REPORTメトロイドプライム2 ダークエコーズ
GAME CUBE
2005年5月26日発売発売:任天堂  開発:Retro Studios  

  北米で2004年11月にリリースされた『Metroid Prime 2: Echoes』のローカライズ版。
  前作も北米でのリリース(2002年11月)から国内での発売(翌年2月末)まで結構待たされたんだけど、 まさかアレ以上に待たされることになるとは思わなんだ・・・。


  スペースパイレーツを追っていた銀河連邦ブラボー中隊が惑星「エーテル」で消息を絶つという事件が発生、 その調査のために主人公「サムス・アラン」が派遣されるところから物語は始まる。
  この惑星エーテルは、過去のとある事件によって、大規模な次元の歪みが生じており、サムスたちがいる次元にある惑星エーテルと、 異次元の「闇のエーテル」が重なり合った不安定な状態になっている。 ここが本作の最大のポイントになってくるのだけど、 それは後述するとして、そういう異常地帯に突っ込んだことによりスターシップは大破、 サムス自身も闇の住人たちの襲撃を受け、装備をほぼ全て奪われてしまい、 (例のごとく)通常アームキャノンのみという状態になって、いよいよゲームスタートということになるわけだ。

  とりあえず、主観視点シューティングでありながらロックオン操作を主体にした非FPS的な操作系、 “部屋”をひとつの基準にしたステージ構成、ボスを倒すなどして装備をゲットし、それによって行動範囲が広がって・・・というゲームの流れなど、 ゲームの基本的な作りは完全に前作を踏襲しているので、 まずは前作のレビューを参照のこと。

  そんな中、本作の最大の特徴は、「ライトエーテル」と「ダークエーテル」からなる二重世界が舞台になるということ。 サムスたちにとっての現実世界であるライトエーテルと、闇の世界ダークエーテルは「ポータル」を通って行き来することができる。 ダークエーテルの大まかな地形のベースはライトエーテルと同じなんだけど、グラフィックは毒々しい感じに変化し、細かい構造は結構変わってる。 ライトエーテルよりブツ切れの構造になってるので、ライトエーテルを基本に、ところどころでダークエーテルに赴くという形と見てよいだろう。 また、ダークエーテルでは何もしなくても徐々に体力が低下していく。 徐々に体力が回復する(つまり、少なくとも体力は減少しない)「セーフゾーン」というポイントが点在しており、 そのセーフゾーンからセーフゾーンへという飛び石のような感じで行動することになるので、(思っていたほどせっつかれる感じではないものの)やや窮屈な雰囲気。 敵も全体的にライトエーテルより強力で、奪われた装備をゲットするには、このダークエーテルでボスクラスの敵を倒す必要がある。

  これに関係して、「メトロイドプライム」の特徴だったビームとバイザーのラインナップはほぼ一新された。
  ビームは通常の「パワービーム」を基本に、闇のパワーを発射する「ダークビーム」、光のパワーを発射する「ライトビーム」の使い分けが基本。 ダークビームは弾速が遅く、特にライトエーテルの敵に効果があって、ライトビームは弾速が速い代わりに射程が短く、こちらは特にダークエーテルの敵に有効。 それぞれ、「ライトアモ」「ダークアモ」というエネルギーを消費し、ライトアモはダークビームで敵を倒すと、 ダークアモはライトビームで敵を倒すと、出現しやすくなってるという作り。 一応弾数制限がある攻撃手段ということになるのだけど、 “道端にあるコンテナみたいなのをダークビーム、ライトビームで破壊すれば高確率でアモが出現する”というのが分かれば、 弾数不足で苦しむってことは、まぁ無いだろう。 ただし、前作に引き続き、弾数制限のある武器としてはミサイルという装備もあるわけだし、 実際、強力な攻撃手段として重宝するのは「終始スーパーミサイル」 (パワービームで行うチャージコンボ(ミサイル溜め撃ち))だったりするので、若干納まりが悪い印象は否めない。 消費するのはミサイルに一本化した方がよかったんじゃないかと思うし、 逆に言うと、そういう形でまとめられるほどにはダークビームとライトビームの使い分けをゲーム性として高められなかった結果とも思える。 ついでに、ゲーム終盤には2種類のアモを同時に消費する「アナイアレイタービーム」が登場。 ホーミング性能のある強力な武器・・・という話だったんだけども、そもそもロックオンベースで戦闘を行うこのゲームではその恩恵を感じづらく、イマイチ影が薄かった。
  一方のバイザーは、通常時の「コンバットバイザー」と「スキャンバイザー」は前作と共通。 ただし、スキャンバイザーは少々見た目が変化し、調べられる対象全体が強調表示されるようになった。 分かりやすくなった反面、「こんなところにこんな情報が!」みたいな驚きはなくなってしまったので、ここはまぁ良し悪しというところか。 「ダークバイザー」は、通常は目に見えない物体や生物を見えるようにしてくれるバイザー。 前作にあった、見えなものが見える代わりに通常見えるものが大幅に見えにくくなる「Xレイバイザー」より制限は少なく、 使いやすいものの、逆に面白みに欠ける感じも。 音波が映像化されるという「エコーバイザー」は、期待していただけに、かなり期待ハズレ。 そもそも使えるようになるのがゲーム終盤なのだけど、その音波の映像化っぷりは中途半端で、期待していたほどの新鮮さはなかったし、 隠されたキーを起動させるという単純な役割以外での使い道がほとんどなかった。
  ビームはまだしも、バイザーの使い分けに前作ほどの (そして光と闇の二重世界という舞台設定を生かす形での)面白みがなかったのは、非常に残念だったなぁ。

  んで、お約束の通り、ゲーム冒頭でパワースーツの装備をほぼ失ってしまったサムスは、 これらのビーム&バイザー以外にも、「ボム」「ブーストボール」「パワーボム」「スパイダーボール」 「スペースジャンプ」「グラップリングビーム」「スクリューアタック」といった様々なアイテム(能力)をゲットしていき、 それごとに行動範囲が広がって、次のアイテムが見つかって・・・と展開していくわけだ。 ゲーム終盤にはステージ中に散らばったアイテムを探索し、最後の扉を開くという、これまたお約束な流れ。 その作り自体は、相変わらず上手く作ってあると思う。 光と闇の対比を十分なインパクトを持って打ち出せていたかどうかは別にしても、 とりあえず、二重世界ってことに関しては上手いステージ構成になっていた。
  ステージの方は、 前作の「タロンオーバーワールド」に相当する「ルミナセウス」を中心に、そこから砂に埋もれた「アーゴン」、 雨が降り続く沼地「トーバス」、無機質でサイバーなデザインの浮遊要塞「ホレイト」に順次赴いていくという形。 前作に比べるとややメリハリに欠けるけど(ステージの数自体も少ないが)、 そこらへんはライトエーテルとダークエーテルの行き来でカバーということなんだろう。

  展開上気になったのは、アイテムゲットのために他のステージへ行かされることと、それを示唆する情報が少ないことだ。 つまり、そのステージでアイテム(能力)をゲットしたことで、以前のステージでの行動範囲が広がり、 そこで得られるアイテム(能力)が現在探索中のステージで先に進むため必須となる。 まず、単純に面倒臭いというのもあるし、 その事がわかり難く、“とにかく今のステージを散策するのだけど何もなく、やむを得ず他のステージに足を伸ばす”ってことになりがち。 18時間強という前作より大幅に増加したであろうプレイ時間は、そういう強引な行ったり来たり展開によるところが大きく、ムダに疲れてしまった感がある。 最初にそのステージを訪れたときはなるたけそのステージで閉じた作りにして、ゲームの終盤で世界全体を探索させるという形でまとめるか、 それがイヤならもっとステージ間の行き来をしやすい形にするべきだったんじゃないだろうか。
  また、相変わらずザコ戦は面白みに欠ける上に、 ザコ敵の復活がかなり早い印象で、非常に鬱陶しかったのも気になったところ。 ザコ戦のつまらなさは、ある程度やむを得ないのだけど、 体力、ミサイル弾数、アモと、消費する(あるいは回復する)要素が多いゲームとしては、 その回復と戦闘とのバランスのマズさが、これに拍車をかけているのではないだろうかと思う。 このゲームの傾向として、回復アイテムの出現は倒した敵の種類より、その消費度合いに大きく依存している。 つまり、減ってるなら減ってるだけ出現頻度が上がるという感じ。 基本的に、何かしらの要素を消費して戦闘を行うことが多いわけで、 そこで、“強い敵を倒せばそれだけ回復アイテムを得られる”というのが欠けてるもんで、とにかく戦闘が無意味に感じられ、鬱陶しくなる、と。 ここらへんは、ライトビームとダークビームの使い分けが思ったほど機能しなかった故にでもあるんだろうが。

  ローディングに関しては、ドアという区切りでデータの先読みを行っており、相変わらずストレスの少ないゲームだ。 イベントシーンにおいても、不自然なローディングでテンポが崩れるようなことはない。 今回はポータルでライトエーテルとダークエーテルを行き来する際に、無視できないローディング時間(飛ばせないイベントシーン)があり、 状況によってはややストレスになることもあったが、全体としては評価できる。

  グラフィックは、前作と同レベルには描き込まれている。 しかし、まさに時代の移り変わりというか、スケール感のインパクトの弱さと、陰影表現のインパクトの無さによって、 (特に、そういう点で優秀なゲームが多く輩出された今となっては)前作ほどの好印象は残らず。 “綺麗”というより“小奇麗”という印象になってしまった。 もちろん、クオリティとしてはハイレベルだし、ボリューム感のある独特の闇の表現には面白みもあったので、これはこれで十分評価に値するのだが。 パッケージ裏に「前作の約3倍のムービーが収録され」と表記されているものの、 カットシーン的な挿入がほとんどで、その物語進行の雰囲気は前作からあまり変化していない。 もちろん、プラスに評価してるポイント。
  グラフィック以上に幻想的な音楽が雰囲気を盛り上げてくれるというのも前作同様。
  元々、英語音声は皆無に近い作りなはずで、テキスト関係は丁寧にローカライズされている。 ただし、味気ないゴシック体のフォントを採用したのは頂けないな。 特に、独特な操作性のメニューのデザインは、一気に台無しになってしまった感がある。 まぁ、日本語の難しいところではあるんだけどねぇ。

  最後にマルチプレイに関してちょっとだけ。 前作ではマルチプレイが無いことが大きな不満点として(特に海外サイトでは)挙げられていたので、それを受け、マルチプレイモードも追加されたのだろう。 「ロックオンがベースになるのに対戦なんて面白いのか?」と思っていたのだけど、 モーフボールになるとロックオンされなくなるという仕掛けらしく、なるほど、それなら面白みがあるかもしれない。 ただし、いわゆるBOT戦は用意されておらず、1人では楽しめないどころか全くプレイできない(その雰囲気すら分からない)ので、自分にとっては評価の対象外。 まぁ、元々マルチプレイは重視してないんだけどさ。


  ベースが良いだけに無難な面白さはあった。 ただ、その展開があまりにも前作と変わらなすぎる上に、バイザーの使い分けに前作ほどの面白みはなく、 全体的に冗長で間延びしたところがあり、ザコ敵はより鬱陶しくと、微妙な劣化が積み重なり、かなりダレてしまった。 かといって本作ならではの面白みというのも、意外なほどに見当たらず
  当然のようにこの「メトロイドプライム」シリーズはこれからも続くのだろうけど (おそらく、次回作は次世代ハードでということになるだろう)、このままの路線を推し進めるだけではダメでしょ。 何か、大きな変化が求められることになるはずだ。

2005年7月17日記載