REVIEWスプリンターセル パンドラトゥモロー
Xbox
2005年4月7日発売発売:Ubisoft  開発:Ubisoft Shanghai  

  NSAの特殊工作員サム・フィッシャーが大活躍する「スプリンターセル」シリーズの 第2弾『Tom Clancy's Splinter Cell Pandora Tomorrow』(北米では2004年3月にリリース)のローカライズ版。 1作目の開発を担当したUbi Montrealのチームは、1作目開発終了後、 グラフィックエンジンを刷新し、ゲーム形式にも大きく改良を加える予定の3作目『Splinter Cell: Chaos Theory』の開発に入り、 本作の開発は、1作目のPS2版、GC版への移植を行ったUbi Shanghaiが行っている。 最初にその話を聞いたときは、あるいはPS2版がベースになっちゃうのかと心配してたんだけど、 当然のように3Dエンジンは前作のものを使用しているとのことで、機種間には1作目並みの差異が生じているようだ。
  本作の大きなウリはオンライン対戦モードの追加なのだけど(ちなみに、この部分はUbi Annecyスタジオで開発されたそうな)、 例のごとく、シングルプレイのみのレビュー。 で、そのシングルプレイの内容はほぼ前作のまんまな上に、最新作『Splinter Cell: Chaos Theory』の方で既に大幅な改良が図られたという話なので、 今回は非常にアッサリとレビューをしていくことにする。


  というわけで、まずは前作のレビューを参照のこと。
  アクションは基本的に前作を踏襲している。
  主な変更点は、壁に張り付くアクションが白ボタンから左スティッククリックに変更となり、 それに伴ってか、クイックイベントリが黒ボタンから白ボタンになって、黒ボタンを押すと「口笛」が吹けるようになった。 慣れるまでは咄嗟に壁に張り付こうとして口笛を吹いてしまい窮地に陥るなんてことがしばしば。 素直に、黒を口笛にすればよかったと思うのだが。 そして、前作で全く存在感の無かった右スティッククリックによるカメラリセットは削除され、 代わりに、右スティックにはスナイパーモードに移行(通常時は双眼鏡の使用)が割り当てられた。
  追加されたアクションは、「スワットターン」と「ハーフスプリットジャンプ」の2つ。 スワットターンは、開いているドアなどを敵に気付かれないで通り過ぎることができる特殊なターン。 なかなかカッコいいアクションで、必要以上に多用してしまうのだが、3作目では既に削除されてしまったとか・・・。 ハーフスプリットジャンプは、より狭い場所で行うスプリットジャンプで、 この状態では左右どちらかの壁にもたれかかるように姿勢を変えることができ、そこから反対側の壁にさらにジャンプが行える。 その代わり、壁蹴りジャンプは削除されてしまった。 動きとして不自然だったのは確かなんだけど、数少ない自由度の高いアクションだっただけに、残念だったな。
  他、操作関係では、光ファイバースコープによる覗き込みがやピッキングツールの使用が、 装備アイテムではなく、インタラクトの選択肢の中に組み込まれ、微妙ながらも装備の選択などがスッキリした印象。
  また、敵を担いだ状態でもドアを開けられるようになったのも大きい (ただし、前作同様、時間が経つと勝手にドアが閉まってしまうという仕様にはやや萎えてしまうが)。
  表示関係では、前作でやや分かりにくかった警戒回数が、ちゃんと画面に明示されるようになったのが嬉しいポイント。 そのことが説明書に書かれていないのは頂けなかったが。しばらく何の表示か分からなかったじゃないか・・・。
  ステージ内での流れも、特に変化はない。 箱庭さが弱い一本道な作りで、自分で進み方を考えるというより、用意されたルートをいかに発見するかという作り。 トラップもブービートラップが追加された程度で、前作から大きな変化はない。

  ただ、当然と言えば当然なのかもしれないが、難易度はやや高くなった感じを受けた。
  その原因として挙げられるのは、縛りのあるシチュエーションが増えたことだろう。 敵(あるいは民間人)に見つかった時点で即ゲームオーバー、敵を殺した時点で即ゲームオーバー、 そんなシチュエーションが随分増えたというか、目立つ。
  また、敵の察知能力も上がったような気がする。特に音に敏感になったような。
  舞台はジャングルっぽい場面が追加されたのが目新しいところで、例えば、腰まで水につかった状態で川を移動するなんてこともある。 それもあって、前作に比べて、敵に見えるかどうかが微妙な場所が増えた。 ゲームシステムからすれば、ややマイナスなところだ。
  あと、ラストはさすがにアッサリすぎ。 別にエンディングとかは、まぁどうでもいいんだけど、終盤でゲーム的な盛り上がりに欠けたのは残念だった。
  総合的に見ると、目新しさという点を差し引いても、 前作よりややメリハリに欠け、ゲーム的な面白みが減ってしまい、逆に、ストレスだけはやや上昇した感じ。
  グラフィックは相変わらず美しい。 背景は描き込まれており、射し込む光の表現や写実的な陰影はやはり印象的だ。 ただ、前作より明暗のメリハリがよりハッキリしたというか、暗いところは本当に真っ暗になってしまい、これが行動に支障をきたすのが困りもの。 せっかく背景が美しいのに、必要以上にナイトビジョンのお世話になることになってしまい、実際は白黒画面で進行することが必要以上に多くなってしまったように思う。
  ちなみに、前作ではかなりイマイチだったムービーパートは、十分なレベルにクオリティアップ。 サムも(オッサンなりに)カッコよくなった。
  シナリオの方は、サムのデンジャラスな雰囲気が強まったことと、タイトルにもなってる「パンドラトゥモロー」の設定がカッコよかったのは評価できる。 ただ、敵ボス風だった「スハディ・サドノ」(声はソリッド・スネークでお馴染みの大塚氏が担当)がパッとしないまま終了してしまったのは残念だった。 さすがに「メタルギアソリッド」化するのは勘弁してほしいけど、人間ドラマっていう部分では向上&工夫の余地があると思うな。


  というわけで、基本的には前作を踏襲した内容なので、ほぼ期待通りに楽しめた。 システム的には微妙な改良がなされたにも関わらず、内容的にややストレスが増加した感じはあるものの、どちらも微妙なレベルでの話だ。
  しかし、ローカライズしてくれるのは嬉しいんだけど、さすがに遅すぎるって・・・。 海外で3作目がリリースされるタイミングで2作目のリリースだもんなぁ。

2005年6月23日記載