攻撃には爽快感がある。
  ちなみに、シールドの耐久度は今回「スーパーメーター」という形になり、 ○で行う「シールドショット」(前作ではアビリティ扱いだったけど、今回は基本アクションとなった)や、 一部の特殊技が必殺技という扱いで、これらを行うごとに消費するようになった。 一応時間で回復するものの、その回復速度はかなり遅く、実際は回復アイテムに依存するので、ゲームへの馴染みはイマイチか。
  ゲームを少し進めるとハンマーという武器をゲットし、L2で剣とハンマーを切り替えるようになったのも、一見すると大きな追加要素だ。 しかし、コンボ色が強く小回りのきく剣に対し、 単発で振りが大きいハンマーという位置付けのようだけど、これは完全に消化不良な要素となってしまった。 そもそもそこまで大きく操作感が変わるものではないし、敵の攻撃をガードすることが重要なこのゲームでは、 (多少であっても)大振りなハンマーは使いづらく、それを補うメリットも見当たらず。
  一方で、×で行うジャンプの操作性は変わらない。ジャンプアクションは意外とシビア。 しかも、凝った仕掛けがあるというのではなく(といっても、前作よりは多少は凝ったジャンプアクションの場面が増えたが)、 ジャンプそのものの操作性が意外とシビアというもの。 基本的に、高さがない割に距離が稼げるタイプとなっており、距離を稼ぐにはタイミング遅めの2段ジャンプ、 高さを稼ぐにはタイミング早めの2段ジャンプが必要となるんだけど、 この使い分けが感覚的にはかなり微妙な上に、ゲーム的には必須になってくる。 また、ジャンプ後に横斬り×2で距離を稼ぐのも何気に必須。 横斬り×3だと落下攻撃になるっていう部分は、それほど問題ないにしても、やはり、基本的にその効果が微妙すぎ。 んまぁ、ここらへんのシビアさは嫌いじゃないが、ギリギリ2段ジャンプを使わせるようなつまらん段差がちょいと目立つ。 また、足場の淵に掴まるアクションが追加されたのは嬉しいのだけど、なぜか掴まれない場所も意外と多く、いまいち信用ならんのは頂けない。 ぶら下がってからジャンプするまでのテンポもあまりよくないし。
  ボス戦は、前作ほどは弱点を見つけて攻撃っていう色は強くなくなって、割と普通に、敵の攻撃を見切って、こちらの攻撃を当てる、というものになった。 全体的に難易度は低めで、淡白ではあるけど、まぁ悪くはないところだ。 難易度が低くなってるのは、死んだ後のリトライ時に体力ゲージが2つになってしまい(通常ステージ内でアーマーなどを得れば最大で4ゲージまで増える)、 ある程度それを想定して作ってるというのが原因になってもいるんだろう。 やはり、最大時の半分ってのは、かなりキビしいものがあるし、せめて体力ゲージ3つでリトライにするべきだったんじゃないかと思う。
  と、ここまでのところは、概ね、無難な形の改良が推し進められたと見て構わないだろう。 しかし、独特でそれなりの面白みがあった「アビリティ」まで、無難な要素になっちゃったのは残念だった。 剣、ハンマーそれぞれ5種の攻撃系アビリティは、いわゆる必殺技のような扱いで、商人から買うとずっとそれを使えるようになるというのもになった。 シールドの2種のアビリティも同じような形で、それとは別に、装備を選択することで違う効果を発揮する3種の盾が登場。 「パンツ」という装備はやはり選択することで違う効果を発揮する(全5種)。 まぁ、前作ほどアッサリ死ぬ場面は多くないので、優先アビリティで面白みが生まれたかは疑問だけど、 装備を切り替える要素は単に面倒なだけで自分はほぼ固定で進めてしまったし、 結局のところ、各プレイヤーなりのカスタマイズ的な役割がほぼ失われてしまった。
  ゲームプレイでの新しい要素は、村人の救出。 ステージ内には敵に追いかけられている村人がちょいちょいと現れるので、 その村人がやられない内にその敵を倒すと、アイテムやお金が貰えたりする(村人が商人の場合もある)。 ややメリハリの欠けた展開が続くこのゲームにとって、良いアクセントになっていた。
  このゲームの課題ということでは、いくら戦闘色が強くなったとはいえ、 まだまだ移動アクションの比重も小さくないゲームなわけで、 そういった部分に、ダイナミックさやスピード感に富んだ要素がないことが挙げられるだろう。

  キャラデザは当然、前作同様、松下進氏を起用。全体的に頭身を上げてきたものの、やはり微妙な感じだ。 イベントシーンなんかでは、それなりに動いているものの、どうにも魅力薄。 このキャラクターを生かすのであれば、むしろ、もっとコミカルな感じを強めるべきだったんじゃないかな。
  グラフィックの方もそれなりに描けてはいるんだけど、今回は敵がロボット軍団ということもあり、 テーマ的にコレといったものが見当たらなくなってしまい、どうにもパンチ不足な感じは否めない。 この点に限れば、色調に落ち着きがあって、全体的におどろおどろしさがあった前作の方がよかったと思う。
  細かいところでは、LRキーの使い方を見ると、R1はまったく使わないし、L2の武器切り替えもポイントポイントでたま〜に使うだけ、 つまり、使用頻度が高くなるのはカメラリセットのL1とガードのR2となる。 ここまで使用頻度に格差があるのなら、使用頻度の高いものは同列に並べた方が(例えば、R1とL1に配置した方が)操作がシックリくるんじゃないだろうか。 まぁ、前作の存在もあるので、これはキー配置そのものの問題というより、 視点の回転方向の件も含め、やはりキーコンフィグが無いことの問題としておこう。

  最後にボリュームに関して。 ノーマルとハードという難易度が用意されてて、 自分の場合、難易度ノーマルでストレートにクリアして、ゲームデータ上のプレイ時間は6時間ちょっと。 ゲーム起動時間ではなく、実際にステージ内をプレイした時間とはいえ、さすがにこれは物足りない。 全20ステージというのは前作と変わらないものの、その中の5ステージはボス戦だし、結構短いステージもある。 しかも、決してヌルいゲームではないとはいえ、 ムリに残機を増やしたり、ロードし直してステージを最初からプレイし直して攻略するようなところもないので、 (そういうゲームが良いかどうかは別にして)ほぼストレートにプレイしてクリアとなってしまうわけだ。 一応、常に過去のステージをプレイし直せるようにはなってて、 やり込み要素としては、 全ての敵を倒し、全ての村人を救出し、全てのアイテムを発見し、全ての宝箱を発見すると「マスタリー」となり、 ボーナスマテイアルが開放されるというオマケがあるにはある。 今回は近くに隠し宝箱があると知らせてくれる「シーフパンツ」というアイテムがあるので、前作ほどマスタリーのゲットは難しくないのだけど、 いかんせん、松下進氏の設定画が見られるそのボーナスマテリアルに魅力がないもんで、繰り返しプレイ要素としては弱い。 探索する要素を設けにくいゲームなのは分かるんで、だったらだったで、 むしろ高難易度版(敵の数が増え、耐久度が増すだけなのだが)をリプレイ性に絡めるような工夫が求められたところだと思う。 例えば、クリアしたときのステータスで難易度ハードでプレイ開始できるとか、ハードじゃないと得られないアイテムを設けるとか。


   アビリティ面が面白くなくなっちゃったけど、システム的なブラッシュアップも全体的に機能しており、なかなか優秀な続編と言える。 格闘アクション部分のデキは悪くなく、それなりにやりごたえのある難易度で、前作以上には楽しめた。 ただそれも、“安く手に入ったから”っていう部分がないわけじゃないと思う。 質的なものにしろ、量的なものにしろ、物足りなさが残るのは事実なので。 次回作があるかどうかはわからないけど、何かしら目新しい要素がない限り、続編を発売日に買ってプレイすることはないだろう、と。

2005年3月29日記載