REVIEWConker: Live and Reloaded
Xbox
2005年4月7日発売発売:マイクロソフト  開発:Rareware  

  2001年3月にリリースされたNintendo64最後のRare作品『Conker's Bad Fur Day』(以下『BFD』)は、 破天荒な内容のシングルプレイヤーモードと、バラエティ豊かなマルチプレイヤーモードで高い評価を受けたものの、 そんな内容だからか、北米でもNintendoからではなくRare自身からの発売となり、結局、日本国内では未発売のまま終わってしまった。 本作、『Conker: Live and Reloaded』は、その『BFD』の世界観を舞台にしたLive対応の新作マルチプレイヤーゲームと、 『BFD』のシングルプレイヤーのリメイク移植のカップリング作。
  基本的にリメイク作とかには興味がない人間なんだけども、 『BFD』は超お気に入りの一本だし、そのリメイクローカライズということで、 マルチプレイの方には大して期待せず、即購入&プレイということになった。


  というわけで、シングルプレイヤーモードの言うなら「Reloaded」部分と マルチプレイヤーモードの言うなら「Live」部分とは全くの別モノなので、(Reloadedをメインにしつつ)別個にチェックしていくことにしよう。

  まずは「Reloaded」部分。
  最初に、元となったN64『BFD』の内容を簡単に解説しよう。 合わせて(少々古いけども)こちらのレビューも参照のこと。
  N64『バンジョーとカズーイの大冒険2』の流れを受け継ぐプラットフォームアクションゲームで、 一応、ミッション的なことをクリアすると「キャッシュ(お金)」をゲットでき、それによって行動範囲が広がって・・・というお約束的な作りは踏襲。 ただし、アクションそのものが多彩というか複雑になった『バンカズ2』とは違って、 アクションそのものはシンプルにして、ミニゲームやステージのバリエーションで楽しませる方向性を打ち出している。
  かなりトライ&エラーを強いられる場面があるし、 序盤から移動できる場所が多いので、どこに進めばいいのかわかりにくいというプレイヤーを突き放したところもある。 また、プラットフォームアクション(ジャンプアクション)そのものは特に面白みがないものの、 そのバラエティ豊かな舞台と、その舞台ごとに多彩なゲーム内容は、今プレイしても全く遜色がない (というか、最近そういう風に楽しめるゲームってあまり多くないので、その良さがより際立つ)。
  N64であるにも関わらず明瞭なフルボイスだったイベントシーンが非常に充実してるのもポイントだった。 BGMは場面に応じたバラエティがありながらゴージャスで雰囲気満点で、ボイスアクトも素晴らしい。 特に、一見突飛に思える主人公「コンカー」が、徐々にリアルな等身大のキャラクターに思えてくるのは、 ボイスアクトによるところが大なんじゃないだろうか。
  また、その舞台、物語の内容は、パロディ、エロ、バイオレンス満載のナンセンスワールド。 映画のパロディは、ちょっとした細かいネタから、映画のワンシーンをまるまるパロったものまで多彩。 特に、「プライベートライアン」と「マトリックス」のパロディは力が入ってるので、ぜひ映画の方を観てからゲームをプレイして欲しい。

  んで、このReloaded部分は、 このN64『BFD』のシングルパートをリメイクというより、移植したものということになる。 その上で、様々な変更点をチェックしていこう。

  まずはゲームプレイ部分の変化以前に、ハードなりに変化した部分。
  現行据置機で最高の性能を持つXboxに、 グラフィックに関しては一貫して高い評価を得ているRareということで、まず何より目立つのはグラフィックの強化だろう。 間違いなく、Xboxでも最高クラスのグラフィックだ。 背景の描き込み具合、質感、スケール感はどれも素晴らしいし、特殊エフェクト系も強力。 GC『スターフォックスアドベンチャー』同様、いわゆるファーシェイディングを採用し、主人公コンカーはフサフサ。 もちろん、N64版よりフレームレートが上がったのも、ゲームプレイ面で明らかにプラスだ(やや不安定な部分もあったが)。
  一方、Xboxというハードゆえの明らかなマイナスポイントは、ローディングの挿入。 ・・・というより、その処理の仕方が何より問題。 ローディング時間そのものは極めて短いゲームなんだけども、 いかんせん、その度に銃を構えたコンカーがドーンと中央に据えた一枚絵が表示されるもんで、必要以上に印象に残ってしまう。 重ねて言うが、ローディング自体は非常に短いのだから、画面右端にでもローディングゲージを小さく表示するだけで十分だったろうに。 また、一部のイベントシーンでは、ローディングがイベントシーンの間を崩してたこともあった。 特に短いショットの間にローディングが挿入され、非常に不自然なところが1か所だけ。 あそこはあそこ限定でプリレンダムービーを使用するなりして、テンポを崩さないことを重視してほしかったな。

  ゲームプレイに関係する変更点は以下の通り。
  N64版では必要なときに武器を取り出して敵を攻撃してたんだけど、 Xbox版では通常時もBボタンを押すことでバットを構えることができるようになった。 残念ながら、N64版の基本武器だったフライパンの出番はなし。 あの「パーン!」ってひっ叩く感触は好きだっただけに、ちょっと残念だ。 これにより、そのバットで排除するザコ敵がちょいちょいと配置されたのだけど、 これは全く面白みが無い上に、そのザコ敵がそのステージに場違いに感じられることも非常に多かった。 ただし、プラス面では、バットを構えるとFPS的な操作になるので、周りを見渡しやすいというのがあり、 ゲーム中盤以降のシューティングステージとの操作の親和性も高くなったと言える。 もっとも、バットを構えてる状態だとしっぽヘリコプターでのホバリングは不可なので、バットを構えながらゲームを続けることは無理になっちゃってるが。
  水中での操作性、特に視点の操作性の向上は大きく、 N64版でとにかく死にまくった水中ステージは、(その操作性を理解すれば)かなりラクになってた。
  また、N64版をプレイした人なら、難易度の調整された部分がかなりあることに気がつくはずだ。 N64版をプレイ済みということを差し引いても、全体的に難易度が下がったのは明らかだった。 確かに導入部分での間口は広くなったと思うのだけど、難易度を下げたことによって緊張感が欠けたり、 仕掛けがほぼ無意味になっちゃってたこともあったので、総合的な良し悪しの判断は難しいところ。 ただ、単純なトライ&エラーを減らす方向にするのであれば、 終盤のシューティングシーンなどはもうちょっと歯応えのある難易度にしても良かったんじゃないかと思う。

  もちろん、N64版は国内未発売のタイトルだっただけに、ローカライズされたこと自体も嬉しいポイントだ。 心配していたローカライズの内容に関しても、 今回は英語音声+日本語字幕という形に落ち着いたので、あの素晴らしいボイスアクトは健在ということになる。 翻訳にしても、ニュアンスをちゃんと伝えきれてない部分があるのはやむを得ないところで、 基本的には英語セリフの雰囲気を上手に再現している。

  確かに、やや説明不足で、どこに進めばいいのか、どこにキャッシュが残ってるのか、 わかりにくい部分がなくもないものの、全然許容範囲内だろう。 イベントシーン重視のプラットフォームアクションゲームとして、いまだに最高の一本だと思う。オススメ。
  ちなみに、自分のクリア時間は約9時間半。 かなり短く思えるかもしれないけど、自分の場合は、N64版をクリア済みで、ゲームの展開を知ってるからこういう数字になったはず。 アクションゲームとして極端に短いゲームではないし、このReloadedを目的に買っても損はしないだろう。
  あえて残念なところを挙げるなら、ゲーム的なアレンジが難易度の調整に留まったところ。 別に新しいパロディネタを加えろとまでは言わんけど、 終盤のシューティングパートなどでは、もうちょっと多彩な内容にできたんじゃないかな。

  そして、「Live」部分に関しては軽く。
  基本的な内容は、FPS準拠の操作で行う客観視点シューティングで、 最大16人のキャラクターが、リス軍とクマ軍に分かれてチーム戦を行うというもの。 全8ステージは、ステージごとにキャプチャー・ザ・フラッグ形式だったり、 エリア制圧戦だったりと様々なルールになってるけど、その全てが2つの勢力に分かれた戦いとなっている。 「グラント」「スニーカー」「デモリッシャー」「ロングレンジャー」「スカイジョッキー」「サーモフィル」という 6つのクラスが用意されているのも大きな特徴だ。
  「Xbox Live」モードの他に、オフラインでプレイできる「ダンボット」モードも比較的充実。 画面分割で2人までプレイでき、さらに、1人プレイで全6ステージを体験できる「チャプターX」もあるので、 好みはどうあれ、オマケと割り切ればそれなりに楽しめるだろうし、もちろん、Xbox Liveモードの練習、導入にもなる。
  ただし、ゲーム内容以前に問題なのは、全体的に説明不足で、導入が下手なこと。 基本的な装備の内容の説明、ゲームシステムの説明、共に不十分。 ひとつには、沢山の要素が詰め込まれたゲームということもあるのだろうけど、 にしても、もうちょっと何とかならなかったものか。
  んで、根本的なところから言えば、デモリッシャーのバズーカの直撃を受ければ即死、 ロングレンジャーからヘッドショットを喰らえば即死と、 とにかく死にやすく、その代わり直にリボーン(復活)できるというもので、 この、死亡→リボーンを繰り返すゲーム性は好みが分かれるところだろうし、自分は全く好きになれなかった。 ダメージの受け具合がよくわからないのも×。 とにかく、自分が死ぬことに対する説得力に欠ける
  Xbox Liveモードでは「バトルポイント」なる経験値要素があり、 またオフラインより各ステージの設定を細かく行える(例えば、クラス制限なども設けられる)ので、 まだマシという話も聞くのだけど、 自分は、チャプターXを「ルーキー」難易度で全ステージクリアするまではプレイしてお腹一杯だった。
  何より残念だったのは、コンカーがどこにも出てこないことだったりして。 せめて、チャプターXはコンカーを主人公に据えてほしかったなぁ。 まぁそれも、リボーン前提のゲームとあっては難しかったろうが。


  自分の立場は、シングルがメイン、マルチをオマケと捉えた上でオススメするというもの。 マルチの方は、そのデキの良し悪し以前に、とにかくプレイヤーを選ぶという印象。 それでも、説明不足&導入下手なのはいかんともしがたいけど、 1人で遊べるようにはなっているので、その雰囲気を掴むことはできるし、 オマケと割り切れば、チャプターXをひと通りプレイするくらいならそれなりに楽しめるはず。 もちろん、それで気に入ればLive部分もかなり遊べるだろう、と。 初ローカライズとなる「Reloaded」部分には今プレイしても全く見劣りのしない魅力があるし、 トータルパッケージで考えれば、十分にオススメの一本と言える。

2005年7月17日記載