REPORT『フェイズパラドックス』
PlayStation2
2001年5月24日発売発売:SCE
随分昔に出たPS『フィロソマ』の続編的な存在というSFアドベンチャーゲーム。 自分はその『フィロソマ』のプレイ経験は無いんだけど、 結構本格的っぽいSFということでプレイせねばと購入したものの・・・。
惑星220でレスキュー活動をしていた攻撃空母「ギャラント」が、 その惑星220の急な爆発により深刻なダメージを受けたところから物語が始まる。 言ってみれば『バイオハザード』と映画「エイリアン」を混ぜたような話で、 スタートレックのいちエピソードとしてありそうな話でもある。
一枚絵の背景にポリゴンのキャラクターというタイプで、 イベントシーンも(おそらく)全てその手法で表現されているっぽい。
そのお陰で、人物のモデリングは上々。特に、顔の造形は非常に良くできている。 セリフと口の動きのマッチングには不自然さを感じるけど、 これは他の部分の表現力が上がったからこそかもしれない。
一方、背景もかなり描き込まれている。 攻撃空母の外観、戦闘機のデザインなんかは好みじゃないんだけど、 主な舞台となるギャラント内部は結構無骨にセンス良くまとまってる。
その背景とキャラクターのマッチングは、意外にもかなりイマイチ。 背景で複雑な光源にしすぎたのか、それがキャラクターに反映されず、 かなりキャラクターが浮きぎみ。 今までのこの手法を使ったゲームと違って、 視点切り替え時にビミョーな間が無いのが救いか。
操作は『バイオハザード』のようなラジコン形式ではなく、 レバーを入れた方向に進むタイプで、 当然、レバーを同じ方向に入れ続ければ視点が変わっても同じ方向に進むというフォロー付き。 例えばDC『ブルースティンガー』のようにある程度視点が動いてキャラを追うならまだしも、 SS『ディープフィアー』などで証明されている通り、 この操作法が表現手法にミスマッチこの上ない。 視点が切り替わるときに操作に戸惑う上に、 自分がどちらに向かって進んでいたかを見失うことも多い。 レバーを入れた度合いによって歩行スピードが変わるでもなく、 『バイオ』のように「走る」ボタンがあるだけ。 当然のごとくラジコン形式にするべきだったし、最低限、選択できるようにすべきだったろう。
で、キャラを操作する部分は、ほとんどゲームになってない。 戦闘などのアクション要素は皆無だし、 マップを見ながら次に行くべき場所に行くだけで、どこに行くべきかわからないときも、 マップを見てロックが解除されてるドアを進めばいいだけだったりする場面も多い。 パズル的な要素もほぼ皆無で、単にイベントシーンとイベントシーンを繋ぐだけの存在になっている。
一応、イベントシーンで○×を選択するシーン挿入されるのが、 ゲームっぽい部分ではある。 これも、例えば「撃つか? ○×」って感じなので、 ×を選んだときに主人公がどういう意図をもって行動するかがよくわからないことが多い。 しかも、選択肢からは想像できないような結果になることも多く、 分岐というよりも選択を間違えるとゲームオーバーというシーンがほとんどなので、 まるでデキの悪いアドベンチャーゲームブックをプレイしてるかのようだ。
何より一番の難点は、 豊富に用意されている(というかこのゲームの大部分を占める)イベントシーンが、 全くもって盛り上がりに欠けるということ。
良い部分がないわけではない。 キャラを操作するシーンよりは、背景とキャラの違和感がないように調整されているし、 英語音声にはムリがないし、セリフの内容にもムリがない (字幕は映画並に省略されてるので、英語の勉強にもなりそう)。 色々なエフェクトは趣向が凝らされているし、 特に、ぼやけエフェクトは今までプレイしたゲームの中で一番自然だった (ちとムリに使いすぎな気もするが)。
なのに、非常に淡々としていて、全編、非常に眠かった。 その最大の原因は、BGMが無さ過ぎること。 映画的な演出であれば、BGMと絵のマッチングは絶対に必要になってくるはずなのに、 マッチングどころか、BGM自体が無いことが多すぎる。 また、一枚絵+ポリゴンキャラという手法、つまり動的なカメラワークが皆無で視点が固定されており、 それが切り替わるだけで進行するのも、淡々とする原因のひとつ。 もちろん、そのそれぞれにそういう演出はアリなんだけど、 狙って使われているわけじゃなく、結果的にそういう形になってしまっただけで、 そこには何の効果もない。 特にアクションっぽいシーンには絶望的なものがあり、なんの盛り上がりもない。 微妙にヘンな間で挿入されるローディングの暗転時間も、イベントの流れを悪くしている。
ストーリー自体はそれなり。 一応、このゲームのウリらしいのは、 3人の主人公がいて、 例えば、キャラクターAの10時からのフェイズ(シーンの区切り)の後に キャラクターBの8時からのフェイズをプレイするというように、 キャラ毎に時間軸をずらして話が展開していく、という部分らしい。 ただ、やはり時間が前後してしまうとキャラクターごとの同時性が分かり難くなってしまうし、 他のキャラクターをプレイさせられることで、それまでプレイしていたキャラの流れがボヤけてしまう。 正直、どういう効果を狙ったのか測りかねるものがある。 また、意外にもというか、実際にストーリーを想像して楽しむという要素もあまりないように思う。 最初の惑星220でのレスキューミッションもその内容の説明がないのも、 ストーリーの流れの想像し難さに繋がっている。 それも含めて、導入部分が説明不足。 大体、攻撃空母って主人公たちは何に対して戦ってるんだ?とか、基本的な世界観の解説も足りない。 やはり『フィロソマ』をプレイする必要があるのか? だとしても、『フィロソマ』のプレイを前提にするというのも疑問で、 何かしらのフォローが欲しかった。 ムリに3人に分岐させた感のあるラストシーンの展開にも強引なものがあるし、 何より、続編を匂わして話が完結しないという、尻切れトンボな終わり方がイタい。
データベース的な解説を織り込むというのも映画ではムリな手法だけど、 それも説明不足な上に、検索性が悪い(例えば人物関係の図から人物説明が参照できない、とか)ので、 非常に中途半端な作りになってしまっている。 例えば、キャラを操作する場面だけじゃなく、 イベントシーン中にも単語を調べられるという作りならば、 それはそれで面白かったろうに。
PSアコンカグア』の悪夢再び、 映画にあこがれてただけの人間が、何かの間違いでゲームを作ってしまったような作品。 別に見せることに主眼を置いたゲームがあってもいいとは思う (そういうゲームであることは発売前の雑誌レビューを読んで知っていたし)。 だけど、そうならそうでもっと他に作りようがあるんじゃないのか?ってことになる。 更に言えば、そういうゲームが作りたいのであれば、 そろそろ「映画のようなゲーム」を作るから、 「ゲームなりの物語表現」にステップアップしてほしい。 っていうか、それができないのであれば、こういうゲームを作る資格ナシ、でしょ。
で、結局何が“パラドックス”だったんだ?
2001年5月28日記載

REPORT『サイレントボマー』
PlayStation
1999年10月28日発売発売:バンダイ 開発:サイバーコネクト
PSでは珍しく“ユーザーの中ではソコソコ有名な隠れた名作”的な地位に落ち着いている雰囲気のあるアクションゲーム。 つまり、“売れなかったけどよくできてる一本”ということになる。 ちなみに、製作したサイバーコネクトは、 同じくバンダイから発売のPS『テイルコンチェルト』を作ったメーカー (この『サイレントボマー』以後、音沙汰無いが・・・)。
順次ステージをクリアしていきスコア要素があるなど、 アーケードゲーム形式のゲーム内容で、 視点が固定されていて2Dゲームのような感覚でプレイできるタイプ (PS『メタルギア ソリッド』、DC『ガンスパイク』のような感じ)。 ちょっとプレイしただけで、操作のレスポンスの良さが感じられ、 良作アクションゲームであることを期待させる。
タイトルに「ボマー」とあるように、その攻撃手段は爆弾。 爆弾といえば『ボンバーマン』なわけで、確かに、よりアクションな『ボンバーマン』ってとこもある。 ただ、そこからの肉付けが非常に上手い。 まず、爆弾は自動的に爆発するのではなく手動で起爆させる。 そして、基本攻撃手段は、地面に設置する通常のボムセットと、 ロックオンにより直接敵に設置するボムセットの2種類。 後者の存在によって、『ボンバーマン』のように受け身なだけではなく、 一般的なアクションシューティングのようなアグレッシブな攻撃が可能になっている。 そして、爆弾の重ね置き「スタック」の存在。 一箇所(ロックした敵でも可)に何個もの爆弾を設置することで、 爆発範囲が広がり攻撃力も上がるというシステム。
その他のアクションは、ジャンプボタン2回押しでの 空中で短距離を瞬間的に移動する「バーストドライブ」 これは緊急回避的な行動なんだけど、案外その後の硬直がデカいのが難点ではある。 また、いわゆる三角跳び的な壁ジャンプも可。 こちらはアクションとしては面白かったのに、 ゲーム中で生きる場面がほぼ皆無だったのが残念。
さらに、回数制限のあるサブウェポンとして「マテリアルリキッド」という3種類の特殊爆弾があるんだけど、 これがゲームに馴染んでない上に、 この操作の為だけに3つのボタンが占領されてるのもいただけなかった (デフォルトでは、L1、R1で種類変更、○でマテリアルリキッドセット)。 回数制限がある(道中のアイテムボックスなどで補給可)ので、 ボス戦の攻略法の一部にはなり得ないし、 (少なくともゲームをクリアするという段階では)ほとんど使う機会はなかった。
まぁ全体的に良好なんだけど、 ゲームを進めば進むほど、 爆弾設置とロックオンのためのサイトの展開が同じボタンで行われることがストレスになってくる。 設置ボタンを押しっぱなしにするとサイトがでるという仕様で、 いったん敵をロックすると、一度起爆しないと地面に設置できない。 加えて、押しっぱなしという操作(しかもデフォルトは○ボタン)のお陰で、 サイトを展開しながらジャンプアクション(特にバーストドライブ)が行い難いのもマイナス。 別枠の操作で用意した方が良かったんじゃないだろうか (マテリアルリキッドの必要性が感じられないので余計にそう思う)。
デモシーン以外の通常プレイ時にも、敵や味方からの無線などでセリフが流れて雰囲気を盛り上げる (SS『バーニングレンジャー』を思い出した)。 一部のステージで、どこに進んだらいいのかわからない場面があって、 できれば矢印などのフォローがほしかったところだけど、許容範囲内。
難易度はまぁ普通か。 一部(特にラスボス)に難易度が高いシーンがあるものの、 フリーコンテニューだし、ボス戦で死んだ場合はボス戦からやり直せるので、 アーケードタイプのアクションゲームとしては概ね問題ナシなレベルだと思う。 ボス戦は全体的に攻略性が高くてナイス。
ただ、コンフィグで難易度調整がないのはいただけない。 アクションゲームが苦手な人がクリアできるレベルではないと思うし、 逆にクリアしてしまうと、今度は物足りない。
アーケードゲーム形式と言っても、 シッカリとしたデモシーンがあり、ひとつのステージも長めなので、 クリアまでのプレイ時間は(やり直しも含めて)3〜5時間程度。
本編以外では「アリーナ対戦」という対戦モード(CPU対戦も可)が用意されてるけど、 まぁオマケレベルと考えた方がいい。 クリア後にはステージセレクトが可能になり、スコアアタック的な作りになる。 スコアによる各ステージのランクによって、 アリーナ対戦の隠しキャラが3体出るらしいんだけど、 Aランク以上、特にSランクを出すのは非常にキビしいので、 いわゆる「稼ぎ」が本格的に好きな人でないと難しいだろう。
グラフィックはかなり上々な部類だと思う。 確かに、アップになってのイベントシーンにはキツいものがあるけど、 ゲーム中の可視範囲の広さ、背景の描き込み具合、爆発エフェクト、敵のモデリング、ステージ中の演出、 どれを取ってもかなり頑張っている。
ただ、一部のイベントで用いられてるムービーはイマイチ。 背景などの無機質な部分はよく描けてるんだけど、 とにかく人物の顔がイマイチなのが致命的で、 特に口の描き方に不自然なものを感じる。 せっかく説明書のイラストだとカッコいいキャラクター達なのに・・・。 しかも、そのイマイチなCGキャラをパッケージの絵にした事にも相当疑問が残る。
設定は、惑星ホーネットを吹っ飛ばすために進行してくる 超弩級戦艦DANTE(全長200kmという設定)の内部に突入し、内部から破壊工作を行うというもの。 そのために編成された特殊部隊は、 指揮官の「アンリ」以外はほとんど服役中の犯罪者 (なんで部隊に選ばれたかという説明が欠けてるけど、おそらく刑期の短縮と引き換えとかだろう)な6人からなり、 その一員である「ユタ」が主人公。 彼は、過去に国家の戦闘兵器として育成され、 その軍事国家崩壊後に逮捕、現在懲役300年で刑務所に服役していたという設定。 ここらへんの設定はなかなか熱いものがある。
各メンバーの描写が甘いなど、 アドベンチャーゲームなどと比較するとやや苦しいものがあるけど、 ストーリー部分は良好に語られている。
メンバーのひとりで、黒幕というかライバルというかそんな存在になる「ベノワ」は、 今は亡き塩沢兼人さんのボイスにより雰囲気全開で、 無機質風なユタといいベタな感じではあるけど良い感じ。 ヒロイン的な指揮官アンリもベタなんだけど、これはイマイチ。 コイツのお陰で、ドラマがやっすい感じになっちゃってるんだよなぁ・・・ (エンディングのオチも安っぽい)。
また、絵とキャラ設定・性格とのギクシャク感にも問題アリで、 特に主人公ユタは、声と顔があってなく年齢不詳ぎみ。 声からするに、もうちょっとシブめの外見の方があってたんじゃないだろうか。
隠れた良作アクションゲームであることは間違いなく、 アーケードタイプのアクションゲームが好きな人間ならフォローしておきたい一本。 ただ、自分のように、いわゆる「稼ぎ」に興味がない人間にとっては、 ちと物足りない内容であるのも確かで、 少なくとも「発売日に買っておけばよかった」と後悔するほどではなかった。 (コンフィグでの難易度設定を含めて)オマケ要素の作り方を間違ったんじゃないかなぁ・・・。
2001年5月25日記載

REPORT『スパイロ・ザ・ドラゴン』
PlayStation
1999年4月1日発売発売:SCE 開発:INSOMNICAC
子供のドラゴンを操作する洋モノ3Dアクションゲームで、 個人的には、SCEのプロモーション失敗作として印象に残ってる一本。
TVCMの印象からして、大空を飛びまくるゲームかと思いきや、 ゲーム的にはどちらかというとN64『マリオ64』やN64『バンジョー&カズーイ』に近いタイプだった。 5つのステージとそのそれぞれへの入り口がある「ホーム」からなる「ワールド」がひとつの単位となって、 そのワールドで与えられた基準を達成すると次のワールドへ、という流れ。 『マリオ64』のスターや、『バンジョー』での音符・ピース、『ドンキーコング64』でのバナナ・ゴールデンバナナに相当する、 ステージ内で集めるべき要素は「ドラゴンを助ける」と「宝石を集める」の2点。 ただ、他のゲームに比べるとパズル要素はかなり控えめで、 ほとんどが道なりに進んでいくだけでゲットできる印象。 看板によるヒントがお節介なくらいに充実してることもあって、難易度はかなり低め。
道中で新たなアクションをゲットして・・・、という展開は無いので、 一度ステージに入ったらそこでの全ての要素を集めてから次のステージに進むことになるし、 それくらいで丁度良い(というか、むしろヌルめ)難易度になっている。 よって、しらみ潰し的に進めていくことになり、 各ワールドに設けられた基準(宝石を○○個集めろ、など)にもほとんど意味が無い。
このゲームの最大の特色は「グライド」というアクションにある。 ジャンプ中にジャンプボタンを押すことで滑空をし、 上昇することはできないものの、高いところから低いところへ行く分にはかなりダイナミックな移動ができるというもので、 他のゲームには無かった気持ちよさが味わえる。 また、滑空中に△ボタンを押すとそこで真下に降りられるので、 足場から足場への滑空で飛び過ぎて落下なんてことはない (もちろん、届かなくて落下、ってことは多々ある)。 このグライドがキモになってるだけに、 ステージ構成が箱庭というよりも一方通行の循環構造になってるところが多く、 一部に、あるアクションを失敗してからもう一度試すまでが面倒になってるところがあるけど、 許容範囲というか、やむを得ない部分だと思う。
攻撃手段はダッシュによる突撃と火を吐くことで、 これの使い分けがひとつのキモとなる。 (距離はそれほどではないものの)放射状に攻撃する火吹き攻撃はなかなか気持ちがいい。
全般的に、アクションにはクセがなく (気になったのは、通常ダッシュ中にジャンプできないことくらい)、 丁寧に作られてる印象だった。
各ワールドに1つずつあるボーナスステージは通常ステージとは違って360°自由に飛び回ることができ、 良いアクセントになっている。 やはり各ワールドに1つずつあるボスステージは、 適度というより物足りないか。
と、洋ゲーらしからぬお手軽に楽しめる内容なんだけど、大きな難点がひとつ。それは視点。 毎度毎度の事ながらというか、このテのアクションゲームでは視点に問題が出てくるんだけど、 この『スパイロ』はそれがかなり酷く、 手動操作の部分、自動調整の部分、どちらもイタい。
キャラの移動はレバーを入れた方向に進むタイプで、 視点関係の操作は、L2、R2で視点の左右回転、 △ボタンでカメラを正面に向かせる、 そして、△ボタン2回押しで主観に近い周りを見渡すモードになる。
まず、視点の左右回転はスピードが遅くて使い難いし、 カメラが壁などの地形ぶつかってそれ以上カメラが回転できなくなることも多い。 加えて、特に回転の左右が自分の感覚とは逆だったのが痛恨。 ゲームを半分以上進めるまで慣れずに苦しんだ。 これは、操作そのものというより、キーコンフィグがないことが問題。
カメラを正面に向かせるボタンも、レスポンスが悪い上に、 カメラが向くスピードが遅すぎなのが致命的 (左右回転と変わらないスピードじゃ意味がないって)。
ボタン2回押しの主観モードもレスポンスが悪く、思った瞬間に主観になってくれない。 なぜ別個にボタンを設定しなかったのか疑問だ。
よって、3Dアクションゲームで重要な周りを探るという行動に難アリということになる。
しかも、移動と共に自動に調整される部分もイタい。 カメラがキャラを追うのが遅く、どうにもキャラが先行しがちで先が見え難くなることが多い。 おそらく酔わないようにだろうと思われるカメラの向きの自動調整のビミョーさも、 使えないカメラ操作とあいまって、むしろマッタリとイヤ〜な動きになってむしろ逆効果っぽい。
グラフィックはかなり優秀。 PSでは他に類を見ないほど広いスペースが描画され、地形が突然現れるなんてことはほぼ皆無だし (だからこそ、グライドをベースにしたゲームができたとも言える)、 フレームレートも安定していて粗さは感じない。 意外に背景のテクスチャも綺麗に描かれておりポリゴンの歪みも少ないので、 64並のグラフィックと言っても過言ではないと思う。 ここらへん、海外の技術力の高さがうかがえる。 色使いも上品な感じでまとまっている。
背景が良い反面、キャラクターには華が無さすぎ。 その代表が主人公スパイロで、 大抵、洋モノアクションゲームって、 一見「え〜」なキャラでもプレイしていく内に愛着が湧いてくることが多いんだけど、 このゲームではそれが皆無。パッケージの絵が一番カワイイと思うくらいに。 これはゲーム中のキャラの見せ方が、仕草よりもセリフ重視なことも原因じゃないだろうか (なんせ四足歩行だし)。 また、ベースが紫色というのもキャラクターとしては鬼門だろう。 サブキャラもこの上なく影が薄い。
音楽はイマイチで、垂れ流し感が強く印象に残らない。
ライトでお手軽な作りゆえに、一般的にオススメと言いたいところなんだけど、 それにしては視点のストレスが大きすぎるように思う。 加えて、キャラの弱さが国内でヒットしなかった原因だろう。
物足りない内容なので定価近くだとキビしいものがあるけど、売価はかなり安くなってるはずだし、 滑空アクションの感覚は独特で楽しいので、 3Dアクションゲーム好きならプレイする価値はあるんじゃないだろうか (まぁ、そういう人の方が視点が気になる可能性もあるけど)。 とりあえず、近いうちに続編『スパイロ×スパークス』をプレイしてみようと思う。
2001年5月25日記載

REPORT『7 BLADES』
PlayStation2
2000年12月21日発売発売:コナミ
意外にPS2では少ない3Dアクションゲームで、 監修・原案は映画監督「林海象」。 っていうか、同監督による90年の映画「ZIPANG」(高嶋兄と安田成美が主演)の 続編というかその流れを汲む内容になっている、らしい。
設定はいわゆるSF時代劇調。 暗視スコープをつけたようなデザインの忍者とか、 巨大な手裏剣型の飛行艇とか、まぁそんな感じ。 時代は一応江戸時代、舞台は長崎出島。
ゲーム形式としては、ステージ間に挿入されるイベントシーンでストーリーが進行していき、 経験値による成長や点数・クリア時間の要素はナシということで、 DC『ベルセルク』なんかに近い。
主人公は、7本の剣を操る「地獄極楽丸」と、銃を扱う「鉄砲お百合」の2人。 最初に主人公を選択し、その主人公ごとにステージ構成が変わり、 ストーリーもそれぞれの側面から語られていき、 両方をクリアすることで話の全容がわかるという仕掛け。
イベントシーンは、一見するとリアルタイムポリゴンっぽいけど、どうやらそのほとんどはムービーのよう。 つまり、ゲーム中と同じモデリングのキャラを使ったムービーということになるんだけど、 当然ながらPSで同じ手法を使ったものに比べるとその表現力は段違いで、 モーションもシッカリしていてキャラクターの演技の表現力は十分だし、 一見リアルタイムポリゴンと見まごう程のムービーの画質には、毎度の事ながら驚かされる (チラツキ具合も再現されていて、ポリゴンそのものの質感からはほとんど判断不能)。
ただ、おそらくそのお陰で、コンフィグのBGMの音量設定とイベント中のセリフの音量が連動してるというアホ仕様 (でも、これが結構見かけるんだな)になってるのが残念。 つまり、BGMの音量をゼロに設定すると、ムービーが無音になる。 ムービー中の音声(&効果音)とBGMの音量を別個に設定できないのであれば、 そんな設定を設けること自体が疑問だし、だったらだったでムービーの音量は不変にするべきだろうに。
というわけで、ムービーで語られるストーリーはそれなり。 ゲームからムービーに入るタイミングは悪いし、 ストーリーの構成として特に優れてる部分もなく、理屈よりも勢い重視の内容なんだけど、 それなりにストーリーが展開していき、演出は悪くないのでそれなりに楽しめる。 極楽丸編の印象があまり良くないのは、 漫画「花の慶次」の前田慶次あたりを狙ってるんであろう極楽丸が 絵的にも声的にも表現力不足で、なんか空回りぎみってのが大きい。 どっちにしろ、視線の演技は良いんだけど、 顔の表情、特に口の動きがイマイチで、特に感情が高ぶった場面での表情がイマイチなのが気になる。 一見、痛快活劇っぽい雰囲気なのに、特に中盤以降は雰囲気が重た〜い感じだったり、結構エグい描写があるのは良し悪しか。
SF時代劇という設定からして、ややバカゲーなノリもあって、 ゲームでは意外に珍しいカタコトの日本語を話す外人(セリフを表記するなら全てカタカナ、みたいな)と、 その外人が(歴史の絵に出てくるような)ハリセンを繋ぎ合わせたようなエリを回転させて宙に飛んだとこはウケた。
が、肝心のゲーム部分が、正直、お話にならないデキ。
フルポリゴンの3Dアクションゲームっていうと 「視点」と「ロックオン(or自動照準)」に何らかの問題を抱えてるのがほとんどなんだけど、 この『7 BLADES』はそのどちらにも大きな問題がある (N64『悪魔城ドラキュラ黙示録』のレビューでも似たようなことを書いた記憶が・・・)。
まず目立つのが「視点」の問題。 レバーを入れた方向に進むという操作で、視点操作は「真後ろにカメラを動かす」ボタンと、L2、R2による左右回転、 そして、キャラ移動と連動しての視点の自動調整はナシ(つまり、視点をある程度自分で操作する必要性がある)というタイプ。 と・に・か・く視点が定まらないというのが、ゲームを通じての印象。 基本的にカメラが主人公に寄りすぎで手前側の敵の状況が把握しづらいし、 狭いシーンでは意味不明にカメラが固定されたり、 主人公の手前に壁が表示されて状況がワカランということも結構ある。 そして、肝心のカメラを主人公の背後に動かすというボタンが、 ロックオンの役割も兼ねてるってとこにも問題があり(これはN64『悪魔城ドラキュラ黙示録』でもあった難点)かなりレスポンスが悪い。 加えて、L2、R2によるカメラ回転もゲームに馴染んでおらず使い難いし、一応用意されている主観視点も使う場面が見当たらない。
「ロックオン」の性能も中途半端で使い難い。 必ずしも一番近い敵をロックオンするわけではなく、かといってロックオンしたい敵を直ぐにロックできるわけでもない (主人公の向いている方向で一番近い敵をロックするっぽい)。 ここらへんは、ロックオンボタンとカメラを背後に動かすボタンが共通なことも悪影響を与えている。 また、ロックオンした敵を画面内に補足しておく力が弱いのも気になる。
ジャンプにも『黙示録』同様の難点がある。 ある程度の距離をジャンプして跳ぶには結構な助走距離が必要となり、 走り出しでジャンプすると、まるでその場ジャンプのような移動距離の短さで非常に使いづらい (実際に、使うシーンも極端に少ない)。 お百合の場合は、淵につかまる『トゥームレイダー』のようなアクションがあるものの、 それを用いるシーンは取って付けたような感じでゲームに馴染んでない。
『黙示録』の視点とジャンプに関しては、その後の『黙示録外伝』で改良され、問題が解消されてるってのがポイント。 自分のメーカーのジャンル的に近いゲームくらい研究しとけよ・・・。
さらに、バトル重視のアクションゲームとしてはヒット感が希薄なのもイタい。 SEがショボいのと、おそらくモーションにも問題アリで、 攻撃のヒット感がかなり弱い。 極楽丸編では敵を10体くらい一気になぎ倒すシーンとかあるんだけど、 全くといっていいほど爽快感がない。
結構多くのザコ敵が防御行動をとり、相手が防御する基準も曖昧なら、それを崩す手段がないのも問題で、 ゲームのテンポを悪くしてる(これはPS『ライジングザン』と同じ症状)。 ちなみに、プレイヤー側の防御行動はほぼ皆無(地獄丸の武器で一部可)で、 地獄丸にいたってはマトモな回避行動もナシ。
また、ステージ内でのメリハリのついてなさは相当にヒドいものがあり、 ステージ数はそれなりにあるはずなのに、終わってみればなんか水増し感が漂う。 レーダーによる行く先の指示がわかり辛いこともあって、 広いステージでは結構迷う上に、屋内シーンでは部屋から出入りすると敵が復活するのでウンザリ気味。
ボス戦も全体的にイマイチで、敵の攻撃を理解して避け、敵の行動を理解してこちらの攻撃を当てる、 つまり攻略するっていう部分が弱く、ゴリ押し感が強め。
体力回復は食べ物アイテムを食べることによって行い、 キャラの食の嗜好によって回復量が変わり(減ることもある)一度食べてみないと効果がわからない、 ってのはバカゲーネタ的には面白いんだけど、ゲーム的には果たしてプラスだったか。 このアイテムとして食べ物を持ち歩き、任意に体力が回復できるという仕様は、 難易度調整が粗くなってしまった大ききな原因のひとつだと思うな (食べ物の出現もかなりテキトーっぽいし)。
地獄丸に関しては、7本もある剣の必要性が感じられず、 攻撃範囲の広い大剣、遠距離攻撃ができる投剣、ダメージの大きい居合剣以外には存在価値を見出せなかった。 一応、ゲージを溜めて出せる必殺技での性格分けもあるものの、 武器を瞬時に持ち替えることができないので、それを意識して使い分ける場面は少なかった。 加えて、全体的にモーションがデカい割に攻撃範囲(&当たり判定)が狭いのも気になる。
お百合に関しては、常に画面中央に向かって撃つ「側進」というシステムが変わってるといえば変わってる (というか、一応2人共通のシステムなんだけど極楽丸では完全に浮いている操作になっている)。 例えば、手前向きに走りながら画面奥に向かって撃つという操作ができるというものなんだけど、 前述の通り視点操作がゲーム内容に馴染んでない上に、 (説明書には「ゲームを進める上での重要なテクニック」と書かれているにも関わらず) それを必要と感じるシーンは無かった。
グラフィックはそれなり。 数十体もの敵が同時に現れるところなんかは、「なるほどPS2」って感じられる (それがゲーム的な面白さにイマイチ繋がってないのが残念だとしても)。 処理落ちは結構あるんだけど、個人的にはそれほど気にしない人なのでOKだった。 ただ、特に自然物の背景のチラツキっぷりが尋常じゃないのは相当に気になったなぁ。 今のところチラツキ度NO.1ゲーム。
難易度は平易(そういや、結局1度しか死ななかったじゃないか!)で、 コンフィグでの難易度設定はナシ。 で、プレイ時間は2キャラ合わせてで5、6時間前後。 ストーリーやステージ的にはむしろ、結構ボリュームがあるな、ってくらいだったんだけど、 繰り返しプレイしたくなるような要素は皆無だし、 遊び甲斐という点でやはりボリューム不足感が漂う。 クリア後に、極楽丸やお百合の代わりに ゲームに出てくる(ザコやボスも含めて全ての) 敵・味方キャラを使ってプレイできるようになるってのは、なかなか粋なオマケだ。 それが実際にどの程度遊べるものかは置いとくとしても。
結局、アクションゲームとしての軸ができてないにも関わらず、 銃で攻撃するキャラと剣で攻撃するキャラというバリエーションで楽しませようしてしまったことが、 傷口を広げる結果になってしまったんじゃないだろうか。 どちらかに限定すればもうちょっとマシな内容になったと思うし、 剣で攻撃するにしても、ロックオン重視で1vs1の戦闘をメインにするか、 ロックオン無しで1vs多の戦闘をメインにするか、ここを絞ればもっとマトモになったはず。 まさに、二兎を追うものは一兎も得ず
ゲーム部分を除外すれば評価できる部分もある・・・って、 そんなアクションゲームは評価に値しないだろう。 特にアクションゲームは 労力(人、時間、金)をかけるだけじゃ良い(というか、悪くない)ものはできないんだな、 ってのがよくわかる一本。 「良いアクションゲームとは何か」ってのを考えさせる反面教師としては価値があるかもしれない。
2001年5月19日記載