REPORT『トゥームレイダー5 クロニクル
PlayStation
2001年5月31日発売発売:カプコン 開発:EIDOS/CORE DESIGN
海外では依然人気が高く、先日公開された映画も(評判はイマイチなんだけど)大ヒットしたらしいトゥームレイダーの第5作目。 どうやら日本語DC版を出す意思は皆無なようなので、PS版を購入してしまった。
物語は「ララが死んだ!」って感じだった前作のラストを引き継いで、 ララの葬儀が行われた後、 その館に3人の友人(チャールズ・ケイン、ウィンストン、ダンスタン神父)が集まりララの過去の思い出を語り合うというもの。 これまでの作品の間で起きていたミニエピソードを集めたオムニバス形式という内容になっている。
エピソードは「ローマでの出来事」「Uボートでの出来事」「スプーキー島での出来事」「フォン・クロイ・インダストリーでの出来事」の4つ。
「ローマでの出来事」は1作目と2作目の間の話で、 「賢者の石」を求めてローマの街中や遺跡を冒険するというもの。 ゲームのテイスト的にも、1作目と2作目の中間といった感じ。
「Uボートでの出来事」は2作目と3作目の間の話。 第二次世界大戦中、強力な力を持つ秘宝「運命の槍」を積んだまま沈んでしまったUボート、 その「運命の槍」を狙って出発するロシア原水に潜入する。 いわゆる“遺跡”は皆無ということで、3作目なんかの印象に近い。
「スプーキー島での出来事」は4作目のチュートリアルのヤングララ編のちょっと後の話で、 まだ若い頃のララが主人公。 悪霊が出るというスプーキー島の調査に出かけたダンスタン神父の船に潜入し、島を冒険するというもの。 銃が使えないので、アクションパズルオンリーのエピソードとなる。 ややゴシックホラー調の雰囲気は、これまでのトゥームレイダーにはなかったものかもしれない。
「フォン・クロイ・インダストリーでの出来事」は4作目の直前の話で、 フォン・クロイ・インダストリーのビルに潜入して虹の水晶を盗み出す。 PS『サイフォンフィルター』やN64『パーフェクトダーク』などのゲームの影響を強く受けた内容で、 頭を撃つと一撃で殺せるいわゆる「ヘッドショット」ができるようになった (って、ちゃんとそのことを教えてくれよ・・・。思いっきり詰まったじゃないか・・・)。
今作で追加された新アクションは「綱渡り」と「大車輪」。 「綱渡り」は完全に見せ要素。シチュエーション的には面白いんだけど、テンポが悪くなるし他のアクションとのからみもナシ。 「大車輪」はジャンプして棒につかまりそのまま大車輪をする(で、そこから飛び出す)というもので、 それほど数はなかったけど、アクセントとしてナイスなアクション。
前作はDCでプレイしたわけだけども、絵的には元がPCのゲームってこともあって、それほどの違和感はなし。 逆にPS1のゲームとしては、見える範囲の広さといいエフェクトといい、かなりハイレベルだと思う。
で、この『クロニクル』全体の印象はというと、とにかく小粒意地悪の2点に尽きる。
それぞれのエピソードが3つのステージからなるので計12ステージとステージ数はかなり少なめ。 もちろんひとつのステージの大きさが違うので一概に比較はできないにしても、 そのオムニバス的な形式ということから想像していたよりさらに小粒な印象になってしまった (まぁ、舞台は多彩に変化するので、前作のような気の滅入りはなかったんだけども)。
で、その穴埋めするかのごとく、今回は難易度が序盤からキビシめ。 もちろんシリーズ通して簡単なゲームではないんだけど、 今作は、アクションのシビアさ(斜め跳びやタイミングがシビアなものが多い)、安直な即死トラップの多さと、特に陰険な印象。 元々このシリーズは、“手段にしたがってパズルを解く”というよりも、 “目の前のパズルをクリアしたら手段が見つかる”的な傾向が強く 「俺、何を目的に行動してるんだっけ?」的な状況に陥りがちだったんだけど、それがかなり悪化してるように思う。 説明不足さも悪化しており、唐突な即死トラップも気になる。 ここらへん、2作目からのどこでもセーブできるようになった仕様の弊害でもあるんだろう。 そういや、アイテムを使うパズルはなくなってしまったな。 ラストエピソードである「フォン・クロイ・インダストリーでの出来事」での 隠密行動&銃撃アクションゲーム的な味付けも、元々のシステムがそういうのを想定していないだけに、かなりタチが悪い。 特に敵の思考のアホさと、視界操作のままならなさがかなり致命的でイライラさせられる。
前作とは違ってステージクリア形式に戻ったにも関わらず、 ポーズメニューに「ステージの最初から再開する」が復活しなかったのも手落ちだろう。
当然、前作まで引き継がれてきた視点操作の不満点 (ぶらさがってる時に下が見れないとか、壁に張り付いている時に後ろが見えないとか)も改善される予兆すらなし。 視点が固定されるシーンでは、その視点がヒントになるよりも足を引っ張ることが多いってのも相変わらず。
元がPCの洋ゲーらしく、BGMとSEの音量を別々に変更できるものの、 音声の音量はBGMのボリュームに左右されるというアホ仕様 (例えば、BGMをゼロにするとイベントシーンが無音になるし、ゲーム中の音声指示等も聞こえなくなる)。 しかし、このアホ仕様は意外と無くならないもんだな・・・。
前作でなされた変化への努力はことごとく水泡に帰してしまい、 むしろ、2作目、3作目のようなテイストに退化した上に、小粒な作りになってしまった。 さすがに“よくこんな仕掛けを考えつくな〜”って部分は多々あるし、 ベースがベースだけに、シリーズ通してのファンであればそれなりに楽しめるであろうけど、 (前作の時点で既にマンネリムードだったという状況を差し引いても)作り的には全5作中で最低だと思うな。 当然、これまでのシリーズをプレイせずにまずこれからプレイなんてのは無謀の極地。
次作は3Dグラフィックエンジンを根本から変えるなど、 大まかな作り直しが行われるということなので、それを期待して待つ事にする。
2001年7月30日記載

REPORT『鬼眼城』
PlayStation
1999年12月22日発売発売:講談社 開発:フェザード
一応、自称「本格時代劇」な3Dアドベンチャーゲーム。
難攻不落といわれている「鬼眼城」が、その城主「榊弾正」の遠征中に、 ある傭兵軍団に占拠されてしまう。 そのとき城内におり、仕官を希望していた主人公「五月雨隼人」は、 人質に捕らえられた榊弾正の娘を助けるために1人立ち上がるのであった・・・。 というのが話の導入。
意外にもというか、主観視点で進行していくゲームで、 ウロウロしている敵と接触すると戦闘シーンに移行するという、 あんまり他ではなかったような形式になっている。
でも、ゲーム的には、何も見るべき点はない。
マップは大味で、“城内だぞ”っていう雰囲気は極めて薄い。 このテのゲームにしては珍しくジャンプができるんだけど、使う場所は取ってつけたようでゲームに馴染んでおらず、 上下に視点を動かせないことからもわかるように、マップ構造も極めて平面的。 半分くらいはマップ表示がないシーンからなっていて、 見える範囲が狭く(まさに“一寸先は闇”状態)、絵的にメリハリもないので、 構造は単純であるにも関わらず、結構迷いぎみ
謎解きはほぼ皆無といっていいくらいの内容で、 戦闘をこなしながら、マップを流れにそって進むだけ、という印象。
で、その戦闘がこの上なくイマイチ。 △ボタンで上段斬り、□ボタンで中段斬り、×ボタンで下段斬りで、 上段は中段に勝つ、中段は下段に勝つ、下段は上段に勝つと、ジャンケンのような三つ巴の関係になっており、 相手の攻撃に合わせて攻撃ボタンを押す、というのが基本。 加えて、L1+△、□、×で、 それぞれに対応した相手の攻撃を無効化し、こちらの次の攻撃力を上昇させる「弾き返し」というシステムがある。
要するに、相手の剣の振りから有効な攻撃を見極めてボタンを押す、という戦闘になっていて、 敵の種類によって剣振りのモーションが違い、特に、中段、下段の判断は結構難しかったりする。 逆に言えば、上段攻撃は判断し易い。 そして、同じ攻撃同士だとお互いにノーダメージというのがキモ。
つまり、相手が上段攻撃をしたら弾き返し、それ以外は中段攻撃、これで終了。 実際、弾き返しができないボスひとり(ラスボスではない)を除けば、全てこれで済んでしまう。 途中で手に入る使用回数に制限がある武器も、全く使う機会がなく、 最初から持ってる使用回数制限のない弱い刀だけしか使わなかった。
回復薬以外に戦闘中に使うアイテムもないし、RPGのような成長要素も皆無なので、実に淡白。
ストーリー関係もかなりイタい。
「スタジオぴえろ」が担当したアニメシーンは、 どうやらウリのひとつだったようなんだけども、 なぜかPSとは思えないほど画質が悪い
メインとなるポリゴンによるのイベントシーンは、 人のモデリングが激ショボな上に、モーションもヘッポコ、カメラワークによる見せ方も拙いと、散々なレベル。 だったらだったで、セリフの横に一枚絵のキャラクターの顔ウィンドウを付けるとかのフォローがほしかったところだ。 アニメシーンをひとつのウリにするのであれば、それを中心にイメージを統一するべきだったろう。
で、何より、ストーリーそのものがイタすぎ。 ゲームではありがちな“淡白すぎてストーリー単体では面白くない”というのではなく、 イロイロと詰め込んだにも関わらず、その全てが未消化なまま終了という、実に救えないパターン。 例えばひとつのテーマとして、 武士的なある意味での潔さvs自由に生きることの大事さ、ってのがあったはずで、 これが単純に片方が賛美されてないところは「意外に良いんじゃない?」と思ったんだけど、 それが後になっても大して深く語られぬまま、かなりウヤムヤぎみに終了。 他にも鬼と人間の関係であるとか、もっと深く語るべきテーマがあったはずなのに、かなり流されて惰性で終了してしまう。 最後の最後で隼人と弾正が斬り合うことになるんだけど、そうなる根拠がワカランとか、 それ以外の部分でも「は?」な部分が目立つ。 ストーリー単体でこれだけダメダメなゲームも、ちょっと他には思い浮かばないぞ。 自称「二年もの歳月をかけて構築されたリアリティある設定」ということなんだけど、 まずそれ自体が信じられないし、何よりそういう言葉をノウノウと表記できる精神が信じられん (恥ずかしくなるでしょ、普通)。 当然というか、これは「本格時代劇」ってとこにも言えること。
サウンドをプロデュースするのは、爆風スランプのドラマーとして有名なファンキー末吉氏。 異様にドラムをアピールした楽曲が目立つのはそのためだろう。 オープニングは浪曲調の語り&三味線で、なかなか良い雰囲気なのに、 スタートボタンを押してタイトルになると、いかにもJ-POPな曲が流れ出す(ただ、歌ってるのは中国人らしい)。 ゲーム中にしても、三味線の曲は良かったんだけど、 そのドラム曲とか、ましてやなぜかジャズ風の曲があったりと、 なんともカオスな感じで、統一感がない。
お粗末、その一言に尽きるゲームなんだけど、 バカゲーテイストがあって、どこか憎めないところもある。 操作性が劣悪であるとか、難易度が理不尽とか、そういうこともないし。 とはいえ、数があまり出回ってないようで、売価がそんなに安くない現状では、 口が裂けてもオススメなんて言えないわなぁ・・・。 これで\980とかなら、「一遊の価値はあるかも」くらいは言えるんだけど。
しかし、この発売時期は信じがたいものがあるな・・・。 PS『エコーナイト』の1年以上も後、DC『シェンムー』と同時期のゲームとは思えん・・・。
2001年7月25日記載

REPORT『HEAVY METAL Geomatrix
Dreamcast
2001年7月12日発売発売:カプコン
アメコミ臭プンプンな対戦型3Dアクションゲーム。 ただ、「HEAVY METAL」というのは別に単体のアメコミの題名でなく、あくまでも雑誌名で、 その雑誌の編集長KevinEastmanと看板アーティストSimonBisleyがストーリー、キャラデザを担当、というわけ。 先行稼動予定だったAC版が延期になり、なぜかDC版の先行発売となってしまった。
ちなみに、ゲーム的には『スポーン』の発展形らしいんだけど、 自分は『スポーン』のプレイ経験がないのでその比較はナシ。
ゲームのプレイ感は、フィールドが狭くアクション風味が強い『バーチャロン』という感じ。 最大4人によるバトルロイヤル的なゲームを想像してたんだけど、 実際のところは、1vs1、1vs2、2vs2というように2つの勢力に分かれて戦いあうゲームだった。
元はアーケードゲームということで、基本操作系はデジタル十字キー+ボタン4つ。 十字キーによって移動(2回入れでダッシュ)、武器を撃つ「ショット」ボタン、 近接攻撃をおこなう「アタック」ボタン、「ジャンプ」ボタン、「ターゲットを切り替え」ボタン。 また、パッドによる操作として、アナログキーでの移動、Lを押しながら移動でダッシュというフォローもある。 地上ダッシュがレバー2回入れなのに、空中ダッシュは空中でレバー+ジャンプボタン、ってところにやや慣れを要するか。
全12人のキャラクターは、スピード、体力、攻撃力の差と、最初から持っている武器による違いのみで、 攻撃内容は、ステージ中に出現する全16種類の武器に完全に依存している。
グラフィックは、雑誌等の画面写真で見た以上に実際の印象は良い。 ステージが狭めなだけに、ステージ内のギミック&エフェクトに特に目を見張る部分はないものの、 キャラ、背景ともに良いデキだと思う。 アメコミ全開のキャラデザも、個人的にはかなりツボ。 それぞれ3人からなる4チームあって、そのチーム毎のカラーのつけ方もナイス。
BGMはそのタイトル通りにヘビメタ。 MEGADEATHHALFORD(元JudasPriest)、W.A.S.P.などのバンドが曲を(1曲ずつだけど)提供しており、 これも個人的にはかなりツボ。 MEGADEATHの曲をバックにキャラが次々と現れていくオープニングデモは、短いものの非常にカッコいい。
ゲームそのものは結構面白いと思う。 よりライトに楽しめる『バーチャロン』という感じで、 操作感は上々だし、絵良し音良しとなかなか良くできてる。 ただ、家庭用ゲームとしてある程度長く遊ばせようという味付けが、この上なくヘタッピで参ってしまう。
モードは、アーケード版そのまんま(なハズ)の「アーケード」と、 家庭用オリジナルで課題クリア的な「カオスマトリックス」。
「アーケード」でまず気になるのは、その半分を占める1vs2のステージだろう。 単純に2倍の戦力と戦わなくてはならないし、 そもそも1vs1形式を強引に繋げて2vs2まで拡張したところがあるので、かなり理不尽に感じられる。 でも、慣れてくると結構これがクリアできてしまうのは、何よりCPUがおバカだからで、 実際、ちょっと慣れてくれば1vs1のステージではまず負けなくなるはず。 逆に言えば、負けるのはおバカCPU2人によるゴリ押しステージということになるので、非常にストレスが溜まるというわけ。 そのCPUの敵のメンツが固定なのもイタい。 加えて、カプコン伝統の8段階のメリハリ皆無な難易度設定 (もうこういうアーケードタイプのゲームを作る機会はほとんどないんだろうけど、 このくだらない伝統とは早く決別してほしい)によって、 このアーケードモードが長く遊べないものになってしまった。 キャラの性能差がなさすぎるのも、そういう意味ではイタい。 アタックは(その内容も近接攻撃に限らないようにして)キャラ固有にした方がよかったんじゃないだろうか。 ボス戦がないのも、何とも手抜きな感じ。
1人プレイ専用の「カオスマトリックス」は、全32ステージの課題クリアモード。 ステージ毎に設定された、鍵を全て集める、敵を全て倒す、鍵を全て集めて敵を全て倒す、いずれかのクリア条件を満たし、 時間内にゴールに向かうというのがその内容。 これが全体的にヒネりがないステージが多く、どうにも淡白な内容になってしまっている。 また、敵からロックを外しての「フリーカメラ」が非常に使いづらいのもイタい。 視点の操作が完全にコンピュータ任せで、 キャラの向いている方向にカメラを向かせるには、ワンテンポどころかスリーテンポくらい待つ必要があるので、 周囲の探索・地形の把握が非常に難しくなってしまったのが致命的。 もっと主観的なカメラにするべきだったろうに。
おそらく、このゲームが一番生きるのは2vs2なんだろうから、そこを1人で楽しめるようなモードがほしかったところだし、 もうちょっとCPUをマシにして、1vs1の戦いももっと楽しめるものにする必要があったろう。
ただ、ゲームそのものにも不満がないわけではない。
キャラの性能差がなさ過ぎというのはその第一。
また、近接攻撃がコンボ色の強いものになっているので、 特に1vs2の状態では全く使い物にならない(残っている敵に撃たれて終了)のが困りもの。 こういう形式であれば、単発なものにするとかもっとサッパリした攻撃にすべきだったろう。
地面に落ちている武器を取る判定がキビしいのも×。 その操作は攻撃ボタンによるので、 武器を取ろうと思ったら武器を発射してしまい、無駄な隙ができて撃たれてしまった、なんてことがある。 もっと判定を甘くした上で、その操作はスペシャルアタック(ショット+アタック)にすべきだったんじゃないだろうか。
絵、音、ゲームシステムなどの素材がよかっただけに、非常に勿体無いゲームになってしまったと思う。 アーケードゲームを家庭用ゲームとして生かすことに相変わらず大した進歩が見られないカプコンらしいといえばらしいのだが。
2001年7月16日記載