REPORT『ジャック×ダクスター 旧世界の遺産
PlayStation2
2001年12月20日発売発売:SCE 開発:Naughty Dog
『クラッシュバンディクー』を作り出したNaughty Dogが送る新作3Dアクションゲームで、 体験版を30万本配布するなどSCEの力の入れようはスゴかったものの、売上げ的にはかなり撃沈の予感。 いや、最初に発表されたときから、これは日本じゃウケ難いんじゃないかとは思ってたんだけど・・・。
ゲーム内容は、『クラッシュ』とは違って、 『マリオ64』『バンジョーとカズーイ』なんかに近い平面を自由に動けて周囲を自由に見渡せるタイプの3Dアクションゲーム
操作の基本は、左スティックで主人公「ジャック」の移動、×でジャンプ、R1でしゃがむ、□でパンチ、○でキック。 移動中にしゃがむと前転、その間にジャンプで「前転ジャンプ」となり、これが距離が一番稼げるアクションで、 一方のしゃがみながらジャンプの「スーパージャンプ」は、高さが一番稼げるアクション。 ただ、空中でキックするとある程度滞空し、ジャンプ中に×で2段ジャンプもできるので、 ここらへんを使ってもそれなりに距離や高さを得ることができる。 『クラッシュ』とは違って、足場の端っこに掴まるアクションもアリ。
攻撃は、ある程度直線的に突進し、距離的にはアバウトに使えるパンチと、 その場で回転し、攻撃範囲の広いキックを使い分けていく。 最初は2種類の攻撃パターンなんていらないんじゃないかと思ったけど、この使い分けには面白みがある。 また、パンチ→ジャンプやしゃがみながらパンチで真上に攻撃するアッパーを繰り出したり、 ジャンプ中にパンチで、真下への頭突き攻撃を行う。
視点操作は右レバーでのカメラ回転とのみ(ちなみに、上下ではカメラのズームイン・アウト)。 あと、△ボタンで主観で周りを見回すことはできる。
先に進むのに必要になってくる「パワーセル」というアイテムがあり、 各所にあるこのアイテムを集めながら先に進んでいくというのがゲームの流れ。 また、この世界でお金代わりに使われているという「オーブ」もマップ中に点在し、 住人に一定数のオーブを与えることでパワーセルが貰えたりする。 要するに、 『マリオ64』でのスター、『ドンキーコング64』でのゴールデンバナナ、『バンジョー』でのパズルのピースにあたるのがパワーセルで、 『マリオ64』でのコイン、『ドンキーコング64』でのバナナ、『バンジョー』での音符にあたるのがオーブと考えるとわかり易い。 全部で101個あるパワーセル、全てを集めなくてもクリアは可能というのもこれらのゲーム同様。
一定時間パワーアップするアイテムとして「エコ」があり、 特に、スピードアップする「青のエコ」と、 遠距離攻撃ができるようになる「黄色のエコ」は良いアクセントになっててグッド。
道中には「ズーマー」というエアバイクのような乗り物にのったり、 「フラフラ鳥」というチョコボのような鳥に乗ったりして進む場所があり、これも良いアクセントになってる。 特に、ズーマーの浮遊感は秀逸で個人的には結構ツボにハマった。 このゲームの最大の特徴は、 ワールドマップがあってそこに各ステージへの入り口が点在していて・・・、という作りではなく、 全てのマップが境界無く繋がっているところにあると思う。 マップは起伏豊かな作りになっていて、 孤島、森、浜辺、遺跡内のダンジョンっぽい場所などバリエーションも多彩で、それらがシームレスに繋がっている。 背景は細かい部分まで描き込まれてる上に、 描画される範囲が非常に広く、かなり遠くまで見渡せることができるので、 この広大なマップを進んでいるだけでもかなり楽しい。
先に『ICO』をプレイしたのでそれほどの衝撃はなかったものの、描画される範囲の広さもこのゲームの特徴で、 PS2以前のハードでは表現不可能な部分だろう。 そのグラフィックは物量的な部分に目がいきがちだけど、エフェクトや質感なども上々で、 風景が朝昼晩と変化していくのも、雰囲気作りとしてはグッドだった。 ギザツキこそ目立つものの、その代わりか、描画が滑らかで安定してるのは嬉しいところ。
この世界の住人との会話のシーンでは、 ディズニーアニメを思わせるようにキャラクターがコロコロと表情を変えるところが楽しい。 特に、主人公「ジャック」の相棒である元人間のイタチ「ダクスター」は、 表情、動き、軽口を叩くセリフ、それぞれがマッチングしていて、非常に魅力的なキャラクターになっている。
とりあえず、3Dアクションゲームとして及第点は軽くクリアしてると思う。
で、わかり易い部分でのマイナス要素は、距離感の掴み辛さだろう。 この最大の原因は、全体的に視線が低いというところにあると思うし、 場所によってはキャラクターまでの距離が遠くなってしまうというのもある。 視点が固定される(回転できなくなる)場所での調整もイマイチ。 視点にはかなり気を使って作られたという話は聞いたけど、まだまだ調整が必要。 これに関しては、右レバーの上下で視点の上下ができれば随分と改善されたんじゃないだろうか (ズームイン・アウトなんて使う機会はなかったし)。 崖っぷちなどでいちいち主観にしないと下を見れなかったりする (さらに、真下方向はどうしても見難くなってしまう)のは意外にストレスになっており、 それも随分解消されたはずで、周囲を見渡す行為がもっとストレスなく行えただろう。
予想以上に内容が淡白なのも気になるところ。
マップの広さ、細部の描き込み等の作りこみは素晴らしいのに、 意外に「こんなところにも行けたのか」とか「こんなところにこんなアイテムが」的な楽しみは薄い。 “箱庭的な舞台の中にルートがある”というよりも、 “一本道的なルートを組み合わせて箱庭的な舞台を作った”そんな感じを受ける場所も多い (見た目以上に『クラッシュ』の影響を強く感じた)し、 上記の周囲を見渡す行為の事も含めて、 周囲を自由に見渡せる3Dアクションゲームの作りに、まだ慣れきっていないのかもしれない。 それもあってか、思っていた以上にアッサリとパワーセルとオーブを全て集めてしまった。 セーブデータにプレイ時間は残らないんだけど、 おそらくプレイ時間は15時間は超えていないはず。 パズル的な要素を増やすとかミニゲームを増やすとか、 もっとプレイし甲斐のある内容にできる余地はあったと思う。
この淡白さの一因となってるのが、体力、残機、コンテニューあたりの仕様だろう。 残機という概念は無く、いつ死んでも割と近くから復活。 で、問題は、一度アイテムをゲットしてしまえば、死んでしまってもそのアイテムを取ったことになっているという仕様にあると思う。 例えば、ジャンプして空中にあるオーブをゲットしたまま落下して死んでしまっても、 そのオーブはゲットしているという状態での復活となる。 結構頻繁に死ぬゲームなのに、全くと言っていいほどその死に緊張感が無くなってしまった。 その結果が「なんか淡白」という感想に繋がっていると思う。 ここはもっとオーソドックスな形で良かったんじゃないかな。 また、体力はMAX状態で3つのゲージがあって、当然ダメージを受けるとそれが1つ減る。 回復する手段のメインとなるのは「小さな緑のエコ」で、これを50個集めると体力ゲージが1つ回復 (一応、ゲージが1つ回復する「緑のエコ」も極稀に出現する)。 敵を倒したり、宝箱を壊すと、2〜5つくらいの「小さな緑のエコ」が出るんだけど、どう考えてもこれを50個ってのは多すぎだろう。 体力回復の機会が少ないという問題もあるし、やはり面倒臭い。 そして、こういう調整を許してしまってるのも、死に緊張感を持たせられなかったことに起因してると思われる。
結局、期待していたほどの遊び甲斐は感じられず。
基本操作では2段ジャンプにやや問題アリか。 まず、タイミングが若干シビアなのがいまいちシックリこなかった。 いつでも2段ジャンプできるわけじゃなく、ジャンプの頂点からちょっと落ちたくらいのタイミングでしかできない。 そこまでシビアなわけじゃないし、それほど大きなマイナスではなかったんだけど、 あえてこういう仕様にした意図がわからない。 また、通常のジャンプがあまり高くなく、結構ギリギリで足場があったりするので、 どうしても2段ジャンプを多用しがちになり、これがビミョーにテンポを悪くしてるように思う。 ・・・っていうか、この2段ジャンプはいらなかったんじゃないか? その分、通常ジャンプにもうちょっとだけ高さを与え、 基本的にはもっとスイスイと進める作りにして、 タイミングをとらせる場所ではとらせるといったメリハリの付け方をした方がベターだったんじゃないだろうか。 遠くまで跳ぶには前転ジャンプ、高く跳ぶにはスーパージャンプがあるわけだし。
ゲームとしてはそれほど大きなマイナスではないんだけど、 個人的に気になったのは「コンビ」ということについて。 パッケージ裏には「友情×アクション!」とあるし、TVCMなどを見ても分かる通り、 ジャックとダクスターという2人のコンビで押している部分がある。 で、アクションゲームのコンビとなると自分的には『バンジョーとカズーイの大冒険』を思い出してしまうわけだけど、 正直、アレほどはコンビの旨みが感じられなかった。 バンジョーとカズーイの場合、二人のキャラクターのギャップが面白かったわけだし、 さらにそれぞれを生かしたアクションがあって、まさに相互作用でゲームが魅力的になっていたと思う。 それがこのジャックとダクスターの場合、 確かにダクスターというキャラクターは魅力的なんだけど、 一方のジャックは全く喋らないということで無色すぎるという印象だし、 逆にアクション面ではダクスターを活用するようなアクションは皆無で、完全にジャックに委任されている。 コンビという部分を押すのであれば、もうちょっとそれを生かしてほしかったし、 ジャックをここまで不自然に黙らせておく必要はなかったんじゃないだろうか。
吹き替えがシッカリしてるところには好感が持てるけど、 一部にはエフェクトがキツすぎて声が聞き取り難いキャラも。 できれば字幕も欲しかったところだ。
BGMは『クラッシュ』同様、どうもノリが悪い。意外にイタい部分だった。
全てのパワーセルを集めてのオールクリア時のエンディングは超肩透かし。 別にエンディングを重視する人間じゃないんだけど、さすがにコレはないと思うぞ。
良作なんだけと淡白。プレイし終えての印象はPS『スパイロ×スパークス』なんかに近いものがある (キャラで損してるっぽいところも似てる)。 結構期待していただけにちょっと肩透かしを喰らった感もあるけど、 良作であることは確かだと思うし、PS2というハードでこの系統のゲームがプレイできただけでも嬉しかった。 続編にも期待したい。 あまり売れないようだと、おそらく作られるであろう続編が日本で出るかどうかも怪しくなってくるので、 ちょっとオマケでオススメマークを付けとくことにする。 視点にしてもそこまで致命的というわけでもないし、 3Dアクションゲームの取っ掛かりとしては良いかもしれない。
2001年12月24日記載

REPORT『零 〜zero〜』
PlayStation2
2001年12月13日発売発売:テクモ
かなり久々な感じがする和風心霊現象をネタにしたゲームで、 襲ってくる心霊に対して、写真に撮ることで攻撃するというアクションアドベンチャー。
形式としては『バイオハザード』タイプと言えるだろう。 デフォルトではレバーを入れた方向に進む仕様になっているんだけど、 『バイオ』チックに激しく視点が切り替わる (で、お決まりのレバーを入れっぱなしにすると視点が切り替わってもその方向に進み続けるというフォロー付き)ので、 オプションでいわゆるラジコン操作に変更してプレイするのが無難
視点は視覚効果重視なところがあり、 行ける場所、行けない場所がわかり難いところがあるし、 主人公が地形に引っかかる感じを受けることも多い。 一応、アイテムがある場所は光ってくれるんだけど、 その判定が意外にキビしく、目の前にあるはずのアイテムがなかなか取れなくてイライラさせられることも。 ここらへんの作りは、ちと甘い。
夜の「氷室邸」という古い屋敷を舞台にゲームは進行し、 主人公「深紅(みく)」は懐中電灯片手に行方不明になった兄「真冬」を探すことになる。
序章、第一夜、第二夜、第三夜、最終夜という5章仕立てになっていて、 その序章は、「真冬」がミステリー作家「高峰準星」の足取りを追って氷室邸にやってきて行方不明になるまでのお話で、 ストーリー的な導入でもあり、チュートリアル的な側面も持つ。 第一夜からかなり行動範囲は広く、氷室邸のかなりの部分を踏破することになるだけど、 その代わりに、配置されるアイテムは章が変わると一旦リセットされる。 戦闘がキビしめなゲームなだけに、そういうアイテムを逃さず取っていくことが重要になってくる。
カメラは随時構えることができ、主観で周りを見ることができる。 特定箇所でイベント的に突然現れてすぐに消えてしまう心霊をカメラに納めてポイント(カメラのパワーアップに使う数値で戦闘でも得られる)を稼ぐという部分は、 緊張感があってなかなか楽しめた。 さらに、通常の視点では見れない場所のアイテムを見つけたりする以外にも、 写真を撮ることでヒントが得られたり、 心霊写真が撮れてポイントがゲットできたりするものの、 そういう写真を撮るべき場所ではセンサーが反応して教えてくれるので、 自分で考えてどうのこうのとか、たまたま撮った写真に心霊が!っていう面白さはナシ。 また、 光らない部分にあるアイテム(資料系)であるとか、通常視点で見えないアイテムに気付かせるための、 『サイレントヒル2』などにもあった、主人公がアイテムがある場所の方向に顔を向けるというフォローもアリ。
で、このゲーム最大の特徴はカメラで戦うというところにある。
で、このゲーム最大の難点もこの戦闘にある。
カメラを構えて、画面中央の「キャプチャーサークル」内に心霊を捕捉するとパワーが溜まっていき、 シャッターを切ると、そのパワーに応じたダメージを与えるというのが基本。 敵をキャプチャーサークルから逃しても溜めたパワーはそのままだけど、 カメラを構えるのを止めると溜めたパワーはキャンセルされる。 また、敵が攻撃モーションに入ると「キャプチャーサークル」が黄色く光り、 その時に攻撃するとその攻撃をキャンセルさせることができる。 というのが戦闘の概要。
この戦闘が予想以上にキビしい。 単純に“難しい”っていうんじゃなく、まさに“理不尽” (ちなみに、総合的な難易度としてはそこまで難しいゲームじゃない)。
まず通常視点のマズさ。 これは『バイオ』系では言わずもがなのことで、 視点によって、周囲の状況の情報が大きく左右される(限られる)というのが致命的。 ひとつひとつの戦闘よりも戦略が重要になるゲームならまだしも、こういうゲームには非常に影響が大きい。 視点的に画面上には見えてない敵から突然攻撃を受けるようなこともしばしばで、 ここらへんは戦闘を前提とした調整が不足してるとも感じる。
一方のカメラ視点は、 視野が狭く正面を向いた状態では足場などの地形を把握できないし、距離感が掴み辛いのも気になる。 心霊ということでほとんどの敵がワープのような移動をしてくるし、地形も全く無視して貫通してくるので、 カメラを構えた状態で敵を捕捉し続けるのはほぼムリ。 よって、“移動しては敵の方向を見てカメラを構え、敵を見失ったらカメラ構えを止めて敵を探し・・・” という形にならざるを得ない。
で、この通常視点とカメラ視点のマッチングが悪い。 通常操作は上記の通り本来ならデジタル入力でのラジコン操作がベストだろうし、 ×ボタンで走り、右レバーは懐中電灯の操作に当てられている(オマケ的な要素で特に使い道はない)。 一方、カメラ視点では、左レバー(or十字キー)で上下左右の視点移動、 右レバーで前後左右の平行移動(ただし速度がかなり遅いので補助的なもの)というDOOM系ゲームのような操作になる。 通常操作ではメニューを開くことに割り当てられてる□ボタンを押しながらだと視点移動の速度が上がるってのも、 取って付けたようで具合がよろしくなく、 2種類の操作を強引にくっつけただけという印象が拭えない。
他にも、遮蔽物があるとこっちからは攻撃できないのに、壁の中から攻撃されたり、攻撃の予備動作が見えなかったり・・・。
そして、そんな理不尽さの割に、敵からのダメージがデカいのが困りもの。 1回の攻撃で全体力の1/3〜1/2のダメージを受けてしまう。 そもそも、戦闘の回数が多すぎて、心霊の存在が軽くなってしまったという印象もあるし、 もっと戦闘の機会を減らす代わりに、ひとつひとつの戦闘のウェイトを重くすべきだったんじゃないかな (当然、攻撃を受ける回数が増える割に、一回に受けるダメージを少なくする、と)。 回数はそれほど多くないものの、2体以上の敵を相手にすると更に理不尽さが増で、 敵の把握し辛さには拍車がかかり、2体から連続で攻撃を受けたりもしてしまう(それだけで瀕死or死亡)。
ラスボスがエラく弱かった(ゲーム中、1、2を争う弱さ)ってことからすると、 製作者側はこの戦闘のサジ加減のポイントであるとか システム的な理不尽さに気付いてなかったんじゃないだろうかと勘繰りたくなる。
そろそろ、何も考えずに『バイオ』の手法を踏襲するのはやめてほしい。 このゲームの場合、カメラを使って主観で攻撃するというのを主にするとした時点で、 ゲーム本編も主観、あるいは主人公を背後から見るような視点をメインにするべきだったんじゃないだろうか。 そうでないなら、主観視点の操作である程度完結するような戦闘を目指すべきだったと思うな。
そして、重要なポイントである“恐怖感”の演出について。 そこにポイントが置かれて作られただけあって、 それこそ『バイオハザード』シリーズなんかとは比較にならない恐怖感が体験できるのは確か。 ポイント、ポイントでは光る演出もあった。 ただこの『零』は、序盤から“オカルト、オカルト、まず心霊ありき”で攻勢をかけてくるので、 日常と非日常のギャップを上手に使っていた『トワイライトシンドローム』や『夕闇通り探検隊』なんかとは若干路線が違う。 個人的には、『怨霊戦記』などに代表される一連のWINGモノを思わず思い出してしまった。 このノリに慣れるまでは「なんだかなぁ」ってところもあって、 お化け屋敷に毛が生えたような印象しか持てなかったし、 中盤以降このノリが理解できてくると、今度はこのノリに対しての(&氷室邸という舞台に対しての)慣れが生じてしまい、 言われてるほどの恐怖感は感じられなかったというのが正直なところ。
そのシナリオの日常・非日常という部分や、グラフィックの明暗、戦闘など、 全体的にメリハリに欠けたところが目立つ。 特に音に関しては、BGMを使いすぎてて鬱陶しく感じる場面も。 環境音だけで進行するような静かな部分をもっと設けてほしかった。
また、ややイベントシーン過多な感じも受け、 「ここはプレイヤーから操作を奪ってまで見せるようなモンか?」と思うこともしばしば。 プレイヤブルな部分に演出を組み込む工夫がもうちょっとできたんじゃないだろうか。
テープレコーダーや幽霊の断末魔など、 音声で雰囲気を盛り上げる要素には可能性を感じたものの、 イマイチ生かしきれてなかった。惜しい。
意外に心霊写真も恐怖の演出としては全く機能してなかったけど、 これはゲームの形式を考えればやむを得ないところか。
ストーリーそのものは悪くない。 氷室邸で過去に起きた事件と、今起きている事件のリンクには面白みがある。 ただ、最後の最後で、主人公と離れたところでストーリーが展開したところには、ついて行けないものを感じた。 過去の事件←高峰←真冬←深紅という構図ではなく、 過去の事件←高峰←真冬という構図にして、真冬を主人公にした方が話は締まったと思う。 まぁ、キャッチーにするために、か弱めな少女を主人公にしたかったってのはわかるんだけどさ。
主観視点で見る機会が多いだけに、ちょっとした粗さが目立ってしまう部分はあるものの、 グラフィックは建物、心霊、エフェクトなど頑張ってる。 それでもあまり好印象とならないのは、人物の顔のモデリングがイマイチだからか。 どうもディフォルメ具合が中途半端。 アップでそんなに見られたようなモンでもない割に、 イベントシーンで必要以上に深紅のアップが多いのもイタかった。
キー配置が自由に変えられないのはマイナスで、 用意されているキー配置のバリエーションも少なすぎ。 主観視点での上下操作のリバースができないのも×。
地味なポイントながら、セーブデータが約1800KBと巨大なのも頂けない。 手持ちのPS2ゲームの中で一番デカいじゃないか・・・ (次点は『みんゴル3』の約1500KB)。 ゲームのジャンルからすれば異常といってもいい。
1周目のプレイ時間はセーブデータ上では7時間ちょっと。 やり直した箇所も多かったけど、まぁ10時間は超えてないはず。 2周目はアイテムを引き継いだ状態でのプレイとなり、 心霊写真のコレクションモードがあったり、高難易度にできたり、コスチュームが変えられたり、 それ以外にも全20ステージのバトルモードがあったりと、それなりに工夫の跡が見られる。 本編に若干の物足りなさはあるものの、このジャンルのゲームとしてはまぁ平凡なボリュームってとこか。
和風心霊現象を扱ったところは買う。 ある意味、そこにどれだけの価値を見出せるかにかかってる。 お化け屋敷レベルで終わってる感はあるけど、恐怖の演出もそんなにヒドくはないし、 同じ和風心霊現象系ということでは、とりあえず『トワイライトシンドローム 再会』よりかは随分とマシ。 戦闘を除外すれば“ややお気に入り”くらいにはなったかも。 でも、自分にとってはそこ止まりのゲームだった。 ゲームとしてのマズさもさることながら、 もうちょっと想像力に訴える作りにしないと、こういうテーマは最大限に生かされないんじゃないかな。
そういや、屋敷内の各所にあった大きな鏡は、結局何だったんだろ? 結局一番驚いたのは、その鏡に映った深紅の姿だったなぁ・・・。
2001年12月23日記載

REPORT『DRACONUS -Cult of the Wyrm-
Dreamcast[海外]
2000年6月21日発売発売:Crave Entertainment 開発:Treyarch
いよいよ、Dreamcastでも海外ソフトに手を出すことにしてみた。 で、比較的手頃な値段で手に入るということもあって、その自分的な第一弾がコレ(&『GTA2』)。
ゲームの形式としては、 『トゥームレイダー』なんかに近い視点で進行する欧風ファンタジー系剣振りアクションゲーム。 “DC『ベルセルク』の視点を背後に固定したバージョン、洋ゲー風味”って感じかな。 ジャンプでの移動の自由度が低い(『トゥームレイダー』のようなアクションがあるわけじゃない)ので、 ゲームの流れとしては、“アドベンチャー色の強いDOOM系”ってな感じも受ける。
アナログレバーの前後で前進後退、左右で旋回、LRキーで左右平行移動というのが基本的な操作で、 視点関係の操作はL+R+アナログレバーでの周囲の見渡しだけ。 通常の視点はガッチリとキャラクターの背後に固定されているものの、 極一部での地形的にキャラクターの背後から見れない場所などでは、『バイオ』風のラジコン操作を強いられる場所も。 個人的に、前後後退+左右旋回という操作はアナログ入力には不向きだと思ってたんだけど、 このゲームではかなり違和感なく気持ちよく操作できる。 とりあえず、キャラクターを動かしててストレスなく気持ちいいというのは大きなポイントだろう。 また、LRキーそれぞれ2回押しでの左右転がりは、このゲームで唯一の緊急回避的な行動といえる。 ジャンプはBボタン。 高さはそれほどでもないし、戦闘に組み込まれることもほとんどないはずなので、そんなに重要度は高くない。 全体的に、まるで月にでもいるかのようなミョーな浮遊感があるのは気になるところだし、 ハシゴの途中から飛び降りられないのも×。
戦闘は、Xボタンでの剣振りと、Aボタンでの防御が基本。 アタックはレバーを前、左右、後ろに入れながら行うことでそれぞれ 「Thrust(突き)」「Left or Right Swing(左右払い)」「Bash(強打)」と変化するし、 Right-Bash-Bashとか、Thrust-Left-Bashなど、決められたパターンで3回入力することで、 独特のモーションによる強力なコンボ攻撃を行う。
自キャラの攻撃モーションは非常にカッコイイ。 重たげな片手用剣を振り回すその様からは、 どうしても殺陣や剣道の影響が強くなってしまう和モノのゲームにはない、本場の香りがプンプンと漂ってくる。
ただこのゲーム、コンボの3発目で敵を吹っ飛ばす以外にはマトモなヒットバック(のけぞり)がなく、 必ずしもコンボが全弾ヒットするわけじゃないし、 全体的に振りが大きいゲームなので、その途中で逆に敵に斬られたりもする。 その場合、自分側にもヒットバックはないんで、そのまま剣を振るのも可。 となるとお互いに剣を振り回すような大味な展開になりがちなんだけど、 かなり防御できるタイミングが自由なのが救いで、 剣を振り上げた後や剣を振り終えた後でも防御ボタンを押せば防御してくれる (もちろん、正面以外からの攻撃は防御できない)。 で、ちょっと慣れてくると、防御して突き、払い、そこで敵が攻撃してきたので防御して、 突き、払い、今度は敵に隙があるので強打でフィニッシュ!なんていう戦いになってくる。 もちろん敵も防御するわけで、キン!キン!と剣と盾がぶつかりあってる様はやはりカッコイイ。 とはいうものの、敵の防御できる・できない(する・しない)の基準が曖昧で、 その防御を崩す手段がないとなれば、やはり大味と言わざるをえないんだが。 戦闘は概ね1〜2体の敵を相手にする(終盤など一部では3体の敵が現れることも)。 敵が1体の場合、慎重に戦えばそんなに大きなダメージを受けることはないはずなので、 2体の敵をどう捌くかが、このゲームのキモということになるんじゃないだろうか。 敵は回りこむように動くし、自分は回りこまれないように動くことになり、 画面はハデにグルングルンと動く。3D酔いし易い人は危険だ。
一応魔法攻撃もあって、このゲーム唯一の間接攻撃なんだけど、 そのステージ中に使える回数が決められているというタイプなだけに、 補助的な意味合いが強い。
ステージ開始前にその導入とミッションの目的が、シブいボイスと流れていく字幕によって説明される。 ひとつのステージはそれなりに広く、 あっちいけこっちいけで、 アイテムをゲットしたり、アイテムを使ったり、キャラクターと話したり、敵を倒したりで、 最終的な目的を達成するとそのステージをクリア。 イベントシーンは字幕付きのフルボイス。 ただ、次に行くべき場所は、マップ上に表示されることがほとんどなので、 それほど英語が得意じゃなくても問題なくプレイできるはず。
このゲームには一応、キャラクターの成長要素がある。 ステージ中にある「Blessing Wisp」をゲットし、 ステージクリア後に、Blessing Wisp5つにつき1つの能力を上げることができる (ステージをクリアすると自動的にBlessing Wispが5つは貰えるので、 最低でも1つの能力は上げることになる)というもので、 上げられる能力は「Rank」「Offense」「Defense」「Air Magic」「Earth Magic」「Fire Magic」「Water Magic」の7つ。 「Rank」は上限値で、この数値までしか他の能力を上げることができないというもので、 この能力だけは、1、6、12、17回の能力上昇をした後にしか上昇できない。 この制限のお陰でキャラクターの成長の自由度は低め。 「Offence」「Defence」は、武器や防具をゲットしての攻撃力・防御力アップの他に、 複数の敵に攻撃がヒットするようになるとかもある。 っていうか、デフォルトでの1体の敵にしか攻撃がヒットしないっていう仕様が不自然なんだけど・・・。 また、よくわからんけど、ステージをクリアしていくにつれキャラクターの体力と攻撃力はアップしていく。
キャラクターはゲーム開始前に、オッサン戦士の「Cynric」か、 女魔法剣士の「Aeowyn」かをチョイス。 一番の違いは成長させることができる能力の上限で、 CynricはOffenseを5段階まで成長させることができる反面、魔法は全て4段階、 一方のAeowynはOffenseは4段階で、魔法は5段階。 前述の通り、剣の攻撃が主体のゲームなだけに、Aeowynは上級者向けってことになるんだろうか。 ちなみに、どちらを選んでも王国の第五子という設定は変わらず、 ゲーム中のセリフの内容も全く変わらない。
Krujen、Goblin、Trollといった亜人種の軍団を形成して暴れだしたGiant「Rakka」を倒さねば!というのが話の導入で、 (ストーリー上は)Elf達と共同で、Rakkaの住む浮遊城砦を落とす作戦を開始する。 で、Rakkaを倒すと、その背後にDragonus(竜人)の存在が明らかになり、 さらにその背後には邪悪な竜「X'calith」の存在が・・・という流れ。
グラフィックはなかなか美しい。 各ステージのグラフィックは多彩に変化し、 特に地面とかはかなり「ポリゴンだぞ!」って感じが強く、ある意味大雑把な作りなんだけど、全体的な雰囲気は上々。 禍々しさが出てるそれぞれのキャラクターのモデリングはナイスだし、各種のエフェクトも綺麗。 フレームレートの安定しなさはまぁ洋ゲーらしいところで、 オブジェが増えるとフレームレートが下がるというよりも、オブジェが少なくなると滑らかになる、そんな印象。
シブめだけど熱い主人公と、Krujen、Goblin、Troll、Dwarf、Minotaur、Lizardmanといったファンタジー世界の住人たちとのやり取りは、 かなり楽しいし、 訛りなどでイロイロな種族・キャラクターに特徴づけされてるのも良い。
重厚な雰囲気を醸し出すBGMもナイス。
難易度はそんなに理不尽なものではない。 ステージ中にある体力回復アイテムを見逃さないようにすれば、そんな極端な難しさでもないはず。 ラスボスが異様にキビしい感じもするけど、まぁこれもなんとかなるレベル。 難易度EASYもあるし、洋ゲーの中では比較的遊び易い部類だと思う。
謎解きに面白みがあるわけでもなく、 ジャンプアクションが面白いわけじゃないし、戦闘は大味。 でも、かなり楽しかった。 操作性も悪くないし、理不尽な難しさもない。 大味な戦闘も、つまらないワケじゃないし、 あっちいけこっちいけなのは確かなんだけど、その仕掛けそのものには工夫が感じられてニヤリとさせられる。 何より、「D&D」や「指輪物語」などに通ずる中世欧風ファンタジーの雰囲気が実にナイスで、 その世界の起伏に富んだステージを主観に近い視点で冒険していく感覚は、他では(特に和モノでは)得られないものがある。 こういう世界観に興味がある人にとっては、十分プレイの価値がある一本だと思う。
2001年12月18日記載

REPORT『I.Q FINAL』
PlayStation
1998年12月23日発売発売:SCE 開発:Suger&Rockets
新たに発売された\1800の廉価版が店頭に並んでるのを見て、フラっと購入。
パズルのルールは前作『I.Q Intelligent Qube』と変わらず。 で、今作の主なモードは「I.Q FINAL」「100 ATTACK」「SURVIVAL」の3つ。
「I.Q FINAL」は要するに前作と同じゲーム内容で、 全9ステージをクリアしていくノーマルなモード。 1ステージが3つのセクションから構成されるようになっていたり(前作は4つだった)、 一度クリアすれば、そのステージから開始できるようになったりという変更によって、 若干ダラダラ感は軽減された。 そして最大の変更点は、前作では第1ステージでしか表示されなかったマーカーが、 今作では全ステージで表示されるようになったというところだろう (オプションでマーカーを非表示にすることも可)。 これによって、最大の横ブロック数が1つ増えた(最終ステージの横幅が1つ増えた)にも関わらず、 難易度はむしろ下がってしまった印象がある。 なんせ、最大スピードにしても初回でクリアしてしまったし。 ということで、前作をクリア済みの人にとっては全く新鮮味のない内容ということになるし、 そもそもそれほど中毒性の高いゲームではないし、 高得点を目指すにはブロックのパターンを憶えるしかないだろうしで、 全くプレイ欲がかきたてられない。 また、終盤のステージで処理が重くなるのは、 やむを得ないこととはいえ、このようなレスポンスが重要ゲームではツラいところ。
「100 ATTACK」は、全100面からなるブロックを消して「PERFECT」を取ればクリアという一問一答形式のモード。 前作のレビューでも書いた通り、自分が望んだ通りのモードのはずだったんだけど、これが非常に期待はずれ。 ブロックの流れこそ遅いものの、そのプレイ感は全くノーマルモードと変わらず (そもそもノーマルモードにしてもPERFECTを常に狙っていくゲームなワケだし)。 「模範歩数」内でクリアして初めて真のクリアとなるようなんだけど、 何べんも繰り返してプレイするのは非常に面倒なので、とてもチャレンジする気にはなれない。 思うに、ブロックの前進もプレイヤーの手動で行うようにして模範歩数内でのクリアを目指させるような、 完全思考型のパズルにした方がまた違った面白さが生まれたんじゃないだろうか
「SURVIVAL」は、次々と前方からブロックの群れが生まれては向かってくるという、 感覚的には『テトリス』なんかに近いモード。 ただ、ステージの横幅は変わらず、スピードがビミョーに速くなっていくだけなので、 限界まではダラダラと続く(それこそ横幅4つでスタートすれば永遠に続けられそう)割に、 限界を迎えると粘ることもできずに急に終わってしまう。 足場の増減のルールもこのモードにはマッチングしてないように思うし、 もっとこのモードなりの調整がしっかりとできれば、 それこそ『テトリス』なんかに近い感覚のプレイ感が得られたんじゃないかな。 スタート時の足場の長さとか、ブロックのスピードとかを変更できるにも関わらず、 スコアがステージの横幅の数の違い別にしか残らないってのも×。 ただ、相手のブロックを左右反転させて邪魔をするという対戦モードは未知数 (力の差がハッキリ出そうだし、そう面白いとは思えないが)。
とりあえず、前作よりパワーアップしてることは確かで、 前作と今作と比べるなら間違いなく今作を薦めるし、暇潰し程度には遊べる。 ただ、モードが追加されたとはいえ、そのそれぞれのモード独特の面白さという意味では非常に中途半端な作りになっていて、 予想以上に変わり映えしないという印象だった。 残念ながら、前作の最高難易度をクリア済みな人があえて買うような内容にはなってないと思う。
しかし、前作といい、なんかこう締まりのないゲームなんだよなぁ・・・。
2001年12月18日記載