REPORT『コロニーウォーズ』
PlayStation
1998年5月28日発売発売:アートディンク 開発:PSYGNOSIS
当時、欧米では非常に高い評価を受けたらしい3Dシューティング。 製作は『G-POLICE』(1998/11/19発売)のPSYGNOSISで、 『G-POLICE』とこの『コロニーウォーズ』の製作の前後関係は不明 (『コロニーウォーズ』はPSオリジナルかも)。
『G-POLICE』同様、表示関係のローカライズはほぼ皆無で、 音声部分を日本語に変えただけの内容。
ゲームの形式は『WING COMMANDER』シリーズなんかに近い。 プレイヤーは、地球帝国の支配から脱するために結成された自由世界連合のいち兵士となって、 戦闘機を操り宇宙空間で戦闘を繰り広げ、ミッションをクリアしていく。
このゲームのウリは、戦果によってシナリオが分岐していくこと。 3、4つのミッションからなる「章」をひとつのまとまりとして、 ミッションの成功・失敗によって章単位でシナリオが分岐していき、 最終的なエンディングも5、6個存在する。ミッションは全部で70個くらいあるとのこと。 エンディングを迎えると今までに通過したルートが表示され、 好きな章からプレイし直すことができる。
章の初めに流れるムービーは、 人物ドラマではなく、戦況を伝えるだけのもの。 このナレーションが、直訳っぽいナレーションの内容そのものがイマイチな上に、 鷹揚の調子がなんか不自然な音声もイマイチと、かなりいただけなかった。
ミッション中のグラフィックは非常に美しい。 製作時期を考えれば、驚きのレベルといっていい。 さすがに地面であるとか大きな地形のある舞台はないものの(というか、ないからこそ、か)、 大きなスペースシップやスペースポートなどがかなり遠くから描画され、 いきなり現れるなんてことは皆無。 恒星や惑星やワープホール、そして、細かいエフェクトも綺麗だし、 その割には描画レートもそれなりに安定している。 背景の流れるようなエフェクトによって、スピード感が表現できてるのもいい。
音楽は、BGM・SE共にベタな感じでグッド。
メカデザインは、色使いに安っぽいところはあるんだけど、 デザイン自体はそんなに悪くなし、 帝国と連合で上手に差別化されていると思う。
ゲームプレイは基本的に良好。 僚機・敵機の動きにウソ臭さはほとんど感じないし、 同時に戦う敵味方の戦闘機の数はそれほど多くない(敵機は最大でも3機ほど)にしても、 それぞれが交錯しながら戦ってる感じは上々。 ザコ機が湧いてくるようなシーンが多いのは気になるけど、 ミッションも多彩だし、無線で入ってくる会話も雰囲気を盛り上げる。
が、どうにも操作系に難アリ。 ボタンはフルに使用され、一応、コンフィグでの操作系は、 2本のアナログレバーを使うタイプや、その役割が違うタイプなど、 多彩に十数種類用意されている。 で、自分はまず、L2、R2でロール、右レバー前後でスロットル、という操作系を使ってみたんだけど、 メイン武器選択がL3、メイン攻撃がR1、 サブ武器選択がR3、サブ攻撃がL1という、 わけわからん左右のゴチャつきに慣れることができずに断念 (ちなみに、画面ではメイン武器は左側、サブ武器は右側に表示される)。 まぁ、ある程度の連射が必要になるメイン攻撃はR1にという配慮はわかるんだけど、大きなお世話この上なし。 しかも、操作に力が入って勝手に武器を選択してしまうこともあったし。 で、結局、L1、R1、L2、R2で武器の選択・発射、右レバーの前後でスロットル、左右でロールという操作系でプレイした。 これも、スロットルとロールを同じレバーで行うってのがやはり最後まで馴染まず、 前進・後退時にビミョーに入力が横にズレててビミョーにロールしたりすることが多発。 かといって、今更L1、R1でスロットル操作をする操作系を試す気にもなれず (と思ってたんだけど、最後に詰まってたミッションをその操作系で試したらクリアできてしまった)。 やはり、ボタンごとに自由に設定できるようなキーコンフィグがほしかったなぁ。
レーダー表示にもやや難アリ。 空間で戦闘をするということで、そのことを考えれば、 むしろよくできてるくらいのレーダーなんだけど、 戦艦などの大型艦と戦闘機などの小型艦が同じマーカーで表示されるのが困りもの。 また、できればメインの攻撃目標はマーカーが変わるなどのフォローも欲しかった。
ちなみに、ムービーのナレーションとは違い、 ミッション前のブリーフィングの音声はグッド。
セーブが章ごとにしかできないのもイタい。 大抵、キーとなるミッションは章の後半にあるので、 そういったミッションに詰まったときのやり直しが面倒。 できれば、ミッション毎にセーブできるようにしてほしかったなぁ。
データベースでの、それまでに登場した各機体の解説や、 4つある恒星系の各惑星の解説などが非常に凝ってるのは、いかにもな感じで好感が持てる。
ジャンルなりには楽しめたんだけど、 最後まで操作系が手に馴染まなかったのと、 章ごとにしかセーブされないことによる繰り返しプレイの面倒さがマイナスで、 強烈にハマるという程ではなかった。 ハード的にしょうがないってのはわかるんだけど、 もうちょっとワラワラと敵味方が入り乱れるような戦闘がしたかったし (この点に限れば『G-POLICE』の方が楽しめた)。
これも海外では続編が出てたハズなんだけど、 国内での発売予定はナシ。 トホホ・・・。
2001年5月17日記載

REPORT『ベアルファレス』
PlayStation
2000年9月28日発売発売:SCE 開発:Zealsoft
PS2発売後に発売されたPS1用ソフトということもあって、 かなりの埋もれっぷりだったSCEのアクションRPG。
発掘都市「カルス・バティード」と、そこで発掘された太陽帝国の首都「アスラ・ファエル」が冒険の舞台。 で、そこに来たルーキー冒険者14人の中に、自分の分身となる主人公がいる。 そこで同じルーキー冒険者とパーティを組んで遺跡を冒険しながら、 世界を巻き込んでいく古代の伝説の謎が明らかになっていく・・・、というもの。
過去の超文明の遺跡を発掘、っていうアイデア自体はよくあるパターンなんだけど、 その設定は緻密&巧妙でかなり手が込んでいる。
一応、ベースは中世ヨーロッパ的な世界観で、 色々な国家がせめぎ合っており、カルス・バティードのもたらす遺産によって、 なんとか平和のバランスが保たれているという状態。 その各国家の設定は非常に凝っている。
そして、その世間から隔離されたカルス・バティードの設定がナイス。 殺伐とした男社会的な雰囲気も良いし、断片的に外部の各国家の動きが入ってくるのも良い。
話が進むにつれて徐々に明らかになってくる、宗教と遺跡の係わり合いの設定も良い。
で、そこで展開されるドラマも良い。 状況はシリアスで、なかなかヘヴィーなドラマが展開。
基本は2人の仲間を選んでパーティを組んで進んでいくんだけど、 場面ごとにキャラクターによってちゃんとセリフが設定されていて、なかなか感心させられる。
例えば、カルス・バティードの描写が甘いとか、 仲間の冒険者の横の繋がりがあまり見えてこず、 最後には(パートナーを選ぶという形で)安易に1対1の関係になるトコとか、 話の流れと自分たちルーキー冒険者の強くなるテンポが噛み合ってないとか、 ルーキー冒険者だけ異常に女率が高い(先輩冒険者にひとりも女がいない)とか、 不満はあるんだけど、まぁ十分によくできてる部分だと思うし、ここはかなり楽しめた。
その一方で、ゲーム内容はかなり消化不良というかなんというか・・・。
まず面食らったのが、遺跡を自由に探索するのではなく、 面クリアのような形式でゲームが進行するということ。 「○○15階層」をクリアしたら次は「○○29階層」とか、ダイジェスト的な構成になっていて、 「敵を全滅させろ」とか「ゴールに辿り着け」などのミッションをクリアする。 その面をクリアできないと、リトライできたりもする。
前述の通り、2人を選んで3人のパーティで遺跡に潜るんだけど、 ゲーム中はパーティで進んでいくってんじゃなくて、そのキャラクターを切り替えながら進めていく。
画面は『タクティクスオウガ』や『ランドストーカー』のような2D絵のクォータービューで、 斜め4方向にしか移動できず、 しかも、マス目的な作りになっている (つまり、『ランドストーカー』などとは違い、移動の最低単位が1マスになっている)。 クォータービューのお陰で、敵との遠近感、自分の攻撃範囲が掴み難くなっており、 それがマス目的な移動ということにあいまって、操作感は芳しくない。
問題は、そういう作りにも関わらず、かなりアクション性の強いゲーム内容になってしまっていること。
敵の移動はかなり素早いし、ラスト近くのボスはマス目を無視した攻撃をしてくるので非常に避けづらく、 ラストのボスに至っては、マス目無視で移動してくる。 攻撃を避ける、攻撃をヒットさせる、そのサジ加減は絶望的。
キャラクターの能力差は、使用武器の違いと、 「トラップ」という回数制限無しの設置型の罠の違い (ちなみに、「トラップ」が使えない代わりに魔力を消費して行う魔法が使えるキャラもいる)。 このトラップを駆使しての、自由度の高い仕掛けの解除や敵の倒し方が、 ひとつのゲーム的なメインになるハズだったのに、これが非常に消化不良に終わってしまった。 結局、一部の使用キャラが強制的に決められるシーンを除けば、 謎解きで使うのは主人公キャラのトラップだけと言ってもよく、 戦闘でもほとんど出番なし(ましてや、魔力を消費する攻撃魔法の出番は皆無といってもいい)。 自由度の“じ”の字も感じられなかった。 それを活用するような仕掛けを作れなかったことにも問題はあるんだけど、 アクション性が強いそのゲーム性にも問題アリで、 終始、トラップを設置するヒマがあったら敵を斬るよ、っていう状況。 トラップを選択しづらいのもイタい (思うに、トラップ選択時、設置時には時間を止めるべきだったんじゃないだろうか)。
こういう操作性でトラップを生かすつもりであれば、 もっとアクション性を落とすべきだったし、 こういうアクション性が強いゲームにするんであれば、 操作性を根本から違うものにする必要があったろう。 まぁそのどちらにするにしても力量不足感が漂っているけど。
ポーズメニューに入るレスポンスが悪い(なぜかボタンを押してもポーズメニューにならない時が多々ある)し、 ポーズメニューも使いにくい。 特に気になったのは、人物ステータスを見るときには画面の半分を占めるバストアップ絵が表示され、 武器の詳細を見るとハイレゾで武器のグラフィックが表示されるんだけど、 そのお陰でそれぞれにビミョーなローディングの間があること。
ステータスもシンプルで育成が楽しいゲームでもないし、 ホントにゲーム本編には見るべきものがない
グラフィックは、質感そのものは良いし、ひとつひとつのオブジェはよく描けてる。 その一方で、街中の各店・部屋などは、オブジェを置いただけって感じでイマイチ存在感が欠ける。 ただ、結構細かい演技をするキャラクターのグラフィックはポイント高し。
音声はナシ。 テキスト量そのものの多さもさることながら、 全体的に説明的な内容が多いので、(手間暇、費用の問題を考えなくても)当然の選択だと思う。
キャラデザはイタい。というか、キャライラストがイタい。 予想以上にアニメっぽいことにビックリしたのはいいとしても、 等身のバランスがバラバラで、好き嫌い以前にヘタって感じ。 顔の表情ウィンドウの絵はなかなか魅力的で良かったんだけど、 説明書の絵やステータスでのバストアップの絵はイマイチ。 プレイヤーの分身として無色的な設定の主人公キャラに、ああいう絵を付けたことも疑問。
1回のクリア時間は10時間前後。 プレイによって話の大筋が変わることはないので、 おそらくクリアするパートナーを変えて何度も遊ばせたいんだろう (ここらへん、いわゆるギャルゲ的な作りではある)けど、 だったらだったで、それがセーブデータに反映されるような作りにしてほしかったところ (クリアデータをセーブするという概念がない)。 エンディングでの後日談がしっかりと語られることには好感が持てるんだけど、 それがほとんど主人公とパートナーだけの関係に終わってしまっていたのは残念。 ちなみに自分の場合、ルカとジェシカでクリアしてお腹一杯だった。
ストーリーや世界設定が良くキャラも魅力的なので、それなりに楽しめた一本。 しかし、PS2発売後にも関わらず、SFCで完全に同等の表現が可能なゲームが発売されたことに驚きを感じるし、 ゲーム部分ではむしろ退化してるように感じられたのが何ともハヤ・・・な一本でもある。 何より、SCEの意図がワカラン。 ある意味、これから減っていくであろう旧来のRPG的な(記号&テキストでの)物語の表現をしているわけで、 それにはそれなりの面白さがあることは認めるけど、 もうちょっとゲームをシッカリと作って欲しかった。
2001年5月12日記載

REPORT『花と太陽と雨と』
PlayStation2
2001年5月2日発売発売:ビクター 開発:グラスホッパーマニュファクチュア
PS『シルバー事件』でスマッシュヒットを飛ばしたグラスホッパーの新作 (ちなみに、プロデューサーの須田氏はあのPS『ムーンライトシンドローム』を手がけた過去がある)。 元々アスキーからの発売が予定されていたんだけど、 そのアスキーが家庭用ゲームから撤退し、発売がちと危ぶまれていた。
意外にもというか、『シルバー事件』の続編的な内容になっている。 というか、余りにも多くの部分を『シルバー事件』に頼っており、 この『花と太陽と雨と』をプレイする前に、 『シルバー事件』をプレイしておく必要があるということに要注意 (じゃないと、それこそ「は?」ってことになりかねない)。
ゲームの作りとして『シルバー事件』と共通するのは、 ポリゴン背景がチャチなこと、読み易く独特なフォント、そしてゲーム的には見るべきものが少ないこと。 違うのは、ストーリーそのものが面白くないこと。
「空港に仕掛けられた爆弾を探し出して欲しい」という依頼を受け、 南国のリゾートアイランド「ロスパス島」に来た探し屋「モンドスミオ」が主人公。
そして、ホテル「Flower,Sun and Rain」の自室からその空港に向かうのだけど、 その途中になぜかワケの分からない障害がある。 例えば、ロビーに下りるために通る階段でプロレスラーがスクワットをしていて通れない、とか。 そこで周りの人間と会話をし、その障害を排除するための「暗号」のヒントを探る。 一通りのフラグを立てたら、その障害に暗号を入力してその障害を排除。 するとその直後に空を飛んでる飛行機が爆発し、モンドは眠りに落ち、 また同じ日の朝に戻ってしまう。 障害が排除されてより先に進めるようになるんだけど、そこにはまた障害が・・・。 というのがゲームの大きな流れ。
その暗号のヒントとなるのが、最初に渡されるロスパス島のパンフレットで、 周りとの会話からそのパンフレットに隠された暗号を見つける (ちなみに、暗号入力シーンでだけそのパンフレットを見ることができる仕様)というのが、 一応、ゲーム的なキモになっている。 ここはそれなりに面白い要素だったんだけど、 そのパンフレットがボリューム不足で実際に探す範囲は狭い上に、 短絡的で単純なネタが多すぎるのが難点。 また、どうせなら実際にそのパンフレットをソフトに同梱してほしかったなぁ (ちなみに、ファンブック&攻略本的な形で\2000で発売中とのこと)。 最近、そういう仕掛けのあるゲームって少ないし。
謎解きということでは、算数を用いたものが多いのが特色で、 ラストは2桁の四則計算を延々と(といっても2、30問)解かされる。
で、その謎解きまでの道筋は、 動ける範囲が狭く(実際に動ける距離は大きいんだけど、選択肢が少ない)調べる対象が少ないこともあって、 単純なフラグ立てってのがアリアリ。
『シルバー事件』とは違い、今作は全編ポリゴンのアドベンチャーゲーム。 レバーを入れた方向にキャラが進み、視点は完全にオートなので、 感覚的にはDC『ブルースティンガー』なんかに近いかな。 ただ、視点は(主人公の移動速度が速いってのもあって)より定まらない感じ。 しかも描画が滑らかなので酔う人は酔いそうな気配がある。 できればカメラをキャラの背後に動かすボタンくらいはほしかったんだけど、 アナログレバーとL1(決定)、L2(キャンセル)だけ、 つまり片手で全ての操作が可能なのは嬉しい。
頭と手と足が大きい人物のモデリングはかなり個性的。 トゥーンシェイディングっぽい陰影の付け方もマッチしてるし、 顔の作りも個性的でグッド。 『シルバー事件』との繋がりがなければ、 2Dの顔の表情ウィンドウはいらなかったんじゃ、ってくらいで、 逆に、2Dのキャラの顔とはテイスト的にかけ離れすぎってのもある。
一方で背景はかなりイマイチ。個人的にはココが非常にイタかった。 リアルなスケールでかなり広い空間を表現できてるのはいいんだけど、とにかく質感がチャチい。 いい意味でチープで独特の雰囲気がある、とかじゃなくて、ただひたすらにチャチ。 テクスチャそのものの精度が低いことと、陰影の表現が不十分なのがその主な原因っぽく、 花と太陽と雨と、そういった南国感が全く感じられなかったのは、かなりイタい。 リアルなスケールで、だだっ広いところをガンガンと走らされることそのものは個人的にOKな演出なんだけど、 だったら背景を見てそれを楽しめるようなレベルにしてほしかったところだ。 ギザツキ、チラツキもかなりの勢いで目立つし、 大体、(そんなに頻繁にではないにしても) ポリゴンとポリゴンの隙間のチラつきが目立つことがあるなんてのは、 最近のソフトではそう無かったことだぞ?
音関係はまあまあ。 BGMは曲単体ではいいと思うんだけど、 それが効果的に使われていたかっていうと、それほどでもない気がする。 SEは随分とマシになった印象で、ちゃんと視点によって左右のバランスが変化するのも良い。
ちなみに音声は皆無で、セリフのテキストのバックではゴニョゴニョって感じのSEが流れてるタイプ。 2Dの表情ウィンドウがテキストの右側にあるのは実に謎な仕様で、 視線の動きからすれば当然左側に置くべきだし、全く目に入ってこなかった。
ストーリーは予想通りというか、白昼夢的なものだった。 よって、ロスパスでの最後の仕掛けもなんか空回りで、 そういったストーリーの流れを楽しむものではなく雰囲気・ノリ重視。 テキストは悪ノリが過ぎてついていけないと感じることもしばしば、 笑わせたいつもりなのかどうかすらわからないし、 内輪ウケ的なネタが多いのも気になる。
他には無い独特なセンスは確かに貴重なんだけども、 今作はあまりにも対象が不明だった。 前作をプレイしていないと楽しめないにも関わらず、 前作を気に入った人がプレイして楽しめる内容には必ずしもなっていない(目指してもない)というのは、 ある意味PS『ムーンライトシンドローム』に近いのかもしれない。 じゃ、どんな人が楽しめるのかってのが正直よくワカラン。 とりあえず、“サブカルかぶれ”な人くらいにしか薦める気になれないなぁ。 クリアしてみれば序盤の印象よりはマシだったとはいえ、やはり期待外れな一本だった。
2001年5月8日記載

REPORT『テクニクティクス』
PlayStation2
2001年1月25日発売発売・開発:アリカ
そんなに売れてはないんだけど、 ちょっと前だと、 『SSX』『テクニクティクス』『真三国志無双』がPS2で3大面白いゲームと言われてた時期があったくらいに、 意外に評判が良かった音ゲー。 『ストリートファイターEX』で有名なアリカの初の音ゲーでもあると思う。
基本ルールはかなり独創的。 キャラクターを動かして「マーカー」という水面に浮かんでくる波紋の上に乗せ、 タイミングを合わせてボタンを押すというのが基本で、マーカーが「反応」して音が鳴る。 マーカーは2重の円になっていて、内側の円がだんだん大きくなり、 外側の円と重なったときがベストタイミング。 で、それを補助するのは、 そのマーカーを持ち運ぶことができるということと、 反応したマーカーに接触しているマーカーは「予約」状態になり、 勝手にそのタイミングになれば音が鳴るようになるということ。
そのプレイ感覚は、従来の音ゲーというよりは、 むしろ落ちゲーなどのアクションパズルなんかに近い
というのは、もちろんアクションパズル的な面白さがあるってのもあるんだけど、 いわゆる音ゲーにあるようなグルーヴ感が弱いというのもあるんじゃないかな。 キャラクターの移動とマーカーを持つ・置くという リズム感とは完全に別枠の操作の割合が大きいというのがその一番の原因だし、 予約によって自分がボタンを押さずに音がなることも、その原因のひとつだろう。 また、そのマーカーも、 リズムを取らせるようなものやメロディを奏でさせるようなものが少ないというのもある。 よって、マーカーを絵的に見てタイミングを取ることが多いし、 終盤はタイミングよりもいかに正確にキャラクターを動かすかが重要になってくる。
そこで気になるのは、いわゆるクォータービューというか、 斜めから見下ろすようなその視点。 奥のマーカーは必然的に小さくなって見難い、 キャラクターの陰になってマーカーのタイミングが見えない、 マーカーを持ち上げたときに見た目と実際の位置でズレを感じる、 キャラクターが目立ってしまって重要であるはずのキャラクターの立っている位置に対する感覚がやはりズレる、 などの諸々の難点は、この視点によるところが非常に大きいんじゃないだろうか。 高さの要素はゲーム的に全く無いわけで、 もっと真上から見下ろすような視点の方がゲーム的には面白くなったと思う。
曲はテクノ。 全32曲(ハードバージョンが7曲にあるので実際プレイできるのは39曲)あって、 曲数にはそんなに不満はないし、 曲そのものは良いと思うんだけど、どうにも全体的に似通った曲が多い印象。 これは『ビートマニア』のような絵的な差別化要素がないから、ってのもあるんだけど、 メロディ色の強い曲が少ないように思うし、 特にテクノにこだわる必要もなかったんじゃないだろうか。
キャラクターが能力的に大きく違う (しかも、デフォルトの2キャラ以外は概ね使いにくい)というのは、 良し悪しで評価がわかれるところだろう。 まぁ、だったらだったでキャラ別に得点記録を残してほしかったんだけど・・・。
ゲーム本編以外の部分で気になったのは、 まず、その言いにくく憶えにくい『テクニクティクス』というタイトル。 そして、一番下が横に繋がっているかなり読み難い変わったフォントを タイトルだけじゃなく説明書内やゲームのモードなどでも用い、ゲームのメインフォントに据えたこと。 逆に良かったのは、起動時に「今日は何の日?」的な日めくりカレンダーが表示されることと、 全体的にローディングのストレスが少ないということ。
元々の発想は秀逸なモノがあるんだから、 アクションパズルっぽい音ゲーじゃなくて、 音ゲーっぽいアクションパズルを目指した方がよかったんじゃないかなぁ (評価と点数という2重評価を止めて、点数体系をわかりやすくして、とか)。 自分はどちらかというとアクションパズルが好きな人ってこともあってか、 普通に楽しめたにしても、それほどの熱中度は感じられなかった。
2001年5月8日記載

REPORT『カウントダウンヴァンパイヤーズ』
PlayStation
1999年12月22日発売発売:バンダイ 開発:FREE CLOUD
PS『バイオ2』の約1年後、PS『バイオ3』の約3ヵ月後に発売された、 言ってしまえばバンダイ版『バイオハザード』 (ちなみに、DC版『バイオ2』と同日発売だったりする)。 パッケージ裏に画面写真は皆無で、 そこ書いてあるイロイロなウリ文句に触発されて買ってみたものの、 内容は予想以上に『バイオハザード』で肩透かしを食らってしまった。
システムやゲームの流れはほどんど『バイオ』のまんまといって良い。 一枚絵の背景+ポリゴンのキャラクターという手法で、 戦闘しながらマップを移動し、鍵を見つけ行動範囲を広げ、 「何でここにこんなパズルが?」っていうパズル的な要素を時折こなしていく、と。
加えて、グラフィックの雰囲気、音の雰囲気まで非常に『バイオ』ちっく。
キャラクターと背景のマッチングは、酷く悪いわけでもないけど、特に良くもなし。 背景の描き込み具合もそれなり。
前半の舞台は、ホラーをテーマにしたカジノホテルということで、 (それが十分に生かされていたかは別にしても)それなりに特色があった。 一方、そこから出た後の後半は、個性に欠ける。
主人公は、DC『ゾンビリベンジ』の毒島のごとく上半身裸で、 右肩に大きなイレズミがあり、中途半端にマンガちっくな印象。 そんな風貌の割に、鷹揚に欠け、ハクに欠けた声で、 そのミスマッチ感も何となく『バイオ』っぽい。
ストーリーは、大まかな構造は面白かったハズなんだけど、 各キャラクターの見せ方が淡白この上なく、 焦点がボケボケ(ヒロインは必要だったか?とか)で、 盛り上がる部分は皆無と言っても良い。勿体無い。
パズルは『バイオ』並で平易。 しかも、ところどころにヒント過多なパズルがあったのは気になった。
このゲームの大きな問題点は2つ。
ひとつは戦闘のバランスの悪さ。 そのタイトルの通り、敵はゾンビではなくヴァンパイア (「ヴァンパイア?」っていうクリーチャーも多いが)。 状況を把握しづらく、自在に動けないというこの手法特有の欠点はそのままに、敵の動きが速めなのがツラい。 多数の敵と対峙する時には、 攻撃態勢になったときに一番近くにいる敵の方を向くという仕様が逆に足を引っ張ることも。 また、場面が変わったら敵が目の前にいる・敵に囲まれているという状況も多すぎで、 敵の配置も適当っぽい。 しかも、ダウン後の起き上がりに無敵時間がなく、 起き上がりに重ねられた攻撃が回避不能だったり、 それが連続でタコ殴り状態になったりもする。 そんな諸々の理由から、全体的に戦闘の難易度は高めになっており、 その不条理というか不可解なバランスは、心地よいとは言い難い。 特に序盤の導入部分がいきなりキビしめなのがツラいところだろう (これもこのテのゲームでありがちなことなんだけど、 攻撃手段に選択の余地が無い前半がキビしく、逆にイロイロな武器が手に入る後半はラク)。 ボス戦は制限時間があることが多いので使用武器の選択の余地は小さめ(大抵、強力な武器でゴリ押し)だし、 特に視点で苦労させられる場面が多いのも本末転倒な感じがする。
そしてもう一つの問題はストーリーの見せ方。 各キャラクターのストーリーと主人公とに絡んでくる度合いが低すぎるという ゲーム内での実際の見せ方も誉められたモンじゃないんだけど、 何より、2度目のプレイで本来のストーリーを見せるというやり方が問題。 しかも、最初のプレイとは違った視点から物語を見せる、とかじゃなくて、 最初のプレイの内容に、人物とイベントを加えることで物語を膨らましており、 「じゃ最初のプレイはなんだったんだ?」ってことになる。 そのお陰で、その真のストーリーも取って付けたような感じになっちゃってるし。 イージーでクリアすると真のストーリーが見れないというのも問題で、 だったらだったでイージークリア後にそれを教えるべきだろう。 プレイ時間を稼ぎたい(ちなみに、自分の最初のプレイのセーブデータのプレイ時間は8時間弱)ってのはわかるんだけど、 それがゲーム自体にどういう影響を与えるのか考える必要がある。 せめて、イージーをクリアすると真のストーリーのノーマルモードに入る (ノーマルモードでは最初から真のストーリー)という形の方が良かったんじゃないだろうか。
で、せっかくだから、自分が触発されたパッケージ裏のウリ文句を検証していこう。
《最強最悪のヴァンパイアをブッ倒せ!》 …中略… 格闘ゲームの要素も加わり、戦い方は無限大へ」 最初から持ってる弾数無限の近距離用武器として、 「CVスタングローブ」というパンチを強化する武器が用意されてるんだけど、 その使い勝手は『バイオ』のナイフと変わらん。 それをもって「格闘ゲームの要素も加わり」って言われてもねぇ・・・。 ちなみに、クリア後のオマケゲームとして、格闘要素だけを残したゲームがあるんだけど、 それを指してるんだろうか?
《真の目的はレスキュー!》 …中略… 麻酔銃と白い水で救助していくことでストーリーは驚愕の新事実を告げる!」 このゲームの特色のひとつがこれ。 人型のヴァンパイアに麻酔銃を打ち込み倒すことで、救助でき、 それでお金が手に入ったりする。 と聞くと、「いかに人を助けるか」というゲームなのかと思うかもしれないけど、 実際は「いかに見切りをつけるか」が重要になってくる。 というのも、人型のヴァンパイアは麻酔銃だとかなり手間取る一方で、実弾攻撃の耐久度は低めに設定されており、 これを危ないときには躊躇せずに射殺するというのがこのゲームのキモになっている (ここに気付くまでは非常に難しいゲームに思えてしまうはず)。 どっちにしろ、麻酔銃の弾数には限りがあるし。 で、この救助した人数(とプレイ時間)はクリア後のランクに影響し、 それにより次回のプレイで真のストーリーが出るかどうかが変わる、だけ。 つまり、ゲーム中にそれによって左右される要素はないはず。 ちなみに、お金で薬が買えるんだけど、取って付けた感じで重要性はそれほどではない。
《「時の恐怖」カウントダウンシステム!》 …中略… 結果がストーリーを分岐させる。」 要するに、時間制限のイベント (時間内に○○へ行け、とか、時間内にボスを倒せ)がホンの数箇所に挿入されているだけ。 しかも、そのほとんどは失敗=ゲームオーバーで、 分岐するのって最後のヤツだけだったと思うんだけど・・・。
《怒涛のハイエンドCGムービー!》」 ここは別に触発された部分ではないんだけど、 確かに、ハイエンドCGムービーの質はかなり高く、人のなまめかしい動き・表情はなかなか素晴らしい。 ただ、それが使われているのは、 オープニング&エンディングと各種クリーチャーの出現時だけ。 その他のイベントのムービーは、実機レベルのキャラによるもので、 どちらかというと、こっちの方が重要なシーンが多い。
・・・詐欺ギリギリ、というかギリギリで詐欺じゃないか?
最後になるけど、純粋に作り手の落ち度と思われる点は、 コンフィグがセーブデータに反映されないということ (音量のバランスを変え、振動をオフにしてプレイする自分的には結構面倒だった)、 アイテムボックス内で弾薬が自動的にまとまってくれないこと、 イベントシーンがキャンセルできないこと (ムービーシーンはキャンセル可)。
自分もイロイロと『バイオ』の亜流的なゲームをプレイしてきたけど、 このゲームほど、このゲームなりの何かが見えてこないゲームもなかった。 この手法の欠点は何か、とかそういうことを全く考えずに、 『バイオ』がヒットした原因はあのシステムが優れていたからだと勘違いし、 金と手間暇をかけて、ただその手法を模倣して作られたゲームに思える。 まぁそれだけに、『バイオ』が好きならそれなりに楽しめるゲームかもしれないが。
2001年5月6日記載