REPORT『街』
SEGA SATURN
02/19/99
チンチコール!
表現法も実写ということで大きく変化した。 ゲーム性、文章、音楽(BGM&効果音)、ムービーと、恐ろしく完成度が高い。 文章を、テンポや音楽で修飾するのが、非常にウマい。これは、他社には真似できない。 勘違いしないで欲しいのは、サウンドノベルっていうのは、「サウンド+ノベル」ではなく、 あくまでも「サウンドノベル」というジャンルだということ。 文章自体は、小説というより、脚本に近い。 そして、バッドエンドは、ifのストーリーではなく、ジョークと割り切ることが大事。
とりあえず、各種批判に反論
実写ということで、逆にリアリティが減ったという人がいるけど、 少なくとも、TVドラマとは同程度。TVドラマを平気で見れる人なら、問題無し。 渋谷に行けば分かると思うけど、パトリック・ダンディ程度なら、いてもおかしくない街だし。
有名人がほとんど出てないので魅力を感じない、という意見もあるけど、 じゃ、TVや映画は、有名俳優を見る為にだけ見るんか?(そうだ、と言われればそれまでだけど)。 有名俳優という点では、ダンカンさんと竜雷太さんが出演していて、二人とも非常にイイ味を出してる。
各シナリオの感想。好きな順に。 「七曜会」:年齢とかが一番近い主人公だったんで、感情移入度は高かった。ちなみに、水曜日はゲームを通じてのベストキャラ。それも感情移入の原因か。 「迷える外人部隊」:メッセージは重く、共感できた。あのテーマ音楽が好き。 「シュレディンガーの手」:サイコホラー。文体やTIPS(用語説明)も凝ってる。 「The wrong man 牛」「The wrong man 馬」:もっとも実写の恩恵を受けたシナリオ。ベタな感じのドタバタだけど、それが非常に楽しい。 「青ムシ抄」:恐ろしく手の込んだ隠しシナリオ。これだけアニメ調。でも、主人公が彼で、アニメ調(ノリも含めて)じゃなかったら辛くて読めなかったハズ。パロディーのオンパレード。ラストは泣けると思うんだけど。バッドエンドにはサブタイトル付き(これもパロディー)。 「花火」:えらく短いシナリオだけど、内容は重い。泣ける。 「オタク刑事走る!」:謎解きのカタルシスがある。ただ、主人公としては、桂馬はちょっと濃いかも。 「で・き・ちゃっ・た」:これもドタバタ。嘘を付いて泥沼にハマっていく主人公を見るのが楽しい。ちなみに、亜美が、マイワーストキャラ。 「やせるおもい」:主人公美子のアホさ加減にヘキヘキ。でも、最終日のロボ美子はコワかった
問題点として、SS版はバッドエンドのチェックがしにくいということ。バッドエンド制覇は困難。 あと、ゲームを進める為には、好きじゃないシナリオも読まなければならないこと。 そして、パロディーネタが、20代半ばの男子以外には分かり難いであろうこと。 ちなみに、おまけシナリオ「青ムシ虫」のパロディーのモトネタは、「戦国魔神ゴーショーグン」「Dr.スランプ」「009(音楽のパロディーが秀逸)」「銀河鉄道999」「宇宙刑事ギャバン」「ガンダム」「仮面の忍者赤影」「キン肉マン」「JOJOの奇妙な冒険」「人造人間キカイダー」「一休さん」「ウルトラマン」「タイガーマスク」「仮面ライダー(これも音楽が秀逸)」などなど。 モトネタを知っていれば、間違いなく笑えるノデ。
「実写だから購入意欲が湧かないよ〜」って話は聞き飽きた。 それが原因で売れなかったということも、まぁ、納得しておく。 で、それはわかったから、そう思ってる人も、是非プレイしてみて。PS版も出たことだし。
チンチコーレ『街』!

REPORT『ムーンライトシンドローム』
Playstation
02/12/99
ホラーアドベンチャーの草分け『トワイライトシンドローム』の続編なサイコアドベンチャーゲーム。 『トワイライト』は、心霊現象を取り扱った古典的なホラーだったけど、 今作では一変、前作のテイストは全く失われ、サイコな現代的ホラーを目指したものと思われる。 ストーリー的にも、前作の世界観を破壊するようなモノで、 どうせなら完全新作で作れ、と感じた (前作の破壊が、このゲームでの作り手側の最大の目的か?という印象すら受ける)。
今作は、前作で主人公ユカリの取り巻きだったコギャル風女子高生ミカが主人公になり、 感情移入度が甚だ下がったのに加えて、そのミカもやけに達観した部分があって、違和感がアリアリ。
活字としてならまだ許せるが、実際口に出して言うことは許されない台詞が多い。 例「私がシンボルからサブスタンスになる瞬間、リアルを取り戻すの!」 思わず吹き出して笑ってしまった。 長い間見るにはたえないCGキャラと共に、そんな台詞を垂れ流す場面が多く、ひたすら苦痛。
グラフィック的に状況を説明できてなく、 どうしても台詞重視に物語が語られる、そしてその台詞が練り込み不足、と DC『July』と同様な状況だった。一部の台詞が音声付きな分、よりタチが悪い。
音楽・効果音と、伝統のサイドビュー&ポリゴンの世界観構築は良かった。 字的には美しいけど読み難いフォントは良し悪しか。
ひたすらに、作り手側の一人よがりな作品作り手の自慰行為に付き合わされてる感じ。たまったもんじゃない。
感動は皆無、恐怖もほとんどなく(個人的には2個所。「電車」と「最後のヤツの顔」だけ、ビクッとした)、 深みの無い後味の悪さだけを残すゲームだった。