REVIEWスターウォーズ リパブリックコマンド
Xbox
2005年2月17日発売発売:EA  開発:LucasArts  

  LucasArts内部で開発したらしい「スターウォーズ」を題材にしたチーム制FPS。 海外製作のゲームとしては極めて珍しい日本先行リリースタイトルとなっており、北米では2月末にリリースされている。
  ストーリー的には、丁度、映画「スターウォーズ エピソードII クローンの攻撃」と、 今度公開される「スターウォーズ エピソードIII シスの復讐」の間を繋ぐ内容らしい。 共和国は映画「エピソードII」で反対勢力に対抗するためにクローン軍団を作り出したわけだけども、 プレイヤーはそのクローン軍団のエリート小部隊「デルタ小隊」のリーダーになる。 最初のステージは分離主義者たちの活動拠点である惑星「ジオノーシス」。 タイミング的には、クローン軍団の初投入、つまり、丁度、映画「エピソードII」の終盤とリンクしている形となっていて、 デルタ小隊の任務は分離主義運動の大物、ジオノーシアンの「サン・ファーク」を始末すること。 次のステージでは、行方不明になっていたのに突如として現れたゴーストシップと化した共和国アサルトシップ (やはり「エピソードII」のラストにチラと登場する、スターデストロイヤーの原型になるアレ)内部の探索を行い、 最後のステージでは、惑星「キャッシーク」へ赴き、ウーキー(チューバッカの種族ね)たちの反抗を手助けすることになる。 ここらへん、映画を観ただけだとわかりにくいとこも多いと思うので、 解説サイト「スター・ウォーズの鉄人」などでちょっと予習しておくと、より盛り上がれるはず。


  プレイヤーはデルタ小隊のリーダーとなり、 「セブ」「フィクサー」「スコーチ」という3人の部下を引き連れ、ゲームを進めていくことになる。 部下を直接操作することはできず、形としては丁度Xbox版の『レインボーシックス3』に近いけど、 当然、アレよりももっとアクション色が強いものに仕上がっているというのが本作のウリ。
  プレイヤーの操作は、当然のように、左スティックによるキャラ操作と右スティックによる旋回を含めた視点操作が基本。
  攻撃は、Rトリガによるメインウェポン(十字キーで選択、Xでリロード)、 Lトリガによる「デトネーター(手榴弾)」の投擲(黒ボタンで種類変更)、Bによる近接攻撃の3種類を併用していく。
  メインウェポンの種類は、一般的なFPSとはちょっと違う。 基本装備は十字キー上で選択する「ブラスターライフル」で、これが標準的なアサルトライフル的な存在。 で、話が進むにつれ「狙撃用アタッチメント」(十字キー右)、「対装甲アタッチメント」(十字キー左)をゲットし、 それぞれがいわゆるスナイパーライフル、グレネードランチャーに相当。この3種の武器の使い分けが基本となる。 他には、唯一、弾薬制限のない武器「ブラスターピストル」(十字キー下2回で選択)が補助的な存在として、 さらに、敵が使用していた武器などを1種類だけ持ち運べる(十字キー下で選択)ようにもなっているんだけど、 (ステージにもよるが)あまりこのウェイトは大きくはない。
  つまり、武器の種類自体は多くないということになるんだけども、個人的には、(「Halo」とはまた違った形で) ズラーッと膨大な数の武器を持ち運ぶ一般的なFPSのウソ臭さを払拭するナイスなシステムだと思うし、 ゲームパッドでも武器選択をしやすい点も評価したい。
  一方、サブウェポンとなるデトネーターは、放り投げると数秒後に爆発する標準的な手榴弾である「サーマル・デトネーター」、 ドロイド系の敵に特に大きなダメージを与える「ECデトネーター」、敵や壁に付着し、何かが近づくと爆発する「ソニック・デトネーター」、 ヒューマノイド系の敵の目を眩ませる「フラッシュ・デトネーター」の全4種類。 ボタン1つでローテーションさせるには、4種類ってのは微妙に多いと思う (ソニック・デトネーターはより使い勝手のいいサーマル・デトネーターって感じだったし、フラッシュ・デトネーターはあまり使う場面が見当たらなかったし)けど、 その使い勝手は悪くなく、複数の武器(この場合はメインウェポンとサブウェポン)を同時に使い分けつつゲームを進めていく楽しみという、 優秀なFPSの基本的なところは抑えてると言えるだろう。
  また、威力が大きい近接攻撃の出番も意外と多いゲームになっている。
  アクション関係では、Yのジャンプ、左スティックをクリックしたまんまでおこなうしゃがみがあるものの、共に動きが小さく、その存在感がかなり薄め。
  あと、白ボタンで暗視モードに切り替えることができ、まぁ必要以上に画面が暗いゲームではなく、 用意された真っ暗シチュエーションで使うだけなんだけど、それっぽいエフェクトを効かせたその白黒グラフィックは雰囲気があってナイスだった。
  ちなみに、ボタンの配置は自由に変更可。
  体力関係の仕様は、時間と共に回復するシールドと、体力という2段構えの「Halo」タイプ。 当然のように、ミリタリー系FPSのように狙撃で即死なんてことはないし、そのプレイ感覚は一般的な(非リアル路線の)FPSと変わらないはず。

  その上で、このゲームのウリとなってくるのが、 3人の部下を引き連れて行動するいわゆるチーム制のFPSということなんだけども、その操作の方も非常に簡単になっている。
  まず、通常時の行動の指示は「スカッドコマンド」を用いる。 アクションボタンを押しっぱなしにすると、 「位置確認」「探索・破壊」「集合」「指示中止」という4つの指示が表示され、それぞれに対応した十字キーを押すことで命令の発動。 一応、デフォルト設定の行動となってる「探索・破壊」は、部下がプレイヤーに先行する形で進んでいき、勝手に戦闘してくれるというものなんだけど、 ちょっと突撃すぎる感もあるので、実際に基本となるのは、部下がプレイヤーに追従して行動する「集合」になってくるだろう。 「位置確認」は、指定した場所に部下を留めておく指示なのだが、拠点の守るというより、プレイヤーが単独行動をとりたいときに使うことが多いはず。 「指示中止」は、例えば狙撃位置などに付いているキャラ全員に対し、通常行動に戻らせる命令。 ちなみに、アクションボタンを押してから4つの指示が出るまでやや間があってもどかしいが、 実際には指示が表示されなくても、アクションボタンを押しながら十字キーを押せば命令を発動できるので、特に問題はない。
  このスカッドコマンドに加え、物陰に隠れて狙撃体勢に入る、 障害物を爆破する、ドアを突破するといった状況に応じた特殊行動については、 何かしら対象となる地点に照準を合わせると、そこで行うアクションのホログラムが表示されるので、 そこでアクションボタン(デフォルトはA)を押すだけで部下がそのアクションを行ってくれる。 これが、お手軽操作でチーム戦というこのゲームのキモと言えるだろう。
  とにかく、ここらへんのバランス感覚は絶妙で、非常に楽しい。
  自分自身も普通に戦いながら、随時、部下を狙撃位置に付かせたり、それを解除したり、 冷静に考えてみるとイチイチ面倒臭いようにも思うんだけど、 やはり、その状況に応じた部下たちのセリフが場を盛り上げてくれるわけで、 手で指示を出しながら「フォームアップだ」と言って、 部下がそれに「了解」と答えるってのは、それだけでテンションが上がるってもんだ。 海外ゲームが得意とする、(部下だけじゃなく、敵やいる場所なども含めての)自律性をアピールする演出が、 そのゲーム性ともあいまって、非常に効いていると言えるんじゃないかな。
  また、例えば、ミリタリー系のように極端にダメージが大きいゲームではないし、自分や部下が倒されても、他の味方が生き返らせることができる。 かといって、ヌルヌルというわけではなく、当然のように自分だけで状況を打破するのは難しい場面が結構あるし、 ウッカリ味方を突撃させてしまって全滅なんていうこともあって、適度な緊張感があるのも良い。
  おそらくこのゲームのコンセプトであろう、 一般的なFPSと同じようなプレイ感覚でチーム戦の楽しさを味わうっていうところでは、大きな成功を収めてるんじゃないかな。
  もちろん、こういうシンプルさのお陰で犠牲になってる部分があるのも事実。 特に残念だったのは、3人の部下に設けられた性格付けが、 セリフなどを除いたゲーム的な部分(狙撃が得意、ハッキングが得意など)で形骸化してしまっていたこと。 んまぁ、「じゃあどうしろと?」と言われると、難しいところなんだけども。

  各ミッションの流れは基本的に一本道なのだが、 その展開自体は非常に多彩で、ドンドンと場面が転換していくので単調さはほとんど感じない。 「Halo」シリーズほど徹底してシームレスに展開していくわけではなく、 長いローディングが挿入される(そして後戻りできなくなる)場面がちょいちょいと目立つけど、これもまぁ許容範囲内だろう。
  たまに敵が延々と湧いてくる場面があるんだけど、 それらは大体、原因がハッキリしているので問題ないというか、むしろ、良いメリハリになってると言える。 ただ、そういった場面以外でも、(実際は打ち止めになるのに)敵がワラワラと湧いてくるという印象を受けるほど、延々と戦闘が続く場面が、ちょいと目立つかな。
  個人的に気になったのは体力回復の仕様。 このゲームには体力回復アイテム等は存在せず、「バクタ・ディスペンサー」という装置で体力回復を行う。 これはこれで結構な話なんだけども、いかんせん無制限に回復できてしまうので(そして、かなり頻繁に設置してあるので)、 ちょっと危なくなったら一時撤退して体力回復とか、 ちょっと体力が減ってるから、念のために前のディスペンサーのとこまで戻って体力を回復させようとか、 必要以上に行き来が増えてしまい、やや間延びしてしまってるところがあった。 まぁ、これは難しいところで、こういう体力回復の仕様の大雑把さが、 アクションなチーム戦の実現を支えてる部分が無くもないんだろうが、ここらへんはもうちょっとシビアでもよかったように思う。
  セーブはチェックポイントでのオートセーブに加え、ミッション中にいつでも任意にセーブすることができる。 まぁ、PCと並行して作られたゲームだけにしかたがない面もあるのだろうが、 チェックポイントは結構頻繁に用意されているわけで、任意セーブは必要なかったと思うな。

  グラフィックは、さすがにXbox・PCマルチなタイトルということもあって、なかなかハイレベル。 XB『Riddick』やXB『Halo2』クラスとまでは言わないものの、Xboxでも上位に位置するグラフィックと言ってよいだろう。 熱による空間の歪みや、暗視バイザーモード字の白黒映像といった、特殊効果も効果的に使われている。
  ただ、いかんせんプレイヤーはクローン兵だし、舞台にしても、敵にしても、そんなに馴染みのあるものは出てこないんで、 スターウォーズっぽさはそれほどでもないかもしれない。 そういえば、大抵のスターウォーズもので用意されている、 俯瞰っぽい視点でテキストが流れていく冒頭のストーリー解説もなかったなぁ。 とはいえ、SF関係のデザインと効果音がハイセンスにまとめられているのは、まさにスターウォーズ効果と言えるんじゃないだろうか。 もちろん、冒頭のクローン訓練の場面であるとかの細かい描写で、スターウォーズファンならニヤリな場面もイロイロと用意されているけどね。
  音声は全て日本語化されている。 PS2『スターウォーズ ジャンゴ・フェット』同様、 海外版は主人公の声を映画でジャンゴ・フェット役を演じた人があてているので、勿体無いといえば勿体無いんだけど、 部下のリアルタイムの音声が雰囲気を盛り上げてくれるゲームだし、全体的にシブめの声で統一感があったので、これは良しとしたい。

  と、全体的に非常によくできた、クオリティの高いゲームだと思うんだけど、あからさまな難点が1つだけある。 それはボリューム。 ミッションが3つだけといっても、ひとつひとつはキャンペーンみたいなもんで、それなりに長いんだけども、 それでもゲーム全体を通して考えれば、さすがに短すぎる。 プレイ時間が記録として残らないから正確なところはわからないけど、10時間を超えたかどうかも怪しいような・・・。 せめてもう1ミッション、できればもう2ミッションくらいはほしかったところだ。
  そういう意味で残念だったのは難易度変化の扱い。 せっかく3段階の難易度が用意されているのに、ゲーム中のオプションで随時変更可能という仕様では、ロクなリプレイバリューにはならんだろうに・・・。
  となると、マルチプレイがそれをフォローする存在になりそうなもんなんだけど・・・。
  このゲームのマルチプレイ環境は、オンラインで最大16人まで対戦できる「Xbox Live」、 画面分割して4人まで対戦ができる「スプリットスクリーン」、 そして、最大10台の本体同士を繋いで、各本体(&TV)につき1人が参加できる「システムリンク」という3種が用意されている。
   ゲームタイプは、「デスマッチ」「チームデスマッチ」「キャプチャー・ザ・フラッグ」 「アサルト」(攻守の決められているキャプチャー・ザ・フラッグ)の4種。 個人戦であるデスマッチを除いて、共和国と「トランドーシャン」に分かれる形になる。 ・・・ということで、ゲーム形式も極めてオーソドックスなものしか存在しないし、 Live周りの仕様も非常にオーソドックスで、特にこれといった特徴は見当たらないわけだ。
  オーソドックスな内容としてはレベルが高く、Live周りにも工夫がある (そして、おそらく本作をプレイする人の大部分が既にプレイしているであろう) 『Halo2』のマルチプレイ人気は未だに高いこの状況で、 “本作なりの何か”が皆無とあっては、ホンのオマケ程度の存在にしかなり得ないだろう。
  やはり、このゲームのウリであるチーム戦を生かした対戦モードを工夫してほしかったところだし、 協力プレイモードなんかも用意してほしかったな。


  LucasArts内部製作ということで、PS2『スターウォーズ ジャンゴ・フェット』が頭にあって、 ちょっと心配してたんだけども、非常に丁寧に作られていて、十分な新鮮さもあるナイスなゲームだった。 残念だったのは短いことだけ。 スターウォーズのファン、ボリュームは重視しない、どちらかに相当するならプレイを健闘する価値はあると思うし、 どちらにも相当する人間には是非薦めたい一本だ。

2005年3月4日記載