REPORT『ブラストドーザー』
Nintendo64
1997年3月21日発売発売:任天堂 開発:RARE
64初期のゲームで、レア社の64デビュー作でもある。 発売当初は(ユーザー層が限られていたこともあって)パッとしなかったものの、 その後、レア社の認知度が上がるにつれ評価が高まっていき、 現在は64の隠れた良作という評価が固まりつつある一本だと思われる。
一見すると大味そうなゲームに見えるし、 当時のTVCMやパッケージからもそういう方向性を感じるものの、 実際には、結構なパズル要素もありアクション度も高めな本格派アクションゲームになっている。
ワールドマップ上で各ステージはクモの巣状に繋がって構成されていて、 ステージをクリアしていくにつれ行ける範囲がだんだんと広がっていく。
通常ステージは2つのミッションからなり、 ミッション1は、汚染物質を搭載しながら暴走している(といっても、まっすぐにゆっくりと動いてる) トレーラーの進路を塞ぐ障害物を破壊していくという内容で、 ミッション2は、その汚染されたステージ内に100個ある汚染物質浄化装置「RDU」を起動させ、 ステージ内にある全ての建造物を破壊するという内容になっている。
通常ステージでプレイヤーが操るメカは計8種類。 車両系は、正面からぶつかるだけで障害物を破壊していくブルドーザー型の「ラムドーザー」、 ドリフトしてのテールスライドが一番の武器である大型トラック型の「バックラッシュ」、 ブースト機能がありそれと地形を利用しての上空からの体当たりが武器となるバギー型の「スカイフォール」、 車体の両サイドにパンチ攻撃を行うトレーラー型の「サイドスワイプ」、 ミサイルで射撃する変形バイク型の「バリスタ」の5種類。 ロボ系は、背中のジェットブースターによって空中を自由に飛び回れる「Jボム」、 タックルのような格闘攻撃を行う「サンダーフィスト」「サイクロンスーツ」の3種類。 使用するメカはあらかじめ設定されているものの、 ステージ内にある他のメカに乗り換えることもできたりするし、 あるいは、メカから降りて、列車やクレーンなどのギミックを動かすなんてことも。
ゲームの前半ではミッション1で苦労することはない。 特にテクニックも必要ないし、どんどんと障害物を破壊できる。 一方、ミッション2は意外にアクションパズル的な要素が含まれているので、前半はこちらが歯ごたえがある。 ただ、後半(というか終盤)になるにつれ、ミッション1の難易度が上昇し、 ゲーム的なウェイトが逆転する感じになる。 ここらへんの作りは実に上手い。
また、トレーラーが出現しないサブゲームステージも、 通常ステージと同程度あるいはそれ以上にマップ上に点在する。 サブゲームは、周回コースを時間内に走りきる「タイムトライアル」ステージがもっとも多く、 他に、ステージ内の建造物を時間内に全て壊すステージ、 ステージ内にあるRDUを時間内に全て作動させるステージなどがある。
各ステージは箱庭的に作られており、視点は斜め上方向からに固定(向きはCボタンユニットで変えることができる)。 よって、ラジコン的な感覚でメカを操縦していくことになり、 実際、操作も画面中のメカ向いている方向を基準にしたラジコン操作が(特に車両系では)推奨されている (一応、画面の行きたい向きにレバーを入れるという操作も用意されている)。 自機メカにはダメージという概念がなく、 ドドーッとドリフトをしたり、段差でビョーンとジャンプしたり、坂道を転がるように落ちていったり、 そんなメカ達の豪快な挙動はこのゲームの面白みのひとつだろう。
ボリューム的にもかなりのものがある。 通常ステージ、サブゲームステージ合わせて計50以上のステージがあり、 通常ステージをクリアすると各ミッション毎に計2枚のゴールドメダルが得られ、 サブゲームステージではクリアタイムによってゴールドメダル、シルバーメダル、ブロンズメダルが得られる。 で、全てのステージでゴールドコインをゲットすると、 数ステージのエキストラレベルが出現。 さらにエキストラレベルのステージのゴールドメダルを全て集めると、 タイムアタックモードに突入し、通常ステージのミッション1もタイムアタックの対象になる。 また、そのタイムによってはゴールドメダルの上にプラチナメダルもある。 全ての要素を極めるには相当なプレイが必要になるだろう。 自分的にはプラチナメダル集めはパスだけど、それでも十二分にプレイのし甲斐があった。
難点は視点と操作性で、それらによって必要以上にイライラが増幅されてるところがあるのは気になる。
まず視点に関して。 客観的視点によるラジコン的感覚が楽しいのは確かなんだけど、 それによる周囲の情報把握のし辛さがゲームの足を引っ張ってるのも、また確か。 一応、視点の左右回転はできるもののほとんど実用性がないし、 ある程度の視点操作をプレイヤーが行うようなタイプにした方が良かったんじゃないだろうか。 あるいは、このような視点にするのであればもうちょっとカメラを引いて周囲が見渡せるような視点を用意して欲しかったし、 もうちょっと実用性のあるレーダーが欲しかった。
次に操作に関して。 それほど大きなポイントではないんだけど、 車両系の操作は前進ボタンと後退ボタンが基本となってるものの、 前進後退のギアチェンジとアクセル&ブレーキの方がわかりやすかったかな、とは思う (ボタン数的にキビしいのかもしれないが)。 最大の問題は、各メカそれぞれに無駄に(と思える)操作性の難点があることだろう。 「ラムドーザー」は、これだけ後退時の左右操作が他のメカと逆になってるというのが謎。 まぁ、現実のブルドーザーに則したんだろうけど、そんなんで「おぉ、ブルドーザーっぽい」と思う人なんて極々少数だろうし、 そうなると結局はただの混乱の元でしかない。 「バックラッシュ」は肝心のテールスライドの制御のし難さ。 破壊力があるので決まれば爽快感があるのもの、 出せるスピードに結構制限がある上に、ドリフト状態での制御も難しい。 おそらく、これがゲーム通して一番厳しい操作ってことになるんだろう。 もっとしっかりとひとつの技っぽいものにするか、 あるいはトレーラーのようにもうちょっと車体の長いメカにするなどのフォローがほしかったところ。 で、一番のストレスになるのが「バリスタ」。 基本的な操作でも、なんせ車体が軽いので、 操作がクイックすぎるし何かにぶつかったときにも跳ね返りすぎる。 そして、ミサイル攻撃も非常に扱い難い。 普通にまっすぐ飛べばいいのに、なぜか迫撃砲のようにある程度の放物線を描く。 加えて、車体の向きに撃ってしまう(例えば、加速して瞬間的に車体が上を向くと上に向かって撃ってしまう)のもイラナイ仕様だった。 ロボ系では「Jボム」。 ロボの基本操作は行きたい方向にレバーを入れるというタイプなんだけど、それだとどうしても細かい操作ができないので、 このJボムの場合は、操作タイプをラジコン操作に変える必要があるステージが出てくる。 で、ロボはレバーを前に入れると前に進むという仕様がなんとも混乱の元 (車両はデフォルトだとAボタンで前進)。 また、ジェットブーストを使って空中に行ったときには、床や横の壁との遠近感のつかみ辛さが辛いし、 一部のステージではそれがモロに試されるのがキビしい (特に、壁に接触して即死の場所はキビしい)。
と、操作関係と視点にやや不満はあるものの、かなりの熱中度で熱くなれたゲームだった。 ただ、プラチナメダルは置いとくとしても、それでも難易度は高めで、 アクションゲームが苦手な人だと、オールクリアはかなりキビしそう。 その見た目とは裏腹に、どちらかというと “思うようにならない操作を乗り越えていくというある種のストレスを楽しむゲーム”ってとこがあるので、そこは要注意。
しかし、これでレース系と国内未発売のを除いた64のレア社製ゲームは全てプレイしたわけだけども、 改めて、キビしさを保ちながらそのギリギリでバランスを取るのが非常に上手いメーカーだな、と思った。 恐るべし。
2001年9月15日記載

REPORT『シャドウハーツ』
PlayStation2
2001年6月28日発売発売:SNK 開発:サクノス
スクウェアを退社した人たちによって設立されたサクノスの最新作。 といっても、ネオポケのゲームを除けば、『クーデルカ』に続く2作目ということになる。
かなり多くの部分で『クーデルカ』から方向転換され、 よりオーソドックスな(言い換えれば“新鮮味に欠けた”)RPGになった。
『クーデルカ』同様、一枚絵の背景+ポリゴンキャラという手法なんだけど、 カメラは概ねかなり引いた視点なので、バイオ系ADVというよりもPS1期の『FF』に近い。 よって、視点の切り替わりの回数は少ないので (しかも、切り替わるときにはかなりの間があるので)操作で混乱することはない。
『クーデルカ』は舞台が狭く、大きなストーリーの中の1エピソードという感じだったのに対し、 『シャドウハーツ』は舞台も広くなり、ひとつの大きなストーリー(一般的なRPGの規模)になった。 ゲームの流れ的にも、 ワールドマップから地名を選択してその街へ行き、ダンジョン的なものをこなしてボスを倒して次の土地へ、というよくあるタイプに。 当然、敵を倒せばお金が手に入り、街では買い物ができたりする。
戦闘もキャラクターを駒のように動かすタイプではなくオーソドックスなものになったし、 キャラ育成も戦闘による経験値で単純にレベルアップしていくだけで意図的に育てるような要素はなくなった。
イベントシーンでは音声は皆無、モーションはブツ切れと、SFC時代のRPGの絵を変えただけという印象。 ハートマークや汗などの小さなフキダシでキャラの感情を表現するあたりも、なんとも古臭い。 テキストも極めて凡。RPG的。 世界観を壊すような内輪ウケっぽい(ゲームであることをネタにしてるような)ネタもチラホラ。
CGムービーの数は少なめで、 その代わり、実写を細工したムービーや一枚絵に音声をつけたようなムービーでの演出が目立つ。 ちなみに、音声は全て日本語。
ゴシックホラー調な部分もスッカリ影を潜めてしまった。
んまぁ、『クーデルカ』の良かった部分は何も継承されてないと思った方がいい。
そんな中、この『シャドウハーツ』を特徴付けるシステムは「ジャッジメントリング」ということになるんだろう。 円形のリングの中をバーが回転し、 通常は1回転するうちにリング内の「ヒットエリア」でボタンを押すと、その行動が成功する、というもので、 戦闘では通常攻撃、魔法、アイテムなどあらゆるアクションをこれで行い、 ヒットエリアの端に「クリティカルエリア」という威力が約2割増になるゾーンが設けられる。 適度なアクション要素としてピリッとしたスパイスになってるのは確かなんだけど、 その一方でゲームの根幹を支えるシステムにまではなれてないとも思う。 クリティカルを狙うのならまだしも、行動を成功させること自体はそう難しくない (自分の場合、ゲーム中の累計データによると、約9割が成功だった)わけで、 ありきたりな戦闘システムの上に乗っけただけという現状を考えると、 これがなくてもゲームとして成り立ってしまったんじゃないだろうかと思ってしまう。 実際、ジャッジメントリングの旨みが感じられたのは、 ヒットエリアが見えなくなる代わりに攻撃力が二倍になる「心眼」を装備したときくらいだったし。 戦闘システムをまずジャッジメントリングありきでゼロから構築するべきだったんじゃないだろうか。 また戦闘以外でも、イベントの成否、ショップでの値切りなどでも使うことになり、 全てのことをロール(サイコロ振り)で解決するテーブルトークRPG的な考えはわかるんだけど、 これらはむしろネックとなってしまった。 ショップでの値切りは、わざわざ10%区切りで行うので(アイテム取得により最大40%まで行える)非常に面倒。 ヒットエリアの場所によって値切りの割合が決まるとか、もうちょっと工夫できたように思う。 イベントの成否に関しては大抵何度でも繰り返して行え、 成功させたときの見返り、失敗したときのリスクがないので、 全く意味がなく面倒なだけになってしまっている。
他に戦闘で変わったシステムといえば「フュージョン」と「サニティポイント(SP)」がある。 「フュージョン」は主人公ウルの特殊能力で、装備したフュージョンモンスターに変化し戦うというもの。 フュージョンモンスターによって性能や特殊技能が違うので、 このゲームの戦闘中では唯一と言っていいほど選択肢のある行動といえるかもしれない。 ただ、なぜフュージョンモンスターを装備する必要があったのかは疑問。 そもそも後述のSPによって制限されるため、戦闘中にフュージョンを使えるのは大体1回が限度だし、 その上であえて3種類のモンスターしか装備できないとした理由がワカラン (ちなみに、最終的にゲットできるフュージョンモンスターは、 6つの属性それぞれに3段階と無属性のが2体と計20体)。 その「SP」は毎ターンに1ずつ減っていき、 ゼロになると「暴走」という混乱に似た状態になってしまうというもの。 ただ、これを消費する技はウルのフュージョンだけだし、 回復させるにはアイテムを使うしかない (しかも、大量に回復させるアイテムはない)と、かなり消化不足な要素となってしまった。
「ジャッジメントリング」によって誤魔化されがちだけど、 どうにもこの『シャドウハーツ』の戦闘は面白みに欠ける。 根本的な難点は、戦闘中にできる行動の幅が少なすぎるということだろう。 戦闘に参加する人数は3人と少ないし、全体的に魔法の数も少なく、戦闘中に装備品を変えることはできない。 敵を意図的に特殊状態にするのはザコ相手にもほぼ不可能(かなり確率が低い)だし、ボスには全く効かない。 そんな諸々の理由から、どうにも戦闘の戦略性が低くなってしまった。 ボス戦にしても、全体に対する状態変化攻撃が多くその場で対処するには限度があるので、 結局、一度戦ってみて使う技を知ってからその状態変化を防ぐ装備をして再チャレンジ、ってなことが多い (で、大抵の場合、そうすると余裕で勝ててしまったりする)。 イベントシーンがキャンセルできないので、かなり鬱陶しい再プレイとなることもしばしば。
加えて、戦闘中の演出もマズい。 通常攻撃は基本的に3発のコンボ攻撃となっている(ヒットエリアが3箇所ある)んだけど、 その通常攻撃のモーションがショボい上に冗長。 ジャッジメントリングによってある程度テンポが悪くなってしまうのは明らかなんだから、 もうちょっとスッキリとしたモーションを心がけるべきだったろう。 また、魔法などの特殊攻撃は地味めで見栄えがしないし、 パーフェクト(全てのヒットエリアでクリティカル)時にこれといった演出がないのも寂しい。 カメラワークがチャチな為に、状況がわかり辛いこともあったし、 せっかく良好な敵キャラのデザインも生きず、やはり見栄えがしない。
戦闘前後のローディングのストレスはほぼ皆無なことと、 成長に自由度の無いゲームということもあってか、全編を通して戦闘のバランス自体は悪くなく、 少なくとも、敵が弱すぎると感じることはほとんどなかったことが救いか。
ダンジョンは面白くない。 その手法的に移動できる場所がわかり難いというのもあるし、 何より、仕掛けが面白くない。 もうちょっと動的な仕掛けがほしかったところ。
グラフィックは凡。 というか、PS2でこれはちょっと・・・、というレベル。 背景の一枚絵がどうにも精度が低い感じで、かなりキャラクターが浮きぎみ。 『フェイズパラドックス』でも感じたんだけど、こういう手法を使うにしても、 PS2であれば更なる表現力が期待できそうなもんなんだけどな・・・。
ただ、クリーチャーのデザインは、結構マガマガしい感じが出ててナイス。 全体的に線が細めで題材が題材なだけに、『真・女神転生』の金子氏を思わせる。
お次はストーリー関係。
時代は20世紀初頭。前半は中国を舞台にし、後半はヨーロッパを舞台に話が展開する。 で、実は話的にも『クーデルカ』の続編ということが、中盤を過ぎたあたりで判明する。 『クーデルカ』の性質上、特にプレイしてなくても問題のない作りにはなってるけど、 プレイしていないと中盤から終盤にかけてのイベントがかなり淡白に感じられるかもしれない。 そもそも『クーデルカ』自体があまり一般的には受け入れられなかったのだから、 あえてストーリーをリンクさせる必要はなかったんじゃないかと思うんだが。
キャラクターそのものは魅力的だし、 ストーリーそのものも悪くない。 ただ、前述の通り、イベントシーンが盛り上がらないことこの上ないので、 ストーリーもどこか淡々として盛り上がりに欠けてしまっている。 ヨーロッパ編の出だしはもっとネチっこく描いても良かったと思うし、 精神世界ももうちょっとつっこんで欲しかったし、 一応世界を救うという話の割には世界のありよう(生活感)を実感できるような仕掛けが不足しているとか、 まぁ不満もそれなりに。
主人公ウルの予想以上にアホでチンピラチックな性格には好感を持ったし、 キャラクターそのものはなかなか魅力的だと思う。 が、その見せ方に問題アリ。 どちらかというと画面上のキャラクターは記号というタイプのRPGで、 テキストと顔ウィンドウをメインにイベントが進行していく。 だったらだったで、顔ウィンドウでちゃんとキャラクターの表情を表現してほしかったところで、 顔ウィンドウに全く変化がないのは納得がいかない。 「そいつが喋ってるんだよ」ということだけを表現するのであれば、キャラの名前だけで十分なんだから。 ムービー中のCG、ゲーム中のモデリング、説明書などのイラスト、顔ウィンドウ内のイラスト、 それぞれがてんでバラバラなイメージになってしまっていて、 このゲームほどキャラクターの顔が見えてこなかったゲームも珍しい。 また、パーティが最終的に6人まで増えるのに、 戦闘に参加するのはそこから3人を選ぶ(主人公のウルはほぼ固定なので、大抵残りの2人を選ぶことになる)という仕様も、 キャラクターへの思い入れを減らす要因になってしまっている。 ストーリーそのものにほとんど絡んでこない女スパイ「マルガリータ」、吸血鬼「キース」は果たしてパーティキャラとして必要だったのか。 その分を主要キャラに当てた方が話が膨らんだんじゃないだろうか。
実は『クーデルカ』同様、エンディングが2種類用意されており、 自分が見たのはバッドエンドの方。 「未消化な要素があるなぁ」とは思ってたんだけど、てっきり話がもっと続くのかと思ってた。 ただ、『クーデルカ』もそうだったように、むしろバッドエンドの方がアリな終わり方な気もするので、 この路線で話をまとめた方が面白いものになったんじゃないだろうか。 しかし、数十時間のプレイ時間があるRPGで、こういうわかり難い形での分岐を設けるのはどうかと思うな。 そうそう何周もできるゲームでもないんだから(自分は2周目ですらパスだが)、 最低限、バッドエンド後にはもう片方のエンディングへの道が示されるべきだったろう。 じゃないと、「こういうゲームなんだ」で終わっちゃう人も多いと思うぞ。 一方で、隠しダンジョンとかのストーリーが変化しない範疇での細かい分岐(?)が豊富なのは良し。
プレイ時間は30時間弱といったところで、案外「短いぞ!」っていう不満の声が多いらしいけど、 舞台が大きく変化していくので、思っていたほど規模が小さいという感じは受けなかった。 スコア要素があったり分岐をしたりと、一応、何度か繰り返し遊ばせようという意図を感じるものの、 戦闘と成長に幅がないゲームとあっては、繰り返し遊ぶ気にはなれない。
雑誌記事で見かけたときから気になってたのは、会話テキストのフォントがなぜか丸文字風なこと。 ある意味、間抜けなウルにはあってると言えるかもしれないけど、 作品通して考えれば、完全に場違いなチョイスだろう。
音楽は、あまりRPGっぽくないように作ってるであろうにも関わらず、“無難”という感想。 『クーデルカ』ほどは印象に残らなかったな。
最後に説明書について (といっても、自称「オリジナルブックレット」ということなので、いわゆる取説ではないんだけど)。 ゲームにとっての説明書はいろいろと工夫の余地がある場所だと常々思ってる。 でも、これは違うでしょ。 映画監督・石井克人氏(「鮫肌男と桃尻女」「PARTY7」の人ね)とシャドウハーツの監督(?)板倉氏の対談や、 その板倉氏を初めとしたゲームスタッフのコメントなどなど。 最後にはスタッフプロフィールなるものがあって、それぞれの最初の紹介は、 監督・脚本「第三世代のゲームデザイナー」、サウンドコンポーザー「サスライのパンクス」、 クリーチャーデザイナー「稀代の暗黒グラフィッカー」、グラフィックデザイナー「こだわりの背景絵師」。 全てがお寒い。 ファンブック的なノリは雑誌や攻略本でやってくれい。 全ての人がプレイ前に読むべき情報を載せる、それがゲームに付属する小冊子の役目だろうに。 ちなみに、取説内でのゲームの説明は見開き1ページで基本操作のみ。 あとはゲーム中のヘルプで解説している。 このこと自体は悪くないんだけど、 解説が文字だけなのでややわかり難いとか、ヘルプ内の検索性が低いとか、改善の余地はある。
あえて普通のRPG的じゃない世界観でRPGを作ったことは評価する。でも、それだけ。 せっかくのジャッジメントリングという発想も、こういう形にしてしまっては台無しだろう。 演出面に関しても、『クーデルカ』的な手法で規模を拡大するのが労力的に難しいってのは理解できるんだけど、 もうちょっとなんとかならなかったものか。 前作『クーデルカ』が結構ツボだっただけに、なんとも肩透かしな一本だった。 意外と冒険せずに無難な作りになってるだけでそこそこ遊べてしまうってのが、RPGというジャンルのタチの悪さか。 更に言わせてもらえば、 説明書といい、佐藤藍子を起用したトホホなTVCM(もっとも、それ以外のTVCMも誉められたもんじゃなかったが)といい、 ゲーム製作以外の部分にももうちょっと気を配ってほしかった。
2001年9月11日記載

REPORT幕末浪漫第二幕 月華の剣士』
Dreamcast
2000年12月21日発売発売:SNK
おそらく、歴代のSNKの対戦格闘ゲームの中で、最も評価が高いもののひとつなんじゃないだろうか。 AC版の稼動開始時期は1998年11月ということなので、かなり時期が経ってからの移植ということになり、 DC版が発表された当時も、移植されること自体に驚いた記憶がある。 このDC版の発売は、比較的近い時期に同じく対戦格闘ゲームの『ギルティギアX』『燃えろ!ジャスティス学園』が重なってたので 発売日に買う気にはなれず、それ以後、何となく買う機会を逃してた一本だったりする。
ちなみに自分の場合、前作『月華の剣士』はゲーセンで結構プレイしていて、 その後、ゲーセン自体にほとんど行かなくなってしまったこともあって、 この『第二幕』は全くの未プレイという状態でDC版の購入ということになった。
このシリーズの2大特長といえば、 まず、相手の攻撃を無効化する当て身的な「弾き」というシステムが共通のシステムとなっていること。 そして、キャラクターセレクト後に「剣質」というものを選択し、 パワー重視の「力」と連続技重視の「技」を選ぶことができること。
今作で追加されたキャラクターは、 パッと見は鷲塚に似てるけどコマンドが溜め系ではない「真田小次郎」、 硬体術という短時間ハイパーアーマー化する技を使う「刹那」、 居合を使い全般的に技の出が早く戻りが遅いという「高嶺響」、 前作ではボスキャラのひとりだった「嘉神慎之介」、というクセが強めの4人。
旧キャラ12人にも、それぞれ結構な変更が加えられたので、なかなか新鮮な気持ちでプレイができる。
また、基本システムにも細々とイロイロな改良・変更がなされた。
基本操作部分では、 まず投げがレバー+大斬りではなく蹴り+弾きボタンになった。 カプコンの『ストリートファイター3』などでも見られた変化だけど、 特にこの『月華』では特殊で隙が大きい大斬りが多いだけに、当然の変化といえる。 弾き関係では、レバーを前に入れながら弾きボタンで行った必殺技弾きという概念がなくなり、 上段弾き、下段弾きで全ての技が弾けるようになった。 これもゲームの方向性を考えれば当然の変化だろう。 また、レバー操作+弾きでの「ガードキャンセル弾き」も追加され、 連殺斬で固められた時などに使えるものの、 ゲージを消費することもあって、やや影が薄いシステムとなっている。
他、ガードクラッシュ的な武器落とし&それに伴う素手状態も廃止された。 2D格闘ゲームの中ではそれほどガードが安定しない部類のゲームなだけに、これも当然か。
剣質関係では、前作では『ストZERO』のオリジナルコンボのような次々と自由に技を出す技だった「技」の「乱舞奥義」が、 今作では、『鉄拳』シリーズの10連コンボのようなある程度ルートが決まっている技になった。 各キャラそれぞれ4つのルートに分かれているんだけど、 技を見ながらコマンドを入力するのはほぼ不可能で、 テンポ重視で一気にコマンドを入力していく。 発動を小斬りボタンで行うか大斬りボタンで行うかで、 出だしの判定を中段、下段が選べ、初弾がヒットすれば全弾ヒット、 そうなれば概ね体力の1/2前後を奪う。 空中でヒットしても吸い込んだようにヒットしたりもするしで、 前作のような飾りようなシステムではなく、ちゃんと実効性のあるシステムになったといえる。 というよりも、この存在によって剣質「技」に一発屋感が強まってしまったのは本末転倒な気も。 コンボになる部分と連携になる部分でメリハリを付けたほうが良かったんじゃないかと思う。
そして、問題なのは剣質「極」の追加だろう。 「力」と「技」それぞれの長所を全て兼ね備えた剣質で、その代わりに防御力が低く、ゲージが溜まり難い。 AC版から隠し要素として存在していたものなんだけど、 正直、この「極」の存在は正気を疑うものがある。 単発だが強力な「力」か、非力だが連携・コンボに強みのある「技」か、 この二者択一がこのゲームの大きな魅力だったはずなのに、 そのどちらも否定するようなこの「極」の存在は理解できん。 家庭用オリジナルのオマケ要素としてならまだしも。
全体的に、前作よりはバランスが取れてるように思うけど、 この「力」or「技」っていう部分が若干薄れてしまったように感じるのは残念。 欲を言えば、力はもっと力っぽく、技はもっと技っぽく進化してほしかったところ。
さらに気になったのは全般的な入力のシビアさ。 コマンド入力自体にはクセはないんだけど、タイミングがシビアなものが多い。 それを代表するのは奥義乱舞だろう。 見て入力することはほぼ不可能で、指でタイミングを覚える必要がある (さらにルートも憶える必要がある)ってのは、かなりキビしいものがある。 連携技というよりひとつの技という色が強いにも関わらず、 実用レベルで使えるようになるためには、かなり練習が必要ってのはいかがなものか。 その他も、必殺技の追加入力技のタイミングなども、意外にシビアめだったりする。
当然、グラフィックは“ネオジオなり”ということになり、 背景のドットの粗さなどは今となっては気になるものの、 逆に、ドット絵としてのレベルは高い。 ステージ前のデモやエンディングでは、その2Dならではの演出が心地よい (キャラの顔のデザインがイマイチ安定してないのはちと気になるが)。 ただ、蹴り・小斬り以外でフィニッシュすると、キャラが真っ二つに切れてしまう演出は、 かなり場違いな印象だった。『ヴァンパイア』じゃあるまいし。 また、ストーリーが全体的に暗く、演出・音楽もそういう方向で統一されているだけに、 一部のギャグ系エンディングもやはり場違いな印象だったな。
で、ここからは移植、ゲームの装飾部分について。
主なモードは「アーケード」「サバイバル」「プラクティス」。 「サバイバル」は一定時間内に敵をどんどん倒していくもので、 自分は全くダメージを受けないというちょっと変わったタイプ。
ステージ間のローディングは、カプコンの格闘ゲームなんかと比較してしまうと若干長めに感じる。 簡易キャラセレクトや、ステージ間の演出をカットできるようなオプションがほしかったところ。
また、キーコンフィグが中途半端で、 アーケードスティックのZボタン、Cボタンに役割を割り当てられないってのは、純粋に手落ちだろう。
CPU戦の難易度は、ネオジオものの割に案外遊び易い難易度になっている。 8段階の難易度も、カプコンのよりはメリハリがついており、 レベル1では敵は弱いし、レベル8ならかなり強く感じられる(デフォルトは3)。 ただ、さすがにラスボスが強いのは当然としても (まぁ、それでも単発のダメージがデカすぎとは思うが)、 やや特殊なキャラである、 一発のダメージがデカく隙の少ない突進技のゴリ押しと万全の対空対応な「天野」と、 何より、ケズりキャラである「骸」が飛びぬけて強いのはどうかと思った。
AC版未プレイの自分的に気になったのは、 説明書が相当に説明不足なこと。 投げやガードキャンセル弾きの入力法が不明だったり、 キャラ別の必殺技のコマンド表が思いっきり不完全だったりってのは、かなり論外。 元々、クセの強いキャラが多く、変わった技が多いだけに、 システム&技を一通り解説したような攻略本は必須だろう。
最後にDC版オリジナルのオマケ要素である花札モードについて。 『月華』キャラが散りばめられたセンス溢れるオリジナルの花札のデザインは非常にナイス。 ただ、そのデザインがゲーム中にわかり難いのが残念 (ギャラリーモードでは閲覧可能)。 そのアレンジによって、それが何の札なのかわかり難くなってるので、 札の拡大表示をもうちょっと親切におこなってほしかったところ。
移植モノとしての物足りなさはあるものの、 対戦格闘ゲームとしては、やはりSNKの中ではひとつの頂点だと思う。 カプコン格闘ゲームにはないような、そして武器格闘ゲームならではの豪快さが楽しめ、 その一方でちゃんと対戦ツールとしても使えるようになっている作りは大いに評価できるだろう。 家庭用オリジナルのモードは物足りないものの、 アーケードモードのCPU戦は、むしろカプコンの格ゲーよりも楽しめるかもしれないし、 ネオジオCD版よりも移植度は高いらしい (当然、ローディング時間も比較にならないほど短いらしい)し、 2D格ゲー好きなら必携の一本と言ってもいいんじゃないだろうか。
しかし、それでも“体力が少なくなったら超必殺技が撃ち放題になる仕様”が必要なんだろうかね? SNKがココにこだわる理由がワカラン。
2001年9月8日記載

REPORT『エースコンバット3 electrosphere
PlayStation
1999年5月27日発売発売:ナムコ
フライトシミュレータをよりゲームチックにディフォルメした “フライトシューティング”なるジャンルを確立した『エースコンバット』シリーズの第3作目。
今作の最大の特徴は、ゲームの流れはほとんど変わらずに、 近未来のSF的世界に舞台を移したこと。 とにかく、発売直後から賛否両論、というか、旧作ファンから非難轟々だったのはこの部分で、 「これ、飛ぶの?」ってな戦闘機がバンバン出てきたり、 宇宙に飛び出したり、光学兵器が使われたりと、さすがに萎える。
ストーリーの概要は、 国家に変わって権力を持った2大企業の対立を軸に、 国際的な平和維持組織が絡んでくる3すくみ的な構造と、『アーマードコア』を思わせる内容で、 さらによりキャラが前面に出て、アニメ的な味付けをしたような感じ。 自分がどの陣営に移るかという途中の分岐によってストーリーが変化し、 全5種類のエンディングを迎えることになる。 分岐といっても、自分の立場が変わっていくだけであまり話の大筋は変化せず、 全てのルートを辿ることによって物語の全容が掴めるような仕掛けになっている。
ステージ間のイベントシーンでストーリーが進行していき、 そのほとんどが、 ゲーム中のニュース番組とキャラクターとの会話(というか、一方的に話してくるだけ)で構成されていて、 時折ムービーも挿入される。 キャラクターの会話はフルボイスで、 キャラの顔ウィンドウが一枚絵ではなくちゃんと状況に応じて表情や仕草を変化させることには好感が持てる (まぁ、一方的に話してくるだけという形式だからこそできた演出ではあるんだろうけど)。 ムービーはCGとセルアニメを合成させたもので非常にハイレベル。さすが。
ミッションが始まる前の行動選択画面では、物語をフォローするように用語解説的なコマンドがある。 細かい設定がイロイロとあるのはわかるが、それよか登場する各戦闘機の解説がほしかったところ。
ストーリーそのものに関しては、 メインキャラは総じて青臭く大物は総じて小物最後のオチも、途中で「もしかして?」と思ったんだけどやっぱりで「うそーん」な感じ。 また、分岐によって断片的に見せていくという見せ方ゆえに、 そのそれぞれは中途半端な印象になってしまった。 大まかな構成に面白みがあったのは確かなんだけど、 こういう形式で見せるには限界があったように思う。
「ストーリーはアレだけど、ゲーム部分は良いよ」ってのが一般評のようだけど、 ゲーム部分にも物足りなさを感じる。
まずはフライトシューティングとしての部分。
グラフィックは、地面が表示される範囲の狭さはいかんともしがたいものの、全体的にハイレベル。 空気感や日差しの表現が上手なので、なかなかリアルな雰囲気に仕上がっている。 残像表現など、ゲーム中に挿入されるエフェクトも上手い。
計器の表示関係では、 円形のラインによって、方向と地面に対しての角度を示しているのが目新しい。 ただ、なぜか機体を背後から見る視点にするとコレが表示されず、 それ以外の地面に対する方向を知る計器がないので、 (特に夜間は)自分の向いている方向を見失い易い。 一応、セレクトボタンを押しっぱなしにすると水平に戻るというなんとも邪道なフォローはあるものの、 そういうボタンが必要になるという状況が、そもそもオカシイ。 また、上部、下部、共に無駄なラインがあってちょっと邪魔に感じる。
操作感で非常に気になったのは、 左右ロールとピッチアップ・ダウンを同時に行う操作 (例えば、ロールしながらピッチアップやピッチアップしながらロールなど、レバーを斜めに入れる操作)が、 なんか滑らかじゃなく、ぎこちなく感じたこと。
右レバーで視線が動かせるというのは面白い試みなんだけど、 敏感過ぎる上に、なぜかレバーを下に入れると下を向くという仕様で変更不可なので、 ほとんど使い物にならなかった。
ゲーム通して気になったのは、ロックオンの使い勝手の悪さ。 ロックオンして攻撃するのが基本なゲームにも関わらず、 ロックオンボタンを押すとどの敵をロックするのかが曖昧なのが致命的。 ある敵をロックしていても、目の前に他の敵が出てきたらそれをロックしてしまったりと、 同じ敵をずっとロックし続けることも難しい。 ロックボタンを押しても、必ずしも画面中央にいる敵をロックするわけじゃないし。 中途半端な自動化がむしろ逆効果になってしまっている。 で、ロックした敵との距離によってレーダーの縮尺が変わり、 一番範囲が狭いレーダーじゃないとレーダーに敵の向いている方向が示されないので、さらにタチが悪い。 1vs1の戦いが淡白で、1vs多という状況にならざるを得ないこのゲームで、これはイタい。
ということで、1vs1の戦いは非常に淡白。 苦労するのも、戦闘機とは思えない動きをする終盤のボスくらいのもので、 マトモなドッグファイトを楽しむような機会はほぼ皆無。 その代わりといってはなんだけど、 一度に戦う敵の多さは見事(サボってる敵が多いような気もするが)。 一応、味方機がいる場合がほとんどなんだけど、一緒に戦っているという感覚は希薄。
全体的に難易度が低すぎで、緊張感に欠けるのもいただけない。 ミサイルの弾数も多すぎるとも思うし、 例えば時間制限のあるミッションであるとか、もっと緊張感を持たせる工夫がほしかったところ。 よって、メリハリに欠ける印象になってしまって、ちょっとダラダラしたところがある。 ミッションの合間に、着陸や空中補給などのイベントがあるのに、 それらがスタートボタンでキャンセルできてしまうのもヌルい。
で、そんな一方で感じるのは、せっかくSFを舞台にしているのに、 フライトシューティングというゲーム形式が足枷になってしまってるな、ということ。 SFを舞台にした3Dシューティング(例えば、PS『コロニーウォーズ』など)と比較すると、 下手げに自動化されている部分が多く、なんとも淡白で物足りない印象になってしまった。 舞台設定がゲームにとって全くプラスになっていなかったように思う。
全体的にローディングのストレスがかなり少ないのは非常に好感が持てる。 メニューやそのバックなどの『シルバー事件』を思わせる近未来的なデザインは、 一部にわかり難い部分もあるので、良し悪しか。
現代戦闘機を題材にした舞台設定に限界を感じたのは理解できるんだけど、 にしても、あまりにも(『エースコンバット』的に)場違いな舞台設定になってしまった。 結局、このフライトシューティングっていうジャンルは、 あくまでも“現代戦闘機をお手軽に楽しめる”というところに特徴があったはずで、 それを忘れてしまってはイカン。 かといって、SFの3Dシューティングとしては、 遊びのバリエーションに物足りなさがあるわけで、 “迷走”という言葉がピッタリな珍品になってしまった。
2001年9月3日記載