REVIEWキャッスルヴァニア 暁月の円舞曲
GAME BOY ADVANCE
2003年5月8日発売販売:コナミ  開発:コナミコンピュータエンタテインメント東京  

  『悪魔城ドラキュラ サークル・オブ・ザ・ムーン』 『キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲』に続く、 GBAの「悪魔城ドラキュラ」シリーズ第3弾。
  ちなみに、前作に相当する『キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲』から、 シリーズ名を「悪魔城ドラキュラ」の海外名である「キャッスルヴァニア(Castlevania)」に変更したものの、 とりあわけPS2『キャッスルヴァニア』の不発とも相まって、 タイトルの認知度が上がらず、 リリースされたばかりのシリーズ最新作はDS『悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架』、 その次に予定されているのもPS2『悪魔城ドラキュラ 闇の呪印』と、 結局、シリーズ名を「悪魔城ドラキュラ」に戻すことにしたらしい。


  例の如く、基本的なゲームの作り・流れは前々作・前作同様の探索型サイドビューアクションRPGなので、 とりあえずはは前々作のレビュー前作のレビューとチェックしてもらえるとわかりやすいはず。 んまぁ、経験値によるレベルアップ要素のある、ヌルめで間延びした「メトロイド」ってな感じ。

  本作の特徴は、まず、通常攻撃の武器が非常に多彩ということだろう。 「悪魔城ドラキュラ」といっても、今回の主人公はバンパイアハンターではない。 よって、必ずしもムチを振るうわけではないどころか、ムチ状の武器はほとんど無く、 大体において剣や槍を扱うことになり、中にはハンドガンなどもあったりする(出番は無いが)。 剣にしたって、大きさ(間合い・隙)が違ったり、縦に振るうものや突き刺すものがあったり、属性が違ったりと、そのバリエーションはなかなかのものだ。 それもあってか、今回は武器や防具などもショップで売り買いできるようになっており、その位置付けはよりRPG的なものになったと言えるだろう。

  んで、より大きな特徴は、 通常攻撃以外のサブ攻撃や特殊アクションといった要素が、全て「タクティカルソウル」というシステムに一元化されたことにある。
  敵を倒した際に、たまにその敵ごとに設定されたタクティカルソウルを得、 その種類は大きく「バレットタイプソウル」「ガーディアンタイプソウル」「エンチャントタイプソウル」「アビリティタイプソウル」の4つに分かれる。
  バレットタイプソウルは上+BでMPを消費する攻撃を行うという、これまでのサブウェポンに相当するもの。
  ガーディアンタイプソウルはMPを消費しながら効果が持続する魔法で、Rボタンで発動などの制御を行う。 空中で停止する「メデュウサヘッド」といった移動アクションに関係したものが多いけど、炎を出し続けて攻撃する「ほねばしら」などの攻撃魔法も用意されている。
  エンチャントタイプソウルはMPを消費せず、装備すれば効果が常に発揮されるアビリティ。 STRの値を上げる「ミノタウロス」といった補助的なものが多いが、中には水の上を歩けるソウルの効果を発揮する「ウンディーネ」など、ゲーム進行に関わるものもある。
  アビリティタイプソウルはMPを消費せず、他の3つのソウルと違って装備する必要もなく、常に効果を発揮するアビリティ。 ポーズメニュー内でも他のソウルの装備などを行う「SOUL SET」とは別に、「ABILITY」という項目でチェックするようになっている。
  これまでのボスを倒して特殊アクションを得るという流れも、ボスを倒して特定のソウル(=特殊能力)を得るという流れになったし、 逆に言うと、アビリティタイプソウルなども必ずしも全てがゲームクリアに必須というわけではなく、ザコ敵を倒すことで得られるものもあったりする。

  前作、前々作と、サブシステムはどうにもまとまりが悪く、「ドラキュラ」本来のアクションとのマッチングを考えても、 お世辞にも完成度が高いとは言えなかったのだけど、本作のシステムはなかなかよくまとまってると思う。 システム的な完成度で言えばGBAシリーズ随一。
  ただし、これらの仕様が、このシリーズのウリであるはずの探索の楽しさをやや弱めてしまったところがあるのは残念。 例えば、いくら武器が多彩といっても限界があるわけで、本筋と関係のない場所で得られるものが、体力回復薬だったりと大して嬉しくないことが多い。 また、極々一部だけども、探索に特定の(ゲームクリアには必須でない)ソウルが必要なところがあり、 肝心のソウルゲットの手段がランダムなもんで、単純に面倒臭いだけのことになってしまっていたりもする。 実は、最後に真エンディングへ進むためには3種の特定のソウル(ゲームクリアに必須なものを1つ含む)が条件となっていて、 結局、その条件がわかった後も、そのソウルを得るために同じ敵を延々と倒し続けることが求められることになるわけだ。
  まぁ、ここらへんのバランスはなかなか難しいところだし、 本作のシステムをまんま継承している新作DS『悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架』で、 どれだけより洗練していくかという課題ということになるだろう。

  もちろん、根本的な問題はある。 よりRPG的になったこともあり、アクションゲーム的な緊張感はいよいよ薄まっており、探索には終始ある程度のタルさがつきまとうし、ボス戦も決定的に緊張感に欠ける。 かといって、カスタマイズっぽく遊ぶ要素は弱すぎて、マッタリとした楽しさもない。 所詮、アクションゲーム崩れのアクションRPG、その限界はアリアリだ、というのを大前提としての話なのだが。

  初回クリア5時間半弱で、真クリアまで6時間半弱。 2重構造マップとなっていた前作に比べると、基本的なボリュームダウンは否めない。 ソウルに関しては約40%の収集率で、やりこみ要素が残っているといえば残ってるのかもしれないけど、 ソウルを得るには同じ敵を延々と倒すしかないわけで、さらに「この期に及んでソウルを集めたところでねぇ」という状況なのが辛いところ。 通常クリア後には、バンパイアハンター「ユリウス・ベルモント」でプレイできるようになるものの、 スキル、装備、経験値、アイテムといった要素がなくなって最初からプレイし直すだけ (もちろん、それに合わせた難易度調整はされている)。 肝心の探索の意味がほぼゼロになってしまうので、イマイチ存在意義が見えてこない。 また、真クリア後に出現する「ボスラッシュモード」も、前作のような難易度によるルート選択はなく、 後にザコに降格したものまで含めて最初からボスを倒していくことになるので、前作以上に間延びしており、かなりイマイチだった。
  真クリア後にはソウルやアイテムを引き継いで難易度HARDを最初からプレイできるのが救いと言えば救いなのかもしれないが、 最初からHARDでもプレイできるようにもなっており、あくまでもそれを前提にした難易度なため、 アイテムを引き継いでHARDに入ると(少なくとも序盤は)相当にヌル&タルいのが困りもの。

  グラフィックは、GBA最高クラスのドット絵といってよいだろう。 主人公のアニメーションパターンはより細かくなったし、 多関節キャラもややこれ見よがしな感があった前作に比べると、ゲームに上手く馴染んでいたように思う。 描き込みも細かくなされており、禍々しい雰囲気・演出が(良い意味で)目に付くこともしばしば。 色調も、前作よりかは統一感が感じられた。

  ストーリーそのものを楽しむゲームではないにしても、 安直で魅力の無いテキストと、必要以上に耽美なキャラ絵とのギャップは前作のまんま (とはいえ、DS『悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架』のように急にアニメ調にするのもどーかと思うが。 しかも、ストーリー的にも本作の続編で多くの登場人物がダブってるというのに)。 この点に関しては、もうちょっと工夫の余地があるように思うんだけど、 まぁ、ここらへんに必要以上の力を間違った方向に入れて鬱陶しいものになるよりは、この程度で納まっていてくれていた良いのかもしれない。


  GBA3作の中では(当然と言えば当然なのだろうが)システム的に一番洗練されているし、 武器の多彩さが上手いメリハリ付けになってて、普通に良作だとは思う。 しかし、ステージが2重構造になっていた前作に比べると探索する楽しさはかなり減ってしまったので、 結局のところ、総合的には前作と(またしても)ドッコイドッコイっていう印象なんだよなぁ。
  まぁ、次作のDS『悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架』も、またヒマで余裕があるときにでもプレイしてみよう。

2005年8月31日記載