REPORT『Devil May Cry』
PlayStation2
2001年8月23日発売発売:カプコン
自称「スタイリッシュハードアクション」な、銃攻撃と剣攻撃をミックスさせたアクションゲーム。 ただ、アクションゲームとはいうものの、 『バイオハザード』からの流れで生まれたゲームには違いない。
ちなみに、難易度ノーマル、ハードをクリアした時点での感想。 更に上の難易度「ダンテ・マスト・ダイ」はプレイする気になれず。
操作はいわゆるラジコン操作ではなく、画面に対して進みたい方向にレバーを入れるタイプ。 左スティックでキャラクターを動かし、 R1でロックオン、L1でゲージを消費し一定時間パワーアップする「デビルトリガー」、 △で近接攻撃、×でジャンプ、□で調べる(ロック中、ジャンプ中は銃撃)。
ロック中に×で特殊回避行動。 敵に対して左右にレバーを入れながらだと出だしに無敵があるっぽい「転がり避け」、 敵に対して後ろにレバーを入れながらだと後方宙返りジャンプ。
また重要な特殊攻撃として敵を斬り上げる「ハイタイム」がある。 空中に飛ばした無防備な敵に追い討ちができるし、 ダウン中の敵を斬り上げることもできると、防御行動をするザコ敵が多いので重要度が高い (ただし、ボスや大型の敵には効かない)。 敵を斬り上げつつ自分もそのまま上昇し、そのまま空中に留まりつつ無防備な敵に対して銃撃、とかもできて、 これはなかなかカッコいいし、このゲームで一番特徴的なアクションといっても過言ではないだろう。
ロックオンは常に一番近くにいる敵をロックする。 ロック中にしか銃が撃てない(一応、ジャンプ中にも撃てるけど使い道がない)ので、 例えば、近くに敵がいると遠くの敵を撃つことができない。 銃は銃として機能しているというよりも、追い討ちなどの補助的な意味合いが強い。
ゲームの構成は全23ステージからなっている。 といってもアーケードゲームスタイルというよりは、『バイオ』系ADVを流れ的に区切っていった感じで、 内容的にはステージ毎にかなりバラツキがあり、「へ? もう終わり?」というステージもチラホラ。 セーブができるのはステージ開始前だけ (一応ステージ内でもセーブできるけど、ロードしてもそのステージの最初からプレイすることになる)というのは、 結構歯ごたえがあるゲームなだけにキビしいという声があるようだけども、 逆に、ほどよい歯ごたえを生んでいるナイスなシステムだと思う。
ショップ的な存在である「時空神象」がマップ上に点在しており(買える物は一定)、 そこで技や体力最大値の上昇、体力回復、コンテニューなどの各種アイテムを購入できる。 ただ、ステージ開始時にもアイテムの購入ができるので、時空神象そのものは形骸化してしまったように思う。 で、お金にあたるのは主に敵を倒すと得られる「レッドオーブ」。 マップが切り替わると敵が復活する仕様になっており、それでレッドオーブを稼ぐことができる。
一応、ADV的なイベントアイテムを取ってそれを使ってという流れはあるものの、 考えるような謎解きはほぼ皆無だし、マップ的にも道なりに進んでいくシーンがほとんど。
グラフィックは非常に質が高く、PS2でもトップレベルだろう。 特に背景の描き込み具合は相当なレベルで、 PS2のソフトで時折感じるようなテクスチャのショボさも感じないし、チラツキもあまり目立たない。 その質の高さの割に、キャラクター、クリーチャーがあまり印象に残らないのは、 悪魔を題材にした割にはマガマガしさが物足りないからだろうか。 全体的にアッサリとした印象ではある。
イベントシーンの演出には、映画監督ジョン・ウーの影響が強く感じられ、 そのバカッコイイ的なやりすぎさは、ゲーム内のものとしては目新しさがあってナイス。 まぁ、そのピークが序盤の最初の武器を手に入れるシーンってのはどうかと思うが。
ストーリーは、まさに“陳腐”という言葉がピッタリ。 まぁ、アクションゲームってことでストーリーはオマケみたいなもんで、 特にこのゲームはその量的なボリュームがないとはいえ、ここまで陳腐なのも珍しい。笑えた。 ストーリーそのものが陳腐であっても、キャラクターに魅力があれば楽しかったりもするんだけど、そこも絶望的 (というか、だからこそストーリーの陳腐さが際立ってしまったんだろう)。 主人公「ダンテ」とヒロイン的な「トリッシュ」の魅力の無さは、 絵的な部分もさることながら性格の説明不足さがイタく、 クールなタフガイ風のダンテが急に熱血になるあたり、かなり萎えた。 大ボス「ムンドゥス」、謎の漆黒の騎士「ネロ アンジェロ」などの悪役側の重要人物の魅力もイマイチ。
とはいっても、このゲーム最大問題はそのストーリー以前に、肝心のアクション部分に他ならない。
その一番根本的な原因は『バイオハザード』風の視点にしてしまったことだと思われる。 背景までポリゴンで描かれていてある程度視点は動くものの、かなり頻繁に視点が切り替わるということで、 『バイオハザード コードベロニカ』あたりを想像すると分かり易いと思う。 これによる直接的なマイナス要因は、画面に表示されていない敵から攻撃されたり、 そういう敵に対して攻撃しなければならないという場面が非常に多いこと。 遠距離から攻撃できる敵が結構多く比較的ダメージの大きいゲームなんで、これはかなりのストレスになり、 たとえ敵がいることがわかっても敵のモーションは分からないので、どういう攻撃をしてくるわからないことがあるのがイタい。 何のために背景もポリゴンにしたんだ?
それに足を引っ張られるように操作感も難アリになってしまった。 このような視点&レバーを入れた方向に進む操作ということで、 そういう過去のゲーム同様、レバーを入れ続ければ視点が切り替わっても同じ方向に進み続ける仕様になっている。 『バイオハザード』系ADVのようなゲームならまだしも、 このゲームのように頻繁な小回りが必要となるゲームでは大きく足をひっぱることになってしまい、瞬時に向きたい方向に向いてくれないことが多い (特に視点切り替えと絡むと絶望的)。 で、これを補助するように、ロックしていないときでも敵が近くにいるとそっちを向いて攻撃するようになっている。 つまり、自分で攻撃したい方向に攻撃することができないことがあるということになる。 よって、特に乱戦になると思ったように攻撃できないことが多い。 本来は、そういう攻撃はロックオンに任せて、 ロックしないときは自由な方向に攻撃できるようにするのが筋だろうに・・・。
そのロックオンの性能も、常に一番近い敵を捕捉するというもので、 ロックボタンを押しっぱなしにしても常に同じ敵をロックしつづけることはできないタイプになっている。 特殊回避行動やハイタイムなどの特殊攻撃は敵に対しての方向にレバーを入れなければならないので、 複数の敵と退治したときには思ったような技が出ないことがある。 特にイタいのは特殊回避行動で、乱戦ではなくても視点との兼ね合いによって、 転がり避けとバックジャンプという全く性能の違う技が暴発してしまうのが困りもの。 っていうか、バックジャンプなんぞイラんから、レバーを入れた方向に転がり避けってことに統一すべきだったんじゃないだろうか。
ここらへんが、複数の敵との戦闘が思うようにならずイマイチ面白みに欠ける原因になっているわけで、 かといってザコの1vs1戦ではそれこそ面白みがない(ハイタイム絡みでハメっぽく戦うことに)。 敵のバリエーションが少なく感じるのも (まぁ、実際多くはないんだけど)数種類の敵と同時に戦うような場面がないからだろうし、 そういう場面を作れるようなシステムではない、ということだろう。
ジャンプの操作感も特殊。 確かに『バイオ』風の視点とジャンプアクションがそのままでは噛み合わないというのは、 PS『バンパイアハンターD』をプレイするまでもなく明らかな話(遠近感が掴めるわけがない)。 というわけで、このゲームではジャンプによる横の移動距離はかなり抑え目にされている。 つまり、横方向の移動手段としてのジャンプアクションは基本的にナシ (一部には取ってつけたような飛び石的なシーンがあるが)ということで、 特定の長いジャンプが必要とされるような場所でジャンプすると、ビョーン!と長いジャンプをするという変わりダネ。
確かに難易度はキビしめなゲームなんだけど、 その難しさの大部分はこの“視点”と“操作性”に起因しており、つまり、非常に理不尽さを感じるということになる。 視点の作りを変えて、操作性をそれに伴って改善させれば、 アクションゲームとしては普通程度の難易度になるんじゃないか?
大局的な方向性というところでの不満としては、 もっと剣&二挺拳銃のアクションにこだわってほしかったな、ということがある。 剣だけではなく篭手を装備すれば肉弾攻撃ができたり、 銃にしてもショットガンやグレネードガンなど何種類か用意されており、 デビルトリガーを使って魔人化しての攻撃もある。 そうじゃなくて、 もっと剣と二挺拳銃の組み合わせにこだわって、ちゃんとスタイリッシュなアクションに仕上げてほしかったわけで、 そういう余地はまだいくらでもあったように思う。
細かい部分では、敵と戦うとポーズメニュー中の「Files」内にその敵の特徴(攻撃パターンや弱点)が記されていくというシステムがある。 まぁ、親切といえば親切なんだけど、 普通はそこを自分で理解していくのがアクションゲームだと思うわけで、 逆に言えば、(エフェクト的やシステム的な問題で)普通にプレイしていると理解し難い部分が多い、ということでもあるんじゃないだろうか。 せめて、ザコ戦でも敵の体力ゲージも表示してほしかったところ。 また、主観視点の水中内や、ラスト直前の3Dシューティングシーンなどは個人的にムダと感じたんだけど、 ま、雰囲気を盛り上げるためのオマケってことで良しとするか。
カプコンらしく、攻撃のヒット感は上々で爽快感の演出は上手なのは確か。 また、キビしめの難易度にも好感が持てる。 でもそれだけじゃお話にならん。 3Dアクションゲームはまだ可能性が残ってるジャンルだと思うし、だからこそちょっと期待したんだけど、 それをカプコンに求めた自分がバカだったということか。 もちろん遥かにマシなんだけど、その根本にはPS2『バウンサー』に通ずるものを感じる。 つまりそれは、“やりたいこと”“やるべきこと”と“やったこと”の間の大きなギャップであり、 その原因は“やるべきこと”を理解していないからなんじゃないだろうか。 “スタイリッシュ”をうたい文句にするのは結構だが、 それは肝心のアクション部分をスタイリッシュなものに仕上げてからにしてほしかった。
2001年8月29日記載

REPORT『クーデルカ』
PlayStation
1999年12月15日発売発売:SNK 開発:サクノス
スクウェアを退社した人たちによって設立されたサクノスのデビュー作。 当時はSNKの元で、今はSNKの事情によりアルゼの元で活動中で、最新作はPS2『シャドウハーツ』。
ゲームの形式は、戦闘がRPGな『バイオハザード』といった感じ。 一枚絵背景+ポリゴンキャラという表現が用いられており、 視点も『ファイナルファンタジー』のように引いたものではなく、キャラに近めで、同じ手法を用いた『バイオ』系ゲームに近い。 ただし、キャラクターの操作はいわゆるラジコン操作ではなく、レバーを入れた方向にキャラが進むというもの。 で、移動中に突然敵に遭遇し、戦闘をし、経験値をためてレベルアップして強くなっていく、というのがRPG的な部分。
CD4枚組なんだけど、プレイ時間、ストーリーの規模、どちらの面から考えてもやはり『バイオ』系ADVに近く、 いわゆる長編RPG的な作りではない。 19世紀末のイギリスの片田舎にある廃墟化した修道院が舞台、 世界観もクトゥルー神話風なゴシックホラー調、 台詞回しにもRPG、あるいはアニメ的な影響はほとんど感じられないので、 長編RPGを期待した人からは相当に不評を買ったであろうことは容易に想像がつく。
発売当時は、 ムービー中でセリフと唇の動きをリンクさせているという「リップシンク」と、 複数人の俳優から同時にモーションデータを取ってイベントシーン&ムービーの動きを作ったという 「集団モーションキャプチャー」を技術的なウリにしていたらしい。
ムービーはそれほど大量という感じではなく、ピンポイントピンポイントに挿入されており、その質は高め。 「リップシンク」といってもまだかなり不自然さはのこるものの、 そういう努力もあってか、キャラクターの表情はかなり自然。 顔の造形自体もハイレベルなんだけど、その一方で四肢の造形がショボいのは気になる。
動きがそれほど大きくないゲームということもあって、 むしろ重要なのは通常のイベントシーンだろう。 当然、一枚絵背景+ポリゴンキャラという手法で描かれており、 比較的引きめの視点に固定され、キャラクターが言い合いをするというのがほとんど。 それほど大きな動きはないんだけど 「集団モーションキャプチャー」の効果なのかキャラクター達の細かい演技はナチュラルで、 センスを感じさせる自然なセリフ回し(ちなみに英語音声+日本語字幕)とあいまって、意外に退屈させない。 どこか淡々としたところも、ストーリー&世界観とマッチングしており、むしろ効果的だったように思う。
全体的に音楽には隙がない。グッド。 戦闘っぽくない戦闘時のBGMも良い。
クーデルカというのは主人公の女の子の名前。 パッケージなどでも分かるように風貌はややロリめなんだけど、 ゲームを始めると、そのキツめな性格な驚くことになる。 イメージ的には、『トゥームレイダー』のララ・クロフトなんかに近い。 なぜか超ミニスカートで、オーニングムービーでのパンチラ具合には、むしろやや萎え気味。 中盤になるまでどういう人間か語られず、いきなり降霊をしたりと、 かなりプレイヤーを突き放したキャラだけに感情移入度はイマイチ。
パーティを組むことになるのは、冒険に憧れるならず者「エドワード」と、 ヴァチカンの使命を受け修道院を訪ねてきた司祭「ジェームズ」。 物語的に根本から関わってるのはジェームズだけなので、 そこからしてもひとつの大きなストーリーというよりも、 テーブルトークRPGでいうならキャンペーン中の1シナリオという感じが理解できるはず。
キャラクターにしてもセリフにしても、 従来のゲーム的な、アニメ的な影響が感じられない作りになっているというのは、非常に好感が持てる。
ストーリー自体にそれほどの面白みがあるわけではなく、 どちらかといえば全体的なゴシックホラーの雰囲気を楽しむという感じ。 直接的な恐怖演出はなく、想像力を喚起させるという方向性や人物の心情の動きがメインになってるという点は、 むしろモダンホラー的かもしれない。
そこらへんに関して言えば、他にはない試みということで評価できるし、自分的にも十分に楽しめた。 ただ、どうもイロイロと作りが粗いのが気になる。
まず、『バイオ』系ADV的な部分では、何より操作性が芳しくないのが気になる。 レバーを入れた方向に進むタイプなだけに、 当然、レバーを入れ続ければ画面が切り替わっても同じ方向に進む続ける仕様。 アナログ入力には非対応、つまりデジタル8方向の方向入力なので、 例えば真上に入力しても完全に真上に進むわけじゃなく、マップによって微妙にズレる (概ね、道などに垂直、水平に進めるように調整されている)。 まず、この操作自体にイマイチ慣れなかった。 拒絶反応を示す人は多いらしいけど、個人的にはラジコン操作の方がまだマシだったな。 また、『バイオ』などに比べると若干ではあるけど視点が少なく、ひとつの視点内で動ける範囲がやや広めな印象。 よって、地形が分かり易いような視点の調整が不足しており、 どこまで歩けてどこから歩けないのか、どこにドアがあるのか、などが分かり難い。 移動可能な段差も非常に分かりづらいし、レバーを入れるだけで上れる段差と、ボタン押す必要がある段差があって基準が曖昧なのもいただけない。 その上、アイテム、ドア、スイッチなどの当たり判定(?)がキビしめで全体的にかなりストレスが溜まる。 さらにアイテム、オブジェの存在がわかり難い。 一応、「怪しい場所に行けばクーデルカがそっちの方向に注目する」と説明書にあるものの、 画面上のクーデルカを見てそれを判断するのはかなり難しい (少なくとも、自分はそれで判断する機会はなく、常に“調べる”ボタンを連打ぎみだった)。 謎解きらしい謎解きはない(スイッチ系の仕掛けはあるんだけど、プレイヤーに考えさせるような部分はほぼ皆無)んだけど、 そういったアイテム・オブジェの見逃し・取り逃しによって詰まり気味になる可能性がある。
そして、RPG的な部分。こちらは問題山積。
一番問題なのは、戦闘がカッタルイ上に面白くないということだろう。 よって、敵との遭遇率はそれほど高くないにも関わらず、戦闘がかなり鬱陶しく感じる。 形式としてはキャラクターを駒のように動かすタクティクスタイプで、 敵、味方ともにそれぞれ最大で3体の戦闘となる。 まず基本的にテンポが悪い。 こういう形式の戦闘は元々テンポが悪くなりがちな上に、 敵の移動は遅いし、こちらの攻撃のモーションのテンポも悪く、。 何より(戦闘が終わったときではなく)攻撃し終わったときのミョーな間が気になる (なぜかグラフィックが、自キャラ、自キャラの武器、その他のキャラと段階的に表示されていく)。 このゲームの特色として、陣取りのような要素がある。 敵は自分のパーティで一番前にいるキャラより先には移動できないし、 こちらは敵パーティの一番前にいる敵より前には移動できない。 あまり現実的とはいえないシステムだけど、 これによって、前衛が一人いれば残りのメンバーは直接攻撃を受けないということになり、 パーティ人数の少ないこのゲームには適したシステムと思われる。 問題なのは、死体が敵陣地内にいってしまうと、そのキャラクターを復活させることができなくなるということ。 攻撃の後に移動できるシステムなので、 例えば、前衛のキャラが敵に攻撃されて殺され、その敵が一歩前に進むと、 もうそのキャラはどうにもならなくなってしまう。 これはそういう状態では復活させられないということ自体が問題というよりも、 敵を奥に押し込むことが意図的にできないことが問題だと思われる。 1ターンに1回行動というタイプではなく、 素早さによって行動できる順番が早くなる(つまり、素早さが高いと行動できる回数が増えることになる)という仕様も良し悪し。 魔法を唱えてから発動するまでのタイムラグや、何もせずに待機すると次の行動までが早くなるとか、 そういうものが見た目的に分かるような仕掛けがほしかった。
また、武器を使えば使うほど、魔法を使えば使うほどその熟練度が上がっていくというシステムも、やはり良し悪し。 それが効果的に機能してるとは思えないし、 こういうストーリーの期間が短いようなRPGにはマッチングしてないように思う。
このゲーム、最近の風潮とは逆行するように、全体的にいろいろと情報不足&情報提示が下手なのが気になる。 敵の魔法攻撃の属性がよくわからんとか、 自キャラの行動順になってステータスウィンドウが表示されるまで味方キャラの状態変化がわからんとか、 単に魔法攻撃がスカったのか、それともその敵がその魔法に耐性を持ってるのかわからんとか、 どういったときに連続攻撃になるのかよくわからんとか、 武器の耐久力がわからんとか、 戦闘終了時に得られる経験値の数が示されないとか・・・。
レベルアップ時にはボーナスポイントを振り分けて成長させるタイプ。 各種能力値で気になったのは「生命力(VIT)」と「信心深さ(PIE)」が、 それぞれ物理防御力とHPの最大値、魔法防御力とMPの最大値を左右してしまうということ。 このようにひとつの能力値があること(例えば、物理攻撃によって受けるダメージ)に対して 2重の影響を与えるような作りには、あまり賛成できない。 で、装備品によってVIT・PIEにボーナス値が付くので、 それによって、HP最大値などが変化してしまう。このこと自体はまぁ悪くない。 それぞれの武器に耐久力があって使ってるうちに壊れてしまう。これもこのこと自体は悪くない。 ただ、この2つの要素がマッチングしてない。 使用している武器が突然壊れてしまい突然HPの最大値が減ってしまうなんてのは、かなり理不尽だろう。 せめて、耐久力が実際に示されてるならまだしも。
HP最大値と物理防御力(&MP最大値と魔法防御力)に影響する能力値が同じだったり、 素早さで行動できる回数自体が増えたり、
武器や魔法に熟練度があったり、武器が壊れたり、 回復魔法の効果も魔法防御力によって弱まってしまったり、 それぞれ、もうひと工夫必要な要素だったと思う。 というか、ぶっちゃけて言えば、 ちょっと変わった本格的風なRPGを作ろうかなとシロートが考えそうなシステムという印象だった。 その意図はわかるけど、プロならば更に作りこまねば。
RPGとはいうものの、お金&ショップという概念がなく、 アイテムはマップ上に設置されているものを除けば、戦闘終了時に得られるものだけ。 よって、非常に行き当たりばったり的にゲームを進めることになってしまう。 状態変化を起こすような攻撃が多いのに、それを回復する魔法がなく、 回復するアイテムのゲットも運任せってのはいただけない。 そうならそうで、アイテムの合成であるとか、 ある程度プレイヤーの戦略によってアイテムを使っていけるような仕掛けがほしかったところ。
戦闘のバランスもなぁ・・・。 場当たり的で戦略性に欠けるという印象にも関わらず、 能力上昇系の補助魔法の重ねがけが効き、使えすぎるので、 どうにも作り手の想定しているレベルより低くてもスイスイ勝ててしまうっぽい (ボスを倒したらレベルが3つ上がった、なんてことも)。
ゲームクリアの必須条件ではないんだけど、 最強の武器を得るには最強の敵(ラスボスより強い)を倒さなければならないってのも、 意味がないんじゃないかな。
ラスボス戦の結果でエンディングが変わる (全滅しても完全にバッドエンディングというわけではない)という仕様も、 それ自体はアリなのかもしれないけど、 ラスボスの強さが異質(ストレートに進むとまずラスボスで全滅する)なだけにいかがなものか。 経験値稼ぎでは、敵との遭遇率との低さが逆に面倒臭さに繋がってしまってるし・・・。 まぁ、そんなに内容のあるエンディングでもないんで、 オマケ的な存在ということで許容範囲内、ということもできるか (全滅後のエンディングの方が正道という気もするし)。
細かいところでは、ポーズメニューの使い勝手が良くないのが気になった。 アイテムのソートができないなんてのは、非常に信じがたいことだ。 持てるアイテム数に制限があるのに、 イベント用アイテムもその他のアイテムと同列にカウントされ、 場合によっては、かなり持てるアイテム数を圧迫するってのもいただけない。 イベント用アイテムは別枠にすべきだったろう。
銃系の武器は戦闘が終わるたんびにポーズメニューを開いて弾の装填をしなければならない、というのも面倒。 戦闘が始まるときに自動的に装填してくれてもよかったろうに。
データロード時に、コンフィグでのキー配置の変更は反映されるのに、 振動のオン・オフの設定が反映されない(基本はオン)というのは、 (自分のように)振動は鬱陶しいだけと思っていて振動オフでゲームすることを常としている人間に対しての嫌がらせか?
思っていたほど、『バイオ』系ADVな部分とRPGな部分のマッチングにギャップは感じなかったし、 あえて普通のRPG的じゃない世界観・設定はなかなかツボだったし評価もできる。 ただ、それゆえに一般的にいまいちウケなかったのも理解できるし、 ましてや(ゲーム部分での)ADV的な要素、RPG的な要素が、これといった特色もない上に作りが粗いとあっては、 まぁ自業自得というか、それほどフォローする気にはなれんのも確か。
とりあえず、PS2『シャドウハーツ』もプレイしてみようかな、という気にはなれた一本だった。
2001年8月25日記載

REPORT『デストレーガ』
PlayStation
1998年9月23日発売発売:コーエー 開発:ω-Force
最近になってPS2『真・三国無双』で見事なヒットを飛ばしたω-ForceのPS『三国無双』に続く第2弾 (で、その次がN64『ウィンバック』、その次が『真・三国無双』ということになっている)。
その内容は、移動面を縦から横に変えた『サイキックフォース』といった感じの対戦型ゲームで、 平面をダッシュを使って移動しながら魔法を撃ち、近づけばコンボで殴ったり、というもの。 ジャンプができたり、地形に鷹揚があったりするので『バーチャロン』的と捉える人もいるだろうけど、 魔法を撃つという設定、バリア、ダッシュ、コンボといった各要素から考えても、 やはり『サイキックフォース』の流れを受け継いだ作品と考えるのが無難だろう。 ちなみに、発売時期的にはAC版『サイキックフォース2012』稼動のちょい後といったところかな?
操作系は、十字キーで移動、R1でダッシュ、L1でガード、□、△、○で魔法攻撃(敵との間合いが近いと近接攻撃)、×でジャンプ。
攻撃関係のシステムはかなり独特。
まず、□ボタンの「速(ティル)」、△ボタンの「力(アス)」、○ボタンの「散(フォウ)」という3種類の使い分けが基本で、 概ね、ティルは弾速の速い攻撃、アスは弾速は遅いけど威力の高い攻撃、フォウは(特に上下の)ホーミング性の弱い弾を放射状に数発出す攻撃ということになっている。 そして、レバーでコマンドを入力する攻撃は存在せず、 ボタンを押す順番の組み合わせによって攻撃魔法のバリエーションを生み出す。 魔法のレベルはボタンを押す回数によって3段階で、 レベル1の魔法はボタンを1回押すもので計3種類、レベル2は2回押すので計9種類、レベル3は2種類のボタンを3回押すので計21種類、 さらに3つのボタンをそれぞれ1回ずつ押すことでスペシャル魔法を出すことができる。 ダッシュ中に入力することで性能が変わる魔法なんかもあるので、キャラごとの魔法の種類は実に膨大。 ただ、最初のボタンで弾の基本性能が決まり、 その後、ティルを押すと弾速が速くなり、アスを押すと弾の威力を強くなり、フォウを押すと弾の数が増える、 というある程度の法則性があるので、意外にスンナリと把握できる。 魔法同士がぶつかった場合には、基本的に低いレベルの魔法は打ち消されてしまい、 同レベルの魔法同士がぶつかった場合には、ティル、アス、フォウが3すくみの関係になっている。 ボタンを押すとその呪文を唱え(「ティル、アス!」とか「アス、アス、フォウ!」とか)、 その呪文の声で攻撃を読ませようとする試みはなかなか面白い。
魔法を出すには「チャージゲージ」が必要となり、 魔法のレベルに応じてそれぞれゲージの1/3、2/3、3/3を消費し、 ゲージは自分の状態に関わらず時間と共に回復する(ゼロからMAXまで回復するのに約4秒ほど)。
他にチャージゲージを消費する行動には「チャージガード」「チャージダッシュ」「チャージジャンプ」があり、 それぞれ、魔法攻撃の準備段階であるチャージ中(呪文を唱えてから魔法が発生するまでの間)に、 ガード、ダッシュ、ジャンプボタンを押すことで技を出すことになる。 「チャージガード」は魔法を完全防御するバリアで、チャージガード展開中にはグングンとチャージゲージが減少していく。 「チャージダッシュ」は相手の魔法を打ち消しながら相手に接近する攻撃判定を持つダッシュで、 ヒットすると相手をよろけさせ、そこからコンボが確定。 ただ、レベル2の魔法を打ち消すにはレベル2以上のチャージが必要だったり、 レベル3の魔法は打ち消せなかったりと、そんなに信頼度は高くない。 「チャージジャンプ」は、ジャンプしてレベル1の魔法を連射するもの。 独特の黄色に光るエフェクトが付くのでバレやすく、それほどダメージが高いわけでもないので、使用頻度は低め。
ガードは魔法攻撃に対しては威力を半分にするだけで、 魔法によってはダウンさせられたりよろけたりしてしまうので、魔法の防御手段としてはあまり使えない。 また、相手の魔法が当たる直前に(といっても判定は甘め)ガードボタンを押すことで「弾き」が発生し、 ノーダメージで相手の魔法を打ち消すことができる。 ただし、弾けるのは一発だけなので多弾の魔法には使えないし (一応、1発目を弾いてチャージガードでキャンセルし残りをガード、という対処法はある)、 スペシャル魔法を筆頭に、弾けない魔法も結構存在する。
チャージガードが咄嗟に出せないシステムだけに、起き上がりはかなり無防備になるんだけど、 それはダウンから起き上がりまでの時間をかなり自由に調整できることによって対処してるっぽい。
吹き飛ばされているときにガードボタン連打で空中受け身 (実際にはどのボタンでもいいから3回押した後にガードを押せばOK)。 絶対的に強いシステムでもないんで、なんでガードボタン1回で受け身ができるようにしなかったのか疑問が残る。
近接攻撃はまさに『サイキックフォース』チックで、 □の小攻撃、△の大攻撃で最大4発のコンボ攻撃を行い、最後に魔法でキャンセルしてコンボになったりもする (ただしシステム上、相手に攻撃をガードされた場合にはキャンセルはできない)し、 ボタン連打の小攻撃×4だと魔法でキャンセルできなかったりもする。 投げが無い代わりに、○ボタンによる回り込み攻撃があるものの、 ダメージが高くない割に、対応されやすく、ガードされると隙だらけ、とガードを崩す手段としてはあまり有効ではない。 ガードを崩すには、手動で回り込むようにダッシュして近接攻撃を行うか、ダッシュで離れて魔法攻撃をするかしかない。
ダッシュは小回りが効かない。 ダッシュをガードボタンでキャンセルすることを覚えればまだマシになるとはいえ (このことくらい説明書に書いておいてほしかった)、 それでも“キビキビと自由に”っていうのとは程遠い。
ステージは結構広めで、地形の鷹揚も大きめ。 グラフィックは(もちろん“PSレベルでは”だけど)ハイレベル。 ステージがこれだけの広いのに、キャラクターのモデリングはそれなりのレベルを保っているというところに、 技術力の高さがうかがえる。 各種モーションも無難なデキ。 どういう位置にいても、顔が相手の方向を向いてるなど芸が細かい。 ただ、ひとりだけ乳揺れしてるのは“芸が細かい”というよりも“ムダ”だと思うが。
キャラクターは12人。 忍者キャラである「クウガ」の手足が異常に長く猫背でいまいちカッコよくないのと、 お姫様でややロリ系な「アンジー」がヘンなマスコットキャラっぽいものを連れており、 これが他の世界観にマッチングしてない(&説明不足)のは気になったけど、全体的に無難。 システムがシステムだけにキャラの性能的な差別化はイマイチだけど、 まぁできる範囲で頑張った部類か。
モードは、 アーケードゲームタイプでストーリー性皆無な「1P BATTLE」、 クリア時間を競う「TIME ATTACK」、 敵を倒したときの残り時間によって体力が回復する「ENDURANCE」、 練習用の「PRACTICE」とあるし、 対人対戦用にも「VS」と「TEAM BATTLE」があるしと、一通り揃ってるという印象。
で、変わりダネなのは「STORY」モード。 ストーリーにそって設定されたキャラクターで戦うというもので、 ポリゴンのイベントシーン→バトル→イベントシーン・・・を繰り返していく。 イベントシーンはフルボイスでキャラクターもそれなりに演技をするし、 バトルも20戦以上、途中でセーブ可と、それなりのボリューム。 ただ残念ながら、からっきし面白くない。 いくらそれなりのイベントシーンがあるとはいえ、やはりそれなり。 ストーリー自体に臨場感も面白みもない上に、説明不足という以上に「は?」な展開も目立つ。 垂れ流しぎみなBGMは『ウィンバック』を思い出させる。 また、分岐もないしバトル自体は「1P BATTLE」となんら変わらずと、ゲーム的な面白みもない。 いや、確かに家庭用ゲーム機じゃないとありえないモードではあるし、 このテのゲームではいつも「家庭用ゲーム機なりのモードがほしかった」なんてな意見が出がちなんだけど、 別にこういうモノを求めてるわけじゃあるまいに。 オマケってことにしといても良いんだけど、 ヘタげに手がかかってるように見えるだけに、かなり疑問。 こんなの作る前に、各キャラに1つずつしかない勝ちポーズを増やしてほしかったぞ。
で、残念ながら、ゲームそのものも面白いとは言いがたい。
ひとつはシステム以前の問題で、 立体的な要素がなんの面白みにも繋がっていないということ。むしろ足を引っ張ってる。 第三者的な視点なので、地形が把握し辛く、 「え?」という感じで魔法が地形に遮られることが多いし、 魔法の性能的にも地形に対してどうなのかが曖昧。 屋根の下に入った時には屋根が透明になる仕掛けがあるものの、 一部で柱も透明になってしまい、それが見えない壁になってしまうこともある (半透明で処理されれば問題なかったんだろうけど、さすがにハードパワーが足りないか)。 極端に上下がある地形は、ジャンプの自由度が低いということもあって、 戦略的にどうのこうのよりも単に戦いが噛み合わなくなってるだけに感じてしまう。 また、高い位置から見下ろすという視点にならざるを得ないので、 魔法の高低の当たり判定が非常に分かり難く、 実際、ジャンプで魔法を避けるというのがかなり難しくなってしまっている。
そして、ゲームのシステムそのものにもイロイロと問題がある。 何より、肝心の攻防の形・軸がハッキリしない。 一番の問題は、魔法の打ち消し合いに関するシステムじゃないだろうか。 Lvによる打ち消し合いと、種類の3すくみによる打ち消し合い、どっちかはいらなかったと思うな。 各種魔法が全体的にホーミング性能が高めで、ダッシュなどでは避け難い攻撃が多いのも気になる。 ホーミングする魔法とそうでない魔法のメリハリがもっとほしかった。 また、連携で攻めるような魔法が少なすぎるので、どうしてもその場その場の戦いになりがち(攻撃に関しては特に)。 布石を置くような戦い方がし難い上に、 チャージ時間があるというシステム上、咄嗟に攻撃することもできず、 例えば相手の攻撃の隙のこちらの攻撃をヒットさせる等の要素もかなり薄い。 魔法の性能・使い方のバリエーションではなく、システム的な攻防に重みを置きすぎな傾向がみられる。 で、その割に、スペシャル魔法が強すぎるように思う。 相手の魔法に打ち消されず、弾きが効かず、チャージダッシュも潰せ、ダメージもデカい上に、 消費チャージはレベル3の魔法と同じだし、効果持続が長めで防御的にそれほど問題もナシと、リスクも大きくない。 CPUがスペシャル魔法の対処が甘いということもあるんだろうけど、 どうにもコレに頼りがちになってしまう。 近距離、しかもギリギリで攻撃がヒットしないような距離から自動的に近接攻撃が出てしまうという仕様も問題アリ。 特に、このゲームの場合、魔法攻撃前のチャージからの行動が多いので余計にそれがイタい。 例えば、近接攻撃と魔法攻撃の境目で魔法を撃ちながら相手に近づくと、相手はチャージガードができずハメっぽくなる (一応、ジャンプ直後にチャージガードっていう対処法があるっちゃあるんだが)。
結局、“複雑な上に大味”という印象になってしまった。 もっとやり込んだ上での対戦だとまた変わってくるんだろうか?
このω-Forceというチーム、 『三国無双』『真・三国無双』の評判を聞き、 『デストレーガ』『ウィンバック』を見る限り、 かなりの技術力を持ってることは間違いないんだろう。 ただ、面白いゲームを構築するという力が、その技術力に見合ってないんじゃないかと思ってしまうなぁ・・・。
2001年8月21日記載