REVIEWメディーバル 甦ったガロメアの勇者
PlayStation
1999年6月17日発売発売:SCE  開発:SCE Studios Cambridge  

  PS2『セインツ』、 PS2『ゴーストハンター』のデベロッパであるSCE Studios Cambridgeのデビュー作。 北米では1998年10月にリリースされたタイトルで、続編PS『MediEvil II』(国内未発売)も2000年5月にリリース済み。 向こうでは、カルト気味ながらもそれなりに知名度があるようで、 新作に近いリメイク作になりそうなPSP『MediEvil Resurrection』が開発中だったりする (ヨーロッパのPSPローンチに合わせてリリース予定らしい)。


  舞台となるのは「ガロメア王国」。 かつてこの地では、妖術使い「ザロック」が暗黒の力を使って魔物たち軍勢を率い、国中が大混乱に陥った。 そこで騎士「ダニエル・フォーテスク」が立ち上がり、 王国軍を率いてザロックの軍勢を打ち倒し、ガロメアに平和が訪れた。 その最後の戦いで命を落としたフォーテスクだったが、 ガロメアの勇者として、彼の名は語り継がれていくことになる。 あの戦いから100年後。 再び「ザロック」が現れ、ガロメア王国の平和は終わりを告げ、恐怖の時代が始まった。 そこで神々はフォーテスクを復活させ、彼にザロックを滅ぼすよう命ずるのだった・・・ (ここらへん、本当はもうちょっと複雑なんだけども、割愛)。

  というわけで、プレイヤーは復活したフォーテスクを操り、 様々な武器で敵を倒しつつ、全22ステージをクリアしていくことになる。 ちなみにそのフォーテスク、眼球がひとつという鎧をまとった骸骨姿で、 顎がなく、言葉を発することはできず、「できるかな」のゴンタくんみたいな声を出すのみというキャラクター。
  内容の方は、剣などによる近接攻撃がメインとなる3Dアクションゲームで、 方向キー及び左スティックでキャラを動かし、□で攻撃、×でジャンプというのが基本的な操作となる。 プラットフォームジャンプアクション、ってほどジャンプアクションが多いゲームではなく、 戦闘をメインに、ステージ内の展開を楽しむタイプか。 最近プレイした中ではPS2『マキシモ』なんかに近いといえば近い。

  久々にプレイするPS1のゲーム。 とはいえ、描画範囲こそ狭めだけど、ステージ自体は結構広いし、 背景の描き込み具合は上々で、意外なほどに単調ではないので、実は、グラフィック自体はさほど気にならなかった。 まぁ、こんなもんかな、という。 ただ、基本的な操作性に問題アリというか、時代の流れを感じてしまうんだな、これが。
  まずはキャラクターの操作。 アナログモードではスティックを大きく倒すだけで走るんだけど、デジタルモードでは方向キー2回で走るようになっている。 アナログコントローラが標準でないハードのゲームということで、 バランス的には方向キーでの操作が前提なのか(つまり、歩きが基本で走りは特殊操作ということになるのか)、 走る速さがちょっと速過ぎて、アナログスティックでの操作はちょっと敏感すぎる印象。 意外と狭い場所もあるので、操作していて無駄に怖いことも。 一応、それを自覚してはいるのか、L3ボタンで歩く・走るの切り替え(ボタンを押すといくらスティックを倒しても走れなくなる)ができるのだけど、 その時点で、アナログスティックで操作するゲームとしての洗練不足が伺える。
  それ以上に致命的だったのが視点操作。 L2&R2でカメラの回転を行うのだけど、視点を動かすというより、カメラを動かすというタイプ (つまり、L2を押すとカメラが左に回り込み、視点自体は右を向く)という点に関しては、 やや違和感が残ったものの、右スティックではなくボタンで操作することもあってか、それほど影響はなかった。 問題はその操作性そのもの。とにかく思ったようにならない。 カメラが背景に引っかかるわ、意味不明なタイミングでカメラの操作が不可になるわ、 意外と自動でカメラを調整したがる傾向が強いので、逆に、思いもよらない方向にカメラが動き出すわと、 とにかくストレスが溜まりまくり。 いわゆるカメラリセット操作が用意されてないのもマイナス。 ラスボスにしても、常に敵の方向を向いていることができれば、なんてこたない敵なのに、とにかく視点が定まらず、 敵の方を思ったように向けないからこそ苦戦が強いられることになってしまう。 まいった、まいった。
  ついでに、視点関係では、L2+R2を同時に押しっぱなしにすると主観視点に移行し、 これはこれで、左スティックを上に入れると下を向くという操作で固定されちゃっているものの、 そもそもあまり使う機会がないので、さほど気にならず。
  また、R1ボタンを押しながら操作することで、フォーテスクの向いている方向を固定して動けるものの、 特にフォーテスクの真後ろに視点が固定されるわけではなく、 しかも移動方向が完全にデジタル仕様になるので、非常に使いづらいというか、ほぼ出番はない。

  攻防関係の操作は、□で通常攻撃、○で溜め操作で発動する特殊攻撃、△で防御 L1は射撃武器を装備しているときにはターゲット変更、など。
  基本的には近接攻撃が多くなるのだけど、そのバランスも極めて大味。 コンボとかとは無縁で、とにかく連打。 敵の攻撃を意図的に防御するような機会も極めて少なく、攻防があまり形になってない。
  射出武器に関しては、攻撃する対象にはマーカーが付くものの、 操作的なロックオンという概念はないので、(視点の操作性のマズさも相まって)敵を捕捉し続けることが難しい。
  んで、武器の数が無駄に多すぎ。 最終的には10種類を超える武器を得て、それがアイテムメニューにズラッと並ぶんだけど、 実際に武器として使うものは限られており、例えば、同種の下位の武器などは、 まったく出番がなくなってしまうので、いざ武器を選択するときに邪魔になるだけ。 せめて同種の武器に関しては、新たな武器を増やすのではなく、持っている武器がパワーアップするような形にすべきだったろう。 また、近接攻撃と射出攻撃が上手く噛み合ってなかったので、本来なら、近接武器と射出武器をそれぞれ装備し、 それを(装備し直さなくても)使い分けられるような形にすべきだったと思う。

  ステージは、やや箱庭っぽいところもあって、 そこを行ったり来たりするような場面もあるけども、基本的には一本道でルートが決まってる感じが強い進行となる。 ステージ内のギミックは結構工夫されていて、面白い。 なんだかんだ言っても最後までプレイした要因はここにある。
  また、各ステージには、キャラクターのパワーアップに関係してくる「聖杯」という要素がある。 ステージ内の敵を倒すごとに「聖杯ゲージ」が溜まっていき、これが100%になるとステージ内のどこかにある聖杯が実体化。 これをゲットしてステージをクリアするとステージクリア後に「英雄の館」に行くことができ、 そこでキャラクターがパワーアップする、というもの(武器などはこれで得ることができる)。 さらに、敵以外の一般の住人を倒すと聖杯ゲージが下がるなんていう要素があるんだけど、それが絡んでくるステージは極僅か。 また、必ずしもステージ内の敵を全て倒さなくちゃならないわけでもなく、 敵を概ね倒した段階で聖杯ゲージが100%に達するステージも多い。 ここらへんはわりかし適当なんだけども、ゲームのよいアクセントにはなっていたと思う。
  ちなみに、全22ステージで、チュートリアル的な最初のステージと、 ラスボス戦となるラストステージを除いて、全部で20個の聖杯がある。 で、自分は聖杯を18個集めた段階でゲームクリアし、データ上のゲームプレイ時間は8時間弱。 プレイ時間的にはもうひと工夫ほしかったところではあるけど、 その反面、全体的に中身が詰まっており、冗長な感じがないのは良かったところ。 まぁ、ここらへんのバランスは難しいやね。

  ストーリーや世界観は、 オドロオドロシイ感じの中にもユーモアがあるというちょっと独特なもの。 コメディな部分がやや中途半端で、笑えるゲームにはなってないんだけど、その独特さは結構ツボ。 ここもなんだかんだ言って楽しめたという原因のひとつだろう。


  古い3Dアクションゲームをプレイするにあたって、 問題になるのはグラフィックではなく、何より、基本的な操作性なんだ、ってことがよくわかった一本だった。 アナログスティック(さらに言えば、2本のアナログスティック)は偉大だ。 ある程度は楽しみながら最後までプレイできたのだけども、ムダに疲れてしまったなぁ。

2005年5月15日記載