REPORT『スターツインズ』
Nintendo64
09/26/2000
レア社といえば、 SFC『スーパードンキーコング』、N64『ゴールデンアイ』『ドンキーコング64』などの製作メーカーとして有名で、 海外メーカーの割にはアクションのツボを心得たメーカーとして名高い。 で、そのレア社製作のソフト群の中で一番埋もれてる感が強いのがこの『スターツインズ』。
その内容は、 ジャンプ&パズルのアクションゲームというより、 射撃重視のアクションシューティング。 先に進むための扉を開くには、 周りにいる敵を殲滅しなければならないという状況がほとんどで、 とにかく戦闘の頻度&重要性が高く、プレイ感覚は『DOOM』系に近かったりする。
まず、操作系はかなりクセが強い。 基本操作はレバーを入れた方向に進むタイプで、 Cボタンの左右で左右スライド移動ということで、 画面に対する操作と、キャラクターに対する操作が混在していてやや戸惑う。 また、Cボタンの上でジャンプ、下でしゃがむ、 そしてRボタンを押しながらCボタンで前後左右の平行移動と、 Cボタンの上下に全く意味の違う2つの操作が混在してるのも混乱の元。 ただ、『ウィンバック』ほど視点がフラフラしてないのが救いで、慣れれば何とかなる。
このテのゲームにしては珍しくロックオンの概念がない。 自分と同じ高さに位置する敵には(範囲は狭いけど)ある程度狙いをつけて撃つものの、 上方や下方にいる敵は完全に手動で狙いを付ける必要がある。 それでも、空中の敵は耐久度が低く設定されてるので、何とかなることが多い。
(特に後半は)敵の狙いも正確なので、 物陰に隠れて顔を出して撃って隠れて、という銃撃戦の楽しさはほとんど味わえないけど、 終始、走りながらの乱戦っぽい銃撃戦の感覚は上々で、 エフェクトとSEも手伝って、「スターウォーズ」の銃撃戦のような感覚が楽しめる。 しかし、至近距離の敵相手だと視点の調整が間に合わずマトモに戦闘できないってのは、 この操作系特有の難点なんだろうか。
マップ構成は、ちょっとだだっ広いところがあるものの、 ダイナミックさが感じられてよかった。
ゲームの流れは前半と後半で変わってくる。 前半は、3人の主人公がそれぞれ別ルートでどんどん進んでいき、最終的に集結する。 で、後半は、全てのステージに行き来できるようになり、キャラクターも自由に選べ、 各ステージに捕らわれているトライバルと呼ばれる原住民を全員救出し、 宇宙中に散らばっている12個の宇宙船のパーツを集めることが目的となる。
前半は問題ないんだけど、後半はちと厄介。 宇宙船のパーツがどのステージに隠されているかの情報がないので、 かなり宇宙を放浪することになる。 3人の主人公にはそれぞれ特性があり、キャラによって進める場所、進めない場所があるので、 その3人を使い分けて進めていくんだけど、 その場でキャラチェンジすることはできず、ステージの最初からとなるので、 気になるポイントがあったら、紙にメモしながら進めるのがベスト。 自分はそれを怠ったこともあって、結局途中でくじけてネット上のヒントを見てしまった (それでも自力で、トライバルは全員救出し、宇宙船のパーツを10個集めるまではプレイ)。
そういう部分の面倒さを除けば、 難易度に理不尽な難しさはなく、全編、適度な歯応えで心地よい
ミニゲーム的なモノは3種類あり、 上方からの見下ろし視点で、一画面にコースが全ておさまっているという古風なレースゲームと、 「スターウォーズ エピソード1」のポッドレースを思わせるレースゲームと、 フロイドという小型のヘリを主観視点で操作するミッション。 後者2つはゲームクリアに必須で、特に3つめのフロイドミッションが操作感に難アリ (アナログレバーでの操作で、 まず照準が動いてから体の向きが変わるので、体の動きが重たい感じ)でいただけない。
音楽はBGM、SE共に素晴らしく、音的には重厚なスペースオペラ風SFの雰囲気を盛り上げる
なのに、ビジュアル的にはその雰囲気が盛り上がらない。 ということで、このゲーム最大の難点は、各種デザインの中途半端さにあると思う。 頭身は低めでポップな路線かと思いきや、 敵を倒すと体液がグチャグチャでるしボスも結構エグイ。 主人公たちも、その表情などポップとは言い難い。 かといって、メカデザなどはオモチャのようで、 主人公の1人であるアーマーを着込んだ犬(しかも後半は、犬の顔がついた戦車に改造される)のループスのデザインは、 喜国雅彦氏の漫画に出てきそうで笑える。 色調も、原色っぽい色が多いのに全体的に暗めだし、 結局ポップになりきれず、 その世界観も含めて、いかにも洋ゲーという部分が多いので、 一般的に受け入れられ難いだろうなぁ。
いろんな意味で、『マリオ』『ドンキー』よりは『DOOM』『バイオレンスキラー』なんかに近い雰囲気がある。 なのに、ちょっと無理して『マリオ』『ドンキー』よりなデザインにしたところが不満。 十分に楽しませてもらったけど、 どうせ埋もれるなら埋もれるで(ただ、海外では(海外名『JET FORCE GEMINI』)結構ヒットしてたはず)、 もっとリアル路線だったら個人的に抜群なソフトになったと思う。

REPORT『ディノクライシス』
Playstation
09/18/2000
カプコンから『バイオハザード』系新シリーズとして発売され、それなりに好評を博した一本。 先日DC版が発売されたんだけど、大して変わらないという評判を聞き、 値段の安いPS版をプレイすることにした。
ジャンル名がパニックホラーとなってて (ちなみに『バイオ』はサバイバルホラー)、 パッケージ裏には「ジェットコースター感覚の恐竜ホラー」とあるものの、 『バイオ』以上に恐怖感が薄い (むしろ、その部分は追求しないことにして作ったんじゃないかと思うほど)。 ジェットコースター感覚ってのも、どの部分を指してるのか全く不明。
『バイオ1』『バイオ2』とは違ってフルポリゴンで、 敵がゾンビから恐竜になったものの、 根本的なゲームの流れは『バイオ』と大して変わらず。
ゲーム的に『バイオ』と違うのは、主に「戦闘」「パズル」の2点。
そもそも『バイオ』でも状況把握がし難い戦闘は大きなネックだったんだけど、 この『ディノ』の場合、敵がゾンビより数段素早い恐竜ということで、 そのストレスは格段に増している。 また、敵の数に比べて武器の弾数が少なく、 敵を倒さずに逃げたり麻酔弾を使って眠らせたりする必要があるというのも大きな特徴で、 確かに総合的な戦闘の戦略性は高まった。 その代わりというか、個別の戦闘での戦略性は大して変わらず (特に、攻撃後の硬直が大きさが気になる)。
パズルは、アイテムを使ったりする部分の謎解きの事ではなく、 鍵のかかったドアを開ける時や何かの装置を作動させる時など、 色々なイベントでミニパズルを解かされるという事。 そういう方向性の良し悪しは置いとくとしても、 そのほとんどがパズルと呼ぶに値しないようなモノなのが問題。 パズルを数学に喩えるなら、そのほとんどが算数レベル。 日本人のパズル作りの下手っぴさを露呈しちゃった感じ。
で、やはり全体的な難易度は低いんだけど、 メモやオブジェのチェックを逃がしたりするとゲームの流れが滞る可能性はある。 メニューで『バイオ』のように一度読んだ文章をチェックすることはできないので、 自前でメモを取りながらゲームを進めることになる。
他に、ゲーム部分で気になったことといえば、 アイテム管理がさらに面倒になったことくらいか。
ストーリーはB級アクション映画並み。 別に貶してるワケではなく、大きな不満はないんだけど、 芯になるようなテーマは何も無かったので、ストーリー単体で誉められるモノではない。
イベントの演出はまあまあ無難によくできてる。 主人公レジーナの声が大根っぽいのがちと気になるが。
グラフィックは素晴らしい。 フルポリゴンADVとしては、PS最高峰のグラフィックで、 メカのギミックなどもかなりよくできてるし、 細かいエフェクトも凝ってる。 表情は無いけど、人物のモデリングも良好。
SEもグッド。 っていうか、このSEとグラフィックによる、 攻撃のヒット感の良さでなんとかもってるという気がする。
SFテイストも強めだし、 ジャンル的には好みなはずなのに、全く面白くなかった。 武器の効用や薬の調合など、 やって憶える・試して憶える的な要素が多いのに、 それが本編(デモもとばせず、コンテニューという要素があるということは、リセットプレイをして欲しくないハズ)と全く噛み合っておらずチグハグな感じだし、 戦闘のマズさも手伝って全体的に緊張感が欠けてる
ジャンル的に好みなのに、どうにもこのカプコンの一連のゲームが好きになれない理由は、 元祖『バイオ』(というか『ALONE IN THE DARK』)の表現法にとらわれすぎている感じを受けるから。 まず表現法ありきで、それにゲームを乗っけてる感じ。 ゲームとしてどこを楽しんで欲しいのか、それが伝わってこない。

FIRST IMPRESSION『CAPCOM vs.SNK』
Dreamcast
09/13/2000
タイトル発表時にユーザーに大きな衝撃を与えたものの、 多くの人がいまいちピンときてなかったこのタイトル。 フタを開けてみれば、シンプルで遊び易い格闘ゲームだった。
隠し要素をまだ半分も出してなく、通信対戦もしてないので、 FIRST IMPRESSIONということに。
まずは気になるそのメンツ。カプコン、SNKそれぞれ14人ずつ&隠れキャラ3人の総勢31人。 カプコンは、元祖『スト2』のメンバー全員と、『スーパースト2』のキャミィ、『ストZERO2』のさくら。 SNKは、ほとんどが初期の『KOF94』『KOF95』から出てるキャラ。 また、ギースと山崎は『餓狼』の人気キャラなので、 バイスとライデンはやや以外だったものの、それなりに納得の行くチョイスだと思う。 というわけで、『KOF』vs『ストリートファイター』になってしまったんだけど、 オーソドックスな格闘ゲームを作ろうという意図からすれば、当然の結果じゃないかな。 で、将来に向けてのテストケースとして、 隠れキャラに『サムライスピリッツ』のナコルルと『ヴァンパイア』のモリガンが追加された模様。 そしてお決まりの豪鬼。 個人的には、豪鬼に対抗する存在としてMr.KARATEの復活をホンのちょっぴり期待してたんだけど・・・。
ちなみに、SNKキャラはカプコンキャラと同程度の必殺技数にするためか、 全体的に必殺技減少のアレンジが加えられている (これは、システムのシンプルさと同様に、 インストカードを見ただけで満足にプレイできるゲームを目指したとも考えられる)。 それもあってか、 デフォルトの28キャラには、必殺技、超必殺技のラインナップが違うEXキャラが存在し、 通常キャラとEXキャラでかなり戦い方が変わるものもいる。
グラフィックは、全体的になかなか綺麗。 SNKキャラもセル画調にリニューアルされ、 カプコンのリュウ、ケン、ベガも『スト2』の絵をセル画調にした感じにリニューアル。 背景は細かく描けてるし、各種エフェクトも美しい。 ちょっと気になったのは、カプコングルーヴ選択時の、 カプコンキャラとSNKキャラの上半身絵のギャップ。 なぜ別の人に描かせたのか疑問(しかもかなりタッチが違うし)。 SNKグルーヴ側だと、カプコンキャラとSNKキャラにギャップはないのに・・・。
今回の目玉がRATIOシステム。 RATIO1〜3のキャラクターに分かれ、 合計RATIO数が4になるようにチームを組む、というもので、 3&1、2&2、2&1&1、1&1&1&1、の4種類の組み方ができることになる。 そのRATIOの差は、技自体の強さというより、 基本的な防御力と攻撃力の差だと思っていい。 で、そのRATIOの比から考えると、 RATIO1はRATIO2の半分の強さ、RATIO3の1/3の強さ、のハズなんだけど、 どうにもRATIO1がそれほど弱くない印象。 RATIO1キャラは、もっとみそっかすな強さで、サポートキャラ的な存在でよかったと思うんだけどなぁ。 一般的には不評なようだけど、ボスクラスのキャラがそれなりの強さを発揮するし、 限られた中でチームを組ませる楽しさがあるので、 自分としては、このシステム自体は支持派。 さらなる練り込みを期待したい。
その戦闘システムはいたってシンプルで、 攻め、守り共に特殊なシステムは皆無といっていい。 ダッシュ、大ジャンプ、回り込みと、システムだけ見ると『KOF』チックだけど、 空中の敵を見てから落とせる程度のゲームスピードで、空中ガードもないので、 地上での間合いの取り合いがメインとなり、やはりカプコンの格闘ゲームの感覚に近い (ま、カプコンが作ってるんだから当然っちゃ当然なんだけど)。
CPU戦も、最近の対戦格闘ゲームでは珍しくマイルドな難易度。
気になったのは、隠し要素(主にEXキャラの出現)に使うポイントが、 ソフト単体ではかなり溜り難いこと。 アーケードモードを1回クリアして得られるのが大体400ポイント弱で、 RATIO2のEXキャラ1体をゲットするのに必要なポイントが3000ポイント。 ネオポケがあると溜まり易いらしいんだけど、 ネオポケを持ってることがプラスになるっていうのはOKなんだけど、 それに引っ張られるように、ネオポケを持ってない人にマイナスになるような調整はいかがなものか。 せめて、CPUの難易度を上げれば得られるポイントが増えるとか、そういうフォローが欲しかった。
今のところ、DCの対戦格闘ゲームでは一番の好印象。 シンプルだけど面白く、 特に『KOF』をマトモにプレイしたのは95までだった自分としては、KOFキャラも新鮮で楽しい。 ある意味、そんな途中で『KOF』から脱落したようなプレイヤーがメインターゲットなのかもしれない。 そういう人達に、もう一度対戦格闘ゲームを盛り上げてもらいたい、そんな意図を所々に感じる。
ネオジオが『KOF2000』で終わりを迎え、 カプコンの2D格闘ゲームもあらかたひと段落してしまった今の状況で、 この『CAPCOM vs.SNK』が単なる集大成的なゲームになるのではなく、 ここからが始まりとなるようなゲームとなった事を非常に嬉しく思う。 というわけで、この先にも期待したいワケなんだけども、 次作はまだ『KOF』vs『ストリートファイター』でいいんじゃないかな? RATIOもシステム自体は支持してるので、 RATIOシステムを練り直し、今の方向性のままキャラクターを増やしたような続編を希望。

REPORT『アコンカグア』
Playstation
09/07/2000
割と最近SCEから発売されて、 端から見てても驚くべき埋もれっぷりだったこのゲーム。 フルポリゴンのADVということで、 ジャンル的に好みそうだからいずれプレイしようと思ってて、実際にプレイしたものの・・・。
パッケージ裏には 「南米最高峰「アコンカグア」に事故で墜落した旅客機から奇跡的に生き残った5名の乗客。 絶望的な状況の中、生きて下山することを決意する彼らの前に立ちはだかる自然の猛威・・・。 さらに、謎の武装集団が彼らの命を執拗に狙う。 乗客たちは果たして、このアコンカグアから生きて下山できるのだろうか!?」 とあり、 「戦慄のサバイバルアドベンチャーが今、始まる。」 ともある。 更に、 その乗客のうちのひとりが、 軍部政権に支配されたメルーザという国の民主化運動のリーダーの女性で、 実はこの事故はその軍部政権によって行われた暗殺行為だった、という設定。 結構面白そうでしょ? が、なぜ、こういう面白そうな設定なのに、ここまでつまらないゲームになったのか。
まず、かなり意外だったのが、そのゲーム形式。 『バイオ』系のキャラクターを実際に動かすタイプではなく、 『クロックタワー2』のように、画面の場所を指定することで間接的にキャラクターを動かすタイプ。 当然、『バイオ』のような戦闘の要素も無し (パズルの一環として敵を倒すってのはあるんだけど)。
そして、5人のキャラクターを切り替えながら別々に操作していく。 キャラクターを切り替えながら進めていくっていうところには、 DC『エスピオネージェンツ』みたいな楽しさのエッセンスは感じる。 ただ、複数の人間を一度に動かせず、それぞれ別個に移動させる必要があるのがやや面倒。 自分がいる場所に他のキャラクターを呼ぶ、 みたいなコマンドがあれば随分プレイし易くなったと思うんだけどな。 また、複数のキャラクターが同時進行で行動することができないので、ちょっと間延びする印象もある。
比較的短めのシーンがあり、それをクリアするとセーブポイント(セーブするかどうか聞いてくる)になるという形式で、 面クリア型のADVといった感じ。
かなり豊富にあるイベントシーンは、フルポリゴンで構成されており、 パッケージ裏の画面写真を見れば分かるとおり、PSにしてはかなり質の高いグラフィック。 ただ、これはイベントシーン用のグラフィック(多分、解像度も高い)で、 ゲーム本編のグラフィックはまぁ平凡。 このお陰で、イベントシーンに入る前には短い(2、3秒)ながらも画面が暗転する読み込み時間があり、 せっかくフルポリゴンのゲームなのに、ゲーム本編とイベントシーンの間にギャップを感じる。
キャラクターのモーションは丁寧に作られてるし、 イベントシーンではメインは英語なんだけど、南米ということでスペイン語のセリフの音声もアリと、 しっかり作られている。 ただ、和製ゲームのクセして、日本人の主人公が日本語を全く使わない (日本人と喋る時ですら流暢な英語を使ってた)ってのは謎だが。
結局、どこが悪いのかというと、 やはり「緊張感」と「サバイバル感」が完全に欠落してるとこじゃないかな。 雪山が舞台なのに、雪山っぽさを感じさせるのは序盤だけだし、 (期間的に短いってのもあるんだけど)サバイバルを感じさせる要素もない。 時折ある時間制限イベント以外はほとんどリアルタイム性がなく、 5人のキャラクターを切り替え切り替えダラダラ進めるシーンが続く。 謎解きも平易すぎる。 ひとつのシーンが短いこともあって謎の規模も小さく単純で、詰まることがない。
おそらく、緊迫感とか緊張感はイベントシーンで楽しめ、ってことなんだろうけど、 まずそういう方向性自体に無理があるし、 イベントシーンの見せ方にしても、それほどウマいとは思えない。
ストーリーは、まぁB級アクション映画並み。 ストーリー的に盛り上がる場所はさほど見当たらない。 せめて、キャラクター間の会話にもっとバリエーションを持たせて、 キャラクターに深みを持たせるような仕掛があればまだよかったんだろうけど。
ゲーム部分がダラダラしてるにも関わらず、 プレイ時間が4時間ちょっとってのも問題。 ゲームに対してあまりボリューム、ボリューム言いたくはないんだけど、 そのストーリー、ゲーム内容の密度の薄さを考えれば、これはヒドすぎる。 映画にあこがれてただけの人間が、何かの間違いでゲームを作ってしまったような作品。 かといって、映像表現の部分でも特筆すべきものはない。 丁寧には作られている、ただそれだけ。 クリア後には、 シナリオ・演出が凡で、肝心のアクションシーンが肩透かしだったアクション映画を見終わった時のような気だるさを感じた。

REPORT『ウィンバック』
Nintendo64
09/06/2000
任天堂とコナミスポーツ以外のゲームの埋もれっぷりが激しいN64だけども、 この光栄から発売された『WINBACK』もそんな一本かもしれない。
ゲームは、任務を遂行していく3Dアクションシューティングで、 PS『サイフォンフィルター』『メタルギアソリッド』N64『ゴールデンアイ』あたりの同系で、 その中でも、ゲーム的に一番近いのは『サイフォンフィルター』かな。
一番の特色はその操作系で、 このタイプにしては珍しい、レバーを入れた方向に進むタイプ。 で、プレイヤーの動きをカメラがルースに追いかける感じ。 このプレイヤーの動きとカメラの向いてる方向のチグハグさが大きなネックで、 瞬時に状況を把握することが難しく、乱戦・混戦に非常に弱い。 よって、物陰に隠れつつする銃撃戦の雰囲気はいいんだけど、それだけになっちゃった印象。 また、敵の近距離攻撃のダメージの高さ (ナイフは手榴弾と同等のダメージで、2回で死亡)も、 システム的な乱戦での弱さを逆手に取ってる感じで、非常に腹立たしい。
こういうゲームで重要になってくるロックオンも使い難い。 ロックオンできる距離が中途半端 (十分に目視できる距離なのにできず、しかも、その分かれ目になるようなところに配置される敵が多い)で、 その距離が武器によって変わる(しかもビミョーに)システムも感覚的に理解し難い。 さらに、ロック中に視点を動かせないのもイタい。
日常的に使う武器が3種類、特殊なのが3種類と、 武器の数がさほど多くないにも関わらず、 その使い分けの必要性がほとんど感じられない (ちなみに自分の場合、最終面を除き、ほとんどハンドガンのみで戦った)。
カメラの操作は左右の回転しかできず、全体的にマップも平面的な感じを受ける。 メリハリを付けるためか、時折カメラが固定されるシーンがあるものの、 そのお陰で見たい方向が見れなかったりで、正直言って煩わしいだけ。
さすがに『メタルギアソリッド』なんかよりは、任務遂行感があるにしても、 パズル的な要素も少なく、結局決められたルートを進んでいくだけという内容だし、 メリハリに欠け、同じトコロを何度も行き来させらるマップ構成もあって、 ちょっとダラダラしたところがある。
モーションパターンの豊富さが、ウリのひとつになってるんだけど、 最も基本となる主人公の走りモーションがややヘッポコなのはいかがなものか。 敵が音を認識して攻撃してくるってのもウリらしいんだけど、 基本的に敵がかなりニブい&相当おバカで、何かをきっかけに湧いてくるような敵も多いので、 あまりそれの恩恵は感じられなかった。
さらに非常にいただけないのは、 取ってつけたような即死トラップと、 (前述の乱戦での戦い難さも一因なんだけども)理不尽なボス戦。 その2点で、ムダに難易度が上がってる感じで、 同じ難しさでも、『ゴールデンアイ』や『サイフォンフィルター』のような心地よい難しさとは言い難い
グラフィックはソコソコ。 特に力が入ってるのが顔で、ポリゴンキャラなのに美形さを感じさせるのは64クラスでは珍しい。 逆に、その割を食った感じで、腕、足もショボめだし、手、足先はさらにショボい。 背景などは、ハードの特性の関係もあってか、『ゴールデンアイ』の雰囲気に近いかな。
デモ間も含めて、垂れ流しっぽいBGMはマイナス。
数々の不満点はあるものの、 撃って物陰に隠れて、また顔を出して撃って、という銃撃戦の感覚はなかなかで、 そこそこ楽しめた。 隠れた名作とまでは言わないけど、 その埋もれっぷりに比べれば、もうちょっと評価されてもいいソフト。