REPORT『バンパイアハンターD』
PlayStation
1999年12月9日発売発売:ビクターインタラクティブソフトウェア
「魔界都市」シリーズと並ぶ菊地秀行の代表作である小説「バンパイアハンターD」シリーズのゲーム化。 確か同時期のアニメ映画「バンパイアハンターD」とリンクしてのゲーム化ということで、 小説のゲーム化というよりも、アニメ映画のゲーム化という雰囲気が強い。
ちなみに、自分は原作シリーズを1作も読んだことないし、アニメ映画も見ていない。 「西暦12090年・・・」というストーリーの出だしを見て、 SF色のあるシリーズなんだということを初めて知った (にしても、その設定は未来すぎないか?)。
ゲームの形式はいわゆる『バイオハザード』系ADVで、 一枚絵背景+ポリゴンキャラというタイプ。 キャラクターのモデリングはまずまずなんだけど、 キャラクターに対する光源処理がほぼ皆無だったりと、 キャラと背景とのマッチングはかなりイマイチで、かなりキャラが浮きぎみ。
このゲーム最大の特徴は、主人公「D」のメイン攻撃手段が銃ではなく剣、 つまり、戦闘が格闘であることにある。 一見すると、見えない位置の敵を攻撃するということがなくなりそうで、 銃よりもマシなゲームになりそうに思えるんだけど、 残念ながらそうはならなかった。 何より、その手法のお陰で、格闘で重要なはずの敵との間合いが分かり難い場面が多すぎ。 全体的に敵が滑るように素早く接近してくることにも困ったもので、 体と体が接触するだけで(微々たる量とはいえ)ダメージを喰らってのけぞるという仕様が、 さらにそのストレスを悪化させている。 結局、(ボスを除いては)攻防の面白みは全く皆無といっていいくらいで、非常に大味になってしまった。
システムとしてロックオンがあり、ロックオンするとその対象の敵を中心にした移動になる。 ロックオンできる距離・基準が曖昧で使いにくいんだけど、 1vs1になる場面がほとんどなので、それが大きなストレスになることはなかった。
基本的な戦闘のつまらなさをフォローするのが「Lハンドゲージ」に関するシステム。 セレクトボタンで「吸い込みモード」「攻撃モード」「回復モード」が切り替えられ、 まず吸い込みモード状態で、 あと一撃で倒せる状態の敵の近くで「左手」を使い、 敵を吸い込むことによってLハンドゲージが溜まっていく(最大でゲージは3つ)。 で、溜まってから攻撃モードでボム的な攻撃をしたり、回復モードで体力を回復したりする。 部屋から出ると全ての敵が復活する仕様もこれに関連した作りといえ、 ザコでゲージを溜めて回復しつつ進むことになり、戦闘がそれほどの苦痛になることはなかった。 で、回復薬はボス戦専用ということになる。
そのボス戦は、それなりに攻防の形があるものもあるんだけど、全体的にやはり大味&視点が調整不足。 まぁ全体的には“凡”っていうレベルだとは思うんだけど、 ラスボスだけ異常に強い、 しかも、単純に“強い”って感じではなく、 攻撃が当たる機会が少なく、与えるダメージも微小なので長期戦を強いられるから強いという調整には難アリだろう。 なんせ、使用した回復系アイテムの8、9割がこのラスボスでのことだったくらいだし。
攻撃モード&攻撃系アイテムは使う機会ナシ。 主人公のバンパイアと人間の間の属性の変化を示す「VPゲージ」というシステムがあり、 これによって回復薬の効力と攻撃モードの内容が変化したりするものの、 その回復薬・攻撃モード共に使用頻度が低いので、 結局これを意識してプレイすることはなかった。
また、このテのゲームでは珍しく(というか、この手法のゲームでは他に思いつかない)、 主人公がジャンプできるというのも特徴で、 一部の空中の敵を斬ったりするときにも使うけど、 いわゆるジャンプアクションのような使い方をする場面もある。 一枚絵背景+ポリゴンキャラという手法でジャンプアクション・・・、 その結果は考えればわかりそうなモンなんだが・・・。 加えて、最低移動距離が1歩分(つまり、上をチョンと押しただけでも1歩動く)ということで、 細かい間合いが調整できないのもイタい。 移動のデフォルトは「走る」になっており(で、L1を押しながらで「歩く」)、 通常の移動時ですらストレスを感じるほど1歩の距離がデカい。
これは戦闘にも言えることなんだけど、 単に通常時の延長ではなく、 戦闘なら戦闘、ジャンプアクションならジャンプアクションを行わせることを前提とした、 カメラ位置の調整が必要だったろう。
ゲームの流れは、 謎解きらしい謎解きもなく、マップをローラー作戦で埋めていくだけ、 と、まぁアリガチな内容。 マップを手に入れるまではその場所のマップが全く表示されないのはちょっと参った。 全体的に似たような背景の場所を移動することが多いので、 せめて進んだ部分はマップに書かれていくような仕様にしてほしかった。
ストーリーはソコソコ。 基本的にゲーム画面そのまんまのイベントシーンで話が進行していくので、かなり淡白な印象。 イベントシーンのモーションがショボいのもイメージを悪くしている。 これといった面白みは無く、雰囲気を楽しむという部分が大きい。 いわゆるホラー感は皆無。 ちなみに、原作を知っていなくても問題ない作りにはなってると思うけど、 主人公「D」の性格がちょっと理解しきれず、声に違和感を感じたりもした。
プレイ時間は5時間ほど。 ただし、一応、話が分岐してマルチエンディングになってるらしい。
細かいところでは、 どこでもセーブできることには好感が持てたし、 結構特殊な操作が多いだけに、キーコンフィグがないのは不満 (最後までL1で走るというのが馴染まなかった)。
戦闘が格闘だったり、ジャンプできたり、 LハンドゲージやVPゲージなどのシステムを設けたりと、 それなりに独自性を出そうと頑張ってるのはわかるんだけど、 基本的な部分でどうにも力不足としか思えない。 また、おそらく「D」というキャラが魅力的なシリーズなんだろうから、 もっとそこの表現に力を注いで作った方がよかったんじゃないだろうか。 原作を知らない自分から見ても、 原作の良さを生かしたゲームにはなってないんじゃないかと思われてしまう。
2001年6月29日記載

REPORT『ガレリアンズ』
PlayStation
1999年8月26日発売発売:アスキー 開発:ポリゴンマジック
超能力者という設定、無機質なCGキャラ、廃退的な舞台と、 何となくDC『デスピリア』と似た雰囲気を持った『バイオハザード』系ADV。 一応、開発はアスキーとポリゴンマジックの共同ということらしく、 プロデューサーは『トゥルーラブストーリー』の杉山一郎氏。 そのポリゴンマジックはPS『カウントダウンバンパイヤーズ』の(企画と音楽を除いた)開発も行ったところらしい。
手法としては、2D背景にポリゴンキャラを合わせたタイプで、 PSというハード的に仕方がない部分はあるんだけど、視点切り替え時の間の悪さはかなり気になってしまった。 グラフィックの質は、背景もポリゴンキャラも中の下ってとこだけど、 背景のデザインそのものは悪くない。
このゲームの特色は、主人公が超能力者ということで、超能力による調査と攻撃にある。
超能力による調査「メラトロピン」は、その物体ついての情報を得られたり、残留思念を読み取ることができたりする能力。 ストーリーを断片的に見せる仕掛けも面白いんだけど、 むしろ“ロックされているドアに使うことでそのキーがある場所を表示させる”等の使い方に可能性を感じた。 必須アイテムの場所が見た目的に分かり難い作りになってるのが、 この能力によって十分にフォローされ、このゲームのひとつの特色になっている。
攻撃は、R1ボタンを押し続けて超能力ゲージを溜め、ボタンを離して超能力を発動。ゲージの溜まり具合によって攻撃が変化する。 特にボス戦では、隙を見つけて溜めるという行為が攻略に繋がるので、なかなか面白みがある。
また「中毒度」というステータスも特色のひとつで、 超能力を使うためにクスリを使う(要するに弾薬補給)と上昇し、 普通に行動してるだけでも徐々に上昇する。 で、これがMAXになると「ショート」という、 近くにいる敵を一撃で殺すかわりに、移動速度が遅くなり徐々にHPが減少する状態になる。 これを回復するためには「デルメトール」というクスリを使う必要があり、 いわば制限時間的な存在とも言える(ただ、そんなに厳しい制限があるわけではない)。
「スキップ」というクスリを使うことで、 2段階に超能力レベルを上げることができるというシステムがあるんだけど、これはイマイチゲームに馴染まず。 体力半分以下(一般的な敵の攻撃の2、3発分)になるとレベルが下がるという仕様で、 スキップというアイテム自体の数が少ないこともあって、あまり機能しなかった。 超能力のレベルが上がるというのであれば、戦闘そのものと組み合わさったような仕掛けが必要だったように思う。
細かいところでは、 アイテムとクスリの管理を別にして、 クスリ(弾薬と回復)の持てる数に制限を設け、 『バイオハザード』のようなアイテムボックスを設定しなかったのはグッド。 ただ、アイテムとファイルを同列に管理するというのはマイナス(いくらアイテムの使用頻度が低いとはいえ)。
と、まぁイロイロと工夫はされているんだけど、 かといって素晴らしく面白いゲームに仕上がってるかっていうと、残念ながらそんなことはない。 切り替えの間の悪さや、モーションのぎこちなさ、キャラクターと背景のマッチングのイマイチさなど、 いわゆる技術面での力不足を感じるし、 戦闘そのものは大味、謎解きらしい謎解きもナシと、雰囲気を楽しむというカラーが強め。
で、その雰囲気自体は上々。 病院、廃屋、廃退的なホテル、と展開していく舞台には雰囲気があるし、 やや淡々とした進行も、サイコな雰囲気にマッチングしてる。 バイオクリーチャー風な敵が多いこのテのゲームの中で、 研究員やら警備員やらを殺していくってのは、意外に珍しいのかも (いや、終盤にはバイオクリーチャー風の敵も出てくるんだけど)。
キャラデザに「マダラ」「多重人格探偵サイコ」の漫画家“田島昭宇”を用いたのは良し悪しか。 元々、細い線のタッチがウリの人だけに、CGムービーでメインに使っていくには合わない気がする。 結局、平面的な表情だけが再現されて、何ともノッペリとしたCGキャラになってしまったし。 まぁそれがひとつのカラーになった部分もあるのかもしれないけど・・・。
ストーリーはそれなり。 細かいエピソードは面白かった一方で、 『デスピリア』ほどの理路整然さはなく、特に終盤になればなるほど勢い重視になってしまう。 イベントは概ねCGムービーで進行するだけだったので、 もっとテキストでストーリーをフォローすることを考えるべきだったろう。
DISK3枚組みなんだけど、その大部分は50分を超えるらしいCGムービーに費やされているらしく、 ゲームのプレイ時間は5、6時間ってところ。 繰り返しプレイさせるような仕掛けはあまり機能してないので、 ボリューム感には物足りなさがある。
それほど良い部分は見つからないんだけど、 一枚絵背景+ポリゴンキャラという手法を使ったゲームの中では、かなり楽しめた部類かな。 下手げにアクション映画のようなノリを追求してないのところが良かったんだろうし、 ゲーム的に独自色を出そうとした部分も、少なくともマイナスにはなってないと思う。 (新品を見つけるのはかなり難しいと思うので中古品ということになるんだけど)売価はかなり安くなってるはずだし、 期待をしないでプレイすれば、結構楽しめる一本なんじゃないだろうか。
2001年6月21日記載

REPORT『ゆけゆけ!! トラブルメーカーズ』
Nintendo64
1997年6月27日発売発売:エニックス 開発:トレジャー
64初期に発売された2Dアクションゲーム。 発売直後は相当売れなかったらしく、激しい値崩れを起こしたんだけど、 64のユーザーが増えてきた(トレジャーファン層まで到達した)近年、 再評価され、現在では中古品も店頭で見かけなくなってしまった。
ゲーム的には2Dのジャンプアクションで、 5章構成でひとつの章は10ステージ前後からなっており、総ステージ数は約50。 ただ、1ステージの中で様々な展開・演出があって最後にボスがいるっていうタイプではなく、 『バンガイオー』のように小さなステージがたくさんあるタイプなので、 特にボリューム感のあるゲームではない。 その形式上ミニゲーム集っぽいところはあるんだけど、 バリエーション豊かに十分工夫されており、ここらへんはさすがトレジャーってトコだろう。
基本操作は、十字キーで移動、Aボタンでジャンプ、Bボタンで「つかむ&投げる」。 敵やオブジェクトを「つかむ」そして「投げる」というのが、このゲームの特色ということになる。 また、もうひとつの特色は、空中にいるときに十字キー2回入れで行う「ホバリング」。 ただでさえ慣れない64の十字キーを、しかも連打させられるということで、 かなり困ったものがあるんだけど、Cボタンユニット1回押しでも同様の操作が可能なのが救い。 と見せかけて、Cボタンユニットによるホバリングは十字キーで行うものよりも性能が悪いという謎な仕様で、 やはり困ったことになる。 間合いを調整しようと十字キーをチョンチョンと動かしたらダッシュが暴発したりと、 間合い重視のアクションゲームに相応しい操作系だったかは疑問が残るところ。 ダッシュとは別に↓+Aでのスライディングという高速移動があるんだから、 地上ダッシュは必要なかった、 あるいはホバリングはCボタンで行うアクションということにしてしまった方が良かったんじゃないだろうか。 また、SEによるフォローが足りないのか、モーションによる表現が足りないのか、 モノを掴んだときの「つかんだ!」っていう感触が弱めに感じられたのも気になった。 攻撃に関しては、ダメージを与えてるのかどうかが分かり難い場面が多かったのも気になるところで、 アクションゲームの基本中の基本として、しっかりしてほしい部分だった。
コンテニューの方式には工夫がされており、 道中に集めたクリスタルを余分に消費することで、体力をデフォルトの2倍、3倍にして復活できる。 初心者救済策としては、なかなか面白い仕様だと思う。 ただ、ステージ開始時に体力がデフォルトの状態までも戻らないってのは、理解に苦しむ仕様だ。
ゲームクリア後のやり込み要素としては、 各ステージのクリアタイム短縮と、 ステージ1つずつ隠された「イエロークリスタル」。 で、エンディングには、ゲットした数のイエロークリスタルが次第にカウントされていき、 ゼロになった時点で強制終了するという、面白い仕掛けがある (つまり、イエロークリスタルを全てゲットしないとエンディングの全容が掴めない)。 そのイエロークリスタル、様々な趣向を凝らして隠されている通常ステージはまだいいんだけど、 問題は、ノーダメージでクリアする必要があるボスステージ。 このお陰で、ボス戦は全体的に淡白にならざるをえなくなってしまったし、 逆に凝った一部のボス戦では、イエロークリスタルゲットが異常に難しくなってしまった。 ただどっちにしろ、各種デモをキャンセルできないのが鬱陶しくて、 自分はこのイエロークリスタル集めは断念。
グラフィック&デザインは良し悪し以前にその方向性に疑問。 レンダリングCGで作られたキャラを2D可したもので、これが“はん”氏のキャラデザに合ってない。 もっとも、この手法で作られて魅力的に仕上がった例ってのもあんまり思い浮かばないんだけど (SFC『スーパードンキーコング』くらいか)。 一部のボスを除いた敵キャラは「ねんどろ」という埴輪が崩れたようなキャラで統一されている。 そのザコはまだいいとしても、ステージの足元を構成するブロックにまでこの顔が付いてて、 極々個人的なことなんだけど、これがどうにも生理的にアウトだった。気色悪い。 絵的な部分で良かったのは、ボス戦の各種演出で、特に変形合体機構にはウケた (それに伴っての音声の演出もグッド)。
ストーリーそのものは悪くないにしても、そのノリは極めて特殊。 主人公マリナの「明朗快活無敵戦闘メイドロボ」という設定から、一般人お断りな雰囲気がアリアリ。 かといって、『バンガイオー』ほど吹っ切れたモノもなく、なんとも中途半端な印象。 テキストも洗練不足な上に、前述の通り、そのデモがキャンセルできないのが鬱陶しかった。
今となっては希少になった(というか、発売当時から既に希少になっていた)ジャンルだし、 十分に良作と言える作りで、さすがに『バンガイオー』より楽しめた。 デモさえとばせることができれば、クリア後にもさらにプレイしたと思う。 ただ、流れがブツ切れで小ぶりな印象になってしまったのは否めないし、 職人気質とか言われる割には細かい不備も目立つ。
まぁ、ハード発売直後ということで、今のような64の流れを察知しろってのもムリはあるんだけど、 そのオールドスタイルなゲーム形式 (ましてや、64初期には『マリオ64』という革新的なアクションゲームがあったわけだし)と、 対象が狭いゲームの雰囲気&ノリということで、 そりゃ売れるわきゃないわな、とは思った。 トレジャーって、それこそ初作のMD『ガンスターヒーローズ』以降、 (企画の段階も含めて)そのゲームを売る意図が空回りし続けてる気がするなぁ。
【6/22追加】
イベントシーンはZボタンでキャンセルできることが判明。 しかし、まさかこの操作系でZボタンを使うとは思わなんだ・・・。
2001年6月21日記載

REPORT『青の6号』
Dreamcast
2000年12月7日発売発売:セガ
同名OVAを題材にしたゲームで、 そのOVAの人気自体も地味だったこともあって、 発売直後は見事に埋もれたものの、 その後、ユーザー間での評価が高まり、再評価されつつある一本。 自分もそのOVAを見たことがないので、どうにも購入に踏み切れないでいた。
舞台は水没したシンガポールの上に作られた海上都市「新世界」。 そこで海中に沈んでいるものを引き上げる「サルベージ」という仕事を生業としている「速水 鉄」が主人公。
ゲームは「アドベンチャーパート」と「サルベージパート」からなり、 基本的には、アドベンチャーパートでギルドから仕事を請け負ってサルベージパートでその仕事をこなす、 の繰り返しで進行していく。
このゲームのメインはそのサルベージで、 「セーレ」という小型潜航艇に乗り込み、海底に沈む木箱やコンテナを引き上げるというもの。
コックピットからの視点でセーレを操作するので、 PS『G-POLICE』『コロニーウォーズ』のような3Dシューティングゲームの海中版といった感じ。 操作は、Rキーで前進、Lキーで後退、アナログレバーで方向変換、 そして潜航艇ということで、Xキー+LorRでのパラスト注水・排水(要するに浮力の調整)が特徴的。 自分がプレイしたDCのゲームの中で、最もLRキーのアナログ性が生かされたゲームだった。 十字キーで視点を上下、左右に切り替えられ、 海底を見ながら潜水とか海面を見ながら浮上なども可 (できれば切り替えではなく、自由に上下左右に視点を動かしたかったが)。 画面上に周囲の地形を示すレーダーが表示されているんだけど、 やはり潜水艇ということで、 敵やサルベージするオブジェクトを表示させるにはYボタンでアクティブソナーを使う必要がある。
まず、そのビジュアルが素晴らしい。 海中から見上げる水面や、、 泳ぐ小魚、流れるマリンスノーなどの海中っぽい演出も良いんだけど、 何より、水没したシンガポールが舞台ということで、 水没した家屋、海中の高層ビル群、ハイウェイなどによる、どこか廃退的な雰囲気が素晴らしい。 そんなに深くない場所では可視範囲もかなり広いし、モヤのかかり具合も自然なので、 全体的な雰囲気はかなり上々。 セーレを攻撃してくるミュータントな生物もよく描けてるし、動きもいい。 背景が単色っぽくなってしまうこともあって、パッと見はかなり地味なんだけど、 グラフィックはDCでもかなりハイレベルな部類だと思う。
そして、音も良い。 水の流れる音、ソナーの「ピーン!」という音、スクリューの回る音、 魚雷の射出音などのSEもよくできているし、 BGMも雰囲気があって良い。
この潜水艇らしい操作と海中の雰囲気の再現度の高さによる「潜ってる感」の楽しさが、 このゲームの一番根本にある長所だろう。
オブジェクトのサルベージは、小型のものはマニピュレータを使って直接掴み、 中型のものはフロート弾を打ち込んでそのフロートを展開し海中へ浮かばせて回収。
戦闘は、敵が海洋生物のミュータントということもあって、 その多くが体当たり攻撃をしてくるので、敵を捕捉し続けることは難しいし、 常にレーダー上に敵が表示されているわけではないので、 敵の体当たりに吹き飛ばされた勢いで敵を見失いがち。 この不便なところが海中っぽいっちゃ海中っぽいんだけど、ちとツラいものはある。
ギルドの仕事をこなしたり、 仕事以外でもサルベージしたものを売ったりして金を稼ぎ、 その金でセーレのパーツを購入、パワーアップしていく。 単純なパワーアップだけでなく、より深く潜れるけど重いとか、 サルベージ重視のパーツ構成とか、戦闘重視のパーツ構成とか、場面場面に応じたパーツ構成が必要となってくる。
舞台も、水没した都市・町だけでなく、その下の迷路のようになっている地下鉄路線内や、 深海でのサルベージなどもあるし、 ギルドで請け負う仕事も、サルベージだけでなく怪物の退治などもあったりして、 全体的に飽きがこないようにバリエーション豊かな作りになっている。
アドベンチャーパートは、11の移動個所があって、 そこに移動して会話を聞いたりする。 ほとんどは「速水の家」「ギルド」「スクラップ屋」の行き来だけで済むんだけど、 例えばストーリーが進行するようなタイミングだと、 その他の場所に出向き、フラグ立てのようなことをさせられる。 フラグ立てのタイミングがやや分かり難いのに加えて、 マップ移動時のロード時間がビミョーに長いので、ちょっとストレスに感じた。
このゲームのウリのひとつとして、 トゥーンシェイディング処理されたポリゴンキャラによるイベントシーンがある。 実際のアニメを意識してこの手法が用いられるのは、 自分が知る限りこのゲームが初で、 それが使われた最初のシーンでは「おぉっ!」と思ったし、 確かに可能性は感じるんだけど、 ゲームを通しての使われ方が中途半端なこともあって、 それ以上の効果はもたらしてくれなかった。
オリジナルのアニメーションムービーは質が高めで画質はソコソコ。
ストーリーはそれなり。 サルベージがメインのゲームだけに、それほどの面白みはないものの、 十分に及第点だと思うし、原作を知っている必要性も感じなかった (ラスト近くで獣人が出てきたときだけは「は?」と思ったけど)。 OVAでは語られなかった部分のストーリーらしく、 知らなくても十分に楽しめるし、知ってる人は知ってるなりに楽しめるという、 キャラゲーの見本といってもいい作りになってるんじゃないかな。
ラスト近くで、いきなりムービーが多用されて急に「見せる」感が強まり、 最後の最後を除けば、いまいちゲームとの連動が中途半端になってしまったのは残念。 全体的に上々だったBGMも、ラスト付近ではミスマッチに感じた個所があったし。
また、ゲームの解説にやや言葉足らずなところがあり、 例えば、レーダーの見方やソナーの使い分けの解説が不足していたり、 パーツの各数値の解説がなかったりと、 説明書などでのフォローが足りなかったように思う。
細かいところでは、サルベージ中に会話で割り込んでくるときに、 いちいちシステムメニューを開かされるのが面倒だった。 レーダーに顔が表示されて会話するシーンもあるのだから、 全編それで通せばよかったんじゃないだろうか。
自分の場合、クリアまでのプレイ時間は20時間弱程度。 クリア時にはランク付けされるし、 クリア後には新パーツ付きで2周目がプレイできるので、 気に入れば長い間プレイできる作りにはなっている。 難易度は丁度良かったんだけど、ちょっと金が溜まり易い気はする。 セーレの修理に金がかかるとかパーツが壊れるとか、 金を消費させるようなファクターがもっとあってもよかったんじゃないだろうか。
海中という舞台、サルベージという仕事、それぞれが上手に生かされた良作。 原作を知ってるべきな『ベルセルク』や、 逆に原作ファン置いてきぼりな『ロードス島』よりも、 むしろキャラゲーとしては間口が広いと思う。
ん、そういえばこれも「海洋SFにヒットなし」の一例ってことになるんだろうか?
2001年6月19日記載

REPORT『COOL COOL TOON』
Dreamcast
2000年8月10日発売発売:SNK
SNKでは珍しい家庭用オリジナルタイトル、 というか、状況が状況なんで、SNK最後の家庭用オリジナルタイトルになる可能性大な音ゲー。
実は体験版をプレイして好印象を持って、購入予定だったんだけど、 SNKが直前になってD-DIRECTでの扱いを中止してしまい、近場の店で発売日に見つからなかったこともあって、 結局プレイする機会を失ってしまっていた一本だったりする。
ゲームの大部分は「フリッツ」と言われるダンスシーンからなり、 画面中央にある円形の「フリッツナビゲーション」に表示される指示の通りに操作するというもの。 フリッツの入力タイプは2つあり、 アナログレバーを操作してカーソルをマーカーに合わせ、指定されたタイミングに指定されたボタンを押すというものと、 フリッツナビゲーションの外周に沿ってアナログレバーをグルッと回す操作からなる。 どちらもアナログレバーを活用した独創性の高い入力方法で、 単にタイミングを合わせてボタンを押すだけでなく、 アナログレバーをぐるぐると操作することでスイング感みたいなのがあるのがナイス。 独特なだけに、慣れるまではかなり難しいという感想も聞くけど、クリアだけならそんなにヒドい難易度でもないので、 十分に許容範囲だろう。
また、ボタンを押したときには、 『ビートマニア』に代表されるような曲の一部が演奏されるタイプではなく、 打楽器的な音を出すだけなので、 そこらへんは『サンバ・デ・アミーゴ』なんかに近いとも言える。
そのフリッツのバックでは、登場キャラクターがダンスをしていて (というか、設定的にはこのダンスがフリッツそのものといことになっている)、 魅力的なキャラクター達によるイカしたダンスも、このゲームの大きな魅力となっている。 間奏のようなシーンではフリッツナビゲーションが消えて、 会話を交えながら、それぞれのキャラが自らをアピールするようにダンスし、 例えば、手を叩いた時の「パン!」という音や、ステップを踏んだときの「ザッ、ザッ」という音など、 SEがダンスを上手に演出している。
音ゲーで最重要要素といっても過言ではない音楽も、 適度にポップながらも安っぽくないと非常に良い塩梅で、バリエーションも豊か。
このフリッツの難点は2つ。
ゲームプレイでの難点として、 マーカーの順番の強制力が強いということ。 ボタンを押すと、それはカーソルに近いマーカーに対してのものでなく、あくまでも順番重視で、 例えば、マーカーと離れた場所でボタンを押しても、次のマーカーに対して押したと判断されてしまう。 早いタイミングにはかなり余裕があるのに、 タイミングが遅れてボタンを押してしまうと、単なるミスではなく、次のマーカーに対してのミスにもなってしまい、 テンポが速くなる中盤以降には、一度のミスが連鎖的なミスに繋がってしまう。 違うボタンを押してもタイミングさえ合えば大きなマイナスにはならないという仕様も、 これに関連してちょっと強引さを感じる。 初心者救済っぽい処置が、特に終盤では足を引っ張ってしまったように思うので、 もう一歩踏み込んだ調整が必要だったんじゃないかな。
そしてデザイン的な難点として、 体の末端が大きいというデフォルメがされたキャラクターということがある。 もちろん、このこと自体は悪くないんだけど、 “ダンス映え”ということを考えたときにはマイナスになってしまっている。 特に問題なのは手が大きいことで、にも関わらず手はマトモに演技をしていないので、 ダンスがどうにも適当っぽく見えてしまう。 こういうデザインにするのであれば、もうちょっとしっかりと手を演技させるべきだったろうし、 それが無理であれば、もうちょっとデフォルメを抑えたデザインにした方がベターだったと思う。
細かいところでは、フリッツ後に流れるリプレイは必要なかったろう。 せめて、カメラを操作できるような要素があれば、まだ意味があったんだろうけど。
で、そのフリッツとは違った「ノッティ」というシーンもある。 これは指定されたタイミングでボタンを押すというもので、 『スペースチャンネル5』のボタン版といった感じのもの。 ありきたりで面白みに欠けるものの、ストーリーにおけるアクセント的な存在なので、 これはこれでOKな気もする。
プレイヤーキャラは、男の子「アンプ」と女の子「スピカ」の二人で、 それぞれ6話からなっている「ストーリーモード」がメインとなる。 そのストーリーの大筋は変わらないんだけど、 アンプ編は結構シリアスなノリで、一方のスピカ編はお気楽なノリと、その対比が面白い。 『スペースチャンネル5』で一部用いられていた、全く陰影のついてないポリゴンによるグラフィックは、 トゥーンシェイディングほどインパクトはないものの、独特の雰囲気はかもしだしてナイス。 多彩で独特なキャラクターのデザインも良好で、サブキャラクターもかなり魅力的。 スピカの声が、NHKの「ひとりでできるもん」みたいなノリの声なのは、正直萎えたけど、 まぁ我慢できるレベル(終盤は声が変わるし)。 また、せめて主人公の表情には変化がほしかったな (基本的に自信がない性格のアンプが終始笑顔なことには、ちょっと不自然さを感じてしまった)。
ストーリーモードの他に、登場する全ての各キャラクター毎に5つのステージからなる「シングルフリッツ」モードもある。 コンピュータとフリッツで対戦するというもので、 そのボリュームはかなりのものなんだけど、 単に並んでフリッツを行うだけで、対戦の面白みが全くといっていいほどないのが残念。
調整にはもうひと手間欲しかったけど、 独特な入力法、上々なデザイン、上々な音楽と、予想通りの良作だった。 特に、デザインはかなり秀逸なものがある。 しかし、SNKらしくなさも埋もれる一因ではあったんだろうけど、 商機を逃したってのもあるっぽいんだよねぇ。 発売直後は結構品薄だった記憶があるのに、今となってはかなり売価が落ちてしまっていることが、 それを示しているんじゃないだろうか。 新品でも\2000前後という売価から考えればオススメといってもいい一本だと思う。
2001年6月11日記載

REPORT『フィロソマ』
PlayStation
1995年7月28日発売発売:SCE
先日発売されたPS2『フェイズパラドックス』のストーリー的な前作にあたる PS初期に発売されたシューティングゲーム。 本当は『フェイズパラドックス』の前にプレイしておきたかったんだけど、 やっと先日中古品を\800で発見し、購入。プレイは前後することになってしまった。 おそらく、このページに載せているゲームの中では、最も古いゲームということになるはず。
基本的なシステムはやや平凡で、 バルカン、レーザー、溜めショット、後方ショット、の4種類のショットを任意に切り替えながら進んでいき、 それぞれが3段階にパワーアップ。 サブウェポンは、直線的なミサイルとホーミングミサイルで、これはアイテムによって切り替え。 さらに、緊急回避のボムも装備。 また、攻撃を2発まで耐えることができるバリアが基本装備になっている。
このゲームの最大の特徴は、 縦スクロール、サイドビューの横スクロール、 『スペースハリアー』のような3Dビュー、ニチブツの『マグマックス』を思わせるクォータービュー視点の横スクロールなど、 基本システムは同じまま、様々な種類のステージが混在するということだろう。
背景はポリゴンなんだけど、 敵は基本的に2Dで、それを拡大縮小で遠近感を表現するという手法。 やはり遠近感が非常に掴みづらく、 これがダイレクトにダメージになってるのは3Dステージで、狙って攻撃を当てることすらなかなか難しい状態 (ロックして攻撃するようなシステムもないし)。 またトップビューやサイドビューのステージでも、画面奥や手前にいて攻撃が当たらない敵がかなり分かりづらい。 まぁ、ハード初期のゲームということで、こういう手法になってしまったこと自体はやむを得ないだろう。
トップビュー、サイドビューのステージは凡。 自キャラがデカい割に動きがややニブく、全体的に大味な作りで、 それぞれをアーケードやSFCやMDの同系のゲームと比較してみても、お世辞にも良くできてるとは言い難い。 敵の動きと弾の動きの組み合わせでバリエーションが作りきれなかったのか、 耐久力のあるザコ敵が多すぎる気もする。 また、横方向(トップビューであれば左右、サイドビューであれば上下)に攻撃する手段がないのも、ちょっと気になった。
1箇所だけなものの、クォータービュー視点の横スクロールステージは×。 敵の攻撃を避けづらい、自分の攻撃を当てづらい、その難点が増幅されてしまって、 かなりお粗末な内容で理不尽に難しい。
まぁ、ゲーム本編以外の演出を重視したシューティングゲームということなんだろうなぁ。
場面が転換する時には、実際のゲーム画面をムービーで繋ぐ試みがなされており、 当時を考えれば新しい演出だろう。 また、イベントでのCGムービーも、当時からすればかなり頑張ってる部類なんじゃないだろうか。 ステージ中にも無線通信による会話音声が入って、盛り上げようとする意図は感じる。
ストーリーとそれに関する演出はそれなり。 ラストがちょっと淡白な気もするけど、これも時代を考えればヤムナシか。
しかし、いくら古いゲームとはいえ、シューティングゲームとしてのデキを考える場合には、 それは何の免罪符にもならないわけで、 演出がウリのゲームとなれば、発売当時ならまだしも今プレイするとなるとややキツいものがある。
最後に、『フィロソマ』プレイ後の『フェイズパラドックス』に関する話。
まず、戦艦内部のシブめのデザインに比べて、戦艦ギャラントと戦闘機ストレガのデザインが浮いていたのは、 この『フィロソマ』のデザインを継承してるからということが判明。 ストーリー面では、確かに『フェイズパラドックス』の直前の話ではあるんだけど、 それでもまだ言葉不足な印象で、基本的な設定に曖昧なものを感じる。 また、この『フィロソマ』ではコンピュータが狂わされてしまうんだけど、 それが『フェイズパラドックス』で言及されなかったのは気になった。
しかし何より疑問なのは、 なんでイマサラこのネタを引っ張り出してきて『フェイズパラドックス』を作ったんだ?ってことだなぁ。
2001年6月11日記載