REVIEWRiviera 〜約束の地リヴィエラ〜
GAME BOY ADVANCE
2004年11月25日発売発売:スティング  

  2002年7月に、ワンダースワンの最上位機種「スワンクリスタル」と同時発売された、 バンダイのイチオシ完全新作RPG・・・のはずが、前の週にそれなりに名のある『アーク・ザ・ラッド』がリリースされ、 同日には最早それだけで持っている感もあったキャラモノ「ONE PIECE」のゲームがリリースされ、 そもそも、前の年にリリースされたGBAの影響で、WS市場が急速に萎んでいたこともあり、 知る人ぞ知る隠れた名作、みたいなことになっちゃってたタイトル。 GBAへの移植で多少は日の目を見るかと思ったら、PS2『DQ8』とほぼ同時リリースという影響があったのかなかったのか、やっぱり埋もれてしまった。
  開発は、SS『バロック』、DC「神機世界エヴォリューション」シリーズで、セガ系ゲーマーには多少は名の知れたスティング。 実質的なデビュー作はSFC『トレジャーハンターG』なわけで、ちょっと変わったRPGを作り続けているところではある。
  発売日に購入して、ずっとプレイし続けたんだけど、あまりにもチビチビとプレイしてきたので、 25時間強というプレイ時間にも関わらず、クリアしたのは今頃になってしまった。


  さて、一応RPGとはいうものの、かなりの変りダネ
  まず、大まかな形としては、ステージクリア形式と言える。 ゲーム全体がいくつかの「チャプター(章)」に分かれており、それを次々とクリアしていく。 チャプターのボスを倒すと、拠点的な扱いとなっている「精霊の森エレンディア」に帰還し、次のチャプターへと向かう。 さらに、各チャプターはいくつかの「エリア」に分かれていて、 これも(一部を除いて)次のエリアへと進むと、前のエリアには戻れないようになっている。 戦闘もランダムに敵に遭遇するような要素はなく、各ステージ内にいる敵は最初から配置されているだけ。
  フィールドを散策する「フィールドパート」は直接キャラクターを操作するものではなく、 十字キーのそれぞれに例えば「右に進む」とか「上に登る」とかのコマンドが状況に応じて 割り当てられており、それで画面を切り替えるように進めていく(「MOVEモード」)。 で、Aボタンを押すと「QUETSモード」に切り替わり、 今度は十字キーのそれぞれに「周囲を見る」「宝箱を調べる」といった状況に応じたコマンドが割り当てられる。 このQUESTモード時のコマンドを実行するためには、 戦闘終了時にボーナスとして得られる(後述)「トリガーポイント(TP)」というものを消費する。 で、選択肢の選び方によっては、ダメージを受けたり(エリア内で継続して最大HPが減る)、 逆にボーナスを得られたり(チャプタークリア時にスコアでランク付けがされる)、と。
  システム的にはシンプルながらも、細かい分岐は結構豊富に用意されてて、なかなか面白かった。 かけひきという点では、QUESTモード時の消費TP量にもうちょっとムラがあってもよかったと思うけど。 キャラクター同士の会話が多く、RPGというよりもADVみたいな印象が強いかもしれない。

  そして、肝心の戦闘の方もかなりの変わりダネ。
  物語を進めるにつれ仲間が増えていき、最終的には5人のパーティーになる。 敵に遭遇したら、まず、前列2人、後列1人の武器攻撃重視フォーメーションか、 前列1人、後列2人の魔法攻撃重視フォーメーションを選択し、3人のキャラ(主人公以外の4人から2人を選ぶ)を配置。
  で、ここが特に変わってるところなのだけど、手持ちのアイテムの中から4つのアイテムを選んで、戦闘に突入する。 というのも、このゲームには、いわゆる装備や経験値・レベルアップという概念がなく、 それらの要素が全てアイテムに集約されている。 攻撃手段も完全にこのアイテムに依存しており、武器系アイテムは、各キャラクターの得手不得手によって、使用したときの効果が大きく異なるようになっている。 ちなみに、各アイテムには耐久度があって、一定回数以上使うと壊れてしまい、この耐久度を回復する手段はない。
  また、戦闘時には対戦格闘ゲームのスーパーコンボゲージみたいな、「オーバードライブゲージ(ODG)」があって、 そのゲージを消費して、それぞれのアイテムごとに用意された強力な「オーバースキル」という技を使うのだけど、 最初からオーバースキルを使えるわけではなく、まず、そのアイテムを使って経験値を溜め、 それが一定数溜まったときに「スキルアップ」となり、オーバースキルが開放される。 面白いのが、このスキルアップ時にそのキャラクターのステータスが上がり、これがキャラクターの唯一の成長要素となっていること。
  このゲームでは、戦闘開始前に、敵の組み合わせ、各敵キャラの性能(各種耐性)、 さらに攻略のためのワンポイントアドバイスまでチェックできるので、それを踏まえて、有効なスキルとオーバースキルを考えつつ、 フォーメーション、メンツ、アイテムを選択して戦闘を始めることになるわけだ。
  戦闘はいわゆるターン制ではなく、各キャラの「ウェイト(WT)」がゼロになった時点で行動するというタイプ。 一応、使用したスキルによってWTが変わってくるんだけど、あまりそれを気にする機会はないんじゃないかな。結構ユルい。
  地味ながらも面白い工夫だったのが、例えば、一番近い敵とか、後列でランダムとか、 スキルごとに攻撃場所が決まっており、スキルを選んだ後に攻撃対象を選ぶということがないこと。 戦闘がスッキリとまとまる要因だと思うし、評価したいところだ。
  敵側にはODGの代わりに「レイジレート」というステータスがあって、敵が攻撃されるごとに増加、 「Normal」から「Rage」、そして「Max」と変化していく。 Rage状態ではNormal状態より強力な攻撃を繰り出してきて、Max時に敵キャラの行動ターンになると、 敵側の必殺技が発動される(そしてレイジシートはゼロになる)。 このレイジシートをどういうタイミングでMaxにするか、あるいは特殊な状況ではMaxにしないようにするかというマネイジメントも重要なポイントで、 このレイジシートによってある程度敵の行動をコントロールできるのも、このゲームの戦闘の独特で面白いところだろう。
  戦闘終了時には、戦闘にかかった時間(ターン数)とフィニッシュの方法 (レベルの高いオーバースキルでフィニッシュすればするほどボーナスが高くなる)によって、スコアが算出され、S〜Cというランク付けがされる。 それによって得られるTPの量が変わる上に、 Cならアイテムは得られず、AならBよりも得られるアイテムの耐久度高くなり、SならA、Bとは違ったアイテムを選られる。 つまり、単に敵を倒せればいいというゲームではなく、効率良く戦うことが必要になるわけだ。 しかも、フィニッシュしたキャラは主人公への信頼度が上がって、この機嫌によってステージクリア時のランクが変わってくる上に、 エンディングの分岐にも繋がってくるので、考える要素は結構多い。
  戦闘のシステムそのものは、オリジナリティが高い上によくまとまっており、申し分ない。 実際に戦闘で行えることは、4つのアイテムのスキルとオーバースキルを選ぶだけと、 非常にシンプルなんだけど、いろいろな要素が絡まって、奥が深いものになっている。 プレイヤーの選択肢が限られてる分、特にステータス変化系の攻撃(とその効果)は控え目になってるし、 死んだキャラを戦闘中に復活させることができないゲームなので、極端に大きなダメージもなく、 やや難易度の鷹揚に欠けるきらいはあるけど、まぁそれも許容範囲内というか、やむを得ないところだろう。 プラスに評価できる部分の方が遥かに大きい。
  残念だったのは、そのもうちょっと大きな枠組というか、位置付け的なこと。
  特に問題だと思うのが「練習バトル」の存在。 この練習バトルはフィールドパートでいつでも行える戦闘で、 主人公を外すことも可能で、戦闘中にはアイテムの耐久度が減らず、入手できるアイテムはAランク相当。 確かに勝利すればアイテムをゲットできるというのはあるけど、実際に重要になってくるのはスキルの経験値稼ぎの方。 通常の戦闘では、より多くのTP、より良いアイテムを得るために高いランクを狙いたいわけで、スキルの経験値を上げてる余裕はない。 さらに、極端に耐久度が低い(&取得機会も限られている)アイテムは、通常の戦闘で鍛えるのはムリ。 よって、スキルの経験値を上げるためには練習バトルを行い、 通常戦闘では経験値は無視し、より使い勝手の良いアイテムを選択して高ランクを狙うことになる。
  これでは、せっかくアイテムとレベルアップと戦闘を組み合わせた面白いシステムなのに、 それがバラバラになってしまってると思うし、無駄にプレイ時間が伸びてしまい、間延びした印象に繋がってしまう。
  また、アイテムに大きく依存したゲームであるにも関わらず、 そのアイテムの取得にランダムな要素が大きいのもいただけない。 武器は各ステージ内の宝箱から得ることがほとんどなんだけども、 これが大抵の場合、ステージごとに決められた武器からランダムにゲットするという仕掛けになっている。 敵の耐性に応じた武器を選ぶためには、いろいろな種類の武器がないと困るし、 何より、このゲームではキャラを強くするためにはたくさんの種類のアイテムを手に入れる必要がある。 つまり、立て続けに同じ武器を得るのはまったく嬉しくないどころか、困ったことになるわけで、 それがランダムな結果に依存しちゃってるのが非常にいただけない。
  もうちょっとアイテムを手に入りやすくするなり、 自由度を上げる(例えば、アイテムをゲットするときに何種類かの中から自分で選べるようにする)なりして、 練習バトルは無しにした方がよかったんじゃないだろうか。 ここさえ上手にまとまってれば、本当に傑作になったと思うんだけどなぁ。残念。

  2Dグラフィックの美しさもウリにしてるゲームらしいけど、 確かにまとまってはいるし、評価としてはプラスになる部分とはいえ、大きなインパクトは残らない。 背景はとりこんだ一枚絵で、動きが乏しく、キャラクターのドット絵も、とりたてて良く動いているという印象はないので。

  ストーリーの方は軽く。
  ある日、精霊たちが住む浮島「リヴィエラ」に魔族復活の兆候が確認される。 神界はそれを阻止するべく、全てを無に帰する「神罰」を発動させるため、 「レダ」と「エクセル」という二人の告死天使をリヴィエラに送り込む。 しかし、二人がリヴィエラについたときにエクセルは大きなアクシデントに遭遇し、レダと離ればなれになってしまう。 精霊たちの守護神「ウルスラ」に救われたエクセルは、たくさんの精霊が住む精霊の森エレンディアで目を覚まし、 そこで事件に巻き込まれつつ、精霊たちの実状を知っていくことになる。 神界の判断に疑問が生まれてきたエクセルは、リヴィエラを救う道を模索するのだったが・・・という感じのお話。
  ストーリーの方は大きな意外性があるわけではなく、 キャラクター同士の係わり合いがメインになってるものと考えていいと思う。
  話が進むにつれ、回復魔法に長けた女剣士「フィア」、フィアの妹的な存在で、弓が得意な「ルゥリ」、 コウモリのような翼を持つアーク族の唯一の生き残り「セレネ」、炎の魔女「シエラ」という女の子たちが仲間になっていく。 それぞれ、しっかりもののフィア、おてんばなルゥリ、ボーイッシュなセレネ、おっとししてて天然なシエラと、 まぁ、わかりやすい性格付けになっており、好感度というパラメータもあって、エンディングはヒロインごとに分岐するという仕掛け。 ただ、シナリオに恋愛色はほとんどないと言ってもいいだろう。 さっぱりとした主人公エクセルの性格もあって、そこらへんが鼻につくことはない。 エレンディアでの住人たちとの会話のバリエーションが少ないこともあって、 世界の描写がやや希薄なところもあったけど、シナリオそのものを楽しむゲームでもないと思うんで、そこまで大きなマイナスではない。 ただ、中盤までのお気楽ムードが、終盤に突然シリアスムードになっちゃったのは、ちょっとギャップを感じてしまったな。 何か効果のあるギャップというわけではなく、本当に突然っていうだけな感じだったので。 終盤もちょっと強引に盛り上げた感がある。

  クリア時間は25時間強。 RPGとしてはやや小ぶりな部類かもしれないけど、無駄を作りにくい内容なだけにしかたがないところだろう。 もちろん、常に高いスコアを狙ってステージごとにやり直していけば、プレイ時間は大幅に伸びるはず。 確かに、ヒロイン選択による分岐はあるし、 ステージ内で細かい分岐をするところもあるので、リプレイ性のあるRPGといってよいだろう。 他にも、一枚絵、バストアップ絵、キャラクターボイスなどが収集要素っぽくなってる (なぜか、せっかくのスコアは残らないようだけど)。 ただ、逆に、繰り返しプレイするにはちょっと長すぎるかもしれない
  最後にセーブに関して。エリアを移動するときに行う(3ヶ所)他に、 随時、中断セーブが可能になっている(こちらは再開時にセーブデータが消える)。 特に、戦闘中ですら中断可なのが嬉しいところ。 これも携帯用機らしい工夫と言えるだろう。


  なるほど、隠れた名作っていう評価にも肯ける良作だったと思う。 オリジナリティが高い上に、それが非常にうまくまとまっていた。 これでアイテムの取得の方法にもうひと工夫あれば・・・。 まぁ、話が完結した本作の続編は望まないけど、このシステムをブラッシュアップした新作には期待したいな。

2005年3月15日記載