REPORT『火焔聖母』
Dreamcast
2001年8月2日発売発売:広美 開発:スタジオライン
PC18禁ゲームの『野々村病院の人々』、『猟奇の檻』シリーズ、『遺作』などの 原画を担当した横田守氏が代表取締役を務めるスタジオライン製作のADV。 スタジオラインの家庭用ゲームとしてはSS『慟哭』に続いての2作目ということになる。
『サクラ大戦』のLIPSを変形したような、 時間が経つと共に選択肢が減っていく「TAS」と、 制限時間内に目的を達成する必要がある「TLS」というシステムがあるものの、 ゲームの作りとしては極めてオーソドックス、古典的なADVといえる。 大局的な部分での謎解きの要素はなし。 また、小さなパズル的な謎解きはあるものの、全体的に親切すぎる作りなので、そこで詰まることはないはず。 ここらへんはもっとプレイヤー自身に解かせるような作りにしてほしかったし、そうなる余地は十分にあったろう。 時折、運試しっぽい選択肢によって一発死が起きるものの、これはまぁ許容範囲内か。
一部で3Dダンジョン的な移動システムをとっていて、 これが『真・女神転生』シリーズにソックリの雰囲気でなかなか笑える。 ただ、これが十分生かされていたかというと、かなり疑問が残る。 十字キーでの移動に加えて、アナログレバーで自由に周囲を見渡せるにも関わらず、 この要素がゲーム的に生きることはなかったし、 校内ではRPGの戦闘のようにランダムに一般生徒と遭遇し、 これが大したことを喋らない上にそのバリエーションが少ないので、かなり鬱陶しい。 生徒はマップ上に固定し、シルエットのように表示しておくなどの工夫がほしかった。
これに限らず、主な舞台となる聖骸高校内部は、もうちょっと雰囲気を出す工夫ができたように思う。 一般生徒の絵が、男、女各2種類ずつしかないのもショボいし、 移動できる場所が一般教室、コンピュータ室、天文台しかないってのも物足りない。 やはり学園ドラマ的に、屋上や職員室などは欠かせない存在だと思うんだけどな・・・。 ポリゴンによる画面表示も、窓など透明になっている部分が真っ白に処理されており、 なんともヘンな雰囲気になってしまっている。
その一方で、2Dの一枚絵はキャラ・背景、共に良く描けてる。
会話はフルボイス。 普通にプレイしても10時間を超えるようなボリュームがあるのに、 一般人のセリフも含めて全てのセリフに音声が付いてるというのは、なかなかスゴい。 個人的には、音声とテキストの流れが連動してないことに不満があるんだけど、 この量からすればやむを得ないか。 ただ納得がいかないのが、音声ボリュームにかなりバラツキがあること。 というか、音声だけでは何を言ってるのか分からないような時まである。 これは基本中の基本というか、手間暇さえかければ幾らでも修正可能だと思われる部分だけに、かなり納得がいかない。
セリフ表示のスペースが3行しかなく、 間が悪いところでセリフが分断されてると感じることもしばしばで、 セリフを送るときの「カシャ」って音もやや耳障り。 ノベル風にしなかったところはむしろプラスだったと思うけど、 更なる作りこみの余地があったように思う。 また、ウィンドウのベースの半透明さによって、テキストが見難くなってる部分もチラホラ。 ウィンドウの半透明度を変更できないってのも、最近のゲームにしては不親切。 テキストそのものは、必要以上に冗長にならず必要十分に感じられ、心地よかった。
と、細かい部分でイロイロと不満があるものの、 このゲーム、とにかくストーリーが秀逸
舞台は近未来、全てのものがネットワークでリンクされているという実験ハイテク都市「いざなみ市」。 例えば、学校では紙のノートは使わずにネットにリンクしたノートパソコンで授業を受けるとか、 そういう近未来SF的な味付けにもなかなかニヤリとさせられる。
キャラクターも魅力的。 4人のヒロインは、いわゆる“萌え”要素は弱いらしいけど、 人数が限られている分、性格付けや設定などがシッカリしていてナイス。 ちなみに、4人のヒロインはそれぞれ、ネクラ、融通が利かない、超天然、超自己中ということになっており、 むしろサブキャラで一見アーパー風な志乃の人気が高いらしいというのもわかる気がする。 意外に彼女が一番マトモだと思うし。 と、ヒロイン以外のキャラクターも魅力的。 特に、女性以外のキャラクターもシッカリしてるところには好感が持てる (むしろ男キャラとの係わり合いとの方が多いかも、というくらい)。
で、そんな舞台とキャラクターで繰る広げられるストーリーが素晴らしい。 人間ドラマ地域的な対立神話宗教ネタ、 科学的な要素、トンデモな要素がそれぞれ上手にミックスされており、 最初の頃は「大風呂敷を広げたな〜」と感じ、 ある程度の要素はグダグダになってしまうんじゃないかと思ったものの、 終盤にはそれが盛り上がって、ちゃんと収束し、結末を迎える。 しかも、神話伝承、トンデモ、SFなどそれぞれひとヒネりされていて、 そのそれぞれが決して“逃げ”的に使われておらず、 ちゃんと物語の要素として不可欠になってるあたり、かなり素晴らしい。 「泣けるよ」っていうんじゃなく、「感服した」っていう種類の感動をおぼえた。 人間ドラマよりも事象の係わり合いがメインになってるあたり、 まぁ人を選ぶっちゃ選ぶというか、最近の流行からはズレてるのかもしれないけど、 自分的にはかなりツボにハマった。
細かいところでは、謎解きのシーンに図解的な表示のフォローがほしかったし、 全体的にもっと動きのある演出がほしかったところ。 ムービーを使わなくても、もうちょっと動きのある演出ができたはず。
最後に、大局的なゲームの作り方ということで気になったのは、 ちょっとムリにギャルゲ色を強めてるんじゃないのか、ということ。 一本道のストーリーがメインのゲームなだけに、 4人のヒロインを選ぶような要素は、あまりゲームに馴染んでないように思う。 また、“プレイヤー=主人公”という意向が空回りしており、 主人公の名前を自由に変えられるというのも、 フル音声でゲームを進行させるということを考えれば、必要なかった仕様だろう。 セリフの名前の部分だけ無音というのは、かなり違和感があった。 何度もプレイさせてバリエーションを楽しませる(ヒロインを選んだり、話の全容を断片的に見せたり、という)タイプ にするにはさらなる作りこみが必要だったし、 こういう形であれば、中途半端にそういうものを目指すべきではなかったはず。 幸いにも自分は未体験だったんだけど、 主流からズレた分岐に陥ると、途中をダイジェスト風に語るようになってしまうなんてのは、かなり論外。 ストレートにプレイしても10時間を超えるボリュームがあるわけだから、 もっと一本道を押し進めた作りにするべきだったんじゃないだろうか。 個人的には、途中に謎解きを挿入しストーリーは一本道、そんな作りがベターだったと思うのだが。 パッケージに「サスペンス×ミステリアス×ディティクティヴ アドベンチャー!!」と書いてるにも関わらず、 パッと見がいかにもなパッケージだったり、設定原画集やヒロインたちのカードが同梱だったり・・・。 ゲーム内容にも恋愛色やお色気はそんなに強くないのだから、もうちょっとギャル色を抑えても良かったんじゃないかな。
ゲーム的にもっと面白いものに仕上がる要素はあったと思うし、細かい不備も気になる。 しかし、この(キャラクター、舞台設定含めての)ストーリーだけで、一本道のアドベンチャーゲームとしてはかなりの逸品と言えるだろう。 ノリ重視で話の構造の作り込みに物足りなさがある剣乃作品や小島作品なんかより、 断然自分の好みだったりする。
2001年8月17日記載

REPORT『EVERBLUE』
PlayStation2
2001年8月9日発売発売:カプコン 開発:アリカ
自称「ダイビングアドベンチャー」な、海中にある財宝をサルベージするゲーム。
サルベージとなればDC『青の6号』が思い出させるけど、 確かに、潜ってサルベージしてその宝を売って・・・という、大まかなゲームの流れは近いものがある。 ただ、最大の違いは『青6』が潜航艇での潜水だったの対し、 この『エバーブルー』はスキューバダイビングで潜るというところだろう。 また、戦闘の要素もナシ。 サメですら単なるオブジェ扱いになっている。
まず、海中の移動が2次元なことに萎えた。 上下に移動するという概念がないし、上下に視点を動かすことすらできない。 当然、マップの作りも極めて平面的。 よって、静止画で見るとなかなか美しげなグラフィックも、 実際に潜ってみると、ダイナミックさに欠け、なんとも肩透かし。 ソナーを使った海中での財宝探索は淡白で面白みに欠け、早々に飽きてしまう。
ただ、このゲームは海中を探索するゲームではなく沈没船内を探索するゲームなんだ、 そういう割り切りができてから、随分とマシに感じるようになれた。 ドラクエタイプのRPGでフィールドにあたるのが海中、 ダンジョンにあたるのが沈没船と考えると分かり易いはず。
沈没船内になると上下にも移動できるようになって、 ソナーによってではなく、目視での財宝探索がメインとなる。 船内のイロイロなオブジェは非常によく描かれていて、 小型船、豪華客船、海賊船、それぞれの雰囲気の差別化もナイス。 加えて、自分の見ている方向に対してスポットライトのような処理がされ、それによって陰影ができたりと、 船内の雰囲気は非常に良い。 基本的にBGMナシで、重要な場所にくると静かにBGMが流れ出すという仕様も、雰囲気を盛り上げる。 マップは、海中から船内への出入り口と、階層を移動する階段などの場所だけが記載され、 通路や部屋の作りなどのマップは無し。 方向オンチぎみで記憶力に自信がない自分的にはキビしいところで、 できれば自分が進むにつれて地形そのものがマップに記述されるようにしてほしかったな。 ただ、この船内を迷いながら進むということをなくしてしまっては、 それこそゲームにならなくなってしまうような内容なので、 (視界の悪さも含めて)こういう作りではやむを得ないところではある。
主なステータスは体力と空気。 体力は、アイテムを取る時にはその重さによって体力が減り、 スーツの限界深度を超えてしまった場合、ザックの容量を超えてアイテムを持っている場合に徐々に減少していく。 空気は当然徐々に減少。
自分の操作には2本のアナログレバーを用い、 左レバーで前進、後退と左右並行移動し、右レバーで視点を移動(&旋回)する。 個人的には、左右並行移動はイラナイから、 その代わりに上昇、下降(浮上、潜行)がほしかったところだし、そっちの方が自然じゃないだろうか。
要するにこのゲームは、 視界が制限され、マップも頼りにならず、操作性もイマイチなところを、 苦労しながら船内を探索する、というのがメインということになるわけだ。
海洋生物のグラフィックそのものは良い。 動きに物足りなさがあったり(特にサメ、イルカなどの大型の魚)、 群れになってることがなかったりと、 “単に置いてある”感が強くなってしまってはいるけど、 そこはバリエーションの豊富さでカバーか。 クリオネセンジュナマコまでいたりする。
探索の拠点となるのが「ダイダロス島」。 『Diablo』のようなプレレンダリングで描かれた2D絵で、5画面分くらいの規模なんだけど、 地中海風な街の雰囲気、細かいキャラ達の動き共にナイス。 アイテム関連では、鑑定、売買の他にも、 それを集めてる人に渡すという形で酒、美術品、家財道具のコレクションができたり、 引き上げたものの重量ランキングへの登録、 一部のアイテムの合成などができる。 また、住人の希望をかなえるという形(大部分は、住人が欲しがってるアイテムを与えるというもの)で、 住人それぞれから「信頼のコイン」を得ることができる。 ストーリーはほぼテキストのみで進行し、 地味ながらも、やはり雰囲気があって良い感じだった。 世界観、住人との会話、アイテムの解説テキストなどの雰囲気の良さはこのゲーム最大の魅力といっても過言ではないだろう。
完全なお楽しみ要素として、海中の写真を撮ることができる。 これをダイダロス島で現像して写真家に見せると、 その写真ごとに簡単な批評をしてくれ、 写真をまとめたアルバムにはタイトルを自動的に付けてくれる。 これはこれでそれなりに面白いんだけど、 どうせなら海洋生物写真のコレクションとかの方が面白みがあったんじゃないだろうか。
このゲーム、その発想と大まかな作りは良かったと思う。 が、そこからの方向性ということで、非常に物足りない一本になってしまった。
まず何より、海中を自由に泳ぐということを放棄してしまったこと。 そして、全体的に余りにも緊張感に欠ける作りになってしまったこと。 しかも、それほどマッタリと長く遊べるような作りにもなっていないこと。
海中ではいつでも自由に浮上し街に戻れてしまうし、 さすがに沈没船内部では各出口まで戻る必要があるけど、 体力、空気共に減少する要因が限られているので、やはり緊張感があるとは言い難い。 ゲームの内容からして、戦闘的な要素が必要だったかどうかはビミョーなところ。 ただ、沈没船内ではもうちょっと動的な仕掛け (何かダメージを受けるトラップであるとか、壁が崩れてきて退路が絶たれるとか)が欲しかったし、 もうちょっとパズル的な要素を強めて欲しかった。
(宝箱類を除いて)沈没船内のアイテムがその沈没船内に入る度に復活してしまう仕様も、なんともヌルい。 家財道具はまだしも、絵画や彫刻などの美術品まで復活してしまうのはかなり謎な仕様。 アイテムを得る喜びも減るし、 他にイロイロと金稼ぎの手段があるにも関わらず、 それがイマイチ生きなくなってしまった。
それならそれで、もっとダラダラと長く遊べるような作りになってればまだよかったんだけど・・・。 コレクター的な楽しみを求めるには、アイテム管理がずさんなのがイタい。 単にアイテムがダーッと並んでるだけ工夫がないし、 かといって序盤はどのアイテムが必要になるかわからんので手元にアイテムは置いておきたいし、 後半になってもアイテムの数が一定数を超えることで得られる称号があるので、やはりアイテムは処分しにくい。 幾つかのジャンルに分類されて所持するか、保管庫みたいなのを用意するか、 あるいは一度手に入れればコレクション表みたいなのにチェックが入るとか、 もうちょっと工夫がほしいかったところ。
かといって、アイテム数自体はさほどでもない。というか、結構スイスイ溜まってしまう。 海中の探索は面白くなく、船内の探索には限界があるので、なんとも淡白。 期待していたアイテム合成も、かなり肩透かしでバリエーションが少ない。
そもそも、沈没船の数も少なすぎると思うな。 結局、4つの探索地点があるわけだけども、 最初の1つは超小ぶりだし、ラストのダンジョンは財宝がなく同じような背景が延々と続く迷路だしと、 実質的には2つだけ。 物足りない。
ライトな作りゆえに、お手軽にソコソコ楽しめるゲームではあると思う。 ただ、“もっと緊張感&奥深さを”とまでは言わんけど、 もうちょっと緊張感があるか、もうちょっとマッタリと奥が深いか、どっちかにはしてほしかった。 マッタリと奥が浅い。惜しい。
2001年8月15日記載

REPORT『アウトトリガー』
Dreamcast
2001年8月2日発売発売:セガ 開発:AM2研
しばらく前に雑誌に体験版が付いたんだけども、かなり音沙汰がなく、 半ば諦めてたら、結構電撃的に正式発表され発売になったアーケードゲームの移植作。 操作系でかなり試行錯誤があったらしく、結局マウス同梱という形での発売となった。
ゲームは、いわゆるFPS(DOOM系、一人称シューティング)の対戦部分だけを抽出したような内容で、 かなり狭めのステージ内でのバトルロイヤル的な対戦がメインとなる。 推奨される操作系は、左手でパッド(もしくはキーボード)を操作しキャラの前後移動、 右手でマウスを操作してキャラの視点移動(それに伴って旋回運動)という、 最近のPC系FPSと同様のもの。 で、その他の操作はボタンで、ショット、武器変更、ジャンプ、視点変更。
ちなみに自分の場合、PCのFPSがそういう操作系になる前にPCゲームから引退してしまったので (最後にプレイしたPCのFPSは『QUAKE』)、 自分もこの操作系は初体験だった。
と、操作系が家庭用機では珍しいタイプにも関わらず、 キーコンフィグが使い難いのが大きな難点のひとつで、 自由にキー配列を変更することができないのはかなりイタい。 結局、パッドとマウスを併用する操作で有用な組み合わせは、ほぼ一通りに絞られてしまう。
ゲームモードは、アーケード版の移植である「アーケードモード」と、 計45のミッションを次々とクリアしていく「ミッションモード」がメイン。 あとは、ネット対戦を行う「ネットワークバトル」、画面分割で最大4人まで対戦できる「VSモード」、 そして、それぞれのモードで使えるキャラクターを作る「キャラクターエディット」がある。
「アーケードモード」は、 練習、初級、中級、上級の4つのコースがあり、それぞれが6ステージからなっていて、 練習コースを除いた全てのステージが、小さめのステージ内で4人の敵とのバトルロイヤル風に戦うという内容になっている。 敵は倒しても倒しても次から次へと出現し、制限時間内にそのステージに設定された人数を倒すとクリアで、 自キャラが倒されてもゲームオーバーにはならず、単なるタイムロスという作り。 味方キャラと一緒に戦うチーム戦や、上級の最後にはボス戦があったりするものの、 全体的にちと淡白な感じがする。
「ミッションモード」は、 アーケードモードと同じ形式のミッション意外にも、 1対1のバトルや、ステージ内に設置されたコインを時間内に集めるミッション、ステージ内に設置された爆弾を駆除するミッションなど、 なかなか多彩な作りになっている。 ただ、どちらかというとそういう変わったステージが面白いのに、 そういうステージは非常に簡単すぎてアッサリと終わってしまうのが勿体無い。 また、序盤にあるようなアーケードの練習ステージの延長線にあるようなミッションが、 後半にあっても良かったんじゃないかと思う。 全体的に、もうちょっとシビアでもよかったんじゃないかな。 で、ステージをクリアしていくにつれ、対戦ステージ、武器、使用できるキャラクターが増えていく。
「キャラクターエディット」は、 その名前から想像するほどに自由にキャラクターが作れるわけじゃなく、 キャラクターを選び(ミッションをクリアすると敵キャラも選べるようになる)、その装備を変更することができるだけ。 ちょっと気になるのは、武器にしろキャラクターにしろ、その特性が説明不足なこと。
「ネットワークバトル」は、アーケードモードと違って最大6人まで参加できる。 一般プロバイダを使えるインターネット接続ということで、 もちろんラグはそれなりにあるんだけど、自キャラの動きはそれに左右されない作りになってるので、プレイ感は結構良好。 ミッションモード内のバトルロイヤルステージ同様、敵を倒したときにポイントが得られるだけでなく、 敵を倒したときにそこに出現するコインをゲットすることでもポイントが得られるという仕様が、 非常に良いアクセントになっている。 ロビー内のチャットのシステムがイマイチ使い難いものの、まぁ許容範囲でしょ。 1回接続すると、その間は使用キャラを変更できないという仕様はちと不便か。
BGMがかなり印象に残らなかったことを除けば、 絵、音共にハイレベルで、動きも良好。
マウス付きで\5800という値段は確かにお買い得だと思うけど、 じゃあソフト単体に\5800の価値があるかっていうとかなりビミョーで、 全体的にかなり淡白な印象を受ける。 オフラインのみでは、操作に慣れるまでの試行錯誤は楽しいんだけど、そこからの楽しみが今ひとつ。 ミッションやキャラエディットには、もう一工夫できたんじゃないだろうか。 ただ、操作そのものに慣れさえすれば、操作感良好な楽しいバトルが楽しめるし、 キャラの背後から見る視点がベース(もちろん主観視点も可)なことによって、 よりアクション部分が楽しい内容になってる。 PCのFPSに慣れてる人には物足りない部分もあるんだろうけど、 アーケードゲームスタイルってのがプラスに働いてる部分もあると思うぞ。 対戦できる環境にあれば、なかなかナイスな一本だと思うし、 そういう意味では、インターネット接続でお手軽に通信対戦が楽しめるってのはポイントが高い。
2001年8月9日記載

REPORT『みんなのゴルフ3』
PlayStation2
2001年7月26日発売発売:SCE 開発:クラップハンズ
SCEを代表するゲームのひとつであり、 現在のディフォルメ系ゴルフゲームの流れを作ったゴルフゲームの金字塔『みんなのゴルフ』の第3弾。 開発のクラップハンズは、PS『みんゴル1』の発売後にキャメロットから分裂してできたメーカーで、 ゲームデザイン担当の村守将志氏は、8bitPC時代に大ヒットした『ワールドゴルフ』シリーズ(発売はエニックス)を作った人でもある。
ちなみに、自分は前作『みんゴル2』のプレイ経験はナシ。 よって、あの評判が悪い“傾斜がなくて芝目のみ”というグリーンの経験もナシ。
で、この『みんゴル3』は、全キャラ出現、全大会優勝してのレビューということに。
当然のごとくというか、ゲームの根本部分で大きな変化はなく、安心して遊べる内容になっている。 前作プレイ経験者にとっては、 そのグリーンに芝目がなくなり傾斜が復活したした(要するに一般的なグリーンに戻った)ことが一番大きな変更点らしい。
ショットはオーソドックスなボタン3回押しタイプで、スピンはショットゲージが動いてる間に十字キー。 よりタイミング重視で、ジャストインパクトの効果が大きくなったのは、個人的には好きでなない方向性。 視点の前後移動やショットを打つ方向などの操作には、 PS2独特の感圧式入力に対応(つまり、強く押すと速く動く)してるんだけど、自分は未だにあんまり慣れず。 どちらかといえばアナログレバーの方を活用して欲しかった。 また、このことが説明書に明記されていないのもかなり不親切で、 最初のうちは(基本的にボタンはソフトタッチで押すもんで)「カーソルの移動が遅っ!」とかなりイライラさせられた。
ショット関係のシステムで目に付くのは、 ライによってショットゲージの長さが変化してタイミングが変わることと、 ライ表示の部分に各種スピンのかかり易さ・かかり難さが表示されることで、共にナイスな改良だと思う。
グリーンのグリッド表示は独特。 『マリオゴルフ64』のようにグリッドそのものが動くのではなく、 グリッドは(ゴルファーの向きに対して)固定されており、そのグリッドの上を動く光点の速さによって傾きを知る、というシステム。 で、イマイチこのグリッド表示のメリットが見えてこない。 アプローチ時にはどうにもグリーンの全体像が掴み辛いし、 結構グリッドの目が粗いこともあって、 どうにもパッティングラインが見えてこない (光点の動きから左右の流れ幅を予測し、グリーン断面図でショットの強さを予測する、って感じ)。 長めのパットが入っても「たまたま入った」っていう感じが強く、 どうも「読みきってカップイン!」って感じが希薄なんだよなぁ・・・。 本来重要であるはずのカップの後ろから見る視点が、 目の位置が高い上にそれを動かすことができず、 グリッドギリギリにカップがあると真後ろから見えなかったりと、 (少なくともラインを読むということに関して言えば)かなり実用性に欠ける。 かといってパッティングにそんなに苦労したわけでもないってのは、グリーンそのものが淡白だからってのもあるんだろう。 特に、1m〜3mの短いパットが簡単すぎて、 (ちょっとくらいオーバーしても返しのパットはラクだから)下りのパットに怖さが感じられないというのが致命的。 まぁ、パットが難しすぎると一般ウケしないだろう、って考えはわかるんだけどさ・・・。
ショットの自由度の低さも気になるところ。 例えば、ラフに入ると使えるクラブが勝手に制限されてしまう。 しかも、今作ではセミラフの概念がなく、 フェアウェイからチョロっと出ただけでスプーンが使えなくなってしまうとか、ゴルフ的にどうかと思った。
また、どのクラブで打っても一定の飛距離しか出ないアプローチモードも、 60yrdのアプローチショットであれば残り60yrd以内でないと選択できず、 例えば残り61yrdでフォローとか、60yrd以上残ってるけどとりあえず60yrdを打っておきたい、 という状況でもアプローチモードが使えないのはイタい (確かコレは『マリオゴルフ64』も同様だったはず)。 これはパットのモード選択でも同じことが言えるわけで、まさに“小さな親切大きなお世話”。
変わったところでは一緒にキャディとまわり、 ショット後に落下地点にダッシュしていきズサァッ!って感じで滑り込んでから飛距離を押してくれる。 ただ、バンカー内にも滑り込んできたり、グリーンのパッティングラインの上を滑り込んだり、 (もちろん、それによる影響はないんだけど)このキャディはかなり目障り。 パッティングラインを見るときにも邪魔になってたりすることがあるし。 別にコレで喜ぶ人を否定はしないから、せめてキャディのオン・オフを付けて欲しかった。
グラフィックはハードの性能なりに進化、といったところか。 水の表現だけが異常に綺麗で目立ってしまうけど、 個人的にはそれより樹木が良く描けてるところが好印象。 それ以外の部分も当然絵的には底上げされているものの、 総合的な印象として“飛び抜けて美しい”ってこともない。 もうちょっと日光感であるとか空気感が表現できるハードだと思うんだけどな・・・。
ショット後の視点は、演出重視で弾の飛び具合が分かり難い(これはパットにも言える)。 個人的には本末転倒だと思うけど、「派手で楽し〜」って人もいるっぽいんで、やはりこれもオプションでの切り替えが欲しかったところか。
当然、今作ではゴルファーもポリゴン化。 キャラクターは、個人的には顔と体がアンバランスな感じでちと気持ち悪いと思うんだけど、まぁ、OKでしょ。 キャラデザは濃すぎず薄すぎずで丁度良い塩梅。
コースは全5コース。 特にPS2『PGAツアー2001』で実在のコースをモデルにしたコースをプレイした直後だけに、 あまりにも恣意的過ぎるコース作りは鼻につく。 といっても、言い換えれば攻略性が高いということかもしれないので、まぁ良し悪しか。
モードとしては、ランクごとに開催される大会に参加してより上のランクを目指していく「大会モード」と、 CPUキャラとマッチプレイで対戦して倒すとそのキャラがゲットできるという「VSモード」が主。
「大会モード」では、7つのランクごとに4つの大会があり計28大会と結構なボリューム。 大会で優勝するとアイテムがゲットできるというのも相変わらず。 今作では、アイテムショップがあって、 コースをまわることによって得られるポイントを使ってそのアイテムを買うことができるんだけど、 大会モードの進行度によって品揃えが増えていく仕様なので、イマイチ機能してない気もする。 値段は高くてもいいから、スペシャルなアイテムを除けば最初から買えるような状態にした方がよかったんじゃないだろうか。
「VSモード」もおなじみのモードだけど、 今作では4UPした時点で打ち切りになるので、スイスイと進むのがナイス。 ただ、肝心のCPUキャラの強さに関しては、 全体的に自滅が多く、全キャラクリア後の裏モードではショットが正確すぎと、 マッチプレイの旨みが味わえるシーンが極めて少なく、 もうちょっと工夫の余地があるように思える。
キャラクターがポリゴンになったことだし、 できればキャラクターを作成・育成するようなモードがあればよかったな。
最後に、セーブデータが巨大(1500KB以上)なのは気になった。 例えば、5人のプレイヤーデータが作れるところや、 スーパーショットのリプレイが自動で保存されるところや、 そういう部分が確保されてると思われるんだけど、 そういうのは分割して用意できなかったもんなんだろうか。
ハードを買ってまでプレイするようなゲームではないけど、 PS2を既に持っていて、ゴルフが嫌いでないという人には無難に薦めることができる。 総合的には現時点でNo.1のゴルフゲームであることは間違いないし、 値段も\4980とお手頃だし。
ただ、自分の理想のゴルフゲームとは、ちと方向性のズレを感じるんだよね。 そういう意味では、まだN64『マリオゴルフ64』の方が理想に近いんだよなぁ・・・。 ショットの高低差のわかりやすさ、弾の軌道がわかりやすさ、スピンのシステム、ジャストインパクトの性質などなど、そういうところで。
2001年8月3日記載