REPORT『格闘伝承 F-Cup Maniax
Nintendo64
10/18/2000
副題「F-Cup Maniax」ということで、 N64では希少な3D格闘ゲームとしてソコソコ好評だった『ファイティングカップ』(1998年12月18日発売)の続編。 イマジニアから1999年8月27日に発売され、開発したのは元気(オーパス)。 ちなみに、前作のプレイ経験は無し。
このゲーム最大の特徴は、 相手の体力をゼロにすれば勝利ではなく、 リングアウト・時間切れ判定勝ちで1ポイント、 投げが決まれば2ポイント、 ダウンを奪うと3ポイント、 スペシャル技を決めると4ポイント獲得となり、 合計7ポイント獲得した時点で勝利するという、ポイント制で勝負が決まるところにある。 どちらかがポイントを獲った時点で体力・時間がリセットされ、 30秒という短いラウンドが繰り返されていく。
操作系は、十字キーでキャラクターの移動、 Bボタンで上段・中段攻撃、Rボタンでガード、Lボタンで「ヒラリ」。
A、Bボタン同時押しで投げ。 投げると画面下にゲージが出て、そのゲージが無くなる前にA+Bを押すことで投げ抜けができ、 コマンド投げや背後投げはそのゲージが減る速度が速くより投げ抜けがし難くなっている。 とはいえ、ある程度注意していれば投げ抜けできるレベルだし、 通常投げの場合、よっぽど気を抜いてないと投げれることはない。 前述の通り、投げが決まった時点でポイントが入るので、ダメージは無し。
ダメージを与える投げ技としては締め技があり、 ボタン連打で防御側は逃げ、締め側は逃がさないようにする。 で、締め技で体力をゼロにすると投げと同様のポイントが入る。
『バーチャファイター』に近い操作系だけどガードとヒラリの役割が変わっていて、 上段ガードは、上段・中段攻撃は防御、下段攻撃はくらう、 下段ガードは、中段・下段攻撃は防御、上段攻撃はくらう、 一方、ヒラリボタンを押しっぱなしにしていれば、上段・下段攻撃は自動的に避け、中段攻撃はくらう。 つまり、中段攻撃は、従来の3D格闘ゲームのような下段ガードを崩す手段ではなく、 ヒラリを崩す手段ということになっている。 またヒラリ中には投げ抜けができなくなるというデメリットもある。 ちなみに、ヒラリボタンを押しながら十字キーの上下で軸移動。
ダウン技に指定された技をヒットさせると一発でダウンを奪えるものの、 出が遅く白く光るエフェクトが付き、中段攻撃がない(ヒラリで全てかわされる)ので、 滅多にヒットしない。 カウンター技は、相手の技のカウンターをとると一発でダウンさせることができる技。 ダウン技・カウンター技共に、技後の硬直中に浮かし技を喰らうと空中に浮いてしまうというデメリットがある。
相手の体力をゼロにすると、相手は「ピヨリ」状態になり、 前後移動しかできなくなりボタン連打で回復(体力が全体の7割程度回復する)。 投げ抜けされることもなくなり、ある程度の威力がある技をヒットさせればダウンさせることができ、 スペシャル技を出すことができるようになる。
1ラウンドの時間は実際の30秒なので、 攻めあぐねたりすると、結構判定になる。
というのが、大まかなシステム。
ということで結局は、 相手の体力をなくしてピヨリ状態にすることが第一目標となるので、 思っていたほどはポイント性のウマミが感じられないってのが正直なところ。 ピヨリ側の選択肢が少なすぎなのがイタく、 特に投げ技はほぼ回避不能で、 これが普通の投げ技であれば、打撃によるダウンよりはポイントが少ないんでOKなんだけど、 スペシャルの投げ技の存在がバランスを破壊してる。
また、通常時の立ち回りに関しても、 確かにガードとヒラリの2種類の防御手段の使い分けというのは面白いんだけど、 間合い調整(前後移動)の攻防がメインで、 軸移動や幅のある攻撃などによる平面的な位置取りの攻防が希薄なのが残念。
システム的にはソコソコ楽しめる内容だと思うんだけど、 それ以前にヴィジュアル&デザイン面がショボすぎるのが痛恨。
グラフィックはPS並みかそれ以下で、秒間コマ数が少なく動きは粗い。
キャラクター自体の魅力も絶望的。 これは、そのデザインの悪さもさることながら、 技によるキャラクターの性格付けの悪さが致命的。 デフォルトキャラの11人を見ても、 格闘家2人、ピエロ、国家宣伝員、医師、大道芸人、忍者、モデル、ダンサー、プロレスラー、無職と、 格闘家率が低すぎる上に、 非格闘家キャラの技のベースとなる格闘技の設定もかなりテキトーな印象 (なぜブラジルの女ダンサーが裡門頂肘ばりの肘打ちを?)。
モード関係では、 キャラ育成要素もあるスゴロクモードはなかなか楽しめる内容。 トレーニングモードは、 どちらかというと防御がキモなゲームなのに、 その防御関係のトレーニングが行えないのが残念。
ポイント制というアイデアは良かったし、 もっと格闘部分を詰めていけば面白いゲームになったはず。 ただこれ単体では、B級格闘ゲームという評価じゃないかな。 2作目らしい洗練されてる感じが全くなかったので、 逆に前作がどんなゲームだったのか、ちょっと気になるところではある。

REPORT『悪魔城ドラキュラ黙示録外伝』
Nintendo64
10/12/2000
前作から1年も経たないうちに発売された外伝(今作の発売日は1999年12月25日)。 前作のキャラクターで前作に近い内容のものもプレイできるので、 単なる「外伝」というより、「外伝というオマケが付いた完全版」という内容となっている。
とにかく、 ゲームの基本部分で細かい改良が施され、 (前作をプレイして自分がこのゲームの操作に慣れたという点を差し引いても)劇的にプレイし易さが向上した。
自分が前作をプレイした時に挙げた2大欠点である「視点」と「ロックオン」が改良され、 視点モードがアクションモードとバトルモードの2種類となり、それぞれの性格付けが明確になった。 アクションモードでは、主人公の視点をルースに追いかけるようにカメラが回転するという前作に似た視点。 ロックオンボタンを押し続けると、 (敵が近くにいてもそちらを向かず)カメラが主人公の真後ろに固定され 『トゥームレイダー』などに代表されるような形式のゲームに近い感覚で操作することができる。 バトルモードでは、基本的にカメラは回転せずカメラの向きは固定される。 そして、ロックオンボタンを押すと、一番近い敵の方向を向くようになった (しかも、前作とは違い、ロック中にも動くことができる)。
ジャンプの感覚も微妙に改良された。 前作での「歩きながらジャンプ」したときの異様なスピード感が軽減され、 「その場からジャンプ」と「歩きながらジャンプ」(しかも、前作では数歩の助走が必要だった)の感覚差がなくなった。 こころなしか、ジャンプ中の空中制御も効くようになった気もする。 また、足場の淵にぶら下がれる判定も更に大きくなり、淵と正対してなくとも掴まれるようになったので、 ちょっと足を滑らしても淵にぶら下がって助かることが増えたし、 ちょっと有らぬ方向にジャンプしても淵に掴まって助かるなんてことも増えた。 そんなこんなで、前作のほどやたらと落下(すなわち即死)しなくなった
前作では、遅いスピードと短い移動距離で全く使い物にならなかったスライディングも、 スピードが格段に速くなり、緊急回避的な使い方ができる行動となったのも操作感の向上の一因だろう。
ステップ移動が使い難いのは前作と同様なんだけど、 アクションモードで主人公を真後ろから見てプレイすることが多いので、暴発することは少なくなった。
今回のデフォルトのキャラクターは、コーネルとヘンリーの二人。 獣人コーネルがこの外伝の主人公となる。 通常攻撃はソコソコの射程距離がある衝撃波で、 見た目的には『ストライダー飛竜』のサイファのような攻撃。 連射も効き、根元の判定も大きめ、 Lv.3までパワーアップすれば射程もかなり長くなるので、実に使いやすい。 人狼に変身できるという要素があるものの、 変身時の能力向上が結構微妙な上に、任意で変身解除ができないので、 使いどころがなく、ゲーム的に全く生きなかったのは残念。
舞台は前作から8年前の悪魔城で、ステージ自体は前作の使い回しな部分も多いんだけど、 同じステージでもリニューアルされたり、展開が変わってたりと、結構新鮮。 ラスボスも変わっていて、なかなかプレイし甲斐があるし、 ストーリー的にも、この中では一番面白いと思う。
ヘンリーは、弾速が速く6発撃つごとにリロードする銃が通常攻撃となっていて、 なかなか毛色の違った戦闘が楽しめる。 6つのステージにそれぞれ1人ずついる子供を助けるというもので、 その助けた人数によって隠し要素が追加されるという、言わば、隠し要素ゲットの為のモードとなっている。 それぞれのステージでの謎解き要素は全て解除済み、ストーリー性もほぼ皆無と、 子供探しと戦闘のみの内容なので、かなり淡白ではある。
で、その隠し要素として、前作の主人公であるラインハルトとキャリーが出現する。 ストーリーの展開などは前作と同じで、 ステージの流れもほぼ同じ。 ただそれぞれのステージはコーネル編と同じステージ構成になっていて、 前作よりマイルドに調整されているステージが多い。
ラインハルトは、若干鞭の射程が短くなった気はするものの、基本的に前作と変わらず。 キャリーは、エナジーボールの弾速が速くなり追尾性能が落ちたので、 前作のように逃げながらエナジーボールを撃ってればOKって感じではなくなった。
ビジュアル面では、 モデリングやテクスチャの質自体はさほど向上してないんだろうけど、 明暗と濃淡のメリハリがつき、全体的にシブめにリファインされ、印象はかなり良くなった。 一応ハイレゾ対応なものの、『バイオレンスキラー』同様、ハイレゾにすると描画コマ数の少なさが目立つ (実際にコマ数が減ってるのか、それが目立つだけなのかは不明)ので、 自分はずっと通常モードでプレイしてた。
前作同様、ゲーム再開時にパワーアップが初期状態に戻されるのは不満 (しかも、今回はサブウェポンもパワーアップするので余計にイタい)。
ハードモードは前作同様、バカみたいに難易度が高いんだけど、 今作ではゲーム開始時に「最初からプレイする」という項目ができたことにより、 前作のような「ハードモードで一度セーブしちゃってとり返しがつかなくなっちゃった」っていう状況にはならないのでひと安心。
最初に言ったように、「外伝」というより「完全版+外伝」という内容で、 前作の存在価値はほとんどなくなったとも言える。 基本的な操作感の向上により、ジャンプアクション、戦闘共に楽しくなり、 難易度も常人で楽しめる程度に落ち着いたので、 これなら、3Dアクションが好きな人になら十分オススメできる。 っていうか、最初からこのくらいのクオリティで出してほしかったもんだが・・・。
(自分にとってもこのゲームにとっても)不幸だったのは、 『悪魔城ドラキュラ黙示録』『悪魔城ドラキュラ黙示録外伝』と立て続けにプレイしたので、 さすがに終盤は飽きてしまったことか。

REPORT『deSPIRIA』
Dreamcast
10/07/2000
既にどっぷりと埋もれてる感のあるこのゲーム。 製作はPS『ダークメサイヤ』の電脳製造製作所ということで、 ちと心配してたんだけど、それは全くの杞憂だった。
自称「マインドRPG」とはいうものの、 実際のゲームの流れは『クーロンズゲート』『夢見館の物語』などのムービー主体の一人称ADVに近く、 それにRPGの戦闘が挿入されてるという感じ。 ゲームとして個性を出そうとして失敗した『ダークメサイヤ』に比べて、 ADVとRPGという組み合わせ自体は新しいものの、それぞれの部分は比較的オーソドックスな作りになってることで、 ゲームとしてまとまった内容になった。 ちなみに、プレイ時間は大体20〜30時間ということでRPG並み。
まず、ADV部分。 各地点をムービーで繋ぐタイプで、 CGの質は『クーロン』ほどではないにしろなかなか。 ムービーの画質がいいので、静止画とムービーのギャップが少ないのも嬉しい。 各地点で滑らかに360度見渡せるスフィアシステムが大きな特徴で、 パッケージ裏には「臨場感を際ただせる」とあるものの、 実際はテンポアップをもたらしてるというのが最大の長所。 今までのこのテのゲームだと、各地点での視点の移動もムービーだったわけで、 この仕様がもたらした効果は意外に大きい。 章毎に移動できる範囲がさほど広くなく、イベントアイテムの使用も勝手に行われるので、 『クーロン』のように、ゲームの流れが滞るようなことはないはず。 戦闘がアクセントになってるので、ADV部分で滞りがないというのは正解だと思う。 欲を言えば、脇役との会話はイベントの進行度によってもっとバリエーション豊かに変化してほしかった。
そして、RPG部分。 ムービーの移動シーンでエンカウントするようになっていて、 思ってたよりADV部分と馴染んでいた。 マインドと呼ばれる思念の塊を召喚して戦うんだけど、 このマインド自体に育成の要素はほとんどなく、 実際は作っては壊し作っては壊しを繰り返していく。 で、戦闘前の準備段階としては、このマインドの製作・編成が大きなポイントとなるし、 ここが一番楽しいところでもあると思う。 戦闘部分は、コマンド選択式の比較的オーソドックスなもの。 戦闘のバランスは、 きちんとマインド生成の法則を理解して、 ちゃんとマインドを準備していれば、やや簡単め。 そういう意味では、マインドの製作に幅がない序盤が一番ツラい。 逆に、ある程度適当にマインドを作っててもクリアできるようなバランス調整になっていて、 後半はやや物足りなさを感じる。 通常はさほど敵の出現率は高くないこともあって、 終盤の敵がたくさん出てくるダンジョンっぽいところで異常にレベルアップするのは気になった (終盤になればなるほど頻繁にレベルアップするRPGも珍しい)。
一番のキモは、 主人公アルーアに備わっているマインドダイブと呼ばれる特殊能力で、 人物の深層心理や、物体に付着した残留思念を読み取ることができることにある。 このマインドダイブは、 幻想的な背景をバックに心音をBGMとしながら、 文字が色々な動きをしながら現われては消えていくという表現が用いられていて、 「心を読む」という行為をなかなか上手に表現してる。 文字の動きは結構多彩なんだけど、 フォントの大きさにもっとメリハリがつけれれれば、 更に豊かな表現ができたんじゃないかな。
舞台は、大規模な戦争によって壊滅的なダメージを受けた未来。 そこで文明の再興の旗手となっている「教会」の、 マインド能力を駆使する秘密の暗殺者である少女アルーア・バレンシュタインが主人公。 「教会」に純粋培養され「教皇」の指令のまま「異端者」を暗殺し続けてきた主人公が、 あるミッションを遂行していくことによって、世界の裏に隠された真実に近づいていく・・・、 というのが大まかなストーリーの流れ。
音声は皆無で、ストーリー進行はテキストがメインで主人公アルーアの独白の部分が多い。 マインドダイブも含めて、意外に「読ませる」ゲームでもある。
狂気な部分は大きいもののSF的な理路整然さがあるので、 ストーリー自体がかなり楽しめるものになっている。 笑える小ネタも、雰囲気を損なわない程度に散りばめられている。 ただ、表現はかなりグロ。 ビジュアル的にドーンで「キャー!」、って感じではなく、 テキストや音で想像力を喚起してる部分が大きい (まぁ絵的なグロさも十分だけど)。 心を突き刺すような、驚かせる恐怖の演出はほとんどなく、 心に小さなトゲがチクチクと刺さっていく感じで、空気が重く息苦しいような雰囲気。 ストーリーも結構ヘヴィで、 サイコ系というとどうしても「恐怖」を思い浮かべがちなんだけど、 この『デスピリア』はどちらかというと「悲哀」。結構ヘコむ。
血色が悪くクセの強いCGキャラに拒絶した人も多そうだけど、 これは良し悪しではなく個性だということは、プレイすれば分かるはず。 CGで描かれた敵キャラもキてるデザインが多くてナイスだし、 ポリゴンで作られたマインドも個性的でよくできてる。
色々なサイコ系ADVをプレイしてきたけど、 個性がハッキリと出てて、かといって自己満足的な内容にならず、 遊び易さという点でもソツが無いこのゲームは、かなりハイレベル。 狂気がテーマのADVとしては、『サイレントヒル』と並ぶ心の1本となった。 内容が内容だけに、そう売れるとは思わないけど、にしても売れてなすぎ。 もうちょっとなんとかならないもんか・・・。

REPORT『DOOM64』
Nintendo64
10/07/2000
『DOOM』といえば、 海外で今もなお続く主観視点3Dシューティングブームを作り出したソフトで、 自分にとっても非常に思い出深いゲーム。
で、この『DOOM64』は、 敵キャラのグラフィックを一新し、マップ構成も一新されたもの。 いぜんとして敵は一枚絵だし、視点を上下に移動させることはできないと、 このテのゲームとしては1世代前のタイプで、システムもシンプル。 64初期に発売されたソフトなんだけど、 そのころにはPCでは既に『QUAKE』に代表されるようなフルポリゴンのゲームに移行していたし、 64でもフルポリゴンの『時空戦士テュロック』が発売されていたので、 発売当時から既にイマサラ感があったんだけど、 今となってはさらにそのイマサラ感は高まる。
また、敵がワープしてきて突然出現することが増えて「どこから湧いてきやがった?」ってことが増えた。 目の前で敵が出現するのはまだいいんだけど、 前にいった時には何もいなかったはずのところに敵が出現してるのが厄介。 元祖『DOOM』は、ワープして出現する敵は少なく、 ほとんど隠し部屋に隠れてるとかだった記憶があるので、 元祖をプレイした人にはちょっと違和感があるかも。
細かいところでは、 設定が保存されないので、 ゲームを始めるごとに設定し直さなければならないのがちと面倒。
ただ、書き直されて密度が増した敵のグラフィックはグッドだし、処理も軽く、 家庭用機最高の『DOOM』であることも事実。 マップの色合いが多彩になって、マップのギミックが大掛かりになっているので、 元祖『DOOM』をプレイしていても意外に新鮮で楽しめる。
あくまでも『DOOM』という割り切りができれば、普通に楽しめるはず。

REPORT『悪魔城ドラキュラ黙示録』
Nintendo64
10/03/2000
コアな人達には人気があるんだけど、自分的にはどうも肌に合わないというシリーズがある。 自分にとってその代表が『グラディウス』シリーズ(『グラ2』を除く)と『悪魔城ドラキュラ』シリーズ。
その『悪魔城ドラキュラ』が、フルポリゴンの3Dアクションゲームになって発売されたのが1999年3月11日。 その結果はというと、少なくとも『ドラキュラ』ファンから支持されるゲームとはなり得なかったようだ。
フルポリゴンの3Dアクションゲームというのは、 視点とロックオン(or自動照準)に何らかの問題を抱えてるソフトがほとんどなんだけど、 この『黙示録』はそのどちらにも大きな問題を抱えているというのが致命的。
最大の欠点は視点。 とにかく周囲に敵がいるときの状況把握しづらく、 「敵はどこにいるんだ?」とか「うぉ、こんな敵いつのまに側にいたんだ?」という状況が頻繁に起こりすぎる。 カメラモードとしては、一応、ノーマルモード、アクションモード、バトルモードの切り替えがあるんだけど、 かなり微妙な変化でその効果が理解できないことが多い。 そもそも、こういう中途半端な視点モードをいくつも用意してるって事自体が、 視点の自動調整が洗練されてないことを表してる。 加えて、自分で行う視点操作も使い難い。 周りを見渡す操作は反応がニブく、周りを見てる時には他の行動はできないので、戦闘中にはほとんど使えない。 また、キャラクターの向いてる方向に視点を動かす操作も、 反応がニブい上に、 効かないことも多い(そういう状況でも、周りを見渡すことはできるというのが謎)し、 ボタンがロックオンと共通なのもイタい (つまり、近くに敵がいると、正面に視点を動かせず敵の方を向いてしまう)。
で、ロックオンが使い難いというのが、それに追い討ちをかけている。 ロック中には移動できず、常に一番近くにいる敵に切り替わるような仕様なので、 ある敵を捕捉しながら攻撃するという事が不可能。 このシステム自体が悪いというよりも、このゲームに合ってない感じ。
ちょっと意外だったのは、思っていた以上にジャンプアクションの占める部分が多かったこと。 崖などのスミにぶら下がる判定が大きめで、 『トゥームレイダー』を思わせる「ぶら下がって、昇って」というアクションは上々。 ただ、2Dの『ドラキュラ』を継承してか、ジャンプ中の自由度が低いので、 微妙な距離のジャンプを狙って行うのが難しく、いまいち定まらない視点とあいまって、 とにかくよく落ちる(しかも、ほとんど落下即死)。 こういう形式(レバーを入れた方向に進む)に、こういう性質のジャンプが適切だったかどうかはかなり疑問。
その他にも、『悪魔城ドラキュラ』というゲームに捕らわれすぎて失敗してる部分も多い。 2D『ドラキュラ』と同じラインナップのサブウェポンは、 3Dになったことによって、その使い分けの重要性が極端に下がってしまっている。 通常武器の2段階のビミョーなパワーアップも、 ほとんどランダムに出現するパワーアップアイテム頼みだし、 その上、ゲーム再開時にパワーアップ無しの状態に戻されるのが鬱陶しい。
レバー、ジャンプの同時入力で行うステップ移動は、 自分の前面180度にレバーが入ってると前方向へのゆったりとしたジャンプになってしまう。 よって、戦闘中に的確なステップ移動をするのが困難だし、 ジャンプアクション中にサイドステップが暴発して落下することもしばしば。
プレイヤーキャラクターは、 このシリーズでは伝統となっているムチを操るバンパイアハンター「ラインハルト」と、 エネルギー弾を撃つ少女「キャリー」の二人で、 ゲーム開始時にどちらかを選ぶ。 どちらのキャラクターでも大きな流れは同じなんだけど、 途中ステージの入れ替えがあったり、ストーリーが微妙に違ったり、ボスキャラが変わったりしている。
実は、このキャリーでプレイすると、前述の不満がかなり軽減される。 エネルギー弾による通常攻撃が、 溜め攻撃で画面上に一発しか撃てないという難点はあるものの、 飛び道具な上にホーミング性能が相当高いので、その難点がどこかへ吹っ飛ぶほど使えすぎる。 ロックする必要もないので、ザコだろうがボスだろうが敵から逃げながらエネルギー弾を撃ってればOKだし、 通常攻撃が飛び道具なので、サブウェポンの出番もほとんどナシ。 ということで、不満が解消されると同時に、面白味が欠けてしまうワケなんだけど、 その為か、キャリー編はよりジャンプアクション度が強いマップになってたりする。
ストーリーはあくまでもアクションゲームのデモシーンというレベルで、全体的に言葉足らず。 特にサブキャラについて語る部分が少なすぎで膨らみが感じられないのがイタい。
グラフィックはまあまあ。 全体的に淡い感じで立体感に欠け、キャラクターの手足は末端に行けばいくほどポリゴン不足を感じるけども、 敵キャラのデザイン、キャラクターの顔などは、よくできてる。 背景も悪くないんだけど、城内に「お城」感が欠けてたのはちと残念。
音楽は雰囲気があってかなりグッド。
結局、 アクション度の高いADVなのか、ADV的な要素もあるアクションなのか、 戦闘でも、1vs1をメインにしてシステムを作るか、1vs多をメインにしてシステムを作るか、 その他、セーブの役割、アイテムショップの役割、ストーリーの見せ方などなど、 いろいろな部分で中途半端になってしまったように思う。
ただ、さすがに2Dの『ドラキュラ』よりは個人的に楽しめた(相性の悪さは感じなかった)し、 後に発売された『悪魔城ドラキュラ黙示録外伝』は、 この『黙示録』に比べるとまだ評判がいいので、どこをどういう風に手直ししたのかが気になるところ。