REPORT『スパイロ×スパークス』
PlayStation
2000年3月16日発売発売:SCE 開発:INSOMNIAC
スパイロ・ザ・ドラゴン』の続編。 なんせ発売されたのがPS2発売直後だし、前作が「プロモの割に・・・」なゲームだったこともあって、 前作に比べて格段にプロモ量が減ってしまい、かなり一般的な知名度が低いゲームになってるんじゃないだろうか。
滑空アクション「グライド」を活用する3Dアクションゲームというのは変わらないものの、 さすがにイロイロと改良されている。
まず、ゲームの形式に若干の変更アリ。 前作は、ゲームの進行によって憶えるアクションとかはなかったのに、 今作では、ゲームの進行によってアクションを憶えていく機会ができた(といっても3つだけだけど)。 そして、ステージ内の流れも、 “道中に散らばる宝石を集めながらゴールまで行く”が基本なのは前作同様ながらも、 今度は「オーブ」をゲットという要素が生まれた。 これはそれぞれのステージに2〜4つあるものので、ステージ内のキャラクターに話し掛けることによって始まるミニゲームなどでゲットしていく。 つまり、逐一オールクリアしていくんじゃなくて、ある程度ステージを進んだら前のステージに戻って・・・という流れになり、 ミニゲーム満載な作りになったということで、 より任天堂の(というかレア社の3Dアクションゲームに近い作りになったと言える。
操作系では、 LRキーによる左右ころがりという操作が排除され、 主観視点ボタンと、カメラをスパイロの背後に移動するボタンが別になった。 通常ダッシュ中にもジャンプできるようになったのも、地味ながらも嬉しい改良。
アクション関係では、前述の通り、ゲームの進行によって憶えていくアクションとして、 「水中に潜る」「(特定の)壁をよじ登る」「ジャンプ中に真下にヘッドバッドする」が追加された。 また、主観視点で狙って攻撃するという要素が追加。 これらはゲームに幅を持たせてることになったのでグッド。
一番嬉しいのは、視点のストレスがかなり軽減されたこと。 それは、カメラを背後に動かすボタンのレスポンスが格段に向上したからで、 前作ではLRボタンによるカメラ左右回転と同じスピードでモッサリ動いたのに、 今作ではシャキッ!と動いてくれるようになった。 ただ、それ以外の視点の難点に関しては全く改善されていない。 いぜんとしてカメラが地形や他のキャラにひっかかるような状況は多いし、 LRキーによるカメラ回転は相変わらずスピードが遅いし、 相変わらずキーコンフィグがないので、回転の左右も自分の感覚と逆のまんま。 何よりイタいのは、移動と共に自動に調整される部分だろう。 特に高低の移動をしたときにカメラのスパイロを追う力が弱く、 ジャンプして階段を上っていくと、数段上った頃にはスパイロは画面上端にきてしまうくらい。 また、なぜかダッシュ中にカメラを背後に動かすボタンを押すとビミョーにスパイロにブレーキがかかるし、 そのボタンは押したときに背後に動くだけで、押しっぱなしにしても背後にカメラが固定されているわけでもないので、 これも使い勝手が良いとは言いがたい。 特に○○を追いかけるというシチュエーションでは四苦八苦させられる。 最低限の改良がされたとはいえ、もっと根本的なところで改良が必要だったんじゃないだろうか。
グラフィックはやはり優秀。 見える範囲の広さといい、ポリゴンの歪みの少なさといい、64並といっても過言ではない。
キャラクターは若干日本でもウケる風に改善した兆候があるものの、それほどの効果は無し。華が無い。 今作でタイトルに持ってきたスパイロの相棒「スパークス」も、 「おじゃる丸」の「デンボ」から知性を削り取って無機質にした感じで、全く生きていない (ちなみに、ゲーム中の役割としては前作同様、スパイロの代わりにダメージを受けてくれるという体力ゲージ的な存在になっている)。 サブキャラにしてもポリゴン数に限界があるとはいえ、もうちょっとなんとかならなかったものか。 そして、やはりセリフに頼りすぎな感がある。
ステージの雰囲気も、若干俗っぽくなった感じがする。 華やかになったとも言えるけど、神秘的な雰囲気はやや薄れたか。 あと、ステージの地形のダイナミックさということでは前作の方が上だったような気がするな。 ちょっと普通のゲームになってしまったかな、というのはある (前作をプレイして慣れてしまった部分もあるんだろうけど)。
音楽はやはりイマイチ。やはり垂れ流し感が強く印象に残らない。
難易度は、前作と比べたらやや上がった感じもするけど、 いぜんとして3Dアクションゲームの中ではやや簡単な部類で、 クリアだけじゃなくて、完全クリア(宝石、オーブを全て集める)もそんなに難しくない。 まぁ、まだ淡白さはあるももの、前作ほどの物足りなさはないんじゃないかな。
前作よりかなり遊びやすく、そして遊べる内容になってるし、 前作をプレイする必要がない続編となっているので、オススメと言いたい所なんだけど、 もうちょっと視点関係をなんとかしてもらいたかったなぁ・・・。
2001年9月29日記載

REPORT『シェンムーII』
Dreamcast
2001年9月6日発売発売:セガ 開発:AM2
結局、前作から1年半以上待たされることになった『シェンムー』の2作目。 セガCEOの香山氏からは、“Dreamcastのラストキング”なる、ある意味、嬉しくない称号を頂戴してしまったんだけど、 売上げ的にはまさにそういう存在になるんだろう(とりあえず、未知数な『サクラ4』は例外として)。
ゲームの形式的には前作からの大きな変化はない。 アドベンチャーゲーム的に街の中を探索しながら、 その途中に「QTE」や「フリーバトル」が挿入されるというもので、 特に新しい要素があるわけではない。
ビジュアル的なクオリティが格段に向上したわけでもない。 もっとも、元々が頭ひとつ抜けたものだっただけに、一連のPS2ソフトなんかと比較してもそう見劣る感じもしないんだけど、 表情はやや硬いし、視線の動き・手のひらの動きの少なさには物足りなさを感じる (まぁ、ここらへんはこのゲームに限らず、ポリゴン人形劇共通のこれからの課題だろう)。 しかも、今回はジャギーやチラツキが目立つ背景がちょいちょい見られて結構気になる。
前作同様、音声の音質はイマイチだし、 マップの地区を移るときのローディング時間はかなり長め (イベントシーン中にテンポを崩すようなローディングがないのはエラいが)。
にも関わらず、間違いなく前作以上に楽しい作品になってるのは、 各種の改良が効いているというのもあるし、 何より、『シェンムー』というシステムが生きる場所に舞台が移ったからだと思われる。
前作から改良された点で一番目立つのは、 時間、場所のショートカットができるようになったということだろう。 例えば、「○○時に△△に来い」というイベントがあった場合、その場所に行けば自動的に待つことができ、その時間まで跳ばすことができる。 また、機会はそんなに多くないんだけど、移動する場所を選択するだけでその場所にワープしてくれるようなところもある。 話の流れを滞らせないという点では、この改良は地味ながらもポイントが高い。 ただ、個人的には前作の不自由さはむしろ好感を持ったところなので、 今作で、そういうヒマ潰しの手段に向上が見られなかったのは残念。 技を1人で練習するような機会はなくなってしまったし、 金を稼ぐ手段も、ギャンブルを除くとかなり限られてしまっている。 加えて、日常的なアルバイトの内容が、前作のフォークリフトに比べると格段に面白みに欠けるのもイタかった。
画面左下にマップが表示されるようになったのも、今作はマップが複雑なだけに非常にありがたい。
設定を変更することによりアナログキーでも移動できるようになったのも、 人によっては嬉しいところだろう。 まぁ、自分は歩きながら割と周りを見渡す人なので、デフォルトのまんまでプレイしたんだけど。 操作系では、上を押すと上を向くという操作にどうにも慣れなかった。 視点上下の操作を逆転させるコンフィグは、こういう操作のあるゲームでは必須としてもらいたいぞ。
QTEでは、一連のコマンドを一気に入力する「コマンドQTE」が追加された。 若干コマンド表示がわかり難いものの、全編を通して非常に良いアクセントになっている。
フリーバトルでは、向いている方向によって技のコマンドが変わってしまうという難点は相変わらずで、 視点的にも周りの状況がわかり辛い時が多くなった気がする。 走ることと避けによって状況を打破しやすいので救われてるけど、やはり根本的な改良が必要だったと思う。 そんな中、一部で主観視点のフリーバトルが追加された。 視点が定まってるので意図していない技が暴発することはほとんど無いし、迫力もあるしと、これがなかなかグッド。 できれば、決められたバトルで主観になるというのではなく、 コンフィグで変更できるとか、戦闘中に視点変更できるとか、そういう仕様にしてほしかったところ。 また、フリーバトル中にQTEが挿入されるというのも面白い試みで、 熱いシチュエーションが多かった。 1vs1で戦う機会が増え、個性的な敵が増えた(『バーチャファイター』を連想させる敵もいたりする)のも、 前作よりフリーバトルが楽しく感じる要因だろう。
と、いろいろと改良はされたものの、 やはり最大のポイントは、舞台が中国に移り、魅力的なキャラクターが増えたというところにある。
個人的には、前作で感じた“今までのADVにはなかったような土着感、一体感”というのは、 日本を舞台にしたからではないだろうかと思っていたので、 舞台を中国に移す今作ではそこらへんがどうなるか、ちょっと心配していた。 しかし、それは杞憂だったようだ。 異常に描き込まれた街並み、街で生活している数多くの人々、時間によって変化する風景、日々変わる天候、 それらを主人公と近い視点で体験することによって、 不思議なリアリティをもたらしてるのは前作同様。 今作の場合は、まさに未知の国の街を一人歩きしてるような感覚になれた。
舞台は、DISK1とDISK2で香港、DISK3が九龍城、DISK4が桂林と移っていき、 そのそれぞれのマップが前作と比べて非常に大きい。 香港は、商店街程度の小さな街がひとつの地区となって、それらがちょっと複雑に繋がっている。 一応、画面右下にその地区のミニマップは表示されるものの、それだけでは把握しきれるもんでもなく、 街に立ってるマップを見て場所を把握するあたり、なんとも『シェンムー』らしい。 一方の九龍城は、地上のマップの大きさはさほどではないものの、 ビルが乱立しており、そのビルの構造が実に複雑(まぁ、状況的にそこを迷いながらうろつく場面はないんだけど)。
さらに、今作では主人公「涼」の周りに魅力的なキャラクターが増えた。 DISK3から登場するレンはその代表で、そのチンピラチックな性格は非常に楽しい。 涼と接点ができる女性キャラも多く、華やかだし、 敵役のオカマキャラにもウケた。 そもそも、涼が血の気が多い割にかなり朴訥な性格なだけに (って、これはこれで魅力なんだけど)、周囲にこういう華があるキャラが増えたのは非常にナイス。
という舞台とキャラを生かしながら、前作に比べて物語の密度が上がった感じがする。 少なくともDISK3までは話が順調に盛り上がるし、 謎となっていた部分も徐々に明らかになっていく。
ゲーム的にも、 QTEが連発するようなシーンではよりアクションなシーンが増えたし、 フリーファイトがチンピラ相手で終わらないのも良く、 どちらもより生かされたと思う。
ポリゴンによるイベントシーンは、 実写だと簡単には実現できないようなカメラワークを取り入れたりと工夫が感じられるし、 全体的に動的や躍動感のあるカメラワークになってたりと、 このテの中でもかなりハイレベルのカメラワークなんじゃないだろうか。 相変わらず、武術関係のイベントシーン(技伝授とか)はベタながらも熱いものがある。
また、イベントシーンに限らず、陰影の処理がかなりしっかりされていて、 その陰影の使い方が非常に上手なことが、 不思議な現実感の元になっていると思うし、 街にしても、ある程度起伏があったりと立体的な作りになってるのもポイントが高い。
舞台が中国に移ったことにより、元々中国の香りが強かった音楽は更に映え、作品とのマッチング感も高まった。
例のごとく、欲を言ったら限が無いゲームなわけだけども、 特に、何か目的を持って行動しているとその目的についての会話しかできないのは残念だった。 せめて主要キャラに対しては、いつでもある程度のテーマによって話し掛けられるような作りにしてほしかったところ。 また、技関係はもうちょっと凝ったシステム(技の進化・改良とか)にしてほしかったな。
不満というか要望はいぜんとしてあるものの、 仮想現実感という点では、いまだに他のゲームの追従を許さない作りになってるし、 今作ではそういうものと物語の進行が上手くマッチングし、かなりの良作になったんじゃないだろうか。 自分的にもかなりツボにハマって熱くなれた。
と、いうのは、DISK1〜DISK3までの話。 いただけないのは、どうにも取って付けたような印象のDISK4。
それなりに見所はあるし、 シェンファとの二人旅というマッタリとした展開そのものは嫌いじゃないんだけど、 この『シェンムーII』という物語の全体から考えると(終劇に向かっての展開と捉えると)、 やはりテンポが崩れていると思う。
当然、この流れでは話を完結させることはムリなのだから(実際に全然完結していないのだが)、 本来ならば、DISK3で終了させ「TO BE CONTINUED」というのが筋だったろう。
なのになぜこうせざるを得なかったか、というところに問題の根本があるんじゃないだろうか。 DCがこういう状況になった以上、(どういう形であるにしろ)続編が出るかどうかはあやしくなったわけで、 思うに、そこで強引にシェンファとシェンムーを登場させなきゃならない状況になったんだろう。 つまり、DISK3で終わってしまったら「おい、シェンファは結局出ないのかよ!」ってことになる、と。 この問題の根本は、そういう状況に陥ったことにある。 これはDCの状況云々の問題ではなく、 要するに、初期の段階からシェンファの存在を出しすぎた、ってことであって、 『シェンムー』の概要が初期の段階で固まって無さすぎた、『シェンムー』全体を捉えて作品を作れなかった、ということ。 前作のタイトルが『シェンムー 1章』で、今作が『シェンムーII』ってところにもそれが窺える。 そして、前作からの期間も経ちすぎた。 話的に完全に連作なのだから、せめて1年おきくらいで(つまり去年末あたりに)出して欲しかったところ。
RPGというジャンルをゼロから解体したようなところがあり、その考え方は良かったと思う。 実際に他にない良さが生まれたし題材的にも面白いんで、これで終わってしまうには勿体無いんだけどなぁ・・・。
あ、ちなみにこれ単品で良作なんだけど、やはり前作をプレイしての続編だと思うし、 改良されたとはいえ前作を全く楽しめなかった人が楽しめるゲームかっていうと疑問なんで、 どうせプレイするならやはり前作からどうぞ、ということになる。
2001年9月27日記載

REPORT『D.N.A. Dark Native Apostle
PlayStation2
2001年9月6日発売発売:ハドソン 開発:タムソフト
地味に発売され、地味に消えていくであろうアクションアドベンチャーゲーム。 キャラからかなり引いた視点、そして地面に爆弾を設置して攻撃ということで、 あるいはPS『サイレントボマー』のような埋もれた良作な可能性もあるかと果敢にチャレンジしてみたものの・・・。
ちなみに、開発したのはタムソフト。 代表作は、タカラから発売したPS『闘神伝』シリーズ、PS『チョロQ』シリーズ(ただし最新作のPS2版は違うっぽい)、 タムソフトとして発売したPS『Knight & BABY』など。 最近だとPS2『オレが監督だ!』(発売はエニックス)、PS2『Dog of Bay』(発売はマーベラスエンターテイメント)の開発と、 なんともカオスなソフトメーカーである。
ゲームは、かなり引き気味のいわゆるクォータービュー視点をメインに進行していく。 視点的にはMD『ランドストーカー』、SFC『シャドウラン』あたりの雰囲気に近い。 で、基本的にLRによって視点が回転できる(一部、固定の場所もアリ)。
“遺伝子実験の結果、右手から爆弾を生み出せるようになった”という設定の自キャラの攻撃手段は、 その爆弾を地面に設置しての攻撃と、武器系アイテムを使っての直接攻撃(素手状態でのパンチを含む)の2つ。
爆弾攻撃には『サイレントボマー』ほどのレスポンスの良さはなく、 一度に設置できる個数もかなり限られている(通常は単発、多くても2発くらいしか設置する状況にならない)ので、 爽快感、面白み、どちらの面でもイマイチ。 爆弾設置ボタンを押しながら移動すると導火線を延ばせ、爆発までの時間を延ばせるものの、 1、2箇所にあるあからさまにそれを使わせるパズル以外ではほとんど使う機会はない。
でも、そんな爆弾攻撃以上に武器攻撃はタチが悪い。 近接攻撃は、なぜか(マジで原因不明)なかなか思った方向に攻撃できない。 銃器での攻撃は、やはり思った方向に攻撃できない上に、 ボタンを1回押すとまず構え、2回目のボタンで撃つ、という仕様のお陰で、咄嗟に攻撃できないのもイタい。 さらに、上下方向へのホーミング性が皆無で、空を飛んでる敵、地面を這ってる敵には全くヒットしないってのも使い辛い。 初弾がヒットすればそのまま敵を倒すまで(もちろん、あるいは弾が切れるまで)ヒットし続けるので、 全く使えないわけではないんだけど、使っていても面白くないし、 持てるアイテム数には限度があるので、使用回数制限のある武器なんぞより体力回復剤を持っておきたいというのが正直なところ。
戦闘のつまらなさは、ジャンプを除けばこれといった特殊移動行動がないの原因だと思われるし、 敵の攻撃を避けるという要素や、敵の弱点を付くという要素が極めて薄いのもイタい。 終始、ボムを置いて逃げるだけ
ボスも淡白。 その割に、ボスの体力が表示されず、 絵・音のエフェクトに工夫がないので、 こちらの攻撃がダメージを与えてるかどうかがわかり難いのが困りもの。
このゲームのシステム的な最大の特徴は、「バイオチップ」に関するシステムだろう。 主人公の腕には4つのチップをセットするスロットがあり、 そこに「爆発力」「スピード」などのバイオチップを装備することで自キャラの能力を強化するというもので、 そのバイオチップの組み合わせによっては特殊能力が使えるようになったりする。 チップによって強化できるパラメーターは 「HP」「EP(爆弾設置時や特殊能力使用時に消費する値)」「Power(爆破力)」「Range(爆破範囲)」 「Speed(移動スピード)」「Jump(ジャンプ力)」「Weight(体重)」「Fuse(導火線の長さ)」の8つ。 自キャラ強化という点での問題点は、 これらの数値が相互作用してしまい、例えば、PowerとRangeを同時に強化することが不可能だったりすること。 そもそも、同時に装備できるチップは4つまでという制限があるのだから、 こういう形での更なる制限が必要だったか、何を意図したものなのか、かなり謎だ。 また、WeightとFuseは強化するメリットが全くワカランなど、どうにも練りこみ不足の感がある。 特殊能力に関しては、セットするチップの組み合わせだけじゃなく、 セットする順番によって特殊能力が変わってくるので、 莫大な組み合わせがあることになり、自前で試行錯誤して特殊能力を見つける気になれない。 チップの組み合わせだけでもかなりの種類があり、それで十分だと思うので、なぜあえてこういう仕様にしたのかも謎だ。 (謎を解くのに必要とかじゃなく)通常時に活用できるような特殊能力が極めて少ないのも問題。 こちらの要素も、やはり練りこみ不足だろう。
で、戦闘以外のアクションもイマイチ。 ジャンプに妙な浮遊感があることは置いとくとしても、 そもそも、そういうアクションを使わせるようなシーンが少なすぎで、 例えば、ジャンプや特殊能力を駆使すると変わった場所に行けるとかの要素も弱く、意外に移動の自由度が低いのも気になる。
とにかく、戦闘全般で面白みに欠けるというのが、ゲームを通じての大きな欠点。 また、ジャンプ関係のアクションも面白くない。 つまり、アクションゲームとして面白くない、ということになり、 せっかくカメラを引いてよりアクションゲーム的なものにしようとしたであろうにも関わらず、 それが生かされたとは言いがたい内容になってしまった。
謎解きという部分では、 『バイオハザード』なんかに比べれば、それなりに工夫されていて面白みがあると思う。 同じところを行き来させることが多いのがちょっと気になるけど、 それもマップ関係が不親切なことによって余計にそう感じてしまうんだろう。 似たような場面が多く、LRキーで視点を回転させることができるので、どうにも全体的な構成がつかみ辛い。 にも関わらず、好きなときにマップを見ることができず、 ところどころにある案内看板を調べるときにマップが表示されるのみ。 アイテム的にマップをゲットできるような仕掛けにした方が良かったんじゃないだろうか。
で、完全にボリューム不足。 プレイ時間云々以前に、 いろいろな要素が消化不足で全て基礎的な使い方で終わってしまっているという、 ゲーム的な懐の狭さが気になるところ。 特殊能力にしても、各能力の使わせ方のバリエーションが足りず、 1、2箇所で短絡的な使わせ方をして終わり、なんてのがほとんど。 加えて、プレイ時間に関しても問題アリ。 どうプレイしても10時間を超えるような内容ではないし(自分の場合は7時間弱)、 その割には繰り返してプレイできるような仕掛けは皆無。難易度設定もナシ。
グラフィック的な特徴は、キャラクターがトゥーンシェイディング処理をされているところだろう。 アクションゲームでこういった処理がされているのは、意外に少ないように思う(それこそDC『ジェットセットラジオ』くらいか)。 ただ、元々のキャラクターの絵・動きに魅力がなく、 その上、視点的にどうしてもキャラクターが小さくなってしまうので、イマイチそういう処理が生かされなかった感はある。 イベントシーンのキャラクターにも同様の処理がされてるものの、 立体的なキャラクターにトゥーンシェイディング的な陰影を付けるという感じで、 一般的なトゥーンシェイディングとはちょっと雰囲気が違う。 さらに、こういう処理をしたからかどうかは知らないけど、 なぜかキャラクターだけ解像度が低く相当に“粗い”という印象でジャギーが非常に目立つ。 トゥーンシェイディングという手法を用いるのであれば、 もっとコミック的な方向で統一するような努力をしてほしかった。
一方で、背景はそれなりに描き込まれており、結構好感が持てた。 もうちょっと「調べる」ボタンで調べられるものが多ければ、設定や世界観が膨らんだと思うのだが。
ストーリーは良し悪し以前に言葉不足という印象。 主人公が実験体であるという部分にもっと重みを置くべきだったし、 過去の遺物に関してはもっと説明するべきだった。 そして、その過去の遺物という要素と遺伝子操作という部分を、もうちょっとリンクさせる物語にすべきだったろう。
ゲームのどこを楽しませたいのかが全く伝わってこない、 どこをとっても中途半端で、惰性で作られたという感じを強く受けたゲームだった。 個人的には、もっと爆弾というものにこだわったゲーム内容にするべきだったと思うし、 アクションゲームとしてもっと煮詰める必要があったと思う。 『サイレントボマー』の爪の垢を煎じて飲ませてやりたい。 で、そういうアクションゲームを作る能力がないのであれば、 もっとADV的な部分をアピールした作りにすべきだったろう。
しかし、こんなゲームをプロデュースしてるようでは、そりゃハドソンの現状にも納得ってもんだよなぁ。
2001年9月23日記載

REPORT『ゼロガンナー2』
Dreamcast
2001年9月6日発売発売:彩京
前作『ゼロガンナー』はMODEL2基板で作られたゲームで、 『シルフィード』『レイストーム』みたいなパースの付いた視点と、 いかにも彩京風の弾がなんともアンバランスという印象の地味なシューティングゲームだった。 で、まずそれに続編が出たことに驚いた。 で、ゲーセンでそれをプレイしてみて、予想外に新しく面白いゲームに仕上がってることにさらに驚いた。 NAOMI基板とはいえ、ゲーム的に地味な上に時期が時期なので移植は半ば諦めてたんだけど、 それがめでたく移植され、また驚いた。
操作はレバーによる移動と、ショットボタンと「ターンマーカー」ボタン、ボタン同時押しで「オプションアタック」 (AC版では時折暴発してたので、DC版で別のボタンに設定でき3つボタン仕様にもできるのは意外に嬉しいところ)。
このゲーム最大の特徴はその「ターンマーカー」にある。 このボタンを押すと自機の前にマーカーが現れ、 そのままボタンを押しっぱなしで自機を移動させるとそのマーカーの向きに向き続けるというもので、 もちろん、ボタンを離せばその時の向きに固定される。 これによって、ボタンひとつだけで360°自由に攻撃できるということになった。 それに伴い、スクロール方向も360°自由に変化していく。
前作のようなパースはないけど、 360°から攻撃を受け、こちらも360°に攻撃できるという感覚は、シューティングゲームとしては新しいものがある。
また「オプションアタック」関係にも特色がある。 これは最近のシューティングには必須ともいえる緊急回避的な能力は皆無の純粋な攻撃能力で、 敵を倒すとワラワラと出現する「エネルギーアイテム」を徐々に集めて回数をストックしていく。 ショットボタンを離した状態だとそのエネルギーアイテムをゆっくりと吸い込むようになり、 これをプチプチと集めるのは感覚的に楽しい部分だろう。
自機は3種類しかないものの、 「コマンチ」は敵を貫通するサブウェポンと設置型のオプションアタックに特色があり、 「ホーカム」のサブウェポンがホーミングミサイルでザコ戦に強く、 「アパッチ」はオプションアタックが破壊力抜群、 性格付けはハッキリされている。
前半4ステージはランダムに順番が変わり、 (難易度ノーマル以上であれば)返し撃ちが追加され難易度が上がる2周目に突入するなど、 ここらへんは彩京のこれまでのシューティング同様。
グラフィックは、ハデさは無いものの何気にかなりハイレベル。 背景の描き込まれ具合もいいし、 彩京シューティングではお決まりのボスの強引な変形も、ポリゴンになっても衰えることない。 一点、ラスボスのデザイン・演出は突飛な上に華が無いと、ここには不満アリ。
残念なのは、BGMが相当パンチに欠けるということ。 これがひとつの欠点と感じるほどにパンチに欠ける。 だったらだったで、オプションでBGMのオン・オフがほしかったところ。
家庭用オリジナル要素は弱め。 とはいえ、これまでの彩京シューティング同様、8段階の難易度調整にはメリハリがあって、 そんなにシューティングが得意でない人でも十分に楽しめるように設定可。 また、レベルを下げるとオプションアタックが溜まり易くなるという仕様なので、 レベルを下げてプレイすると爽快感があるのも良い。
自分のプレイが記録できるリプレイモードは珍しいけど、 自分は特にそういう研究をするつもりはないので、活用の機会はなし。 ただ、1周クリアすると開発者のプレイが見れるようになるのは非常にナイスで、かなり参考になる。 欲を言えば、アパッチのリプレイしかないので、3機種それぞれのリプレイが見たいところではあったが。
まぁ特に凝ったオリジナルモードはいらなかったんだけど、 できればステージ別にプレイできるようなモードはほしかった(スコアアタックとか)。
新しさと楽しさが同居する、近年のシューティングではトップクラスの傑作だと思う。 家庭用向けにもう一工夫してほしかったところではあるが、 移植したこと自体に拍手だし、十分に及第点だろう。
しかし、カプコンはこのテのゲームのプロデュースからも手を引いちゃったのか?
2001年9月15日記載